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1 初動狩り
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全国に4300箇所以上設置されている児童館。
そこでは支援員と児童と時々モンスターなペアレンツとの熱き戦いが日夜繰り広げられていた。
そんな戦場に踏み込んだ踏み込んだ一人の男性支援員の物語である。
「初動狩り?何ですかそれ…あんまり良い雰囲気では無さそうなのは分かりますけど」
そう言いながらメモ帳を片手に訝しげな表情をしているのが、本日をもってこの戦場に足を踏み入れる主人公である。
神谷 次郎 。
「なんというか初日にナメられた先生は基本その先ずっとナメられるって事。ちなみに、今日担当する部屋は5年生が特にキツイ初動狩りをしてくるから、気張って行こう!」
肩をバンバンと叩いて気合いを入れてくるのは神谷の教育係であり、この児童館で彼の次に最年少の女性支援員。
信濃川 結衣先生、通称『ゆい先生』だ。
ベリーショートの髪と吊り目が合間って雰囲気から気の強さが醸し出されている。
———
「それでは、今日は新しい先生を紹介します!」
信濃川の声で部屋中の児童が一斉に扉の前に立つ神谷に視線を集めた。
これだけ沢山の視線を一身に受けるのは高校の文化祭以来、緊張するなと言う方が無理がある。
しかし、彼女に言われた言葉を思い出す「ナメられたら終わり…」と自分に言い聞かせて扉を開けた。
「初めまして!今日からこの児童館で働きます神谷 次郎です。よろしくね」
「はい、ということで今日からみんなお願いね、神谷先生より皆なの方がルールに詳しいから教えてあげてね!」
想像より自然な形で挨拶を終えて、順調に流れを掴んだような気がしている神谷。
だが、これは序の口…戦場に踏み込んで入るが開戦の狼煙は上がっていない…
「じゃあいつも通り、遊びの時間開始です!」
信濃川の声と共に部屋の空気が変わった。
どっと濁流が押し寄せる感覚、足からへその辺りまで大量のゾンビに纏わりつかれるゾンビ映画のワンシーン、あれは頑張れば振り切って逃げ切れるだろと今まで考えていた神谷は考えを改める。
「あぁ…なんだこれは」
「先生!結婚してるの?」「彼女は?」「今ゲーム何してる!?」「ポケモン何好き?」「昼何食べた?」「明日も来るの?」「お金持ち?」
聖徳太子でも気絶するレベルの情報過多、擬似的な無量空処、脳内に対するDDoS攻撃、とにかくそんな感覚だった。神谷は一つ一つ答えているつもりだが一向に足元にまとわりつく児童達は減らない、それどころか増えている気さえする。
———
「とりあえずひと段落だね。お茶でも飲んで」
ついさっき聞いたばかりの信濃川の声が懐かしく感じる。
とにかく頷いて神谷は水筒の中身を半分以上一気に飲んで額の汗を拭って「やばいっすね」と顔を上げると、そこにはさっきまで集まっていたちびっ子達とは違う雰囲気を纏った身長の大きな男子児童が二人立っている。
ああこれが噂の5年生かなと神谷は直感で察した。
「あのさ、神田だっけ?何しにきたの?」
「え、仕事だけど…」
「え、仕事だけどだってwwwきっも」
復唱からの中傷、これがキツめの初動狩りかと彼は内心身震いした。
そこでは支援員と児童と時々モンスターなペアレンツとの熱き戦いが日夜繰り広げられていた。
そんな戦場に踏み込んだ踏み込んだ一人の男性支援員の物語である。
「初動狩り?何ですかそれ…あんまり良い雰囲気では無さそうなのは分かりますけど」
そう言いながらメモ帳を片手に訝しげな表情をしているのが、本日をもってこの戦場に足を踏み入れる主人公である。
神谷 次郎 。
「なんというか初日にナメられた先生は基本その先ずっとナメられるって事。ちなみに、今日担当する部屋は5年生が特にキツイ初動狩りをしてくるから、気張って行こう!」
肩をバンバンと叩いて気合いを入れてくるのは神谷の教育係であり、この児童館で彼の次に最年少の女性支援員。
信濃川 結衣先生、通称『ゆい先生』だ。
ベリーショートの髪と吊り目が合間って雰囲気から気の強さが醸し出されている。
———
「それでは、今日は新しい先生を紹介します!」
信濃川の声で部屋中の児童が一斉に扉の前に立つ神谷に視線を集めた。
これだけ沢山の視線を一身に受けるのは高校の文化祭以来、緊張するなと言う方が無理がある。
しかし、彼女に言われた言葉を思い出す「ナメられたら終わり…」と自分に言い聞かせて扉を開けた。
「初めまして!今日からこの児童館で働きます神谷 次郎です。よろしくね」
「はい、ということで今日からみんなお願いね、神谷先生より皆なの方がルールに詳しいから教えてあげてね!」
想像より自然な形で挨拶を終えて、順調に流れを掴んだような気がしている神谷。
だが、これは序の口…戦場に踏み込んで入るが開戦の狼煙は上がっていない…
「じゃあいつも通り、遊びの時間開始です!」
信濃川の声と共に部屋の空気が変わった。
どっと濁流が押し寄せる感覚、足からへその辺りまで大量のゾンビに纏わりつかれるゾンビ映画のワンシーン、あれは頑張れば振り切って逃げ切れるだろと今まで考えていた神谷は考えを改める。
「あぁ…なんだこれは」
「先生!結婚してるの?」「彼女は?」「今ゲーム何してる!?」「ポケモン何好き?」「昼何食べた?」「明日も来るの?」「お金持ち?」
聖徳太子でも気絶するレベルの情報過多、擬似的な無量空処、脳内に対するDDoS攻撃、とにかくそんな感覚だった。神谷は一つ一つ答えているつもりだが一向に足元にまとわりつく児童達は減らない、それどころか増えている気さえする。
———
「とりあえずひと段落だね。お茶でも飲んで」
ついさっき聞いたばかりの信濃川の声が懐かしく感じる。
とにかく頷いて神谷は水筒の中身を半分以上一気に飲んで額の汗を拭って「やばいっすね」と顔を上げると、そこにはさっきまで集まっていたちびっ子達とは違う雰囲気を纏った身長の大きな男子児童が二人立っている。
ああこれが噂の5年生かなと神谷は直感で察した。
「あのさ、神田だっけ?何しにきたの?」
「え、仕事だけど…」
「え、仕事だけどだってwwwきっも」
復唱からの中傷、これがキツめの初動狩りかと彼は内心身震いした。
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