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···❆転生前・狭間編❆···
赤ちゃんの正体 ⅰ
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「実はな、この子たちをお前に育ててほしいんだ」
「ヘ?」
私が?この子たちを?え……
「えええぇぇぇぇっっっ!!!!!!」
は?ちょっと待って。まず、この子たちの親は?こんなところに放り出して、まともな親じゃないことは確かだ。というか、ここって生者の世界と死者の世界の狭間の世界だったわよね?普通はここには来ないみたいなことセル様も言ってたし……何でこんなところに赤ちゃんが?
「この子たちがここにいる理由だが、それはここで生まれたからだ、としか言いようがないな。さっき魔力を流してもらった珠、あれがこの子たちだ」
「え!?どういうことですか!?」
「そのまんまだが?まあ、簡単に言うとあの珠は卵みたいなもので、この子たちはその卵から生まれたんだ」
「卵……あれが?」
「ああ。親はお前だ」
「私!?」
「正確には俺が父親、お前が母親だ」
「ちょ、ちょっと待ってください!!いきなり親だなんて言われてもそんな……。それに私、セル様の眷属のはずじゃあ……」
「さっき、俺がある仕事を任されたと言ったのを覚えているか?その仕事というのが、あの珠に魔力を流し込み、生まれた子の親になって育てるというものなんだ。まさか双子だとは思わなかったが……」
それじゃあ、この子たちは本当にあの珠から生まれたんだ……。
「つまり、この子たちを私とセル様の2人で育てるのが仕事ということですか?」
「ああ」
「私がお母さんか……。よし、それじゃあまず名前をつけましょう!!」
「そうだな。親としての最初の仕事だ。何か良い名前はあるか?」
名前……この子達の……
「……紫と碧なんてどうでしょう?」
「紫と碧か……」
「目の色から取ったんですが……。や、やっぱりそのまますぎますか……?」
「いや、逆にいいんじゃないか?子供に色から名前を取るところも結構あるようだしな」
「じゃあ、決定ですか?」
「ああ。俺の抱いている子が碧で、弥生の抱いている子が紫か」
セル様が、フッと口もとを緩める。
か……かっこいいぃぃぃっっ!!
え、何これ!?かっこよすぎるんですけど!?
私は内心悶ながらも、なんとか平然とした顔を作る。本当に作れていたかどうかは知らない気にしない。
「それで、この子たちは何なんですか?」
「ん?言ってなかったか?さっきの珠は、聖獣の1頭、聖竜の卵だ。聖獣が寿命を迎えそうになると、世界神が新たな聖獣を生み出すんだ」
「つまり、今回は聖竜さんが年老いてもうすぐ死にそうだからこの子たちが生まれたと」
「そういうことだな」
ふーん、この子たちが聖竜……。色も違うけど、本当に……?
私が疑問を持って、じっと紫を見ていると頭の中に何かが浮かんできた。驚いて体をビクッと震わせると、セル様がそれに気づいたらしい。
「どうしたんだ?」
「いえ、あの……紫を見てたら何かが頭の中に浮かんできて……」
「それは鑑定だな」
「鑑定……?」
「ああ。スキルの1つだ。人や物のステータスが見れる」
ってことは、この頭に浮かんでいるのは紫のステータスってこと?えーと、なになに……
~ · ~ · ~ · ~ · ~ · ~ · ~
ユカリ・ユヅキ(柚月 紫)
レベル 1
年齢∶0
種族∶黒龍
職業∶――――
HP∶100/100
MP∶760/760
力 ∶30
攻撃∶45
防御∶74
魔攻∶82
魔防∶96
素早さ∶57
運 ∶53
固有スキル
黒魔法(LV.3)/聖魔法(LV.2)
言霊魔法~歌~(LV.1)/過去視(LV.1)
スキル
隠密(LV.1)/隠蔽(LV.4)/変身(LV.1)
鑑定(LV.4)/空間魔法(LV.1)
槍術(LV.2)/弓術(LV.3)
耐性系スキル
精神系スキル·魔法無効/操作系スキル·魔法無効
状態異常·特殊効果無効
痛覚耐性(LV.5)/苦痛耐性(LV.5)
称号
次期聖獣候補/水神ヴィグセルツの娘
転生者の娘/異世界人の娘
水神の眷属の娘
~ · ~ · ~ · ~ · ~ · ~ · ~
ん?何このステータス!?ステータスについてよく分からない私でも、赤ちゃんなのにこれは異常だって分かる。いや、聖獣だしいいのかな……あれ?
「あの、セル様。種族が聖獣じゃないんですけど……」
「何!?そんなはずない。もう一回よく見ろ!!」
「何回見ても“黒龍”です」
「“黒龍”だと!?……本当に“黒龍”だ……」
セル様も鑑定したらしい。目を見開いて呆然としている。
「あの……“黒龍”ってなんですか?」
「黒龍は、聖竜の亜種だ。今まで黒龍は初代聖竜が生んだ卵以来確認されていない。聖竜や聖獣が伝説級の生き物だとしたら、黒龍は幻級だ」
「ええっ!?」
思わず紫を見る。
「あ~ぅ?」
天使しかいなかった。
「ヘ?」
私が?この子たちを?え……
「えええぇぇぇぇっっっ!!!!!!」
は?ちょっと待って。まず、この子たちの親は?こんなところに放り出して、まともな親じゃないことは確かだ。というか、ここって生者の世界と死者の世界の狭間の世界だったわよね?普通はここには来ないみたいなことセル様も言ってたし……何でこんなところに赤ちゃんが?
「この子たちがここにいる理由だが、それはここで生まれたからだ、としか言いようがないな。さっき魔力を流してもらった珠、あれがこの子たちだ」
「え!?どういうことですか!?」
「そのまんまだが?まあ、簡単に言うとあの珠は卵みたいなもので、この子たちはその卵から生まれたんだ」
「卵……あれが?」
「ああ。親はお前だ」
「私!?」
「正確には俺が父親、お前が母親だ」
「ちょ、ちょっと待ってください!!いきなり親だなんて言われてもそんな……。それに私、セル様の眷属のはずじゃあ……」
「さっき、俺がある仕事を任されたと言ったのを覚えているか?その仕事というのが、あの珠に魔力を流し込み、生まれた子の親になって育てるというものなんだ。まさか双子だとは思わなかったが……」
それじゃあ、この子たちは本当にあの珠から生まれたんだ……。
「つまり、この子たちを私とセル様の2人で育てるのが仕事ということですか?」
「ああ」
「私がお母さんか……。よし、それじゃあまず名前をつけましょう!!」
「そうだな。親としての最初の仕事だ。何か良い名前はあるか?」
名前……この子達の……
「……紫と碧なんてどうでしょう?」
「紫と碧か……」
「目の色から取ったんですが……。や、やっぱりそのまますぎますか……?」
「いや、逆にいいんじゃないか?子供に色から名前を取るところも結構あるようだしな」
「じゃあ、決定ですか?」
「ああ。俺の抱いている子が碧で、弥生の抱いている子が紫か」
セル様が、フッと口もとを緩める。
か……かっこいいぃぃぃっっ!!
え、何これ!?かっこよすぎるんですけど!?
私は内心悶ながらも、なんとか平然とした顔を作る。本当に作れていたかどうかは知らない気にしない。
「それで、この子たちは何なんですか?」
「ん?言ってなかったか?さっきの珠は、聖獣の1頭、聖竜の卵だ。聖獣が寿命を迎えそうになると、世界神が新たな聖獣を生み出すんだ」
「つまり、今回は聖竜さんが年老いてもうすぐ死にそうだからこの子たちが生まれたと」
「そういうことだな」
ふーん、この子たちが聖竜……。色も違うけど、本当に……?
私が疑問を持って、じっと紫を見ていると頭の中に何かが浮かんできた。驚いて体をビクッと震わせると、セル様がそれに気づいたらしい。
「どうしたんだ?」
「いえ、あの……紫を見てたら何かが頭の中に浮かんできて……」
「それは鑑定だな」
「鑑定……?」
「ああ。スキルの1つだ。人や物のステータスが見れる」
ってことは、この頭に浮かんでいるのは紫のステータスってこと?えーと、なになに……
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ユカリ・ユヅキ(柚月 紫)
レベル 1
年齢∶0
種族∶黒龍
職業∶――――
HP∶100/100
MP∶760/760
力 ∶30
攻撃∶45
防御∶74
魔攻∶82
魔防∶96
素早さ∶57
運 ∶53
固有スキル
黒魔法(LV.3)/聖魔法(LV.2)
言霊魔法~歌~(LV.1)/過去視(LV.1)
スキル
隠密(LV.1)/隠蔽(LV.4)/変身(LV.1)
鑑定(LV.4)/空間魔法(LV.1)
槍術(LV.2)/弓術(LV.3)
耐性系スキル
精神系スキル·魔法無効/操作系スキル·魔法無効
状態異常·特殊効果無効
痛覚耐性(LV.5)/苦痛耐性(LV.5)
称号
次期聖獣候補/水神ヴィグセルツの娘
転生者の娘/異世界人の娘
水神の眷属の娘
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ん?何このステータス!?ステータスについてよく分からない私でも、赤ちゃんなのにこれは異常だって分かる。いや、聖獣だしいいのかな……あれ?
「あの、セル様。種族が聖獣じゃないんですけど……」
「何!?そんなはずない。もう一回よく見ろ!!」
「何回見ても“黒龍”です」
「“黒龍”だと!?……本当に“黒龍”だ……」
セル様も鑑定したらしい。目を見開いて呆然としている。
「あの……“黒龍”ってなんですか?」
「黒龍は、聖竜の亜種だ。今まで黒龍は初代聖竜が生んだ卵以来確認されていない。聖竜や聖獣が伝説級の生き物だとしたら、黒龍は幻級だ」
「ええっ!?」
思わず紫を見る。
「あ~ぅ?」
天使しかいなかった。
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