28 / 89
第二章「騎士ロレンツ誕生」
28.思惑と思惑と、予想外の思惑。
しおりを挟む
(あれ、私……?)
アンナは窓から入る明るい日差しで目が覚めた。
「うっ……」
同時に襲う二日酔いという重い頭痛。頭の奥の方をずきんずきんと鉛で叩いたかの様な鈍い痛みが襲う。アンナが昨夜のことを思い出す。
「えっと、私、確かお酒を飲んで……」
部屋でひとり酒を飲み始めたのは覚えている。
「え?」
そして気付く見慣れないベッド。
青いシーツに、漂う男臭。そしてそのベッドの上に吐き出された嘔吐物。アンナの顔が青くなる。
(やだ、私……、また酔ってあいつのベッドで寝かされてる……)
しかもお決まりのゲロ。自分は一体どれだけあいつにゲロを吐き掛ければ気が済むのだろうか。アンナが痛む頭を抑えながら起き上がり大きな声で言う。
「ちょ、ちょっとおお、ロレンツーーーっ!!!」
響くアンナの声。しかし何も返事がない。
(あ、あいつ、まさか酔った私にいかがわしいことを!? そ、そりゃ、こんなに可愛くて魅力的だから手を出さないはずはないわよね!!!)
アンナは壁に手をつきながらロレンツの寝室のドアを開け叫ぶ。
「ちょっとロレンツ!! これは一体どういうこと……、あれ?」
広いリビング。
朝のまぶしい光が注ぐ部屋にはもう誰も居ない。アンナがむっとしながら言う。
「ど、どうなっているのよ、一体!!」
自分をベッドに連れ込んでおきながらその主がいないなんてあり得ない。アンナは怒りを抑えつつ水を飲むためにキッチンの方へと歩く。そしてテーブルの上に置かれたメモに気付いた。
「あれ? 何かしら」
アンナがメモを手にする。
そこには昨晩部屋の前で自分が酔って倒れていたこと、仕方なしにイコと一緒にベッドに連れて来て寝かせたこと。そして朝になったからイコは学校へ、自分は所用で出かけることが書かれてあった。
「これって、私が悪いんじゃん……」
徐々に思い出される昨晩の記憶。
確かに酔って部屋に向かったことや、太い腕に抱えられてベッドに寝かされたことがうっすらと蘇る。
「やだ、恥ずかしい……」
急に乙女のようになって恥ずかしがるアンナ。そして思い出す。
「あっ!! あいつ、確かあの女とデートぉ……、いつつつっ……」
頭痛に耐えつつ、アンナは昨晩あの色っぽい女、ミンファがロレンツが王都に一緒に出掛ける約束をしていたのを思い出す。
「ゆ、許さないわ!! 私の『護衛職』のくせに他の女と出掛けるなんて!!!」
アンナはそう言うと外出する準備のため自分の部屋へと急ぎ戻って行った。
「あ、おはようございます。ロレロレ様……」
王都噴水前。
たくさんの王都民が集まるランドマーク的な広場。待ち合わせをする人や買い物を楽しむ人など平日でもたくさんの人で賑わっている。ロレンツが噴水の前にいたミンファに声を掛ける。
「よお、待たせたな」
「い、いえ、そんなことは……」
ミンファは恥ずかしそうに下を向いて答える。
今日の衣装は昨晩とは打って変わって純白のワンピース。太陽の光を浴びて輝く銀色の長髪には大きなリボン。頭には大きなつば広帽、手には小さな籐のカバンを持ちまさに『清楚』を体現化したような女の子である。
ミンファにとってはほとんど来たことのない王都の噴水広場。少しどきどきしながらロレンツが来るのを待っていた。ロレンツが言う。
「可愛い服じゃねえか、似合ってるぜ」
(え!?)
