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放課後の教室では、静寂の中にペンが紙に触れる音だけが響いていました。
僕は中間試験の補習を受けることになってしまってたのです。
前回の期末試験の結果はすこぶる良く、ギリギリ赤点を回避していたという事実に調子に乗ってしまい、それは至極当然のように全教科赤点になりました。
毎回、試験勉強を教えてくれる兄が今回の試験では、恋にうつつを抜かしたせいでまるで使い物にならず、腑抜けていたことが原因ですね。
先生が諦めたのか、教室からいつの間にか居なくなり一時間以上が経過していました。
補習プリントを渡されても、僕一人ではさっぱり訳が分かりません。
もう放棄して帰ってしまおうかと頭を抱えていたとき教室の扉が開き、低く落ち着いた声が響きました。
「失礼する」
振り返ると、そこにいたのは風紀委員長、神城修哉先輩でした。
制服の第一ボタンまできっちり締め、皺一つない着こなしの姿に、僕はすぐに立ち上がり、礼をしました。
「風紀委員長、どうされましたか?」
風紀委員長は机に軽く手を置き、僕を見据えます。
「先生に頼まれたんだ。今回の期末試験、二学年でただ一人補習になってしまった厄介な生徒の面倒を見て欲しいって。……まさか君のことだとは」
「あはは」
何ということでしょう。笑っている場合ではないのですが、もはや乾いた笑いしか出ない状況ってあるんですね。
僕は、その瞬間、諦めにも似た気持ちになり補習のプリントを続けました。
風紀委員長は適宜教えてくれながら、休憩も取らせてくれず、笑顔でどんどん次のプリントを渡してきます。
「凌が言ってた話と大分違うな……」
「……一応聞きますけど、どんなですか」
「優秀で、何でもこなすしっかり者」
「……はぁ」
兄よ、勝手に僕のハードルを上げないでほしかったです。
「この様子だと、生徒会の仕事ついていけてるのか?」
失礼な!僕はいつも兄の書類に誤字がないかをチェックしたり要らなくなった書類を整理したり、生徒会室の掃除をしたりしてるのです。立派に生徒会補佐としての務めを果たしています。
僕がそう抗議すると、風紀委員長は何故か遠い所を見ていました。
「まぁ……うん、なんというか……補習に戻ろうか……」
優しいスパルタです。なんて矛盾してるのでしょう。
きっと、先生は放っておけば僕が全てを投げ出し補習をサボるとでも思ったのでしょうが、それにしたってこの仕打ちはあんまりです。鬼です。みんな揃って鬼です。
心の中で怒りを原動力で気合いでペンを動かしていると、思いの外はやくプリントが全て終わらせることができました。僕って、やっぱりやれば出来る子です。
丸つけと採点をしてもらい、帰る準備をしていると、風紀委員長が
「少しだけ、時間もらえないかな」と言いました。
「どうかしましたか?」と僕が聞くと、「ちょっと相談があってね……凌のことなんだ」と困ったような顔で言うので、驚きを隠せませんでした。
僕は頷き、椅子を一つ引きました。
「もちろん構いません。落ち着いてお話しください」
風紀委員長は静かに腰を下ろし、視線を真剣に僕に向けます。
「実は……僕、最近ちょっと焦っていてね」
僕は眉をひそめました。
「兄さんとの恋人関係において、ですか?」
風紀委員長は小さく頷き、口元に微笑を浮かべながらも目は鋭く、
「そう。付き合い始めたのに、進展が全然なくて……正直、少し不安になっている」と告白します。
僕は帰宅する準備をしていた手を止め、落ち着いた声で答えました。
「兄さんは純情すぎて、手を繋ぐだけで赤面される方です。進展の遅さは当然です。焦らずとも自然に、少しずつ距離を縮めるかと思います」
