最速の英雄ANY%~RTA走者がゲーム世界に異世界転移。攻略知識を生かして知識チート攻略していきます。~

貝竜

文字の大きさ
40 / 124

第40話 徘徊するメイドゾンビ

しおりを挟む
「さて、どうしようか。」
「やばいって!何とかしてここ出なきゃ!」
① 『俺が何とかしよう』
② 『カルトゥム。鍵を外せるか?』
③ 『シェロ、頼む』
④ 『やつが帰ってくるまで待とう。』
Jは3番目の選択肢を選んだ。
『シェロ、頼む』
「ああ、任せて。」
シェロはそういうと、縛られた吊るされている両手をガサゴソと動かす。するとすぐに、ガチャリという金属音とともに鍵が外れ地面に鍵が落ちる。
――ここは仲間がいる場合はその仲間に助けてもらえるイベントになってる。カルトゥムに鍵を開けてもらうか、今後仲間になるマッスルなおっさんが力づくで外すか、シェロの鍵開けスキルに助けてもらうかを選べる。
――誰も仲間にしていなかったら?
天井部の鎖が吊るされている場所は迷路上に鉄棒が入り組んでいて、それを解かなきゃいけない。
――それは面倒ね。
――ここはシェロが一番早い。
シェロはタラサ、次にJの順で手錠の解除を行っていく。そうして、全員の手錠を解除すると、Jは部屋の一角にある宝箱に向かい宝箱を開けた。
『憑依の水晶骸骨を手に入れた!』
――このアイテムが欲しかったんだ。これで他のキャラクターを操作できるようになる。
「この落果遺物……使って大丈夫なのかい?」
シェロは疑問を投げかける。確かに、先ほどまでのマオスの話を聞く限り、まともなアイテムではない。それに対する問いにタラサは答える。
「J、ちょっとそれ見せて……アタシの似たような落果遺物は家にもあった。マオスは使い方がおかしいだけ。落果遺物は使い手によって善にも悪にもなる。うん……使ってみても問題なさそう。水晶顎部を持っている人に水晶頭骨を持って念じれば精神が入れ替わる感じ。J、試しに私に使ってみてよ。」
『いいのか?』
「落果遺物のことならアタシに任せてよ!マオスなんかよりずっと研究してるんだからね!」
Jはタラサに水晶顎部を首からネックレスのように下げさせて頭骨を手にもって念じる。
すると、視界が暗転し、すぐに目が覚めると、Jは自分を見上げていた。
「わぁ!Jって身長高いんだね!アタシ小っちゃ!」
Jの姿をしたタラサは自分の手を見て閉じたり開いたり、顔を触ったりする。
そんな2人を見てシェロは驚きつつ声をかける。
「本当に入れ替わってるんだね。これで互いのスキルが使えるみたいだ。」
「もとに戻りたかったらアタシに言ってね。」
Jはすぐにタラサに話しかけ、憑依を解く。
――よし、外に出よう。
――キャナリは助けないの?
――別に助けなくても必要なアイテム手に入れたし。
――助けてあげて。
――ええ……
――助けなさい
――……はい……。
Jは元の姿に戻ると、シェロとタラサを引き連れて外に出る。ヌルに強制されキャナリを助けるルートを取ることになったJは、屋敷のギミック攻略のため屋敷を探索することになった。
――キャナリは既にマオスに捕らえられてるから、まずマオスから鍵を奪う必要がある。マオスはこの屋敷内の別の実験室に籠っていて、マオスから鍵を盗みだす必要がある。
Jは通路を進むと、通路の横道から突然影がぬっとあらわれる。Jはそこを視界に入らないギリギリをしゃがんで脇をすり抜ける。
――今のは?
――この屋敷を徘徊しているメイドゾンビだ。腕をちぎってそれを振り回したりして攻撃してくる。視野が狭いから簡単に躱せる。
 Jはメイドゾンビの脇をすり抜け先に進むと、左手にある扉に入っていく。扉の中は最初にJたちを拘束した部屋から、モニターを無くし、代わりにモンスターを閉じ込めていた檻が無数にある。折にはモンスター……ゴブリンや双頭の狼、オルトロスが鉄格子のなかに詰められており、こちらを見ては吠え暴れる。そこの檻の上部にはネームプレートがついており、そのうちの一つには「キャナリ」もう一つには「ソバージュ」と名前が付いている。
「そんな……ひどすぎるよ……!」
タラサは感嘆の悲痛な声を上げる。それとは対照的にシェロは冷静に分析する。
「どうやらこれらのモンスターはマオスによって人の精神を入れられて後、精神崩壊が起こったものらしい。」
Jはタラサに『憑依の水晶骸骨』を使い、タラサと精神を入れ替えた。Jはそのままタラサの体を操り、グレネードランチャーに『爆砕弾(伝)』を6発装填し、檻の中のゴブリンやオルトロスに向かってグレネード弾を発射した。檻の中のモンスターたちは爆散し、跡形もなくなった。
――こいつらは後々檻から出て屋敷を徘徊するから、今のうちに駆除しておくことが吉だ。
――血も涙もない。
「介錯か……それも優しさかもね。」
シェロがタラサが乗り移ったJの肩を叩き慰める。
「もう元に戻せなかったのかな……」
Jは憑依を解除し部屋を後にする。
Jは扉を出て左手に進み、突き当りの扉を開け中に入る。中は食事をとるような大広間になっているが、巨大なテーブルの上には食事ではなくビーカーや試験官に様々な薬品が入っている。Jはその中の薬品から『シェロ試薬』と書いてある薬品と『ロキヤ薬』と書いてある薬を取り、カルトゥムの壺に入れた。近くにメモ書きが置いてあるが、一瞥もせず、入って来た扉の反対が分から外へ出る。外に出ると、メイドゾンビがJに背を向けあるいている。Jはメイドゾンビの背後に近づき、パイルバンカーをその胴体に打ち込んだ。メイドゾンビはそのまま機能を停止しバタンと地面に横たわる。
メイドゾンビが進もうとしている進行方向にJ達は進んでいき、大きな錠前が付いた鍵のある扉の前に立つ。シェロがその錠前を見ながら口ずさむ。
「この鍵は僕には外せないな。内側に落果遺物の機構が組み込まれているようだ。」 
Jはカルトゥムの壺から『シロ試薬』と『ロキヤ薬』を取り出し、2つの薬品を混ぜ、その液体を目の前の錠前にかけた。するとバチっと火花が散り、錠前が溶けて消滅した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

処理中です...