幸せは食事の中に

やなぎ

文字の大きさ
4 / 14
第1話 パエリア

来客

しおりを挟む
「え?ちょ。何寝てんの!?」

「ん?一緒に寝るか?」

 洗い物が終わっだのだろう。意外に早かった気がする。まぁ、もともと洗い物は少なかったし、こんなものか。

「う、うん。」

 奈々は返事をし、布団に入ってくる。

 少し頬を赤らめ、俺の顔を見上げる。

 俺はそっと彼女の髪を撫で、キスをした。

「んふふ。やっといちゃいちゃできる。」

 奈々は俺に抱きつく。もうちょっと恥ずかしがってくれた方が弄りがいがあるんだけどなぁ。まぁ、可愛いから良いんだけど。

「ピンポーン。」

「もぅ。これから良いとこなのにぃ。誰よ!」

 奈々が怒り気味に玄関に向かう。

「はいはーい。どなたー?」

 ドアを開ける奈々。

「お邪魔しまー……。部屋間違えました。」

 榊先輩の声とドアを閉める音。

 あちゃー。

「先輩!合ってますから!入りますよ。」

「いやでも女が出てきたぞ?」

「ああそれ奈々ちゃんですよ。凛の彼女なんで大丈夫です。」

「え?それこそお邪魔じゃない?良いの俺ら入って?」

「まぁいつものことなんで大丈夫ですよ。」

 ドア越しから2人の会話が聞こえる。

「どうでも良いので取り敢えず入って下さいよ先輩。」

 ラチがあかないので俺が2人を呼びに外に出た。

「お、おう。そうだな。お邪魔します。」

 なんとか2人とも部屋に入れることに成功した。

 奈々の機嫌が悪そうなのは気にしないことにしよう。

「奈々ちゃん久しぶり。最近凛ん家来てなかったみたいだけどどうしたの?」

「神奈さんに言うことなんて何もありません!」

「あらら。なんか今日は機嫌悪い?」

「あぁ。料理が終わってからお前らくるのを待つ間、イチャイチャしようとした矢先に来ちゃうもんだから、怒りを覚えたはいいけど、誰が悪いというわけでもないから、怒りをぶつける相手もなく、どうしようもない気持ちを抱えている結果、拗ねているように見えているんだろう。」

「ちょ!やめてって見透かしたように私の心読むの!」

「まあまあ。落ち着け。」

 顔を赤くして俺につっかかってくる奈々をなだめる。

「あ、先輩。紹介遅れましたが、これ、俺の彼女の小林奈々です。奈々ちゃんって呼んであげて下さい。」

「え?あ、あぁ。わかった。」

「ちょっと!うちのこと奈々ちゃんって呼び方で周りに広めるのやめてよ!はずいじゃん!」

「奈々って名前可愛いんだから良いじゃん。」

「せめて呼び捨ての方がいい!」

「呼び捨ては俺だけの特権だからダメ。」

「え?あ、うん。」

「おーい。お二人さん。いちゃつくのはいいけど、先輩固まってるから。」

「あ、すみません。つい。次は先輩の紹介ですね!自分で自己紹介します?」

「まじか!?サクッと紹介してくれればいいよ。」

「いやいや、ここは先輩自身でやるべきですよ!」

「……。わかったから遠山。そのにやけづらやめろ。」

「あ、はい。わかりました。」

「えーと。俺は榊雄二。よろしく。」

「えー。先輩それだけですか?」

「他に何話すんだよ……。」

「先輩!ビール買って来てくれたんですね!あ、日本酒もある!ありがとうございます!」

「話聞けよ!」

「それより凛。つまみはある?」

「神奈も俺のことスルーかよ。」

「あ、すみません。そういうプレイかと。」

「つまみじゃないけどパエリアがもう出来る頃だと思う。」

「あ、じゃあうち見てくるね!」

「おう!たのんだ!」







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在 唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話 中山加恋(20歳) 二十歳でトオルの妻になる 何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛 中山トオル(32歳) 17歳の加恋に一目ぼれ 加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する 加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる 会社では群を抜くほどの超エリートが、 愛してやまない加恋ちゃんに 振り回されたり落ち込まされたり… そんなイケメンエリートの ちょっと切なくて笑えるお話

処理中です...