69 / 89
第五章「聖女と神騎士」
69.それを恋っていうんです。
しおりを挟む
「うわーん、うわーん!!!」
アンナはベッドの布団に包りながら大声で泣いていた。
タイミングが悪かった。
ようやく自分から歩み寄ろうとしていた矢先、ミセルがロレンツに絡む姿を目の当たりにしてしまった。
(アンナ様……)
一緒に部屋にいたリリーは今日はもう無理だろうと思った。リリーはゆっくり歩き、ドアを開いてロレンツに言った。
「今日はもういいわ。帰って」
困惑するロレンツ。奥ではアンナの泣き声が聞こえる。
「だが、しかし……」
リリーが無言で首を横に振る。
それを見たロレンツがリリーに言う。
「分かった。だが決して部屋から出るな。約束してくれ」
「いいわ。約束する」
リリーは青いツインテールを揺らしながらくるりと背を向けドアを閉める。
それを隣で見ていたミセルが甘い声で言う。
「ロレ様ぁ……」
「嬢ちゃんも部屋に帰んな」
ミセルが顔を上げて言う。
「ロレ様はどちらへ?」
「部屋に戻る」
「じゃあ、私も……」
ロレンツが低い声で言う。
「部屋に戻りな」
短いながらも圧のある声。ミセルはすぐにその意味を理解し、一歩下がって頭を下げ言う。
「分かりましたわ。でもお夕食は作って持って行きます。では」
ミセルはもう一度深く頭を下げてその場を去った。
「ふう……」
ロレンツは頭をボリボリと掻きながらひとり自室へと戻った。
「お帰りなさいませ、ご主人様!!」
部屋に戻ったロレンツをメイド服を着たミンファが迎える。
美しい銀色の長髪はアップに上げられ、粉雪のような白い肌に濃紺のメイド服がよく似合う。ロレンツの前に来て一度頭を下げてからミンファが尋ねる。
「お早いお戻りで。何かございましたか?」
ロレンツが困った顔をしながら答える。
「いやー、嬢ちゃんに叱られちまってな……」
「あー、パパ。また何か悪いことしたの??」
部屋の奥からは知ってやって来たイコがロレンツに言う。
今日はなぜか王都学校が突然の休校になり、急遽ミンファに来て貰っていた。ロレンツが答える。
「まあ、悪いことをして叱られるのはいつものことだろう」
(ぷっ)
ミンファはロレンツの家政婦をして、彼のこのような一面を見るのがとても新鮮だった。
底なしの強さを誇り仕事以外には関心がないようなロレンツ。イコとのやり取りは最初会った頃では考えられないようなほど面白いものであった。ミンファが尋ねる。
「何か食べられますか?」
「じゃあ、すまねえが、酒を……」
酒を飲もうと思ったロレンツだが、今は勤務中だと思い出しすぐにコーヒーと言い直す。ミンファはにこって笑って返事をしてキッチンへ向かった。
(ロレロレ様……)
ミンファはお湯を沸かしながらソファーに座って天井を見つめるロレンツを見る。
少し前、実家にジャスター家からの依頼が失敗に終わり、今はキャスタール家の『護衛職』の家政婦をしていると手紙を送った。
実家からはその事実を知り絶望する旨の内容と、そして王家であるキャスタール家によく仕えなさいとの言葉が書いてあった。
ただ直接は書かれていないが、国王が行方不明になり聖女になれない姫を擁するキャスタール家には何も期待していないのは明白だった。
シュー
お湯が沸く。
ミンファはそれを挽かれて粉末になったコーヒー豆にゆっくりと円を描くようかける。同時にきめ細やかな泡が盛り上がるように現れる。
(いい香り……)
ロレンツに教えて貰ったコーヒーの淹れ方。
何も言わず飲んでくれるが何度も作るうち、彼の表情でその出来栄えが分かるようになっていた。きっと些細な表情の変化だろう。他の人が見たら何も分からないはず。そんな彼の顔を見分けられるほど、ミンファはロレンツをずっと見ていた。
