じゃーじゃーめん、

もちっぱち

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じゃーじゃーめん

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「お腹空いた。」

悠はゲームをしながらボソッとつぶやいた。

スマホをいじる母は、
立ち上がって台所にいく。


「昨日、そうめん、
めんつゆにつけて食べたけど…。
今日はどうしようかな。
同じメニューは飽きるよね?」

冷蔵庫の中を物色する母。

ひたすらゲーム画面を見る悠。
ゲームをしながら答える。

「あれ、いいんじゃない?

 ひき肉炒めたやつ。」


「あーー、あれ。
 じゃーじゃーめんね。」

冷凍庫に入っていた大袋の冷凍豚のひき肉を取り出した。

「んじゃ、これ炒めて、
たまねぎと、しょうが、しょうゆ、
みりん、みそ、さとう…あとは、
きゅうりの千切りね。
そうめんはいつも通りに茹でれば…
簡単じゃん。」


悠は、グッドの指を黙って出した。

「俺はそれなら食べるよ。」


「はいはい。」

母は、黙々とじゃーじゃーめんを作り出した。

換気扇の音がぐわんぐわん聞こえてくる。

きゅうりを切る包丁のリズミカルな音も
聞こえてきた。

ほのかにいい匂いがしてきた。


「ほら、できたよ。」


食卓に母の特製じゃーじゃーめんが
並べられた。


これが悠の夏のそうめんメニュー。

母の作るこの、そうめんが大好きだった。


また来年もこのそうめんで夏を感じるんだ。


出窓に飾ってある風鈴が鳴った。


ズズズっと、そうめんのすする音が響いた。
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