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ひょんなことから
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奏斗は授業の有無に関わらず、構内で俺を見つけると声を掛けてきた。
「雪、お疲れ!」
「あ、うん。お疲れ」
「ねぇ、この後空いてる?もしよかったら一緒にお昼食べない?」
え。なんてこった。俺今お昼誘われてる?
どうしよ。誰かと一緒にご飯とか...最近だとじいちゃんとしか食べてないよ俺。
いきなりハードル高くない?
「えー。でも...」
「もしかして都合悪い?」
「あ、いや...そうじゃないんだけど...」
「ほんと!?じゃあ一緒に食べようよ!」
断れない...。ほんと俺の悪い癖だなぁ。
それに、この人すごく顔輝いててなおさら断りにくい。
「.......いいよ」
奏斗はキラキラと輝いた顔で
「やった!」
と嬉しそうにはしゃいでいた。
俺は奏斗がなぜそんなに嬉しそうなのか理解できなかった。俺なんかとご飯食べることがそんなに嬉しいの?謎すぎる...
すごいキラキラしてるなぁ。こう見るとすごいイケメンだよなぁ。
そんなことを心の中で考えてると、
「...犬みたい...ふふっ...」
「......ん?俺のこと?」
と奏斗が急に聞いてきた。
「...え?」
え、あれ、俺声に出てた?
「雪ひどーい。俺が犬だって言いたいのー?
俺のどこが犬なんだよー。もうちょっとかっこいい動物にしてよ。ライオンとかさ」
ライオン...
頭の中で奏斗の顔とライオンを交互に思い浮かべて、奏斗の爽やかさとライオンの獰猛さの違いに思わず笑ってしまう。
「はははっ。ライオンって...ふふっ
白銀くんはライオンより優しそうな雰囲気なのに」
「始めて見た。雪が笑ってるの。」
「え...俺...今笑ってた?」
「うん。雪の笑顔、すげーいい」
「あ...ありがとう」
そんなこと始めて言われた...
「うん。だから、今日から俺ライオンになるね。そしたら毎日顔合わせるたびに雪笑ってくれるよね?」
突拍子もないことを言う奏斗。
「いやいや。ライオンって...ふっ...」
やばい...なんかおかしくて笑えてくる。
「つぼってる笑」
なぜか嬉しそうに奏斗も笑っている。
「てか、何で犬?俺のどこが犬みたいだった?」
「あぁ...白銀くんの顔がキラキラ輝いてて...なんか、笑って喜んでるのが構ってもらって嬉しそうにしっぽふってる犬みたいだなーって...」
「あぁそういうことね。これは...褒めてくれてるんだよね...?」
「もちろん!!」
「そっか...それなら嬉しい。ありがとう」
そう言ってまたにこにこ笑う奏斗を不思議に思う雪。
「白銀くんは変わってるね。俺なんかに話しかけるなんて...しかもご飯一緒に食べたいとか...初めて言われたそんなこと。」
「変わってるかな俺?
でも、俺なんかとかよくないよ雪。雪は雪なんだから、自分で自分を下げるようなことはダメ。」
「う......はい....。」
怒ってはいないが、少し神妙な面持ちでそう指摘する。
雪はそんなことを言われるとは思っておらず、思わず納得してしまう。
「ふふっ。俺は雪のこともっと知りたいって思ったから話しかけてるんだよ。
雪ともっと話したい。だからご飯も、これからも一緒に食べよう。」
「俺...別に白銀くんが思うような面白い人じゃないと思うけど...というか......いつも銀くんの周りにいるような明るい人でもないし...俺と一緒にいてもつまらないだけじゃ...」
というか...なんでここまで俺に興味をもつんだろう白銀くんは...?
卑屈になってしまう雪に対して、奏斗は先ほどのように神妙な顔になる。
「ねぇ。雪。
俺は雪に面白さとかそんなの求めてない。
俺が雪と一緒にいたいからいる。それだけ。他に理由なんてないし、雪が何かをする必要もない。
だからそんなに自分を下げないでさ...気楽にいこ」
雪は再びフリーズする。
...何なんだこの人は。何でこんな言葉が言えるんだろう。人気者とか、いつも笑顔でいるとか、キラキラしてるとか、そういうのじゃない。
この人はきっと......すごく...優しい人だ...。
目に涙が溜まってきて、でも見られたくないからそっぽを向きながら堪える。
「そんなこといって...白銀くんはまだ俺のこと...何も知らないじゃん...」
可愛くない、素直じゃないな俺。
そっぽ向きながら拗ねたように答える雪に思わず奏斗は笑ってしまう。
「ははははっ...うん。まだ知らない。だから知りたい。俺、雪のことめっちゃ気になる。何でかよく分かんないけど、雪とは仲良くなりたいと思う。」
ど直球に伝える奏斗に雪は驚くが、もう警戒心は消えていた。
「.......うん。」
今日、初めてもっとこの人と話してみたい、この人のことが知りたいと思った。
それは雪の中では大きな変化であり、同時に奏斗の中でもこれは大きな変化だったのである。
「雪、お疲れ!」
「あ、うん。お疲れ」
「ねぇ、この後空いてる?もしよかったら一緒にお昼食べない?」
え。なんてこった。俺今お昼誘われてる?
