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第8回:龍馬、脱藩する
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「待てタマ、それは大事な預かりもんじゃ!」
高知城下、龍馬は必死の形相でタマを追いかけていた。のどかな散歩のはずがタマが姉の乙女から預かった文を奪って走り出したのだ。タマは「返してほしかったら、僕を捕まえてごらん」と険しい裏山の茂みへと消えていく。
龍馬は、泥だらけになりながら必死に斜面を這い上がった。タマは時折立ち止まっては、ゆらゆらと三本の尻尾を振って龍馬を挑発する。気づけば道は途絶え、あたりは見たこともない深い森に包まれていた。
「……タマ、もう足が動かん。一体どこまで行くがよ……と言うか、おんしゃ尻尾が三本?!」
龍馬が息絶え絶えに目をこらすとタマは、石碑の上で悠然と三本の尾をくねらせていた。
「ご苦労さま、さっき通った所が国境だよ。知ってる?君は、さっき土佐を捨てて脱藩したことになったんだよね」
「……へっ?」
タマは「散歩の延長、偶然さ」と、何食わぬ顔で前足をペロペロと舐め、耳の後ろを器用に掻き始めた。
「尻尾のことだけど……昔は九本あったんだよね。でも三本くらいが一番可愛いでしょ」
タマは驚愕して固まる龍馬の肩へひらりと飛び乗るのだった。
高知城下、龍馬は必死の形相でタマを追いかけていた。のどかな散歩のはずがタマが姉の乙女から預かった文を奪って走り出したのだ。タマは「返してほしかったら、僕を捕まえてごらん」と険しい裏山の茂みへと消えていく。
龍馬は、泥だらけになりながら必死に斜面を這い上がった。タマは時折立ち止まっては、ゆらゆらと三本の尻尾を振って龍馬を挑発する。気づけば道は途絶え、あたりは見たこともない深い森に包まれていた。
「……タマ、もう足が動かん。一体どこまで行くがよ……と言うか、おんしゃ尻尾が三本?!」
龍馬が息絶え絶えに目をこらすとタマは、石碑の上で悠然と三本の尾をくねらせていた。
「ご苦労さま、さっき通った所が国境だよ。知ってる?君は、さっき土佐を捨てて脱藩したことになったんだよね」
「……へっ?」
タマは「散歩の延長、偶然さ」と、何食わぬ顔で前足をペロペロと舐め、耳の後ろを器用に掻き始めた。
「尻尾のことだけど……昔は九本あったんだよね。でも三本くらいが一番可愛いでしょ」
タマは驚愕して固まる龍馬の肩へひらりと飛び乗るのだった。
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