風紀委員長は小さく溜息をつきました。
「わかってはいるんだけど……僕としては、もう少し凌の本心を知りたいんだ」
僕は深く頷き、膝に鞄を乗せて座り直します。
「それであれば、僕が少し橋渡しをさせていただくのがよろしいかと存じます。兄さんが恥ずかしがることもありますので、僕を通してお伝えするのも一策かと」
風紀委員長は軽く笑みを浮かべました。
「君なら信頼できそうだね。じゃあ、遠慮なく聞かせてもらうよ」
僕は息を整え、少し声を潜めました。
「かしこまりました。兄さんの好みや、少々恥ずかしいエピソードも含めてお話いたします。このことはくれぐれも内密でお願いします」
風紀委員長は興味深そうに身を乗り出します。
「分かったよ。よろしく頼むね」
僕はゆっくりと語り始めました。
「兄さんは……実は意外なことに、Mの素質があります。本当は虐められたい、みたいなど変態だろうと推察しています」
風紀委員長は目を丸くし、口元に微笑を浮かべました。
「ふふ、そうだったんだ……面白いね。いや、可愛いね、って言ったほうが正しいかな」
僕はさらに続けます。
「根拠としては、兄さんが昔……所持していたエッチな本からです。秘蔵の三冊が全てドM調教物でした」
風紀委員長は小さく吹き出しました。
「なるほど……そのギャップか。面白すぎる」
まぁ、その三冊とも僕が面白半分で誕生日プレゼントにあげたものなんですが。まさか兄の性癖に直結してしまうとは思わず、ほんの少しだけ反省していた所でした。
僕は苦笑しながらも真剣に語ります。
「加えて、兄さんは自分の気持ちを言葉にするのが非常に苦手でございます。好きな人に対しても、すぐに『推し』のようは扱いになってしまうのが現状です」
風紀委員長は顔を真剣にして、軽く眉を寄せます。
「うーん……だから僕、ちょっと焦れていたんだな。凌の気持ちはわかるけど、言葉にしてくれないと不安になる」
僕は少し微笑み、風紀委員長の視線をしっかり受け止めます。
「はい、そこが兄さんの難しいところでございます。ですが、風紀委員長のリードで少しずつ安心感を与えれば、自然に気持ちを表すようになるかと」
風紀委員長は少し考え込むように沈黙しましたが、やがて立ち上がり、僕の肩に軽く手を置きました。
「ありがとう。君がいてくれて助かったよ。凌のこと、少しずつ理解できた気がする」
僕は深く頭を下げ、静かに答えました。
「恐縮です。兄さんのことで、少しでもお力になれれば幸いです」
風紀委員長は軽く笑みを浮かべ、扉の方に向かいます。
「じゃあ今日はこのくらいで……補習お疲れ様。また相談させてもらうかもしれない」
僕は礼をして見送りました。
「ありがとうございました。いつでもお待ちしております」
扉に手を掛けてすぐ、思い出したように振り返りました。
「あ、そうだ!君のタイプ教えて!」
「え……まさか、兄さんの次は僕を……」
いくら兄弟だからって流石に節操なしです。ドン引きな表情を隠せずにいました。
「違うから!実は……君のタイプを聞いてくれってある人に頼まれていてね……参考までに」
僕は豊富とまでは言えませんが、少なくとも兄よりは恋愛経験はあります。その記憶から分析するに、
「明るくて優しくて……犬みたいな人……ですかね?」
風紀委員長は何故か目を丸くして驚いた後、大層嬉しそうな声を出しました。
「そうか…!それならあいつ、ドンピシャじゃないか?……ありがとう!助かるよ」
嵐のように去り、扉が閉まったあと、僕は机に座りながら深く息をつきました。風紀委員長の意外な一面を知ることができたこと、そして兄の恋人としての真剣さに触れたことが、心の中で何度も反芻されます。
兄が少しずつでも、自分の感情を言葉にできるようになるための橋渡し役として、僕の存在は欠かせないのだと、改めて自覚しました。
