13 / 66
第2章 壊れていく世界
6 さらなる探索へ
しおりを挟む
葵たちのいる学校を見下ろせるビルの屋上。
そこには以前のようにヤギ角の青年、フォゼラムと学者ふうのネコ少年、テネスリードが先ほどのツァイシーと魔族の戦闘を観察していた。
「へえ……なかなかやるね、あの人間。ん? 人間なのかな。この世界の人間って、僕らにダメージを与える方法がないはずだよね」
金網の上で足をプラつかせながらテネスリードが聞く。フォゼラムはフム、と考える仕草を見せてから口を開いた。
「人であって人にあらず……微量の魔力を感じるが、魔導生物や兵器というわけでもない。可能性としては魔導具によって具現化された想像上の人物……か」
「え、それって──」
「主に確認する必要があるな。それよりテネスリード。また持ち場を離れて問題はないのか」
「それなら大丈夫だよ。抵抗する人間どもの軍隊はほぼ壊滅したからね。あとは部下たちにテキトーにやらせとくさ。こっちのほうが断然おもしろい」
「……まだあそこの人間には手を出すな。その代わりA級魔族の使用許可が出た。明日にでもこの街に投入する」
「ん~、やっぱり主としても看過できないってことなのかな? わけわかんないけど、それならここのヤツらも終わりかもね。だったらつまんなくなるな~」
むくれるテネスリードに、フォゼラムは苦笑する。
「どうかな……。どちらしろ、我々のうち誰かひとりでも出れば一瞬で終わることだがな」
📖 📖 📖
翌日。葵とシノは昼すぎに学校を出る。
目的は昨日よりも遠い距離を探索することだ。
学校を出てすぐには魔族は出現しなかった。
昨日、一昨日の戦闘の影響なのだろうか。
戦姫は雛形結を召喚している。
戦神八姫の中でもバランスタイプで不測の事態にも対応しやすい。
「葵様、絶対にわたくしより離れませぬように。敵がどこぞに潜んでいるかわかりませぬから」
雛形結が葵の横にぴったりくっつきながら歩く。
葵はまず瑞希の家へ向かった。瑞希に頼まれていたし、自分の家のことも気になっていた。
道中ではやはり人は見当たらない。呼びかけてもみるが、返事はなかった。
「魔族が出てこないのは助かるけど……くそっ、無事な人はもういないのか」
瑞希の家に到着。外観は特に変化は見られない。無駄とはわかっていたが、一応インターホンを押す。
応答はない。ドアの取っ手を引くと、簡単に開いた。そのまま中へ。
瑞希の両親とも葵は親しい。おじさん、おばさん、と呼びかけるが……やはり反応はない。
すべての部屋を見て回り、最後に瑞希の部屋へ。
瑞希の部屋に入るのは中学の時以来。
葵はなんだかドキドキしながら部屋の中へ入る。
シノの部屋のようにかわいいインテリア等はなかったが、よく片付けられている。本棚にはずらっとたくさんの本が並べられていた。
この部屋にも特になにもない。葵が背を向けて部屋を出ようとしたとき──。
ガバアッ、とクローゼットから黒い塊が飛び出してきた。
小型の魔族。葵を押し倒し、ガアッと涎をまき散らしながら牙をむく。葵が叫ぼうとしたその瞬間。
ドッ、と結が太刀の鞘尻で打ちつけ、魔族は壁に叩きつけられる。
ズリリ、と床に落ちる前に結が踏み込む。
鞘から半分抜いた刃を押し当てられ、魔族はブジイッと潰れるように消滅した。
「お怪我はありませんか、葵様! ああ、申し訳ありません。反応が小さいので気配を見逃していました!」
おろおろとうろたえながら結は葵を抱えあげ、瑞希のベッドの上へ。
葵を横に寝かせ、自身はその上に覆い被さろうとする。
「ちょ、ケガはしてないし! なにしようとしてんの!?」
「もちろん添い寝です。わたくしの身体に触れていると癒しの効果があるのですよ。あ、お召し物を脱いだほうが効果が倍増します」
