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11 コウタロウの視点 ②
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ヤマモトさんまでおかしくなってしまったのだろうか?戸惑い無言になる私。そして、それを電話越しに感じとったヤマモトさんは深いため息をついた。
「信じていただけないですよね。私もショウさんの話を聞いた時そうでした。でも…」
彼女によると彼らが帰宅した時から違和感があったそうだ。前もって私が『ショウがミイちゃんだと言い張っている友達?を家に連れ帰るので、刺激せずに泊めてやって欲しい。連れている友達?については明日にでも本人に身元とかを聞いてみるのでそれまでよろしくお願いします』と伝えてあったので、2人が帰宅しても何も聞かずに食事やお客様用の宿泊の支度をしたそうだ。
お友達?さんは宿泊に必要な物を持っていなかったようなので、タオルや布団の場所を教えようとすると
何も聞かないうちに『これでいい?』みたいな顔をして洗面台の2番目の引き出しを開けタオルを取り出したのだそうだ。そこで気がついた。
『家に来た事が無いはずなのに家人のように物の場所も間取りも知っている様な動きをしていた』
これが違和感の正体だと言う事に。
「もしかしたら何度か家に連れて来ている本当の友人なのかも知れませんよ」私は言った。
「私もそう考えては見ましたが、それなら私が全く知らないはずが無いんですよ。ショウさんを小さい頃から面倒をみているんですから。万が一私に内緒で何度か連れてきているとしてもあれだけスムーズに動けるほどしょっちゅう他人が来ていたら家の管理を一手に引き受けてる私が気がつかない訳が無いんです。あと…」
「あと?」
(そう言えばご友人さん着替えとかも持っていらっしゃらなかったわ。ショウさんの今の服ではちょっと大きすぎるから、昔の服を見繕ってお好きな物を選んでもらいましょう)と思い、タンスから懐かしい服を何着か取り出して、ショウの部屋のドアをノックした。
「ショウさん。おとも…ミイちゃんに着替え用に着られそうな服をお持ちしましたよ」
「ありがとう。そうか~これからは服が必要だね~明日にでも買いに行こう~。とりあえずこれどう?」
とショウは持ってきた服のなかからシャツを1枚『ミイちゃん』に渡して着替えるよう勧めた。すると『ミイちゃん』はくるりと背を向けて、ややぎこちない動きで着替え始めた。
「その背中に『ミイちゃん』と同じサビ柄の毛が生えていたんです!」
「まさかそんな馬鹿な!」
「ひょっとしてひょっとすると本当にショウさんは『ミイちゃん』を人間にしてしまったのではないのでしょうか?あの能力については私もお祖父様から少し聞いております。私からのお願いです。ショウさんを病院に連れて行く前に『ミイちゃん』を調べていただけたないでしょうか?」
ヤマモトさんからの電話を切った後どのくらい茫然としていたから不明だが、ふと気がついて古くからの友人に連絡をとった。
「お前の口の固さを信じて至急かつ内密に頼みたい事があるんだが」
数日後その友人が会社に訪れてきた。
「すまんコウタロウ。大失態だ。信頼して任せてくれたのに…」
放っておいたら土下座でもするんじゃないかと思うくらいの謝罪から始まった。
「いやいや。無理なことをお願いしたのはこっちだよ。で何かあったのか?」
「この間のDNAの分析結果なのだが…」
「ありがとう。内密で至急なんて大変な事を頼んで済まなかった」
何枚かの資料が渡された。
「この赤く囲ってある部分は何だ?」
「コンタミだ。研究者としてあってはならない事だ…きっとうちで飼っている猫のでも試料に混ざっていたんだろう。『猫のDNAが人間のDNAに混ざってしまっている』なんてコンタミ以外ありえない」
コンタミ(試料汚染)ではない…とは言えなかった。ショウが出来るはずのない事をやってしまったのは間違いなかろう。申し訳ないが、友人には勘違いしてもらったままでいてもらい、サンプルも分析結果もデリートしてもらう事を約束して帰ってもらった。
