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第47話『目覚め』
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婚約者って誰かな?お部屋に寝てた女の人のこと?なんで寝ているんだろうこんなにも彼がないているのにってぐるぐる考えているうちに彼を見失ってしまって、慌てて辺りを探していると先程の女の人が扉の前でぼそぼそと文句位を言っていたのが聞こえた。
「あれがお人形さんになってからもう5年も経つのに、いつまで待ち続けるのかしら、あれさえないければ。ロイス様は私の夫になるはずだったのに!」とぼそぼそ話しているのを再び団員たちに見つかりもんの外までつまみ出されていた。
ロイスさま?彼の名前かな、どこかで聞いたような、誰だったかな、確かとっても、大事な名前で、私の大事な、
ぐるぐる考えて分からなくなって辺りをぐるぐる回る。再び見つけた彼は帰りの準備をしていたみたいで、馬に乗ろうとしていたから行きと同じように彼の後ろに跨りついて行った。
着いた先はやっぱり最初の屋敷で私の目の前で閉じたドアをすり抜けることが出来て驚いた。彼は帰宅の挨拶もそこそこに階段をのぼり女の人の眠る部屋へと向かう。
「ただいまリリア、」と声をかける彼に懐かしさを感じた。彼はベッドに近づくと脇に座り込み女の人の手を握る。「なぁリリア、あれからもう5年だ、そろそろ目を覚ましてくれ、頼むよ、俺強くなったんだ、騎士団長だよ、もうリリアのこと危険に晒したりしないからお願いだリリア、目を覚ましてくれ、」そう泣く彼の言葉は私が真っ白な世界で聞いた声と同じで、静かに涙を流す彼の横で私は何かを思い出せそうな気がした。
その途端私の意識は一気に何かに吸い込まれ、重たい体を感じた。目を開けると目の前には記憶より幾分か歳をとったロイスの泣き顔が見えて私は思うように動かない腕で彼の頭を撫でた。「だ、い、じょ、ぅ、ね、わた、ぃき、てぅ、」と掠れた途切れ途切れの声をロイスにかけるとロイスはさらに泣いてしまった。
「リリア、リリア、もうだめかと、」そう私に縋り付くロイスは私よりも大きなはずなのにとても小さく、弱々しく感じられた。
でもすぐに立ち直るとベッド脇のベルを鳴らし私に水をくれて、お医者さんをよんでくれた。
「あれがお人形さんになってからもう5年も経つのに、いつまで待ち続けるのかしら、あれさえないければ。ロイス様は私の夫になるはずだったのに!」とぼそぼそ話しているのを再び団員たちに見つかりもんの外までつまみ出されていた。
ロイスさま?彼の名前かな、どこかで聞いたような、誰だったかな、確かとっても、大事な名前で、私の大事な、
ぐるぐる考えて分からなくなって辺りをぐるぐる回る。再び見つけた彼は帰りの準備をしていたみたいで、馬に乗ろうとしていたから行きと同じように彼の後ろに跨りついて行った。
着いた先はやっぱり最初の屋敷で私の目の前で閉じたドアをすり抜けることが出来て驚いた。彼は帰宅の挨拶もそこそこに階段をのぼり女の人の眠る部屋へと向かう。
「ただいまリリア、」と声をかける彼に懐かしさを感じた。彼はベッドに近づくと脇に座り込み女の人の手を握る。「なぁリリア、あれからもう5年だ、そろそろ目を覚ましてくれ、頼むよ、俺強くなったんだ、騎士団長だよ、もうリリアのこと危険に晒したりしないからお願いだリリア、目を覚ましてくれ、」そう泣く彼の言葉は私が真っ白な世界で聞いた声と同じで、静かに涙を流す彼の横で私は何かを思い出せそうな気がした。
その途端私の意識は一気に何かに吸い込まれ、重たい体を感じた。目を開けると目の前には記憶より幾分か歳をとったロイスの泣き顔が見えて私は思うように動かない腕で彼の頭を撫でた。「だ、い、じょ、ぅ、ね、わた、ぃき、てぅ、」と掠れた途切れ途切れの声をロイスにかけるとロイスはさらに泣いてしまった。
「リリア、リリア、もうだめかと、」そう私に縋り付くロイスは私よりも大きなはずなのにとても小さく、弱々しく感じられた。
でもすぐに立ち直るとベッド脇のベルを鳴らし私に水をくれて、お医者さんをよんでくれた。
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