結に服を引っ張られ、葵は結局叫び声をあげるはめになる。幼なじみのベッドの上で裸にされるってどんなプレイだ、と。
📖 📖 📖
シノから拳骨をもらった結は仏頂面であとから付いてくる。
葵は自分の家にも寄ってみたが、中はやはり荒らされているとかの異常はなかった。
両親はまだ海外にいるはずだが……この魔族出現が世界中で起きている現象なら無事な可能性は低い。
ともかく確認のしようがないことがもどかしかった。
「葵サン、これからどうしマス? いったん学校へ戻りまスカ?」
シノが聞いてきた。結を召喚してまだそれほど時間は経ってないし、まだまだ余裕がある感じだったので葵はいや、と答える。
「近くのショッピングモールへ行ってみよう。あそこは大勢の人がいたはずだ。もしかしたら隠れている人がいるかも」
葵はシノと結とともにショッピングモールへ移動。
広い駐車場には多くの車が停まったままだ。
だが人の気配はない。
ここで結がずい、と前に出てくる。
「お気をつけ下さい。ここから先は敵がいます。建物内にはさらに多くの気配が。殲滅するにはわたくしひとりいれば十分ですが」
「……うん、戦うのは任せるよ、結。だけどもしものことがあればすぐに別の戦姫を喚び出すから」
複数の戦姫を喚び出せばそれだけ召喚時間が短くなる。この前の感覚からすると、時間差で喚び出した戦姫でも関係なく一斉に戻ってしまうようだった。
あと気を付けなければいけないのは戦姫の相性。
それぞれのキャラクターの性格は把握しているつもりだったが、この前の結とリッカは最悪だった。
もしもうひとり喚ぶような事態になっても、慎重に選ばないといけない。
結が一歩、駐車場へ足を踏み入れる。
ゾアアア、と車の陰から魔族の群れが這い出てきた。
結は太刀をズラア、と抜いて鞘をこちらに投げてよこした。
「そこでお待ちください。すぐに片付けますゆえ」
そこには以前のようにヤギ角の青年、フォゼラムと学者ふうのネコ少年、テネスリードが先ほどのツァイシーと魔族の戦闘を観察していた。
「へえ……なかなかやるね、あの人間。ん? 人間なのかな。この世界の人間って、僕らにダメージを与える方法がないはずだよね」
金網の上で足をプラつかせながらテネスリードが聞く。フォゼラムはフム、と考える仕草を見せてから口を開いた。
「人であって人にあらず……微量の魔力を感じるが、魔導生物や兵器というわけでもない。可能性としては魔導具によって具現化された想像上の人物……か」
「え、それって──」
「主に確認する必要があるな。それよりテネスリード。また持ち場を離れて問題はないのか」
「それなら大丈夫だよ。抵抗する人間どもの軍隊はほぼ壊滅したからね。あとは部下たちにテキトーにやらせとくさ。こっちのほうが断然おもしろい」
「……まだあそこの人間には手を出すな。その代わりA級魔族の使用許可が出た。明日にでもこの街に投入する」
「ん~、やっぱり主としても看過できないってことなのかな? わけわかんないけど、それならここのヤツらも終わりかもね。だったらつまんなくなるな~」
むくれるテネスリードに、フォゼラムは苦笑する。
「どうかな……。どちらしろ、我々のうち誰かひとりでも出れば一瞬で終わることだがな」
📖 📖 📖
翌日。葵とシノは昼すぎに学校を出る。
目的は昨日よりも遠い距離を探索することだ。
学校を出てすぐには魔族は出現しなかった。
昨日、一昨日の戦闘の影響なのだろうか。
戦姫は雛形結を召喚している。
戦神八姫の中でもバランスタイプで不測の事態にも対応しやすい。
「葵様、絶対にわたくしより離れませぬように。敵がどこぞに潜んでいるかわかりませぬから」
雛形結が葵の横にぴったりくっつきながら歩く。
