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◈◈忌み子の少年◈◈
朝市
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翌朝、シャルルはルディウスと一緒に街へと出ていた。
「この街は朝市でも有名なんですよ。この街の周りで採れた新鮮な野菜や果物は味が濃く、食感もいいことで有名なんです」
「ふーん……」
朝市には色々な店が出ていた。一番多いのは、野菜や果物を売っている店だが、他にも肉の串焼きや果実水を売っている屋台、アクセサリーや雑貨を売っている出店などがあった。
「今日は市場を回って色々なものを買いましょう。朝ごはんもここで食べましょうね。何か欲しいものがあったら、遠慮なく言ってくださいね」
「ん~……」
シャルルはキラキラとした目で周りを見ていた。
「聞いてませんね、これは」
ルディウスは苦笑して呟いた。
「それじゃあ、まずは朝ごはんを食べに行きましょうか。シャルルは何が食べたいですか?」
「あれとあれ」
そう言ってシャルルが指さしたのは、オーク肉を甘辛く煮た角煮と、薄い一枚のパンを折って中に色々と挟んで食べるサンドウィッチのようなものだった。
「テトルはいいとして、オーク肉はアレですね……。私の分を一口だけ分けると言うことでいいですか?」
「ん!」
ルディウスは、シャルルにここにいるように言って、買いに行った。
シャルルが言われたようにおとなしくベンチに座っていると、ふと影がさした。上を見上げると、そこには3人の男がシャルルを取り囲むようにして立っていた。
「おいおい、見ろよ。こんなところに薄汚いガキがいるぞ!」
「ほんっと、汚ぇな。スラムの奴が何でこんなところにいるんだよ」
「オラオラ、どけよ!!そこは俺様達が座るんだよ!!」
男の1人がシャルルをどつき、シャルルはベンチに倒れ込んだ。するとそれを待っていたかのように、違う男がシャルルの服を掴んでベンチから引きずり下ろす。引きずり下ろされたシャルルは、地面に投げ出されるようにされ、体中に擦り傷ができ、血が出てきた。いつの間にか注目されていたようだが、周りの人たちは見ているだけで、何もしようとしない。それどころか、人によってはシャルルを少し薄気味悪そうに見ている者までいる。
「うわっ、きったね!!触っちまったじゃねぇか……って、あぁ!!俺の服が!!」
シャルルを引きずり下ろした男は、服を見て叫んだ。服が汚れて少し破けていたのだ。シャルルを投げ出した時に引っかかったのだろう。
「あぁ……お前、その服お気に入りだったもんな……」
「確か、もう売ってないんだったか?」
「……おい、どうしてくれんだよ!!これ高かったんだぞ、ああ!?」
男がシャルルに掴みかかる。と、
「そこ!!何をしているんですか!!」
ルディウスが帰ってきたのだ。
「……騎士か。おい、お前らズラかるぞ」
「ああ」
「チッ……今日はコレで見逃してやる。次会ったら覚悟しとけよ」
リーダー格の男に言われ、男はシャルルを離して去っていった。掴みかかられ首が締まって息ができなかったシャルルは、急に離されて咳き込んだ。
「シャルル!!」
ルディウスは、シャルルに急いで駆け寄る。
「大丈夫でしたか?」
「ん……けほっ、だい、じょうぶ……けほっけほっ」
「申し訳ありません。もう少し早く気づいていれば……」
「父さんの、せいじゃない」
「いえ、私の責任です。あの男達がシャルルに突っかかってきたのは、その服のせいでもあるでしょうから」
「服……?」
「シャルルの服は汚れて伸びきっていますし、ところどころ解けているので、新しい服を買わなければと思っていたんです。その服と長さの違うその髪のせいでスラムの者に間違えられたのでしょう。朝食を食べてから行こうと思ったんです。少しの間なら大丈夫だろうと離れた私が迂闊でした……」
ルディウスは顔を苦しそうに歪めた。
「早くご飯を食べて、服を買いに行くことにしましょう。はい、シャルルの分のテトルです」
「ん、ありがとう」
シャルルのは、卵のテトルと玉ねぎのスープだった。シャルルはスープを受け取って飲んだ。トロトロになるまで煮込まれた玉ねぎが、飲みやすかった。
卵のテトルは塩で味付けされていて、卵と一緒に香りづけだろう刻んだハーブが入っていた。
自分の分を食べ終わったシャルルは、ルディウスからオーク肉の角煮を小さな一欠片だけ貰った。オーク肉は長時間煮込まれて口に入れた途端とろけるような柔らかさだった。シャルルはビックリして、目を丸く見開いた。
食べ終わったルディウスとシャルルは、再び手を繋いで服屋へと向かった。
「この街は朝市でも有名なんですよ。この街の周りで採れた新鮮な野菜や果物は味が濃く、食感もいいことで有名なんです」
「ふーん……」
朝市には色々な店が出ていた。一番多いのは、野菜や果物を売っている店だが、他にも肉の串焼きや果実水を売っている屋台、アクセサリーや雑貨を売っている出店などがあった。
「今日は市場を回って色々なものを買いましょう。朝ごはんもここで食べましょうね。何か欲しいものがあったら、遠慮なく言ってくださいね」
「ん~……」
シャルルはキラキラとした目で周りを見ていた。
「聞いてませんね、これは」
ルディウスは苦笑して呟いた。
「それじゃあ、まずは朝ごはんを食べに行きましょうか。シャルルは何が食べたいですか?」
「あれとあれ」
そう言ってシャルルが指さしたのは、オーク肉を甘辛く煮た角煮と、薄い一枚のパンを折って中に色々と挟んで食べるサンドウィッチのようなものだった。
「テトルはいいとして、オーク肉はアレですね……。私の分を一口だけ分けると言うことでいいですか?」
「ん!」
ルディウスは、シャルルにここにいるように言って、買いに行った。
シャルルが言われたようにおとなしくベンチに座っていると、ふと影がさした。上を見上げると、そこには3人の男がシャルルを取り囲むようにして立っていた。
「おいおい、見ろよ。こんなところに薄汚いガキがいるぞ!」
「ほんっと、汚ぇな。スラムの奴が何でこんなところにいるんだよ」
「オラオラ、どけよ!!そこは俺様達が座るんだよ!!」
男の1人がシャルルをどつき、シャルルはベンチに倒れ込んだ。するとそれを待っていたかのように、違う男がシャルルの服を掴んでベンチから引きずり下ろす。引きずり下ろされたシャルルは、地面に投げ出されるようにされ、体中に擦り傷ができ、血が出てきた。いつの間にか注目されていたようだが、周りの人たちは見ているだけで、何もしようとしない。それどころか、人によってはシャルルを少し薄気味悪そうに見ている者までいる。
「うわっ、きったね!!触っちまったじゃねぇか……って、あぁ!!俺の服が!!」
シャルルを引きずり下ろした男は、服を見て叫んだ。服が汚れて少し破けていたのだ。シャルルを投げ出した時に引っかかったのだろう。
「あぁ……お前、その服お気に入りだったもんな……」
「確か、もう売ってないんだったか?」
「……おい、どうしてくれんだよ!!これ高かったんだぞ、ああ!?」
男がシャルルに掴みかかる。と、
「そこ!!何をしているんですか!!」
ルディウスが帰ってきたのだ。
「……騎士か。おい、お前らズラかるぞ」
「ああ」
「チッ……今日はコレで見逃してやる。次会ったら覚悟しとけよ」
リーダー格の男に言われ、男はシャルルを離して去っていった。掴みかかられ首が締まって息ができなかったシャルルは、急に離されて咳き込んだ。
「シャルル!!」
ルディウスは、シャルルに急いで駆け寄る。
「大丈夫でしたか?」
「ん……けほっ、だい、じょうぶ……けほっけほっ」
「申し訳ありません。もう少し早く気づいていれば……」
「父さんの、せいじゃない」
「いえ、私の責任です。あの男達がシャルルに突っかかってきたのは、その服のせいでもあるでしょうから」
「服……?」
「シャルルの服は汚れて伸びきっていますし、ところどころ解けているので、新しい服を買わなければと思っていたんです。その服と長さの違うその髪のせいでスラムの者に間違えられたのでしょう。朝食を食べてから行こうと思ったんです。少しの間なら大丈夫だろうと離れた私が迂闊でした……」
ルディウスは顔を苦しそうに歪めた。
「早くご飯を食べて、服を買いに行くことにしましょう。はい、シャルルの分のテトルです」
「ん、ありがとう」
シャルルのは、卵のテトルと玉ねぎのスープだった。シャルルはスープを受け取って飲んだ。トロトロになるまで煮込まれた玉ねぎが、飲みやすかった。
卵のテトルは塩で味付けされていて、卵と一緒に香りづけだろう刻んだハーブが入っていた。
自分の分を食べ終わったシャルルは、ルディウスからオーク肉の角煮を小さな一欠片だけ貰った。オーク肉は長時間煮込まれて口に入れた途端とろけるような柔らかさだった。シャルルはビックリして、目を丸く見開いた。
食べ終わったルディウスとシャルルは、再び手を繋いで服屋へと向かった。
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