最速の英雄ANY%~RTA走者がゲーム世界に異世界転移。攻略知識を生かして知識チート攻略していきます。~

貝竜

文字の大きさ
65 / 124

第65話 樹上世界

しおりを挟む
Jはウィレナ、タラサ、マウガンをドールハウスに入れ、先に進み青いワープホールに入る。
ワープホールを進んだ先の洞は世界樹の外に繋がっており、Jはそのまま世界樹の外へ出る。
世界樹の外は、大量の蔦に落果遺物が絡んでおり、Jはそれを足場にして上方へ登っていく。そうしてしばらく落果遺物と蔦の道をよじ登っていくと、天井が近づいてきて、土のにおいを感じ始める。世界樹への横穴が現れ、Jは中に入る。そこはドーム状に広がっていた。中央手前には石碑が鎮座されており、そこの石碑には『世界樹最高高度』と書かれている。石碑の後ろ側、ドームの中心には円盤状の者がピラミッド状に5段で3メートルほどの高さに積み重なっているオブジェクトがある。また、他には落果遺物が壁の壁面に埋め込まれており、一部の落果遺物は表面に青い光の線を走らせまだ動きそうだ。ウィレナ、タラサ、マウガン、シェロ、ロージナがドールハウスから出てくる。
ウィレナがあたりを調べて口を開く。
「王家に伝わる伝承では、世界樹の最も高いところに樹上人がたどり着くと、天上世界への道が開く……とあるけど、どう?J。何か感じない?」
『いや、何も違和感はないな。』
シェロは外を調べてみたいと外に出てていく。そしてしばらく皆でドーム状の内部を調べることになった。タラサは周囲の落果遺物を弄り、ウィレナは石板に何か秘密があるのではと石板を調べる。マウガンはタラサに指示され、埋め込まれた落果遺物を取り出そうとしていた。ロージナはどこからともなく手帳を取り出し、何かをメモしている。しばらくしてシェロが外から帰ってくる。
「外の天井を少し掘ってみようとしたけどダメだね。」
「こっちも特に壁にめり込んでる落果遺物に何か特別なものがあるわけじゃないみたい。ね。マウガン。」タラサはマウガンに同意を求める。
「ええ、タラサと一緒に調べましたがティーアの城下町の落果遺物屋にあるようなものと大差ないようです。」
「石碑事態に魔力を注いでみたけど特に何もないみたい。J、あなたも調べてくれる?」
Jは操作が再開されると、真っ先にピラミッドを登り始める。そしてピラミッドの頂点に達した時に、それは起こった。
 ピラミッドの頂点から麓にかけて青い光の線が走っていき、その青い線はピラミッドだけにとどまらず世界樹のドーム内を駆け巡る。唯一の入り口はまるでシャッターのような落果遺物によって閉じられ、ゴゴゴゴという轟音とともにドーム全体が揺れ下に体全体が下に押し付けられるような力を感じる。
「アタシ、この感覚知ってる!昇降機で上に昇るときのやつだ!」
「と言うことは今私たちは上に昇っているの!?」
「ウィレナ様!石板におつかまり下さい!危のうございます!」
しばらくの間揺れを感じながら転ばないように体勢を屈める。ウィレナは石板に、シェロは中腰に、マウガンは両手を膝に乗せ中腰に、タラサはマウガンに抱き着くように、ロージナは片膝を床についてそれぞれ揺れに耐えていた。
そして揺れがだんだんおさまっていき、やがてピタリと止まる。
「どうやら上昇が止まったようだね。」
「J!あれ見て!」
タラサが入って来た入り口を指さす。シャッター上の落果遺物が開き外の景色から光が入ってくる。
『外に出てみよう。』
Jたちはドーム状の世界樹の部屋から外に出る。
 外を見回すと、そこは一面雪景色のような雲の上で、雲の隙間からところどころ巨大な葉っぱが顔をのぞかせている。雪雲の層が薄い部分の下には土の大地があるようだ。雲は期待でなく粉雪のようにふわふわとした弾力だが、突き抜けることはない。Jはいつか行った雪国の景色を思い出す。雪雲からは虹色の反射光をプリズムのようにまき散らす巨大な魔力水晶があたりに突き出している。高所な場所にあるだけあって気温は低く、口から吐く息は白い霧となって霧散する。
「ぐっ……むぅ……!」
Jの横でマウガンが膝をつく。続けてタラサはぺたんと座り込み、シェロはバタンと倒れた。
「どうしたの!?」
「タラサ!?大丈夫かメェ!?」
と、ウィレナは3人に向かって心配そうに声をかけ、倒れたシェロに肩を貸すように担ぎ上げる。シェロは息も絶え絶えな様子でJに向かって報告する。
「J……すまない。いように気分が悪いんだ。頭痛と吐き気が酷くて平衡感覚も狂ってしまっている……君とウィレナとロージナは平気なのかい……?」
ロージナは3人を一目見た後、周囲を見回す。そして口を開いた。
「きっと魔力が濃すぎてそれに当てられてるっぽいね。そこに小屋があるみたい。」
「ロージナ?分かるの?」
「詳しい話はあと、ひとまずあの小屋まで行って休ませましょう。世界樹の教会の兵士の屯所になってるはずだわ。」
『ひとまずあそこまで行こう。』
Jはマウガンを、ウィレナはシェロを、ロージナはタラサに肩を貸しながら指定された小屋まで赴く。小屋はコンクリートのような溶けた土を固めた壁で出来ており、下の世界のバルバロ共和国で見た土づくりの家に似ているが、それよりも頑強そうな佇まいだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

処理中です...