葵はまず瑞希の家へ向かった。瑞希に頼まれていたし、自分の家のことも気になっていた。
道中ではやはり人は見当たらない。呼びかけてもみるが、返事はなかった。
「魔族が出てこないのは助かるけど……くそっ、無事な人はもういないのか」
瑞希の家に到着。外観は特に変化は見られない。無駄とはわかっていたが、一応インターホンを押す。
応答はない。ドアの取っ手を引くと、簡単に開いた。そのまま中へ。
瑞希の両親とも葵は親しい。おじさん、おばさん、と呼びかけるが……やはり反応はない。
すべての部屋を見て回り、最後に瑞希の部屋へ。
瑞希の部屋に入るのは中学の時以来。
葵はなんだかドキドキしながら部屋の中へ入る。
シノの部屋のようにかわいいインテリア等はなかったが、よく片付けられている。本棚にはずらっとたくさんの本が並べられていた。
この部屋にも特になにもない。葵が背を向けて部屋を出ようとしたとき──。
ガバアッ、とクローゼットから黒い塊が飛び出してきた。
小型の魔族。葵を押し倒し、ガアッと涎をまき散らしながら牙をむく。葵が叫ぼうとしたその瞬間。
ドッ、と結が太刀の鞘尻で打ちつけ、魔族は壁に叩きつけられる。
ズリリ、と床に落ちる前に結が踏み込む。
鞘から半分抜いた刃を押し当てられ、魔族はブジイッと潰れるように消滅した。
「お怪我はありませんか、葵様! ああ、申し訳ありません。反応が小さいので気配を見逃していました!」
おろおろとうろたえながら結は葵を抱えあげ、瑞希のベッドの上へ。
葵を横に寝かせ、自身はその上に覆い被さろうとする。
「ちょ、ケガはしてないし! なにしようとしてんの!?」
「もちろん添い寝です。わたくしの身体に触れていると癒しの効果があるのですよ。あ、お召し物を脱いだほうが効果が倍増します」
結に服を引っ張られ、葵は結局叫び声をあげるはめになる。幼なじみのベッドの上で裸にされるってどんなプレイだ、と。
📖 📖 📖
シノから拳骨をもらった結は仏頂面であとから付いてくる。
葵は自分の家にも寄ってみたが、中はやはり荒らされているとかの異常はなかった。
両親はまだ海外にいるはずだが……この魔族出現が世界中で起きている現象なら無事な可能性は低い。
ともかく確認のしようがないことがもどかしかった。
「葵サン、これからどうしマス? いったん学校へ戻りまスカ?」
シノが聞いてきた。結を召喚してまだそれほど時間は経ってないし、まだまだ余裕がある感じだったので葵はいや、と答える。
「近くのショッピングモールへ行ってみよう。あそこは大勢の人がいたはずだ。もしかしたら隠れている人がいるかも」
葵はシノと結とともにショッピングモールへ移動。
広い駐車場には多くの車が停まったままだ。
だが人の気配はない。
ここで結がずい、と前に出てくる。
「お気をつけ下さい。ここから先は敵がいます。建物内にはさらに多くの気配が。殲滅するにはわたくしひとりいれば十分ですが」
「……うん、戦うのは任せるよ、結。だけどもしものことがあればすぐに別の戦姫を喚び出すから」
複数の戦姫を喚び出せばそれだけ召喚時間が短くなる。この前の感覚からすると、時間差で喚び出した戦姫でも関係なく一斉に戻ってしまうようだった。
あと気を付けなければいけないのは戦姫の相性。
それぞれのキャラクターの性格は把握しているつもりだったが、この前の結とリッカは最悪だった。
もしもうひとり喚ぶような事態になっても、慎重に選ばないといけない。
結が一歩、駐車場へ足を踏み入れる。
ゾアアア、と車の陰から魔族の群れが這い出てきた。
結は太刀をズラア、と抜いて鞘をこちらに投げてよこした。
「そこでお待ちください。すぐに片付けますゆえ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる