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#004

学校の悪魔7

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 さて、今や一つのチームとなった「学校の悪魔」への宮之阪参謀の参加により、これまでの行き当たりばったりで効率の悪いK狩りに作戦というものが生まれた。やはり宮之阪を頼って良かったぜ。

 次の日、学校に来てみんなに心配されすぎて逆に疲弊してしまっている宮之阪に屋上前階段に呼び出された俺とユウキは、宮之阪が考えてきたという作戦に耳を傾けた。

「ちょっと大掛かりだしリスクもそれなりにあるけど、このまま学校の生徒一人一人を調べていくよりは遥かに効率がいいと思うの。確実ではないけど一つの指標としてね」

 それはKが苦手とするに鏡を使ったものらしい。あんまりややこしいのはごめんだぜ?せめて俺の頭でも理解出来るくらいにしてくれ。

「全然難しい事じゃないよ。前の日のうちに何人かの生徒のロッカーに手鏡を入れておくの。それで次の日の朝にその反応を確認する。それだけだよ。簡単でしょ?」

 話を聞く限りでは確かに俺にでも出来そうではあるが、しかし、そんな事で判断できるのか?

「言ったでしょ、これはあくまでも指標なの。ある程度厳選するための網目の粗いザルみたいなもの」

 宮之阪はユウキに「それで?」と促されて続きを話した。

「リスクの方なんだけど、私たちがKに気付いているということをKに気付かせてしまうんだよ」

 ユウキがふぅーっと長い息を吐いてから、宮之阪の説明を継ぐようにして、

「宮之阪さんの作戦では一気に多くのKを見つけ出すことが出来るかもしれないわ。それこそこの学校に潜むKをこぞって発見できるかもしれない。でも、K側も私たちのことを見つけ出そうとし始めてしまうのよ。Kは私たちに気付かれてない体で行動しているのだから」

 それは確かにそうかもしれないが、でも、今まで誰にも気が付かれなかったからお前は「学校の悪魔」だなんて呼び方をされていたんじゃあないのか?

「偶然よ。今はこれまでとは違う」

 時間の問題らしい。

「またいつあなたの時のように誰かに見られるか分からないもの。私だって完璧ではないから」

 また自分の力の無さに嘆く主人公のような顔をしてユウキはそう言った。確かに、どれだけ気を付けていても黒闇天みたいなやつに好かれてしまっては避けようがないからな。

 ……いや、なら結果は同じじゃないか?いつ気付かれるかの話だろう。作戦を実行すればその時で、実行しなくてもいつかバレるんなら。

 珍しくユウキがちゃんと計算して調合したはずなのに全く別モンの薬ができた薬剤師のような顔をした。

「……それも、そうね」

「なら大丈夫そうだね。これまでがどういう方法で動いてきたかは知らないけど、注意深くさえしていればそうそう尻尾なんて掴まれないと思うよ」

 そして宮之阪はあの全ての男子の心を鷲掴みにするようなウインクを添えて、

「私もいるからねっ」

 神にも勝る可愛さを持っているこいつの笑顔には黒闇天もデレデレだろうな。

 まぁ、そんなこんなで俺たちは、宮之阪の武道館で踊るアイドルグループのセンターもビックリの説得力のある可愛さのおかげで不安要素が限りなくゼロに近くなった作戦を次の日から行うことにした。
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