「お待たせしました」
フィルター越しに注がれた真っ黒なコーヒー。ミンファがゆっくりテーブルに置くとロレンツが小さな声で感謝を口にする。
「ありがとう」
「はい」
ミンファは軽く頭を下げてキッチンへと戻る。
銀髪のロレンツ。その後姿を見ながら今彼がどんな顔をしてコーヒーを飲んでいるのだろうかとミンファは目を閉じて想像した。
同じネガーベル王城にある最上階の部屋。
その広い聖騎士団長専用の部屋に、副団長キャロルを始め軍の幹部が集まっていた。緊張した面持ちのエルグが皆の前に立って言う。
「突然の招集、礼を言う」
エルグが皆の顔を見回す。
緊張した面持ちの一同が、何が重大な発表があるのだろかとエルグの顔を見つめる。エルグが真剣な顔になって言う。
「重要な話だ。驚かないで聞いて欲しい」
エルグは一旦息を吐いてからそのあり得ない事実を皆に告げた。
沈黙。
いや正確に言えば皆の耳には自分の心臓の鼓動が大きく鳴り響く音が聞こえていた。
ただその事実を知って驚きのあまりすぐに言葉が出なかっただけである。将校のひとりが震えた声で言う。
「エ、エルグ様。それは本当でしょうか……」
ようやく振り絞って出た言葉。
それは皆が思っていたのと同じ言葉であった。エルグが深刻そうな顔で頷き答える。
「残念だが、本当の話だ。今より皆に指示を与える!!」
エルグはそう言うと全ての幹部に対して、周到に準備しておいた計画通りに指示を出した。
「アンナ様……」
ひとしきり泣き終えたアンナにリリーが優しく声をかける。
「リリー……」
アンナは傍に立つリリーの顔を見てまた涙を浮かべる。目を真っ赤に腫らしたアンナがリリーに言う。
「ねえ、私、どうしたらいいの……」
アンナにも非はある。ただそれを今伝えるのは良くない。
「ミセル様のお心変わりには驚きましたが、彼は一生懸命『護衛職』の仕事を全うしようとしています。アンナ様もそんなに気にする必要はありません」
「う、ううっ……」
ミセルという言葉を聞いて再びアンナの顔が曇る。アンナが言う。
「私が悪いんだよね。私が悪い。でも、あいつが他の女と一緒に居るのを見ると、もう訳が分からなくなっちゃって、自制が効かなくて、くすん……、ねえ、私、どうしちゃったのかな……」
リリー自身は経験がない。
ただ幾つかの書物で読んで知っていることがある。リリーが言う。
「それを恋って言うんですよ。アンナ様」
「え、恋……?」
思っても見なかった。
いや、もしかしたら思わないようにしていたのかも知れない。
自分の希望的妄想で、ロレンツが自分に惚れていると思い込んでいたアンナ。でも実はその逆で『自分があいつに惚れていた』のかも知れない。
「私が、あいつのことを……、好き?」
そう初めて口にしたアンナ。
不思議と肩の荷が下り、気持ちが楽になった。これまでもやもやしていた気分は雨上がりの快晴のように晴れ、すっきりした気分になった。アンナが言う。
「リリー、ありがとう。そうね、私あいつが好きなんだわ」
「今更気付いたんですか」
「あら、リリーはずっと気付いていたの?」
「無論です」
アンナはクスッと笑って言う。
「さすがティファール家の才女ね。私より若いのにまるで姑みたいだし」
リリーが驚いた顔で言う。
「な、なんですか!? 姑って!!」
「あはははっ、違うのよ。違うって!!」
リリーは怒りながらも久し振りに見たアンナの笑顔に心から安堵していた。
(悔しいけどアンナ様がそれで幸せになれるのならば私は喜んで祝いたい。アンナ様はやっぱり笑顔がよく似合う……)
リリーは何か吹っ切れて落ち着いた顔になったアンナを笑顔で見つめる。
しかしそんな平和な空気を壊すドアを叩く音が、部屋の中に響いた。
ドンドンドン!!!
