SRPG転生王女 〜お気に入りキャラの中から結婚相手を選びます~

みくもっち

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9 鷲獅子騎兵

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 さて、たかが賞金稼ぎとはいえ敵は多数。けっこうなピンチではあるが、わたしは焦らない。
 このマップでは数ターン後にイベントが発生する。そこが敵へつけいるチャンスなんだけど。

 今にも敵中へ突っ込んでいきそうなアグナーをなだめつつ、わたしはその時を待つ。
 ほら、わたしの思った通り。東の方角からバッサバッサと羽音が近づいてきた。

 その正体はグリフォン。そしてその背にまたがっているのはオレンジ髪のボブカット少女。

 「アネリーゼ姫ーっ! フリーダが参りましたよ! どこですか、姫ーっ!」

 デカイ声を出しながら投擲用の斧をぶん投げている。たちまち敵の弓兵アーチャーをふたり倒した。
 突然の乱入者に敵が動揺している。この機を逃さず、セヴェリン王子が号令を出した。

 たちまち敵味方入り乱れての乱戦。 
 あ、危ない。弓兵アーチャーはあとひとり残っていた。来たばかりの鷲獅子騎兵グリフォンライダーの少女を狙っている。

 だけど矢が放たれる間際、ウルリクが目の前に立ちはだかった。
 自身が射られる危険を顧みず、馬上から剣を振り下ろす。おお、カッコいい。見事に弓ごと叩き折って倒した。

 敵の多数を占める戦士ウォーリア盗賊シーフも他の仲間たちが連携して対応。わたしも回復魔法で支援する。
 さほど苦戦することなく倍近い数の敵を倒すことができた。意外と廃城から真っ向勝負しても余裕だったかもね。やっぱりこのメンバー、強いよ。

「姫っ! ご無事ですかっ、お怪我はありませんか! ああっ、御髪おぐしに乱れがっ! お召し物に泥がっ!」

 鷲獅子グリフォンから飛び降りたフリーダがダッシュして私に飛びつく。
 髪を手櫛ですき、泥のついたスカートを自分の袖で一心不乱にこすっている。それ余計に汚れ広がるからやめて。

 この活発な少女フリーダが仲間に加わるのがこの第7マップのイベント。
 天真爛漫で元気いっぱいなイイ娘なんだけど、姫のこと大好きっ娘というのがちょっと問題。
 
 ゲームでもグイグイグイグイ距離を詰めてくるんだよね。油断してるとあっという間に親密度が上がって百合ルート確定だ。ゲームじゃほどよく距離取ったりできたけど、この世界でそれは可能なんだろうか。わたしを見る目が必死すぎてなんか怖い……。

「姫様の救出作戦にも参加したかったのに、クヌーズ先生が許可を出してくれなかったんですよ! 帝国領から出るときだってわたしがお手伝いしたかったのに。でも今回やっと許可が出て……」

 今度は人目もはばからず抱きついて頬ずりしてくる。 
 ちょっとみんな見てないで助けて。同性っつっても姫様にこれはいかんでしょ。

 さすがにウルリクが止めに来るかと思ったら、注意してきたのは意外にも魔術士ウィザードのクラーア。

「前から思ってたけど、あんた、ちょっと姫様になれなれしすぎるんじゃない? 国は滅んだとはいえ仮にも王女様に対してさ。そんなんじゃ周りに示しがつかないっていうか、失礼でしょ。姫様も困ってるし」

 いや、お前も十分に失礼なんだけどね。でもこの際なんでもいいや。フリーダも離れてくれたし。あれ、でもその手の斧をどうするつもりかな?

「姫様のことを一番心配してたのはわたしなんですよ。姫様が連れ去られたあとも単独で何度も帝国に潜入しようとして死にかけて……。久しぶりにこうやって会えたのにそれを邪魔するんですか?」

 フリーダは笑顔のままその斧を今にも投げそうだ。クラーアのほうも杖の先を向けて険しい表情。
 おいおい、なんだこれ。こんなところで百合バトル発生か? いやいやフリーダはともかくクラーアはわたしの事、幼なじみぐらいにしか思ってないし、それほど親密度も上がってないよね。

 にらみ合うふたりを止めたのはセヴェリン王子だ。ふたりもおとなしく引き下がり、わたしはほっと胸を撫で下ろす。
 
 ともかくこれでマップ7はクリアだ。
 人間性にやや難があるが貴重な飛行ユニットも仲間になったし。

 敵だと非常に厄介な飛行ユニット。山やら川を軽々飛び越えて一気に近づいてくるし、ダメージ与えてもトドメを刺す前に逃げられたら追いつけない。
 攻撃力と防御力も高いし、弱点は弓か風魔法ぐらい。対応できないぐらいの数で来られるとマジでヤバい相手なのだ。

 そういえばわたしファンタジーの生物って初めて見るんだった。
 グリフォン……。ライオンの胴体にワシの頭と翼を持ってる幻獣。近づいてみたけど普通に怖い。おっきいし。なんだかわたしを見て唸ってるような……。わたし、嫌われてんの? 

「おかしいですね。わたしと同じくらい姫様には懐いていたのに。ほら、前にふたり乗りして出かけたでしょう、無断で。騎士団長にメチャクチャ怒られたんですけどね。ほら、トゥースン。どうしたの? 久しぶりで忘れちゃったのかな?」

 フリーダが首を撫でながらわたしに近づけようとするが、グリフォンはさらに唸り声をあげるばかりだ。
 これってもしかしたらアネリーゼ姫の中身が違うって気付いてるのかも。動物ってそういう感覚が鋭いって聞いたことある。

 ちょっと触ってみたかったけどやめとこう。あの爪で引っかかれたりクチバシでつつかれたら怪我じゃ済まないもんね。

 
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