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4 砂 後日②
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「いらっしゃいませー!」
いつものお店のいつもの店員さんの元気な声が響く。でも俺にとっては今日は違う。このドキドキする気持ちを悟られない様に商品をレジに置いた。
「…会計お願いします」
「ガム1点ですね!158円になります」
「こ、これでお願いしまふ」(噛んだ…)
「200円お預かりしまーす。お釣り42円です。会計済みシール貼りましょうか?」
「あ…えとお願いします」
「はい!ありがとうございました!またどうぞー!」
「ああありがとうございます」(もっと噛んだ…)
ウィンと俺の背後で自動ドアが閉まった。
「やったー!話せたー!」
「で、小躍りしながら家まで帰ってきたと?ガムくらいいつも買ってるじゃん~」
大喜びで帰宅したらショウに呆れ顔をされた。
「ガムの問題じゃない!『1人で』『家族以外の人と話した』ってのが大事なんだよ。今まではお前を通さないと1人ではお礼どころか挨拶すら出来なかった、それがどんなにもどかしかった事か!それがこれからは『自分でできる』んだよ!すっごく嬉しい!わかるか?この気持ち!」
目の前に引き攣った顔があるが気にしないで熱弁を奮っているとショウは目をスッと晒しパソコンの画面に顔を戻して作業を続けだした。もう少し人の気持ちを理解しようとした方がいいぞお前。てか、お前が『ミイちゃん独り占め』とか訳わからない事言って音声変換装置をなかなか作らなかったからこう(めっちゃ興奮)なってるんだぞ。
「話聞けよーってあれ?これって…」
画面に設計図らしき物が拡がっていた。
「『固める君3号』だよ~。特許申請に使うから早く書けってせっつかれてるんだよ~」
「コウ兄さんに?」
「ううん。マツナガさんに~あの人ニコニコしてるけどこういうところには厳しいんだよね~」
マツナガさん…あぁコウ兄さんの会社のお前担当の可哀想な人か。ショウの作った物で儲かりそうな物の特許申請とか一括でやってるんだったっけ?(あとはショウのしでかした事の尻拭いとか)会うとニコニコホクホク顔の時が多いからある程度は儲かってるんだろうけど、今回はどうなんだろう?
「これって売れるの?」
シンプルな疑問をぶつけてみた。
「う~ん。これ自体は液体を噴射しつつ地面を掘るミニブルドーザーだからどうかな?それより噴射している液体が売れるんじゃないかと思うって言ってた」
そんな物出してたんだあの機械。
「砂を固める液体って事?」
「そうそう。その液体で砂を『一時的に』固める事ができるんだ。この『一時的に』ってのがミソで、必要な期間固めておけるんだ。期間は液体の濃度と量で調節する事が出来て、その上液体の成分は生分解されて環境にも優しいという優れ物なんだ~」
おぉショウが久しぶりに賢く見えてきた。ちょっと好奇心で聞いてみる。
「この間ショウが掘った穴はどのくらいもつようになってたんだ?」
「ん~1時間?」
「…は?」聞き間違いかな?
「どんなに長く見積もっても2時間は…無理かな~」
…前言撤回、こいつはバカだ。地下にある町を調べるのにそんな短時間で終わるわけない。町に喰われなくても、地下の町でウロウロしているうちに穴が塞がって脱出不能になってた可能性が高い。救い難いくらい愚かだ。今後誘われても絶対ついて行かないと決めた。
そんな俺の心の内には気付かずに
「とにかく早くこの作業終わらせて、別の事がやりたいんだよね~」
「何をやるつもり?」おそるおそる聞いた。
「ほら~この間コウ兄さんが言ってたでしょ『嘘をつく時の癖』。僕の」
「言ってたなそう言えば。で?」
「その癖を見つけようかと思って~昔の自分の動画とか写真から探すんだ~。そうしないとコウ兄さんの前で嘘つけなくなっちゃうでしょ~」
嘘をつかないという選択肢はないようだ。
「とりあえずヤマモトさんに聞いてみたら?コウ兄さんも知ってるかもって言ってたし」
「もう聞いた~」
「何だって?」
「『ショウさんが嘘をついたかわからなくなってしまうので教えません』って」
ガッカリしているショウには悪いが、普段からやってる事がふざけてるのか本気なのかわからないヤツだから、嘘ついてるかどうかくらいは知っておきたいよな。分かる分かる。
「やっぱりこの際だから一般的に嘘つく時の動作とか微細な表情の変化とか分析して~画像に写ってる人が嘘ついてるかすぐわかるシステム作っちゃおうかな~面白そうだし。だとするとサンプルがたくさんいるな~マツナガさんに頼んじゃおうかな~」
「マツナガさんがオーバーワークになるからやめろ。ま、出来上がれば喜んで使ってくれる人はいるんじゃないか?」
「え?誰それ?」
期待に満ちたいい顔だなショウ。俺はそれを眺めつつニヤリと笑って言った。
「コウ兄さん」
「……嫌だ」
「諦めてコウ兄さんに会う時は何か袋でも被って行けばいいよ」