ミンファのどきどきが更に大きくなる。
不安だったいつもの自分の服装。子供っぽい服で笑われたらどうしようと思いながらも、『好きな服で来い』と言われた昨晩の言葉を思い出し大好きなワンピースを着てきた。
「あ、ありがとうございます……」
ミンファが赤くなって答える。
大都会であるネガーベルの王都。自分のような田舎者はきっと馬鹿にされると思っていたミンファは、その認めて貰えるような嬉しい言葉が心に沁みて行くのを感じる。ミンファが言う。
「あの、ロレロレ様も素敵です……」
それはミンファの心からの言葉であった。
「ああ、で、どうする?」
ロレンツの言葉にミンファが答える。
「あ、あの、私、王都ってよく知らないんです。良ければ教えて貰えませんか?」
ロレンツが頭を掻きながら答える。
「俺もよく知らねえんだ。まだ来て日が浅いからな」
「え? ぷ、ぷぷっ、くすくす……」
それを聞いて口に手を当ててミンファが笑う。
「そうなんですか? 意外です。じゃあ、一緒に歩きましょうか」
そう言ってミンファがロレンツの太い腕に手を絡める。
「お、おい……」
少し驚いたロレンツが声を出す。ミンファが嬉しそうに言う。
「いいんです。これでお願いします」
「……分かった。これでいいんだな?」
「はい!」
ミンファとロレンツは腕を組みながら歩き出す。
(……とりあえず最初は上手く行ったようだわね)
それを少し離れた場所から隠れて見つめる真っ赤なフードを被った女。
そのフードから出る美しい艶のある赤髪。ミセルは大きなサングラスをずらしながら歩き行くふたりを見つめる。
「ロレロレが女好きだったとはね。意外ですわ……」
ミセルは気付かれないようふたりの後をそっとつけた。
「うわー、これとっても美味しいですね! ロレロレ様も食べたことあるんですか?」
ミンファとロレンツは通り沿いにあったオープンテラスのカフェに入り、名物だというドーナツのようなデザートを食べていた。外はサクッとしているのに中はしっとりと柔らかい。ほどほどの甘味がコーヒーとよく合う。ロレンツが答える。
「知らぬ。初めて食べた」
無表情でそれに答えるロレンツ。それを笑顔で受けるミンファ。
だがお互い頭では全く別のことを考えていた。
(この人、きっと全部知っているんだわ。私が置かれた状況も、計画のことも……)
ミンファは目の前に座る男を見て、自分に課せられた指示がとても困難であることを感じ取っていた。王家の『護衛職』を務めるだけの男。下手な策略など通じるはずがない。
(やれやれ、また赤髪の嬢ちゃんか……)
コーヒーカップを手にしたロレンツは、背後の影から放たれるミセルの気配をひしひしと感じていた。ハニートラップとまではいかないが女を利用した策略は、マサルト軍人時代にも似たような経験がある。
しかも今回は非常に分かりやすい。昨日ミンファを襲った男共だが、まったく殺気を発していなかった。命をかけた死線をくぐり抜けて生きたロレンツ。相手が本気なのかそうでないのかはその発せられるオーラのようなものですぐに分かる。
(まあ、さしずめこの銀髪の嬢ちゃんを俺に寄こして情報か、もしくは仲間にでもしたいのだろうな)
昨晩彼女がやって来た時に、あえてイコには能力を使わせなかった。それほど簡単に推測できる今回の事態。ここに住むことに決めた以上ある程度のことは覚悟しており、この程度は想定済みであった。ロレンツが言う。
「今日一日付き合えば、とりあえず納得してくれるのかい?」
「はい、ありがとうございます……」
その納得する相手はもちろん依頼主であるジャスター家。ふたりはあえてそれを口にしないが、お互いきちんと理解していた。
「俺で協力できることがあれば言ってくれ。できる範囲で手伝う。もしどうしようもなくなったら相談してくれ。まあ、その辺の判断は嬢ちゃんに任せるがな」
ロレンツは静かにコーヒーを飲みながら言う。
「はい、ありがとうございます……」
ミンファは心の中で白旗を上げていた。
相手の方が上手。とても自分が策を練って落とせるような男でない。
(だとしたら純粋に、真心をもって彼を落とすしかないわ……)
ミンファはそれが自分に出来る最善の方法だと思った。ひとりの女として彼を落とす。結局はそれが一番いい。そう思いながらもミンファは自分に言い聞かす。
(だけど私が、私が彼に惹かれないように気を付けなきゃ……)
ちょっと気を許せば彼に奪われるかもしれない自分の心。その心にミンファは鉄の鎖を何重にも掛けた。
(な、なんなのあれは!!!!!)
その金髪の女性は怒っていた。
刺客ミンファについてはほぼ完璧に対処したロレンツ。敵から送られたミンファをある意味完璧に返り討ちにした。すべてがロレンツの思い通りであった。
ただ、そんな彼にも思っても見なかった事態が進行していた。
(わ、私の『護衛職』のくせに、な、なんで、あんな女とっ!!!!!)
それはアンナ。
フード付きのコートにマスク、サングラス。
完璧な変装でロレンツを探しに来た彼女は、休日に他の女と密会するロレンツを見つけひとり激怒していた。敵対心を持たない彼女の気配は、ミセルにのみ集中していたロレンツには届かなかった。
そしてロレンツにとってもうひとつ、思っても見なかった事態が起きていた。
「おいおい、なんてこった……」
夕方前、ミンファと別れて自室に戻ったロレンツは、ゲロまみれの自分のベッドを見て深いため息をついた。
アンナは窓から入る明るい日差しで目が覚めた。
「うっ……」
同時に襲う二日酔いという重い頭痛。頭の奥の方をずきんずきんと鉛で叩いたかの様な鈍い痛みが襲う。アンナが昨夜のことを思い出す。
「えっと、私、確かお酒を飲んで……」
部屋でひとり酒を飲み始めたのは覚えている。
「え?」
そして気付く見慣れないベッド。
青いシーツに、漂う男臭。そしてそのベッドの上に吐き出された嘔吐物。アンナの顔が青くなる。
(やだ、私……、また酔ってあいつのベッドで寝かされてる……)
しかもお決まりのゲロ。自分は一体どれだけあいつにゲロを吐き掛ければ気が済むのだろうか。アンナが痛む頭を抑えながら起き上がり大きな声で言う。
「ちょ、ちょっとおお、ロレンツーーーっ!!!」
響くアンナの声。しかし何も返事がない。
(あ、あいつ、まさか酔った私にいかがわしいことを!? そ、そりゃ、こんなに可愛くて魅力的だから手を出さないはずはないわよね!!!)
アンナは壁に手をつきながらロレンツの寝室のドアを開け叫ぶ。
「ちょっとロレンツ!! これは一体どういうこと……、あれ?」
広いリビング。
朝のまぶしい光が注ぐ部屋にはもう誰も居ない。アンナがむっとしながら言う。
「ど、どうなっているのよ、一体!!」
自分をベッドに連れ込んでおきながらその主がいないなんてあり得ない。アンナは怒りを抑えつつ水を飲むためにキッチンの方へと歩く。そしてテーブルの上に置かれたメモに気付いた。
「あれ? 何かしら」
アンナがメモを手にする。
そこには昨晩部屋の前で自分が酔って倒れていたこと、仕方なしにイコと一緒にベッドに連れて来て寝かせたこと。そして朝になったからイコは学校へ、自分は所用で出かけることが書かれてあった。
「これって、私が悪いんじゃん……」
徐々に思い出される昨晩の記憶。
確かに酔って部屋に向かったことや、太い腕に抱えられてベッドに寝かされたことがうっすらと蘇る。
「やだ、恥ずかしい……」
急に乙女のようになって恥ずかしがるアンナ。そして思い出す。
「あっ!! あいつ、確かあの女とデートぉ……、いつつつっ……」
頭痛に耐えつつ、アンナは昨晩あの色っぽい女、ミンファがロレンツが王都に一緒に出掛ける約束をしていたのを思い出す。
「ゆ、許さないわ!! 私の『護衛職』のくせに他の女と出掛けるなんて!!!」
アンナはそう言うと外出する準備のため自分の部屋へと急ぎ戻って行った。
「あ、おはようございます。ロレロレ様……」
王都噴水前。
たくさんの王都民が集まるランドマーク的な広場。待ち合わせをする人や買い物を楽しむ人など平日でもたくさんの人で賑わっている。ロレンツが噴水の前にいたミンファに声を掛ける。
「よお、待たせたな」
「い、いえ、そんなことは……」
ミンファは恥ずかしそうに下を向いて答える。
今日の衣装は昨晩とは打って変わって純白のワンピース。太陽の光を浴びて輝く銀色の長髪には大きなリボン。頭には大きなつば広帽、手には小さな籐のカバンを持ちまさに『清楚』を体現化したような女の子である。
ミンファにとってはほとんど来たことのない王都の噴水広場。少しどきどきしながらロレンツが来るのを待っていた。ロレンツが言う。
「可愛い服じゃねえか、似合ってるぜ」
(え!?)