「……何、かしら?」
強く何度も叩かれるドアをリリーが見つめて言う。
「誰、なの……?」
仮にもネガーベル王家であるアンナ姫の部屋。この様に強く叩かれることはまずあり得ない。リリーがゆっくりとドアに近付いて尋ねる。
「誰ですか? ここはネガーベルの姫、アンナ様のお部屋ですよ」
リリーの声に外でドアを叩いていた物が答える。
「我等はネガーベル国軍、治安統括部隊の者だ。ここを開けよ。さもなくばドアを破壊する」
リリーの顔が真っ青になる。
国軍治安統括部隊。
いわば王城で治安維持、警察のような仕事をする者達だ。
リリーがアンナの方を向くと、アンナは真剣な顔をして頷いて応えた。リリーがゆっくりとドアを開く。
「どけっ!!」
「きゃあ!!」
開かれると同時に部屋に流入してくる治安部隊。そして不安そうに立っていたアンナに、剣を向けて言った。
「アンナ・キャスタール、お前を国家反逆罪で拘束する!!!」
リリー、そしてアンナは目の前で起きていることを見て、何か悪い夢を見ているんじゃないかと思った。
アンナはベッドの布団に包りながら大声で泣いていた。
タイミングが悪かった。
ようやく自分から歩み寄ろうとしていた矢先、ミセルがロレンツに絡む姿を目の当たりにしてしまった。
(アンナ様……)
一緒に部屋にいたリリーは今日はもう無理だろうと思った。リリーはゆっくり歩き、ドアを開いてロレンツに言った。
「今日はもういいわ。帰って」
困惑するロレンツ。奥ではアンナの泣き声が聞こえる。
「だが、しかし……」
リリーが無言で首を横に振る。
それを見たロレンツがリリーに言う。
「分かった。だが決して部屋から出るな。約束してくれ」
「いいわ。約束する」
リリーは青いツインテールを揺らしながらくるりと背を向けドアを閉める。
それを隣で見ていたミセルが甘い声で言う。
「ロレ様ぁ……」
「嬢ちゃんも部屋に帰んな」
ミセルが顔を上げて言う。
「ロレ様はどちらへ?」
「部屋に戻る」
「じゃあ、私も……」
ロレンツが低い声で言う。
「部屋に戻りな」
短いながらも圧のある声。ミセルはすぐにその意味を理解し、一歩下がって頭を下げ言う。
「分かりましたわ。でもお夕食は作って持って行きます。では」
ミセルはもう一度深く頭を下げてその場を去った。
「ふう……」
ロレンツは頭をボリボリと掻きながらひとり自室へと戻った。
「お帰りなさいませ、ご主人様!!」
部屋に戻ったロレンツをメイド服を着たミンファが迎える。
美しい銀色の長髪はアップに上げられ、粉雪のような白い肌に濃紺のメイド服がよく似合う。ロレンツの前に来て一度頭を下げてからミンファが尋ねる。
「お早いお戻りで。何かございましたか?」
ロレンツが困った顔をしながら答える。
「いやー、嬢ちゃんに叱られちまってな……」
「あー、パパ。また何か悪いことしたの??」
部屋の奥からは知ってやって来たイコがロレンツに言う。
今日はなぜか王都学校が突然の休校になり、急遽ミンファに来て貰っていた。ロレンツが答える。
「まあ、悪いことをして叱られるのはいつものことだろう」
(ぷっ)
ミンファはロレンツの家政婦をして、彼のこのような一面を見るのがとても新鮮だった。
底なしの強さを誇り仕事以外には関心がないようなロレンツ。イコとのやり取りは最初会った頃では考えられないようなほど面白いものであった。ミンファが尋ねる。
「何か食べられますか?」
「じゃあ、すまねえが、酒を……」
酒を飲もうと思ったロレンツだが、今は勤務中だと思い出しすぐにコーヒーと言い直す。ミンファはにこって笑って返事をしてキッチンへ向かった。
(ロレロレ様……)
ミンファはお湯を沸かしながらソファーに座って天井を見つめるロレンツを見る。
少し前、実家にジャスター家からの依頼が失敗に終わり、今はキャスタール家の『護衛職』の家政婦をしていると手紙を送った。
実家からはその事実を知り絶望する旨の内容と、そして王家であるキャスタール家によく仕えなさいとの言葉が書いてあった。
ただ直接は書かれていないが、国王が行方不明になり聖女になれない姫を擁するキャスタール家には何も期待していないのは明白だった。
シュー
お湯が沸く。
ミンファはそれを挽かれて粉末になったコーヒー豆にゆっくりと円を描くようかける。同時にきめ細やかな泡が盛り上がるように現れる。
(いい香り……)
ロレンツに教えて貰ったコーヒーの淹れ方。
何も言わず飲んでくれるが何度も作るうち、彼の表情でその出来栄えが分かるようになっていた。きっと些細な表情の変化だろう。他の人が見たら何も分からないはず。そんな彼の顔を見分けられるほど、ミンファはロレンツをずっと見ていた。
「お待たせしました」
フィルター越しに注がれた真っ黒なコーヒー。ミンファがゆっくりテーブルに置くとロレンツが小さな声で感謝を口にする。
