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第15話『ただいま』

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目が覚めた時、あたりが寒くないこと、機械につながれていないことに安堵した。思い切ってベッドから身を起こそうとして、体に力を入れるが起き上がることは出来たけれど力が足りなくて座って居られなかった。

起き上がった時にちらっと見えたのはロイスの家の私のお部屋の内装でここがロイスの家だということに安堵した。安心と共に眠気が私を襲った。

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ロイスside

リリアを家に連れて帰り、うちの家専門の医者にリリアを見せたところ、切り傷は綺麗に足の筋を切っていて、治癒魔法でつながってはいるが、早く動いたり、走ったり、長時間の徒歩移動は難しいであろうという事だった。

俺はもっと早く見つけてやれていたらという、後悔でいっぱいだった。

そんな中調査の終えた父様が帰ってきて俺に教えてくれたんだ。

リリアをさらったのは、やはり過去に捕まった貴族達と、そいつらのおかげで甘い蜜を吸っていた奴らだったらしい。

リリアをさらった目的としては魔力の多いリリアを魔法兵器の電池として使うためだったようだ。

他にも犯人はいたらしい。それはリリアの母親、でリリアを売っぱらってリチャードを贅沢にせいかつさせかったらしい。

そうして芋ヅル式に犯人達は捕まり、罰を下された。

でもリリアは目を覚まさない。ずっとリリアのベッドの横で、うつらうつら寝ながら待っていたけれど目を覚ます予感すらしなくて、リリアが自分を酷い目に合わせた世界を否定しているんじゃないかってそう思い始めていた。

リリアに声をかけても、リリアの好きな花を摘んで来ても、みんなに隠れて本のような目覚めのキスをしてみてもリリアは起きなかった。

悲しくて苦しくて泣いたけれどリリアの綺麗な瞳が俺の事を見つめることは無かった。

来る日も来る日もリリアのそばで、目覚めを待ち続けた。やっと目が覚めたリリアは、俺に抱きついてきて、「寂しかった、苦しかった」と泣き続けた。

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