どうしよ。誰かと一緒にご飯とか...最近だとじいちゃんとしか食べてないよ俺。
いきなりハードル高くない?
「えー。でも...」
「もしかして都合悪い?」
「あ、いや...そうじゃないんだけど...」
「ほんと!?じゃあ一緒に食べようよ!」
断れない...。ほんと俺の悪い癖だなぁ。
それに、この人すごく顔輝いててなおさら断りにくい。
「.......いいよ」
奏斗はキラキラと輝いた顔で
「やった!」
と嬉しそうにはしゃいでいた。
俺は奏斗がなぜそんなに嬉しそうなのか理解できなかった。俺なんかとご飯食べることがそんなに嬉しいの?謎すぎる...
すごいキラキラしてるなぁ。こう見るとすごいイケメンだよなぁ。
そんなことを心の中で考えてると、
「...犬みたい...ふふっ...」
「......ん?俺のこと?」
と奏斗が急に聞いてきた。
「...え?」
え、あれ、俺声に出てた?
「雪ひどーい。俺が犬だって言いたいのー?
俺のどこが犬なんだよー。もうちょっとかっこいい動物にしてよ。ライオンとかさ」
ライオン...
頭の中で奏斗の顔とライオンを交互に思い浮かべて、奏斗の爽やかさとライオンの獰猛さの違いに思わず笑ってしまう。
「はははっ。ライオンって...ふふっ
白銀くんはライオンより優しそうな雰囲気なのに」
「始めて見た。雪が笑ってるの。」
「え...俺...今笑ってた?」
「うん。雪の笑顔、すげーいい」
「あ...ありがとう」
そんなこと始めて言われた...
「うん。だから、今日から俺ライオンになるね。そしたら毎日顔合わせるたびに雪笑ってくれるよね?」
突拍子もないことを言う奏斗。
「いやいや。ライオンって...ふっ...」
やばい...なんかおかしくて笑えてくる。
「つぼってる笑」
なぜか嬉しそうに奏斗も笑っている。
「てか、何で犬?俺のどこが犬みたいだった?」
「あぁ...白銀くんの顔がキラキラ輝いてて...なんか、笑って喜んでるのが構ってもらって嬉しそうにしっぽふってる犬みたいだなーって...」
「あぁそういうことね。これは...褒めてくれてるんだよね...?」
「もちろん!!」
「そっか...それなら嬉しい。ありがとう」
そう言ってまたにこにこ笑う奏斗を不思議に思う雪。
「白銀くんは変わってるね。俺なんかに話しかけるなんて...しかもご飯一緒に食べたいとか...初めて言われたそんなこと。」
「変わってるかな俺?
でも、俺なんかとかよくないよ雪。雪は雪なんだから、自分で自分を下げるようなことはダメ。」
「う......はい....。」
怒ってはいないが、少し神妙な面持ちでそう指摘する。
雪はそんなことを言われるとは思っておらず、思わず納得してしまう。
「ふふっ。俺は雪のこともっと知りたいって思ったから話しかけてるんだよ。
雪ともっと話したい。だからご飯も、これからも一緒に食べよう。」
「俺...別に白銀くんが思うような面白い人じゃないと思うけど...というか......いつも銀くんの周りにいるような明るい人でもないし...俺と一緒にいてもつまらないだけじゃ...」
というか...なんでここまで俺に興味をもつんだろう白銀くんは...?
卑屈になってしまう雪に対して、奏斗は先ほどのように神妙な顔になる。
「ねぇ。雪。
俺は雪に面白さとかそんなの求めてない。
俺が雪と一緒にいたいからいる。それだけ。他に理由なんてないし、雪が何かをする必要もない。
だからそんなに自分を下げないでさ...気楽にいこ」
雪は再びフリーズする。
...何なんだこの人は。何でこんな言葉が言えるんだろう。人気者とか、いつも笑顔でいるとか、キラキラしてるとか、そういうのじゃない。
この人はきっと......すごく...優しい人だ...。
目に涙が溜まってきて、でも見られたくないからそっぽを向きながら堪える。
「そんなこといって...白銀くんはまだ俺のこと...何も知らないじゃん...」
可愛くない、素直じゃないな俺。
そっぽ向きながら拗ねたように答える雪に思わず奏斗は笑ってしまう。
「ははははっ...うん。まだ知らない。だから知りたい。俺、雪のことめっちゃ気になる。何でかよく分かんないけど、雪とは仲良くなりたいと思う。」
ど直球に伝える奏斗に雪は驚くが、もう警戒心は消えていた。
「.......うん。」
今日、初めてもっとこの人と話してみたい、この人のことが知りたいと思った。
それは雪の中では大きな変化であり、同時に奏斗の中でもこれは大きな変化だったのである。
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