「ありがとう」
「はい」
ミンファは軽く頭を下げてキッチンへと戻る。
銀髪のロレンツ。その後姿を見ながら今彼がどんな顔をしてコーヒーを飲んでいるのだろうかとミンファは目を閉じて想像した。
同じネガーベル王城にある最上階の部屋。
その広い聖騎士団長専用の部屋に、副団長キャロルを始め軍の幹部が集まっていた。緊張した面持ちのエルグが皆の前に立って言う。
「突然の招集、礼を言う」
エルグが皆の顔を見回す。
緊張した面持ちの一同が、何が重大な発表があるのだろかとエルグの顔を見つめる。エルグが真剣な顔になって言う。
「重要な話だ。驚かないで聞いて欲しい」
エルグは一旦息を吐いてからそのあり得ない事実を皆に告げた。
沈黙。
いや正確に言えば皆の耳には自分の心臓の鼓動が大きく鳴り響く音が聞こえていた。
ただその事実を知って驚きのあまりすぐに言葉が出なかっただけである。将校のひとりが震えた声で言う。
「エ、エルグ様。それは本当でしょうか……」
ようやく振り絞って出た言葉。
それは皆が思っていたのと同じ言葉であった。エルグが深刻そうな顔で頷き答える。
「残念だが、本当の話だ。今より皆に指示を与える!!」
エルグはそう言うと全ての幹部に対して、周到に準備しておいた計画通りに指示を出した。
「アンナ様……」
ひとしきり泣き終えたアンナにリリーが優しく声をかける。
「リリー……」
アンナは傍に立つリリーの顔を見てまた涙を浮かべる。目を真っ赤に腫らしたアンナがリリーに言う。
「ねえ、私、どうしたらいいの……」
アンナにも非はある。ただそれを今伝えるのは良くない。
「ミセル様のお心変わりには驚きましたが、彼は一生懸命『護衛職』の仕事を全うしようとしています。アンナ様もそんなに気にする必要はありません」
「う、ううっ……」
ミセルという言葉を聞いて再びアンナの顔が曇る。アンナが言う。
「私が悪いんだよね。私が悪い。でも、あいつが他の女と一緒に居るのを見ると、もう訳が分からなくなっちゃって、自制が効かなくて、くすん……、ねえ、私、どうしちゃったのかな……」
リリー自身は経験がない。
ただ幾つかの書物で読んで知っていることがある。リリーが言う。
「それを恋って言うんですよ。アンナ様」
「え、恋……?」
思っても見なかった。
いや、もしかしたら思わないようにしていたのかも知れない。
自分の希望的妄想で、ロレンツが自分に惚れていると思い込んでいたアンナ。でも実はその逆で『自分があいつに惚れていた』のかも知れない。
「私が、あいつのことを……、好き?」
そう初めて口にしたアンナ。
不思議と肩の荷が下り、気持ちが楽になった。これまでもやもやしていた気分は雨上がりの快晴のように晴れ、すっきりした気分になった。アンナが言う。
「リリー、ありがとう。そうね、私あいつが好きなんだわ」
「今更気付いたんですか」
「あら、リリーはずっと気付いていたの?」
「無論です」
アンナはクスッと笑って言う。
「さすがティファール家の才女ね。私より若いのにまるで姑みたいだし」
リリーが驚いた顔で言う。
「な、なんですか!? 姑って!!」
「あはははっ、違うのよ。違うって!!」
リリーは怒りながらも久し振りに見たアンナの笑顔に心から安堵していた。
(悔しいけどアンナ様がそれで幸せになれるのならば私は喜んで祝いたい。アンナ様はやっぱり笑顔がよく似合う……)
リリーは何か吹っ切れて落ち着いた顔になったアンナを笑顔で見つめる。
しかしそんな平和な空気を壊すドアを叩く音が、部屋の中に響いた。
ドンドンドン!!!
「……何、かしら?」
強く何度も叩かれるドアをリリーが見つめて言う。
「誰、なの……?」
仮にもネガーベル王家であるアンナ姫の部屋。この様に強く叩かれることはまずあり得ない。リリーがゆっくりとドアに近付いて尋ねる。
「誰ですか? ここはネガーベルの姫、アンナ様のお部屋ですよ」
リリーの声に外でドアを叩いていた物が答える。
「我等はネガーベル国軍、治安統括部隊の者だ。ここを開けよ。さもなくばドアを破壊する」
リリーの顔が真っ青になる。
国軍治安統括部隊。
いわば王城で治安維持、警察のような仕事をする者達だ。
リリーがアンナの方を向くと、アンナは真剣な顔をして頷いて応えた。リリーがゆっくりとドアを開く。
「どけっ!!」
「きゃあ!!」
開かれると同時に部屋に流入してくる治安部隊。そして不安そうに立っていたアンナに、剣を向けて言った。
「アンナ・キャスタール、お前を国家反逆罪で拘束する!!!」
リリー、そしてアンナは目の前で起きていることを見て、何か悪い夢を見ているんじゃないかと思った。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる