最速の英雄ANY%~RTA走者がゲーム世界に異世界転移。攻略知識を生かして知識チート攻略していきます。~

貝竜

文字の大きさ
69 / 124

第69話 ベルトコンベアー

しおりを挟む
「J君、あそこ見て。」
ロージナはベルトコンベアーの部屋とシャッターの間の壁を指さした。そこには上階でシャッターを開いたときのコアをはめ込む窪みが一つある。
「多分シャッターはあそこにコアをはめ込むと開くんじゃないかな。でもどうやってあそこまで行けば……」 
『ここから操作できそうだ』
『乗ってみるか?』
Jは2番目の選択肢を選んだ。
『乗ってみるか?』
「そうだね。私がこれに乗って動いてコアをはめ込んでいけばいいかも。ここにもコアの窪みがある。J君、嵌めてみてよ。」
Jはオペレーションルームの台にケッツァーコアを嵌める。するとヴォンッという音とともに周囲のコントロールパネルや壁面の配送ルートに矢印が点灯する。
Jが一番大きなレバーを引くと、コンベアーがウィインと動き始める。
「じゃあJ君、私が乗っていくから、コアを頂戴。操作よろしくね。」
Jはコアをロージナに渡すと、操作パネルに移動する。操作パネルでは、コンベアーの前後の移動、廃棄処分のためのダストボックスへの配送先変更、薬を注入するプレス機の稼働制御などが行えるようだ。
ロージナはオペレーションルームにからベルトコンベアーの部屋に繋がっているベルトコンベアーに乗り、両肘と両膝をついた四つん這いのポーズになり部屋へ流されていった。ベルトコンベアーの周囲はガラスのような半円柱のドームで覆われており、コンベアーから周囲へは移動できないようだ。ただ、コアをはめ込む場所は検品のためか、そのドームに穴が開いている。そこからコアを持って手を伸ばせばコアをはめ込むことが出来そうだ。
Jはロージナの位置をコントロールパネルで確認しながら、コンベアーの速度を上昇させる。
ロージナの目の前にあるプレス機が上がった瞬間にプレス機の停止ボタンを押しロージナが通れるようにする。ロージナはその先にある隙間からコアをはめ込んだ。するとコアを嵌めた向こう側のシャッターがウィインと開き、先へ進めるようになった。
ロージナはそのままベルトコンベアーによって流されていくが、このまま進んでしまうとダストボックスに入ってしまう。Jはコンベアーの切り替えレバーを引きロージナの配送先をまっすぐから左に変更した。その先には再びプレス機があるが、プレス機は自動で動くタイプのものらしく、停止スイッチが見当たらない。Jはベルトコンベアーとピストンするプレス機のタイミングを見計らいベルトコンベアーの回転スピードを下げ、ロージナがプレス機に入る直前にスピードを速めた。ロージナが通過したのちプレス機が何もない空間をプレスしていく。
――コレ、ロージナが押しつぶされたらどうなるの?
――潰されて血が飛び散ってゲームオーバーでオートセーブが行われたところからスタートになる。オートセーブが聞いてるか知らないけどな。
――わぁグロい。見たくないわね。
――AIにもグロいとか感じることあるんだ。
――そりゃあるわよ。私はスーパーAIなんだもの。人並みの感情は搭載されているわ。
――それ自分で言うんだ。
ロージナはプレス機を躱しJは配送先を切り替えると、ロージナはコアをはめ込む窪みに到達した。ロージナがコアを嵌めるとシャッターが開く。シャッターは後一つだ。
ロージナはそのまま配送されていき、左右から壁が迫り三叉路の配送先を決めるようなギミックの場所に到達した。Jは押し出す壁を操作し三叉路の左側にロージナを配送する。ロージナはカーブを描き右に曲がり、その先の坂道を登っていき、再び下に坂を下る。その先の上昇する昇降機にタイミングよく乗れるようにJはベルトコンベアーの速度をゆっくりに調節し、乗り込む直前に加速し、下から上へ上下する昇降機へロージナを運ぶ。上昇するロージナをタイミングよく横から押し出し、上中下ある真ん中のコンベアーに乗せる。その先にはコンベアーの出口と最後のコアをはめ込むくぼみがあり、ロージナは移動しながら球をはめ込んだ。そしてロージナは奥の部屋に入っていった。
 Jはロージナが奥の部屋に入っていくのを見届けるとJはコントロールパネルから離れ、オペレーションルームから出ていき、ロージナが開けたシャッターの先へ移動する。
シャッタールーム先の通路進み左手の扉を開けると、中にはロージナがいた。
「J君、ちゃんと操作してくれてありがとー」
 Jはロージナと合流して部屋を出る。部屋をでて左に進み、下への階段を下りていく。階段を下りた先の壁には『1F』と書かれており、受付に行けば魔力を調節する機械が手に入るはずだ。
Jは散乱した棚を搔い潜ったり乗り越えたりしながら、目的の受付へと進む。天井のライトが点滅し始める。足元には人型ケッツァーの残骸が大量に転がっている。ロージナとともに受付にたどり着くと、ケッツァーが受付裏で倒れている。Jは受付の後ろにある棚の上から3段目を引き出し、中にある腕輪のような装置を3つ取り出した。ロージナはそれを見ると口を開く。
「あ、J君、たぶんこれだよこれ。私が捕まってる時とかこれで魔力の制御させられてたんだ。うん、これで人数分あるし、ちょっと貸してくれる?」
Jはロージナにその装置を手渡す。
「ちょっと魔力込めて動くか調べてみるね……んっ……」
ロージナがその装置に魔力を込めると、ヴォンという起動音とともに何やら腕輪の周囲に文字が浮かび上がり腕輪が発光する。
「うん、大丈夫そう!じゃあこれ持って帰ろう!」
ロージナは受付を出ようとする。すると……
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!とサイレンがけたたましく鳴り響く。
「なに!?ナニ何々!?この音!」
ロージナは慌てふためく。どうやら防衛機構が生きていたようだ。サイレンとともに周囲に降りてきた階段と、もはや土砂によって塞がれている本来の入り口にシャッターがガシャンと閉まり、Jたちは出られなくなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

処理中です...