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№46 死後
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自殺をしようとしたんです。方法はいろいろありますが、その時は選択肢が多くて決断しかねていました。でも、とりあえず死ぬ時くらいは静かに死にたいと思っていました。死んだときくらい人に責められたくないって……。
だからどこか山で睡眠薬を飲もうかととりあえず電車に乗りました。ま、そんな感じなんで下調べもせず適当に電車に乗ったから、なかなか思うような場所にたどり着かず、何度も乗り換えをして、いつの間にか知らない電車に乗っていました。
ブロック席の前に僕と同じ年くらいの、30歳手前くらいの男性が座っていました。いつからいたんだろうと考えても思いだせません。男性は僕が見ているのに気付くと屈託のない笑顔を見せてきました。
「どちらにいかれるんですか?」
「ああ、親戚の家に」
「俺もです」
そんな感じの会話が自然に始まりました。といっても僕は死ぬつもりなので少しずつ嘘を混ぜましたが。しかし気づかれたのか変な話の流れになりました。
「死んだら魂は溶けるように消えるそうですよ」
淡々と話す言葉に僕はあいまいにうなずきました。
「でも自殺したら苦しみが続きます」
「それは、怪談ですか?」
僕が訊くと彼はまたにこりと微笑みました。そして窓の外に目をやりました。夕陽が山の間から差し込んでいます。彼の目が赤く染まったように見えました。
「もし、殺されたらどうなるとおもいますか?」
夕陽を見ながら彼が言います。
「さあ、どうなるんですか?」
「やってみますか?」
彼は微笑んだままでした。気味が悪くなって席を立とうとしましたが、体か座席に縛り付けられたかのように動きません。力を入れてうめく僕を彼は見つめていましたが、その彼の口が横に裂け、牙がむき出しになりました。獣臭さが鼻を突き、目の前の男は徐々に枝のような茶色い毛に包まれていきました。
そこで記憶が途切れます。たぶんあの後、食われたんだと思います。今更それがトラウマとか言いませんが、何だったんだろうかって不思議には思いますね。
――一度死んだってことですか? と私は和久田さんに聞きました。
僕が言えることは、化け物に食われたら人間ではなくなるということです。自殺する理由もなくなりましたが……。
だからどこか山で睡眠薬を飲もうかととりあえず電車に乗りました。ま、そんな感じなんで下調べもせず適当に電車に乗ったから、なかなか思うような場所にたどり着かず、何度も乗り換えをして、いつの間にか知らない電車に乗っていました。
ブロック席の前に僕と同じ年くらいの、30歳手前くらいの男性が座っていました。いつからいたんだろうと考えても思いだせません。男性は僕が見ているのに気付くと屈託のない笑顔を見せてきました。
「どちらにいかれるんですか?」
「ああ、親戚の家に」
「俺もです」
そんな感じの会話が自然に始まりました。といっても僕は死ぬつもりなので少しずつ嘘を混ぜましたが。しかし気づかれたのか変な話の流れになりました。
「死んだら魂は溶けるように消えるそうですよ」
淡々と話す言葉に僕はあいまいにうなずきました。
「でも自殺したら苦しみが続きます」
「それは、怪談ですか?」
僕が訊くと彼はまたにこりと微笑みました。そして窓の外に目をやりました。夕陽が山の間から差し込んでいます。彼の目が赤く染まったように見えました。
「もし、殺されたらどうなるとおもいますか?」
夕陽を見ながら彼が言います。
「さあ、どうなるんですか?」
「やってみますか?」
彼は微笑んだままでした。気味が悪くなって席を立とうとしましたが、体か座席に縛り付けられたかのように動きません。力を入れてうめく僕を彼は見つめていましたが、その彼の口が横に裂け、牙がむき出しになりました。獣臭さが鼻を突き、目の前の男は徐々に枝のような茶色い毛に包まれていきました。
そこで記憶が途切れます。たぶんあの後、食われたんだと思います。今更それがトラウマとか言いませんが、何だったんだろうかって不思議には思いますね。
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