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19 友達だと思ってたのに
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ギギの怒っている理由がぐーにはわかりません。
ぐーのきょとんとした顔に、ギギは声を荒げます。
「あの柵を外さないんだったら、こうしてやるっ!」
ふたりの兄弟とともに畑のほうへおりました。
ぐーは急いで家の裏へまわりこみます。
ギギと兄弟のカラスたちは、柵の上に張ってあるネットをつかんでひっぱっています。
柵もギシギシとゆれています。
「あっ! ダメだよ、そんなことをしちゃ!」
ぐーは近づいてさけびますが、3人は聞きません。ぐいぐいとネットをひっぱり続けます。
「こらっ! やめないかっ!」
ぐーのうしろから厳しい声。
ぐーがふりむくと、そこにはコタローがいました。
カラスたちの騒ぎに、ボートが近づいてくるのも気づきませんでした。
突然の乱入者にカラスたちも動きを止めます。
「なんだ、おまえ。関係ねぇヤツはひっこんでろ!」
ギギの言葉にぐーは驚きました。
ギギはぐーがこの小島に来てからのはじめての友達です。
ナバンの野菜の育て方を教えてくれたり、ずっと親切にしてくれたので、こんな乱暴なことを言うなんて信じられませんでした。
コタローはギギの剣幕にもひるまず、襟をただしながら言います。
「キミはギギだろ? 街のほうでは有名だよ。子供から金をまきあげたり、お年寄りをだましたりしているだろう。まったく、こんなところにまできているとは……ここのナバンの野菜を食い散らかしたのもキミたちなんだろ?」
「オレに因縁つけるつもりかよ、犬っコロの分際でよ。オレたちがやったって証拠がどこにあんだよ」
「このまえ種植えを手伝ったときに気づいたんだ。畑に残された足跡と羽根。あれはどう見ても海鳥のものではないね。足跡の写真はとってあるし、羽根もわたしが保存している。これを警察に見せてもいいんだが──」
コタローがここまで言うと、ギギはあわててネットからはなれます。
「おっとっと、いけねえや。ちょっと用事を思い出した。おい、おまえたち、急いでかえろうぜ」
ギギは兄弟たちとともにバサバサと飛びさっていきました。
ぐーは畑の柵をにぎりしめながら、がっくりとうなだれます。
「まさか……ギギが畑を荒らしてたなんて。でもどうして……」
「キミはあきれるほどのお人好しだな。おいしいが手間のかかるナバンの野菜をキミに育てさせて、収穫前に自分たちだけで食べていたのさ。何の効果もないカカシを作らせたのもキミをからかったんだろうよ」
「ナバンの野菜が欲しければいくらでもわけてあげたのに。コタロー……ギギはもうここにはこないのかな」
そう聞いたコタローはやれやれと首を横にふりました。
ぐーのきょとんとした顔に、ギギは声を荒げます。
「あの柵を外さないんだったら、こうしてやるっ!」
ふたりの兄弟とともに畑のほうへおりました。
ぐーは急いで家の裏へまわりこみます。
ギギと兄弟のカラスたちは、柵の上に張ってあるネットをつかんでひっぱっています。
柵もギシギシとゆれています。
「あっ! ダメだよ、そんなことをしちゃ!」
ぐーは近づいてさけびますが、3人は聞きません。ぐいぐいとネットをひっぱり続けます。
「こらっ! やめないかっ!」
ぐーのうしろから厳しい声。
ぐーがふりむくと、そこにはコタローがいました。
カラスたちの騒ぎに、ボートが近づいてくるのも気づきませんでした。
突然の乱入者にカラスたちも動きを止めます。
「なんだ、おまえ。関係ねぇヤツはひっこんでろ!」
ギギの言葉にぐーは驚きました。
ギギはぐーがこの小島に来てからのはじめての友達です。
ナバンの野菜の育て方を教えてくれたり、ずっと親切にしてくれたので、こんな乱暴なことを言うなんて信じられませんでした。
コタローはギギの剣幕にもひるまず、襟をただしながら言います。
「キミはギギだろ? 街のほうでは有名だよ。子供から金をまきあげたり、お年寄りをだましたりしているだろう。まったく、こんなところにまできているとは……ここのナバンの野菜を食い散らかしたのもキミたちなんだろ?」
「オレに因縁つけるつもりかよ、犬っコロの分際でよ。オレたちがやったって証拠がどこにあんだよ」
「このまえ種植えを手伝ったときに気づいたんだ。畑に残された足跡と羽根。あれはどう見ても海鳥のものではないね。足跡の写真はとってあるし、羽根もわたしが保存している。これを警察に見せてもいいんだが──」
コタローがここまで言うと、ギギはあわててネットからはなれます。
「おっとっと、いけねえや。ちょっと用事を思い出した。おい、おまえたち、急いでかえろうぜ」
ギギは兄弟たちとともにバサバサと飛びさっていきました。
ぐーは畑の柵をにぎりしめながら、がっくりとうなだれます。
「まさか……ギギが畑を荒らしてたなんて。でもどうして……」
「キミはあきれるほどのお人好しだな。おいしいが手間のかかるナバンの野菜をキミに育てさせて、収穫前に自分たちだけで食べていたのさ。何の効果もないカカシを作らせたのもキミをからかったんだろうよ」
「ナバンの野菜が欲しければいくらでもわけてあげたのに。コタロー……ギギはもうここにはこないのかな」
そう聞いたコタローはやれやれと首を横にふりました。
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