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第1回:龍馬としゃべる黒猫
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嘉永六年、六月。浦賀の海は、未曾有の危機に揺れていた。水平線の彼方から現れた巨大な鉄塊、黒船。それは四百年の泰平を貪った徳川幕府を根底から揺るがす、歴史の巨大な転換点であった。岸辺には抜刀した武士たちがひしめき、異国の脅威に命を賭して立ち向かおうと血気に逸っている。この国がまさに漆黒の闇に呑まれようとしたその時、群衆の片隅に坂本龍馬はいた。
「……タマ、あの黒船がわしのもんじゃったら、そりゃあ最高ながじゃがのう」
龍馬は緊張感などどこ吹く風で、豪快に鼻をかいた。
「あんなもん斬れ言われても、わしの竹刀じゃ傷一つ付かんぜよ……」
すると、足元の黒猫が冷ややかに言い放った。
「……当たり前でしょ、君が竹刀で勝てるのは道場のネズミくらいだよ」
「……ンっ!!」
辺りを見回すが誰もいない。見上げれば、松の木にのぼったタマが三本の尻尾を揺らし蔑むような目で龍馬をみていた。
「しまった……つい喋っちゃったよ。君があまりにバカっぽいから、思わずツッコんじゃったよ」
「タ、タマが喋ったぁ!」
龍馬が腰を抜かして転ぶと、その手が警備兵の足を払い兵の落とした銅鑼がゴ~ン!と鳴り響いた。驚いた黒船側が空へ威嚇射撃を放つ。
「見ろ、坂本さんが敵を挑発したぞ!」
周囲が勝手に感動する中、龍馬は地面で目を回していた。
「……はぁ……本当にこの人、ラッキー以外は取り柄がないんだから」
タマは呆れたように黒い前足で顔を洗うのであった。
「……タマ、あの黒船がわしのもんじゃったら、そりゃあ最高ながじゃがのう」
龍馬は緊張感などどこ吹く風で、豪快に鼻をかいた。
「あんなもん斬れ言われても、わしの竹刀じゃ傷一つ付かんぜよ……」
すると、足元の黒猫が冷ややかに言い放った。
「……当たり前でしょ、君が竹刀で勝てるのは道場のネズミくらいだよ」
「……ンっ!!」
辺りを見回すが誰もいない。見上げれば、松の木にのぼったタマが三本の尻尾を揺らし蔑むような目で龍馬をみていた。
「しまった……つい喋っちゃったよ。君があまりにバカっぽいから、思わずツッコんじゃったよ」
「タ、タマが喋ったぁ!」
龍馬が腰を抜かして転ぶと、その手が警備兵の足を払い兵の落とした銅鑼がゴ~ン!と鳴り響いた。驚いた黒船側が空へ威嚇射撃を放つ。
「見ろ、坂本さんが敵を挑発したぞ!」
周囲が勝手に感動する中、龍馬は地面で目を回していた。
「……はぁ……本当にこの人、ラッキー以外は取り柄がないんだから」
タマは呆れたように黒い前足で顔を洗うのであった。
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