僕は中間試験の補習を受けることになってしまってたのです。
前回の期末試験の結果はすこぶる良く、ギリギリ赤点を回避していたという事実に調子に乗ってしまい、それは至極当然のように全教科赤点になりました。
毎回、試験勉強を教えてくれる兄が今回の試験では、恋にうつつを抜かしたせいでまるで使い物にならず、腑抜けていたことが原因ですね。
先生が諦めたのか、教室からいつの間にか居なくなり一時間以上が経過していました。
補習プリントを渡されても、僕一人ではさっぱり訳が分かりません。
もう放棄して帰ってしまおうかと頭を抱えていたとき教室の扉が開き、低く落ち着いた声が響きました。
「失礼する」
振り返ると、そこにいたのは風紀委員長、神城修哉先輩でした。
制服の第一ボタンまできっちり締め、皺一つない着こなしの姿に、僕はすぐに立ち上がり、礼をしました。
「風紀委員長、どうされましたか?」
風紀委員長は机に軽く手を置き、僕を見据えます。
「先生に頼まれたんだ。今回の期末試験、二学年でただ一人補習になってしまった厄介な生徒の面倒を見て欲しいって。……まさか君のことだとは」
「あはは」
何ということでしょう。笑っている場合ではないのですが、もはや乾いた笑いしか出ない状況ってあるんですね。
僕は、その瞬間、諦めにも似た気持ちになり補習のプリントを続けました。
風紀委員長は適宜教えてくれながら、休憩も取らせてくれず、笑顔でどんどん次のプリントを渡してきます。
「凌が言ってた話と大分違うな……」
「……一応聞きますけど、どんなですか」
「優秀で、何でもこなすしっかり者」
「……はぁ」
兄よ、勝手に僕のハードルを上げないでほしかったです。
「この様子だと、生徒会の仕事ついていけてるのか?」
失礼な!僕はいつも兄の書類に誤字がないかをチェックしたり要らなくなった書類を整理したり、生徒会室の掃除をしたりしてるのです。立派に生徒会補佐としての務めを果たしています。
僕がそう抗議すると、風紀委員長は何故か遠い所を見ていました。
「まぁ……うん、なんというか……補習に戻ろうか……」
優しいスパルタです。なんて矛盾してるのでしょう。
きっと、先生は放っておけば僕が全てを投げ出し補習をサボるとでも思ったのでしょうが、それにしたってこの仕打ちはあんまりです。鬼です。みんな揃って鬼です。
心の中で怒りを原動力で気合いでペンを動かしていると、思いの外はやくプリントが全て終わらせることができました。僕って、やっぱりやれば出来る子です。
丸つけと採点をしてもらい、帰る準備をしていると、風紀委員長が
「少しだけ、時間もらえないかな」と言いました。
「どうかしましたか?」と僕が聞くと、「ちょっと相談があってね……凌のことなんだ」と困ったような顔で言うので、驚きを隠せませんでした。
僕は頷き、椅子を一つ引きました。
「もちろん構いません。落ち着いてお話しください」
風紀委員長は静かに腰を下ろし、視線を真剣に僕に向けます。
「実は……僕、最近ちょっと焦っていてね」
僕は眉をひそめました。
「兄さんとの恋人関係において、ですか?」
風紀委員長は小さく頷き、口元に微笑を浮かべながらも目は鋭く、
「そう。付き合い始めたのに、進展が全然なくて……正直、少し不安になっている」と告白します。
僕は帰宅する準備をしていた手を止め、落ち着いた声で答えました。
「兄さんは純情すぎて、手を繋ぐだけで赤面される方です。進展の遅さは当然です。焦らずとも自然に、少しずつ距離を縮めるかと思います」
風紀委員長は小さく溜息をつきました。
「わかってはいるんだけど……僕としては、もう少し凌の本心を知りたいんだ」
僕は深く頷き、膝に鞄を乗せて座り直します。
「それであれば、僕が少し橋渡しをさせていただくのがよろしいかと存じます。兄さんが恥ずかしがることもありますので、僕を通してお伝えするのも一策かと」
風紀委員長は軽く笑みを浮かべました。
「君なら信頼できそうだね。じゃあ、遠慮なく聞かせてもらうよ」
僕は息を整え、少し声を潜めました。
「かしこまりました。兄さんの好みや、少々恥ずかしいエピソードも含めてお話いたします。このことはくれぐれも内密でお願いします」
風紀委員長は興味深そうに身を乗り出します。
「分かったよ。よろしく頼むね」
僕はゆっくりと語り始めました。
「兄さんは……実は意外なことに、Mの素質があります。本当は虐められたい、みたいなど変態だろうと推察しています」
風紀委員長は目を丸くし、口元に微笑を浮かべました。
「ふふ、そうだったんだ……面白いね。いや、可愛いね、って言ったほうが正しいかな」
僕はさらに続けます。
「根拠としては、兄さんが昔……所持していたエッチな本からです。秘蔵の三冊が全てドM調教物でした」
風紀委員長は小さく吹き出しました。
「なるほど……そのギャップか。面白すぎる」
まぁ、その三冊とも僕が面白半分で誕生日プレゼントにあげたものなんですが。まさか兄の性癖に直結してしまうとは思わず、ほんの少しだけ反省していた所でした。
僕は苦笑しながらも真剣に語ります。
「加えて、兄さんは自分の気持ちを言葉にするのが非常に苦手でございます。好きな人に対しても、すぐに『推し』のようは扱いになってしまうのが現状です」
風紀委員長は顔を真剣にして、軽く眉を寄せます。
「うーん……だから僕、ちょっと焦れていたんだな。凌の気持ちはわかるけど、言葉にしてくれないと不安になる」
僕は少し微笑み、風紀委員長の視線をしっかり受け止めます。
「はい、そこが兄さんの難しいところでございます。ですが、風紀委員長のリードで少しずつ安心感を与えれば、自然に気持ちを表すようになるかと」
風紀委員長は少し考え込むように沈黙しましたが、やがて立ち上がり、僕の肩に軽く手を置きました。
「ありがとう。君がいてくれて助かったよ。凌のこと、少しずつ理解できた気がする」
僕は深く頭を下げ、静かに答えました。
「恐縮です。兄さんのことで、少しでもお力になれれば幸いです」
風紀委員長は軽く笑みを浮かべ、扉の方に向かいます。
「じゃあ今日はこのくらいで……補習お疲れ様。また相談させてもらうかもしれない」
僕は礼をして見送りました。
「ありがとうございました。いつでもお待ちしております」
扉に手を掛けてすぐ、思い出したように振り返りました。
「あ、そうだ!君のタイプ教えて!」
「え……まさか、兄さんの次は僕を……」
いくら兄弟だからって流石に節操なしです。ドン引きな表情を隠せずにいました。
「違うから!実は……君のタイプを聞いてくれってある人に頼まれていてね……参考までに」
僕は豊富とまでは言えませんが、少なくとも兄よりは恋愛経験はあります。その記憶から分析するに、
「明るくて優しくて……犬みたいな人……ですかね?」
風紀委員長は何故か目を丸くして驚いた後、大層嬉しそうな声を出しました。
「そうか…!それならあいつ、ドンピシャじゃないか?……ありがとう!助かるよ」
嵐のように去り、扉が閉まったあと、僕は机に座りながら深く息をつきました。風紀委員長の意外な一面を知ることができたこと、そして兄の恋人としての真剣さに触れたことが、心の中で何度も反芻されます。
兄が少しずつでも、自分の感情を言葉にできるようになるための橋渡し役として、僕の存在は欠かせないのだと、改めて自覚しました。
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