「そんなの嘘つきますって言ってるのと一緒だよ~。ひどいよ~」
うん!今日はいい1日だった。
いつものお店のいつもの店員さんの元気な声が響く。でも俺にとっては今日は違う。このドキドキする気持ちを悟られない様に商品をレジに置いた。
「…会計お願いします」
「ガム1点ですね!158円になります」
「こ、これでお願いしまふ」(噛んだ…)
「200円お預かりしまーす。お釣り42円です。会計済みシール貼りましょうか?」
「あ…えとお願いします」
「はい!ありがとうございました!またどうぞー!」
「ああありがとうございます」(もっと噛んだ…)
ウィンと俺の背後で自動ドアが閉まった。
「やったー!話せたー!」
「で、小躍りしながら家まで帰ってきたと?ガムくらいいつも買ってるじゃん~」
大喜びで帰宅したらショウに呆れ顔をされた。
「ガムの問題じゃない!『1人で』『家族以外の人と話した』ってのが大事なんだよ。今まではお前を通さないと1人ではお礼どころか挨拶すら出来なかった、それがどんなにもどかしかった事か!それがこれからは『自分でできる』んだよ!すっごく嬉しい!わかるか?この気持ち!」
目の前に引き攣った顔があるが気にしないで熱弁を奮っているとショウは目をスッと晒しパソコンの画面に顔を戻して作業を続けだした。もう少し人の気持ちを理解しようとした方がいいぞお前。てか、お前が『ミイちゃん独り占め』とか訳わからない事言って音声変換装置をなかなか作らなかったからこう(めっちゃ興奮)なってるんだぞ。
「話聞けよーってあれ?これって…」
画面に設計図らしき物が拡がっていた。
「『固める君3号』だよ~。特許申請に使うから早く書けってせっつかれてるんだよ~」
「コウ兄さんに?」
「ううん。マツナガさんに~あの人ニコニコしてるけどこういうところには厳しいんだよね~」
マツナガさん…あぁコウ兄さんの会社のお前担当の可哀想な人か。ショウの作った物で儲かりそうな物の特許申請とか一括でやってるんだったっけ?(あとはショウのしでかした事の尻拭いとか)会うとニコニコホクホク顔の時が多いからある程度は儲かってるんだろうけど、今回はどうなんだろう?
「これって売れるの?」
シンプルな疑問をぶつけてみた。
「う~ん。これ自体は液体を噴射しつつ地面を掘るミニブルドーザーだからどうかな?それより噴射している液体が売れるんじゃないかと思うって言ってた」
そんな物出してたんだあの機械。
「砂を固める液体って事?」
「そうそう。その液体で砂を『一時的に』固める事ができるんだ。この『一時的に』ってのがミソで、必要な期間固めておけるんだ。期間は液体の濃度と量で調節する事が出来て、その上液体の成分は生分解されて環境にも優しいという優れ物なんだ~」
おぉショウが久しぶりに賢く見えてきた。ちょっと好奇心で聞いてみる。
「この間ショウが掘った穴はどのくらいもつようになってたんだ?」
「ん~1時間?」
「…は?」聞き間違いかな?
「どんなに長く見積もっても2時間は…無理かな~」
…前言撤回、こいつはバカだ。地下にある町を調べるのにそんな短時間で終わるわけない。町に喰われなくても、地下の町でウロウロしているうちに穴が塞がって脱出不能になってた可能性が高い。救い難いくらい愚かだ。今後誘われても絶対ついて行かないと決めた。
そんな俺の心の内には気付かずに
「とにかく早くこの作業終わらせて、別の事がやりたいんだよね~」
「何をやるつもり?」おそるおそる聞いた。
「ほら~この間コウ兄さんが言ってたでしょ『嘘をつく時の癖』。僕の」
「言ってたなそう言えば。で?」
「その癖を見つけようかと思って~昔の自分の動画とか写真から探すんだ~。そうしないとコウ兄さんの前で嘘つけなくなっちゃうでしょ~」
嘘をつかないという選択肢はないようだ。
「とりあえずヤマモトさんに聞いてみたら?コウ兄さんも知ってるかもって言ってたし」
「もう聞いた~」
「何だって?」
「『ショウさんが嘘をついたかわからなくなってしまうので教えません』って」
ガッカリしているショウには悪いが、普段からやってる事がふざけてるのか本気なのかわからないヤツだから、嘘ついてるかどうかくらいは知っておきたいよな。分かる分かる。
「やっぱりこの際だから一般的に嘘つく時の動作とか微細な表情の変化とか分析して~画像に写ってる人が嘘ついてるかすぐわかるシステム作っちゃおうかな~面白そうだし。だとするとサンプルがたくさんいるな~マツナガさんに頼んじゃおうかな~」
「マツナガさんがオーバーワークになるからやめろ。ま、出来上がれば喜んで使ってくれる人はいるんじゃないか?」
「え?誰それ?」
期待に満ちたいい顔だなショウ。俺はそれを眺めつつニヤリと笑って言った。
「コウ兄さん」
「……嫌だ」
「諦めてコウ兄さんに会う時は何か袋でも被って行けばいいよ」
「そんなの嘘つきますって言ってるのと一緒だよ~。ひどいよ~」
うん!今日はいい1日だった。
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