古くから続く私の家系には願った事のほとんどが出来てしまうと言う能力を持つ人間が現れる事がある。
『神様からもらったその能力大事にしろよ』という亡き祖父の声が聞こえた気がした。
「信じていただけないですよね。私もショウさんの話を聞いた時そうでした。でも…」
彼女によると彼らが帰宅した時から違和感があったそうだ。前もって私が『ショウがミイちゃんだと言い張っている友達?を家に連れ帰るので、刺激せずに泊めてやって欲しい。連れている友達?については明日にでも本人に身元とかを聞いてみるのでそれまでよろしくお願いします』と伝えてあったので、2人が帰宅しても何も聞かずに食事やお客様用の宿泊の支度をしたそうだ。
お友達?さんは宿泊に必要な物を持っていなかったようなので、タオルや布団の場所を教えようとすると
何も聞かないうちに『これでいい?』みたいな顔をして洗面台の2番目の引き出しを開けタオルを取り出したのだそうだ。そこで気がついた。
『家に来た事が無いはずなのに家人のように物の場所も間取りも知っている様な動きをしていた』
これが違和感の正体だと言う事に。
「もしかしたら何度か家に連れて来ている本当の友人なのかも知れませんよ」私は言った。
「私もそう考えては見ましたが、それなら私が全く知らないはずが無いんですよ。ショウさんを小さい頃から面倒をみているんですから。万が一私に内緒で何度か連れてきているとしてもあれだけスムーズに動けるほどしょっちゅう他人が来ていたら家の管理を一手に引き受けてる私が気がつかない訳が無いんです。あと…」
「あと?」
(そう言えばご友人さん着替えとかも持っていらっしゃらなかったわ。ショウさんの今の服ではちょっと大きすぎるから、昔の服を見繕ってお好きな物を選んでもらいましょう)と思い、タンスから懐かしい服を何着か取り出して、ショウの部屋のドアをノックした。
「ショウさん。おとも…ミイちゃんに着替え用に着られそうな服をお持ちしましたよ」
「ありがとう。そうか~これからは服が必要だね~明日にでも買いに行こう~。とりあえずこれどう?」
とショウは持ってきた服のなかからシャツを1枚『ミイちゃん』に渡して着替えるよう勧めた。すると『ミイちゃん』はくるりと背を向けて、ややぎこちない動きで着替え始めた。
「その背中に『ミイちゃん』と同じサビ柄の毛が生えていたんです!」
「まさかそんな馬鹿な!」
「ひょっとしてひょっとすると本当にショウさんは『ミイちゃん』を人間にしてしまったのではないのでしょうか?あの能力については私もお祖父様から少し聞いております。私からのお願いです。ショウさんを病院に連れて行く前に『ミイちゃん』を調べていただけたないでしょうか?」
ヤマモトさんからの電話を切った後どのくらい茫然としていたから不明だが、ふと気がついて古くからの友人に連絡をとった。
「お前の口の固さを信じて至急かつ内密に頼みたい事があるんだが」
数日後その友人が会社に訪れてきた。
「すまんコウタロウ。大失態だ。信頼して任せてくれたのに…」
放っておいたら土下座でもするんじゃないかと思うくらいの謝罪から始まった。
「いやいや。無理なことをお願いしたのはこっちだよ。で何かあったのか?」
「この間のDNAの分析結果なのだが…」
「ありがとう。内密で至急なんて大変な事を頼んで済まなかった」
何枚かの資料が渡された。
「この赤く囲ってある部分は何だ?」
「コンタミだ。研究者としてあってはならない事だ…きっとうちで飼っている猫のでも試料に混ざっていたんだろう。『猫のDNAが人間のDNAに混ざってしまっている』なんてコンタミ以外ありえない」
コンタミ(試料汚染)ではない…とは言えなかった。ショウが出来るはずのない事をやってしまったのは間違いなかろう。申し訳ないが、友人には勘違いしてもらったままでいてもらい、サンプルも分析結果もデリートしてもらう事を約束して帰ってもらった。
古くから続く私の家系には願った事のほとんどが出来てしまうと言う能力を持つ人間が現れる事がある。
『神様からもらったその能力大事にしろよ』という亡き祖父の声が聞こえた気がした。
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