幸せは食事の中に

やなぎ

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第1話 パエリア

帰宅

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 午後3時までチラシ配りをして現在。

「じゃぁそろそろ引き上げるか。」

 榊先輩がいう。

「そうですね!俺はここで帰りますけど説明会頑張って下さい!あ、神奈。可愛い子いたら終えてー!」

「凛なぁ。どうせ暇なんだろ?出れば良いのに。」

 ため息混じりに神奈が言う。

「いやー。なんかやる気なくてなぁ。」

「説明会なんて1時間くらいで終わるんだから参加しろよ。」

 榊先輩も呆れたように言う。

「いつもならこういうイベント系は参加するんですけど、今日は本当にやる気が出ないんですよね。許してください。」

 軽い口調で謝る。

「神奈は今日はどうする?説明会終わったらうち来るか?」

「あー、そうだな。お邪魔するわ。榊先輩も来ます?」

「俺も行って良いのか?」

 少し気まずそう。後輩の家に押しかけるのはよく分からない抵抗のようなものがあるのだろう。

「ぜひ!待ってますね!」

 そう言って、榊先輩の返事は聞かず、俺は帰る。

 これで先輩は来るしかなくなった!

 とりあえず買い物に行くとしよう。


 買い物を済ませて家に帰る。俺は学校の近くで一人暮らしをしている。田舎から上京しているのだ。

 アパート1階の角部屋。駅も学校もスーパーも近い。なかなかの立地だ。

 そんなことを考えながら鍵をさす。

 鍵が開いたことを確認してドアを開ける。

 電気がついてる。消し忘れたかな?電気代がもったいないなぁ。

「あ、おかえりー。」

 部屋の中から女の声が聞こえた。

「あー。うん。ただいま。」

 なんで居るのか疑問に思ったが質問するのはやめた。

 女はベッドに座って雑誌を読んでいた。

 髪は肩にかからない程度の長さ。色は黒なんだけど少し茶色っぽい。おそらく地毛だろう。顔は丸顔だけど無駄な肉があるというわけではない。くりくりした瞳、小さな鼻と口は、魅力的と言うしかない。季節を意識した春らしい服装も似合っててすごく可愛い。

 女の名前は小林奈々。学校は違う。一個下で、繋がりはバイトが同じというところ。そして俺の彼女。1年の夏頃から付き合い始めている。うちの鍵を渡してあるのでこうして勝手に入り浸っているのだ。まぁ、部屋の掃除とかしてくれてるしむしろ助かっている。

「うちに来るの久々じゃないか?」

 奈々のとなりに腰掛け聞く。

「うん。入学式とか色々あってね。今日はたまたま何もなかったから来ただけ。泊まってって良い?」

 雑誌を畳んで会話を始める奈々。

「まぁ別に構わんが友達と先輩が来るぞ?」

「うちは大丈夫よー。一緒に楽しめる自信ある!」

 楽しそうに笑う奈々。

 こんな感じでなんでも楽しめる性格は扱いが楽で良い。





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