ミンファのどきどきが更に大きくなる。
不安だったいつもの自分の服装。子供っぽい服で笑われたらどうしようと思いながらも、『好きな服で来い』と言われた昨晩の言葉を思い出し大好きなワンピースを着てきた。
「あ、ありがとうございます……」
ミンファが赤くなって答える。
大都会であるネガーベルの王都。自分のような田舎者はきっと馬鹿にされると思っていたミンファは、その認めて貰えるような嬉しい言葉が心に沁みて行くのを感じる。ミンファが言う。
「あの、ロレロレ様も素敵です……」
それはミンファの心からの言葉であった。
「ああ、で、どうする?」
ロレンツの言葉にミンファが答える。
「あ、あの、私、王都ってよく知らないんです。良ければ教えて貰えませんか?」
ロレンツが頭を掻きながら答える。
「俺もよく知らねえんだ。まだ来て日が浅いからな」
「え? ぷ、ぷぷっ、くすくす……」
それを聞いて口に手を当ててミンファが笑う。
「そうなんですか? 意外です。じゃあ、一緒に歩きましょうか」
そう言ってミンファがロレンツの太い腕に手を絡める。
「お、おい……」
少し驚いたロレンツが声を出す。ミンファが嬉しそうに言う。
「いいんです。これでお願いします」
「……分かった。これでいいんだな?」
「はい!」
ミンファとロレンツは腕を組みながら歩き出す。
(……とりあえず最初は上手く行ったようだわね)
それを少し離れた場所から隠れて見つめる真っ赤なフードを被った女。
そのフードから出る美しい艶のある赤髪。ミセルは大きなサングラスをずらしながら歩き行くふたりを見つめる。
「ロレロレが女好きだったとはね。意外ですわ……」
ミセルは気付かれないようふたりの後をそっとつけた。
「うわー、これとっても美味しいですね! ロレロレ様も食べたことあるんですか?」
ミンファとロレンツは通り沿いにあったオープンテラスのカフェに入り、名物だというドーナツのようなデザートを食べていた。外はサクッとしているのに中はしっとりと柔らかい。ほどほどの甘味がコーヒーとよく合う。ロレンツが答える。
「知らぬ。初めて食べた」
無表情でそれに答えるロレンツ。それを笑顔で受けるミンファ。
だがお互い頭では全く別のことを考えていた。
(この人、きっと全部知っているんだわ。私が置かれた状況も、計画のことも……)
ミンファは目の前に座る男を見て、自分に課せられた指示がとても困難であることを感じ取っていた。王家の『護衛職』を務めるだけの男。下手な策略など通じるはずがない。
(やれやれ、また赤髪の嬢ちゃんか……)
コーヒーカップを手にしたロレンツは、背後の影から放たれるミセルの気配をひしひしと感じていた。ハニートラップとまではいかないが女を利用した策略は、マサルト軍人時代にも似たような経験がある。
しかも今回は非常に分かりやすい。昨日ミンファを襲った男共だが、まったく殺気を発していなかった。命をかけた死線をくぐり抜けて生きたロレンツ。相手が本気なのかそうでないのかはその発せられるオーラのようなものですぐに分かる。
(まあ、さしずめこの銀髪の嬢ちゃんを俺に寄こして情報か、もしくは仲間にでもしたいのだろうな)
昨晩彼女がやって来た時に、あえてイコには能力を使わせなかった。それほど簡単に推測できる今回の事態。ここに住むことに決めた以上ある程度のことは覚悟しており、この程度は想定済みであった。ロレンツが言う。
「今日一日付き合えば、とりあえず納得してくれるのかい?」
「はい、ありがとうございます……」
その納得する相手はもちろん依頼主であるジャスター家。ふたりはあえてそれを口にしないが、お互いきちんと理解していた。
「俺で協力できることがあれば言ってくれ。できる範囲で手伝う。もしどうしようもなくなったら相談してくれ。まあ、その辺の判断は嬢ちゃんに任せるがな」
ロレンツは静かにコーヒーを飲みながら言う。
「はい、ありがとうございます……」
ミンファは心の中で白旗を上げていた。
相手の方が上手。とても自分が策を練って落とせるような男でない。
(だとしたら純粋に、真心をもって彼を落とすしかないわ……)
ミンファはそれが自分に出来る最善の方法だと思った。ひとりの女として彼を落とす。結局はそれが一番いい。そう思いながらもミンファは自分に言い聞かす。
(だけど私が、私が彼に惹かれないように気を付けなきゃ……)
ちょっと気を許せば彼に奪われるかもしれない自分の心。その心にミンファは鉄の鎖を何重にも掛けた。
(な、なんなのあれは!!!!!)
その金髪の女性は怒っていた。
刺客ミンファについてはほぼ完璧に対処したロレンツ。敵から送られたミンファをある意味完璧に返り討ちにした。すべてがロレンツの思い通りであった。
ただ、そんな彼にも思っても見なかった事態が進行していた。
(わ、私の『護衛職』のくせに、な、なんで、あんな女とっ!!!!!)
それはアンナ。
フード付きのコートにマスク、サングラス。
完璧な変装でロレンツを探しに来た彼女は、休日に他の女と密会するロレンツを見つけひとり激怒していた。敵対心を持たない彼女の気配は、ミセルにのみ集中していたロレンツには届かなかった。
そしてロレンツにとってもうひとつ、思っても見なかった事態が起きていた。
「おいおい、なんてこった……」
夕方前、ミンファと別れて自室に戻ったロレンツは、ゲロまみれの自分のベッドを見て深いため息をついた。
1
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる