SSS級の魔獣に転生。〜愛でる側が良かったのに愛でられる側になりました〜

お花見茶

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朱ランク冒険者です!!

魔物を買い取っていただきました

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「あの、シャローテさん。ここに来るときに魔物を倒したんですけど、売ることって出来ますか?」

 シャローテさんからギルドの説明を聞いたあと、シャローテさんが自己紹介してくれたので私達も自己紹介させてもらうと、兄様がそうシャローテさんに問いかけました。

「ええ、できますよ。依頼を受けていなくても、魔物や薬草、鉱石などはいつでも買い取ります。買い取ったものはギルド職員が依頼に当てはまるものがあるかどうか探し、あった場合はその依頼の達成金をお渡し致します」

 なるほど。依頼を受けていなくても、その売った物の依頼があればギルド側が自動的に受注、達成をしてくれるのですか。それは嬉しいですね。

「それでは、買い取りをお願いします」

 兄様が頭を下げたため、私も一緒に頭を下げました。

「分かりました。量はどのくらいでしょうか?」
「量?」
「はい。買い取りは、その量によって買い取る場所を変えているのです。3キロ以下だとこのカウンター、3~10キロは奥の仕切られているところ、11~20キロは専用の奥の部屋で、それ以上は解体用倉庫でとなります」
「えーと、多分10キロより少し軽いくらいだと思います」

 そう言うと兄様は、チラッと私を見て確認を取ります。

 そうですね。確かホーンラビット三匹とフォレストラビット二匹だったよね。多分ですけど、ホーンラビットは一匹2.5キロくらいでフォレストラビットが一匹1キロくらいなので合計9~10キロくらいですね。

 頷き返すと、兄様はあっていたことが嬉しかったのか、笑顔でシャローテさんへと向き直りました。

 それにしても、仕切られているところなんてあったんですね。

「分かりました。それではご案内致しますね」

 そう言ってカウンターから出たシャローテさんは、カウンターの右隣の扉をくぐりました。私達も後に続くと、中は十二畳くらいあり、天井が高くなっていました。真ん中に通路があり、通路を挟んで左右二つづつと突き当りに二つの合計六部屋に仕切られています。仕切りはかなり高く、2メートルくらいの高さです。

 この仕切りの素材って何なのでしょう?上半分が半透明の摺りガラスのようになっていますが、これはガラスというよりもプラスチックに近いような……?でもこの世界にプラスチックはないはずですし、かと言ってガラスは宝石と並ぶ高級品。気になります!!

「ふふ、この仕切りは樹脂で出来ているんです」

 ‼バレてたみたいです。恥ずかしい……。

「樹脂で、ですか?どうやって?」
「木の種類は教えられませんが、樹脂を型に入れて固めると空気に触れていた面がこのようにサラサラになって曇るんです」

 へえ…。

「ここで買い取りをさせていただきますね」

 どうやら、この1番奥の部屋(?)でやるようです。この仕切りの所を使う際は、奥から使うという暗黙のルールがあるのだとか。手前からだと、誰かが入ってくるたびに見られますしね。プライバシーは大事なのですよ?

 仕切りに入ると机と椅子が四脚ありました。手前の椅子に私達が座り、奥にシャローテさんが座ります。

「それでは、このテーブルに買い取り部位などを載せてもらえますか?魔物の死体でも構いません」
「分かりました」

 私達は、マジックボックスからホーンラビットとフォレストラビット、それに薬草をいくつか取り出しました。

「かなりありますね。それにそれはマジックボックスですか?二人共持っているなんて珍しいですね」
「そうですか?これは父と母がくれたものなんです。旅の餞別にって」
「そうなのですか。それでは、買い取りに移らせていただきますね。
 えーと、フォレストラビット二匹にホーンラビット三匹、それにリリース草が八束ですね。フォレストラビットもホーンラビットも、全て売ってもらえるということなので、フォレストラビットは一匹500ジュジュ、ホーンラビットは一匹600ジュジュ、そしてリリース草は常時依頼で一束5ジュジュです。加えて確か……」

 シャローテさんはそう言うと、手元の紙束をパラパラとめくっていきます。

 そうそう。忘れてました。フォレストラビットとは、森に生息する魔物でどこでも見ることが出来ます。茶色いミニウサギのような見た目で、同じくミニウサギのような短い耳を持っています。

「あ、ありました。フォレストラビット一匹からの依頼。フォレストラビットの討伐証明部位一つにつき50ジュジュなので、合計2940ジュジュになります」
「え、そんなにですか?」
「ええ。最近、フォレストラビットとホーンラビットなどのラビット系の魔物による被害が増加してまして、でもこのラビット系ってすばしっこく何気に強いのでなかなか捕まらない上、ランクの割にお金もあまりなので受けてくれる人が少ないんです。見つけたと思ったらもう逃げてますし。……なのでお金をラビット系全て100ジュジュ上乗せ中なんです」
「へえ……」

 そうなのですか……でもそんなに逃げてないよね?すばしっこくて戦い辛いのは確かでしたけど。

「だから良く討伐できましたね」
「え?外道にいても向こうから突っ込んで来ましたけど……ねえ?セツ」
「はい。なのでやりやすかったですね」
「え!?そうなのですか?……ギルドマスターに報告しなきゃ」

 ?なんて言ったのでしょうか?声が小さくて良く聞こえませんでした。

「お金を持ってきますね。少々お待ちくださいね」

 そうしてシャローテさんは扉の向こうへと駆けていきました。
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