呪いなんて怖くない!〜木こりの息子と仮面の少年

閑人

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15.先生からのお呼び出し

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 次の日の放課後俺たちは担任のオットー先生に呼び出された。

 「今日学園に警察とお子様連れのご夫婦が『誘拐犯を捕まえる協力をしてくれたお礼』にいらっしゃいました。…あなた達ですね?」

とじっと俺たちを見た。表情はいつも通り柔らかいがちょっと怒ってる?

 「え、えーとココロアタリガアリマセン」

嘘をついた俺にルドルフがびっくりしている。お前この雰囲気で『はいやりました』って素直に言える訳ないだろう?

 「…『袖に青いラインの入ってる学園の制服を着た』『とってもガタイのいい学生』と『仮面をつけた学生』の2人とおっしゃってましたけど?1年生にそんな学生はあなたたち以外にいませんよ」(袖に青いラインは1年生の印)

「申し訳ありません。私たちです」

即座にルドルフが白旗揚げた。俺も続いて

「ごめんなさい」と謝る。

 先生は深いため息をついて

「悪い事をしたわけではないので叱るつもりはないのですが、とにかく君たちは自分たちだけで事を何とかしようとしすぎる傾向にあります。周りと協力する事もこれからは大事になると覚えておいて下さい。今回は誰にも怪我がなかったので良かったですが…」

 …ふと先生と目が合って驚いた。そこにあるのは父ちゃんが俺を心配してる時と同じ目をした人間がいたのだ。『先生』という存在としか見てなかったけど彼も1人の『子どもを心配する大人』だったのだ。心がちょっと痛い。しんみりしていると

 「それはそうとリュ君。救出時に石壁を壊しましたね?」

 やばい!バレた。

 「弁償しないといけませんか?うちお金ないんですけど」

先生はそれには答えず

 「『素手で』壊したと聞いてますが間違いない?」

 「…はい」どんな処分がくるのか?
 
 「それ身体強化の魔法ですね。学園への届出では魔力無しになってますが変更しておきます。来週からの魔法実習は絶対参加して下さい」とサラッと先生が言った。

 「何ですかそれ?俺、いや私が使ったのは父直伝の馬鹿力ですよ。魔法じゃないです、魔力ないし」驚く俺。

 「…ならばお父様も身体強化の魔法が使える可能性が高いですね。今度学園にいらっしゃったら紹介したい先生がいるので教えて下さい。使える人がとても少ない絶滅危惧種みたいな魔法なので」

 「絶滅危惧種…で、でも昔魔力はないって…」

 「身体強化の魔法は魔力を体の中で使う、外に魔力を出さない魔法なので周りも本人すら気がつかない事が多いんですよ。魔力が外に漏れればすぐわかるんですけどねぇ。そうそう石壁の弁償は警察がするので心配無用とおっしゃってましたよ。そんな事より来週の実習楽しみしています。身体強化の研究をしている先生もお呼びしておかないと…」

何だかウキウキな先生。やはり根本は学者なんだな。俺が魔法?と横を見るとルドルフがウンウンと頷いている。何故?

 「私もあの馬鹿力はおかしいと思っていたんだ。分厚い石壁だよ?手を突っ込んだら壁が壊れる前に自分の手が折れるのが普通。それを出来るのは何故か?…身体強化かぁ…盲点だった。まあお互い実習頑張ろう」

ポンと肩を叩かれた。

 えぇ実習は関係ないからゆっくりしようと思ってたのに…しかし俺も父ちゃんも魔法が使えるかもとは…ん?待てよ。ここまでの威力はないけどうちの村にまだ何人かこの馬鹿力使える人がいるぞ!何ならゲルダさんもその1人だ。これも先生に伝えた方がいいのか?いや、これはひょっとすると村全体の事案になるかもしれないからおばばにお伺いたてたほうが良さげだな。

 先生から解放された俺はルドルフの即席魔法講義を聞きつつ自室に向かった。

 「関係ないと思ってたから魔法の座学ほとんど聞いてなかったから助かったよ」

 「筆記試験あるのにどうするつもりだった?」

 「あれ?試験あるのか…忘れてた」

 「さっき授業の要点は教えたからそれで何とかしなさい。しかし身体強化かあ私も使ってみたい!それは無理としてもせめて君の『エルフの祝福』あればなぁ。昨日の猫の目印なんてとてもワクワクしたよ」

 …ワクワクしてる所悪いがあれは『エルフの祝福』じゃあない。もっと現実的なやり方だよ。ゲルダさんのピピを買収したくて『またたびの粉』をこっそり持って来てたんだ。それを使って猫たちを酔っ払わせて目印にしたんだ~とネタバラシ。ガッカリするルドルフを見て少し申し訳ない気分になった。
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