輪廻の遡行

おしるこ4423

文字の大きさ
2 / 6

~一章〜

しおりを挟む
 鳥の鳴き声が聞こえる。
 「あー、もう朝か」
 学校があるということを考えるだけで憂鬱になりそうなのに、最近は暑さが去年より高くなっているとニュース番組でよく見る
 「お兄ちゃん起きて!」
 近くから妹の声が聞こえる。
 「起きなさいってば!」
 「ぐっ!?」
 急な衝撃が腹に来て素っ頓狂すっとんきょうな声が上がってしまう
 「起きたからりんそこをどけ、お兄ちゃん起きられないでしょ」
 馬乗りにされるのは妹ではなく、付き合った女子にされたいものだ。
 「もう!お兄ちゃんが起きないのが悪いんだよ!」
 そんなことを言いながら凛は俺の上から降りてドアの方に行く。
 「ご飯出来てるから早く来てね!遅刻しちゃうよ!」
 俺の家は、一軒家に住んでいるが、両親は仕事で海外へ行っているため家にいるのは俺と凛の2人だけだ。
 遅刻なんて単語を聞いてから目が覚めてしまった。その単語は反則でしょう?ベットの上にいても何も始まらないので、とりあえず着替えて下に向かう。
 下に行くと、テーブルの上にご飯と味噌汁と焼き魚に卵焼きという料理が用意してあった
 「ほら、さっさと食べて学校に行こう」
 椅子に座りながら凛が早く座れと目でこっちを見てくる。
 気だるけな目をしながら椅子に座る
 「「いただきます」」
 そこからはちょっとした話しをしながら朝食を食べた。
 「「ごちそうさまでした」」
 食べ終わると凛は洗面所の方へ向かった。
 朝食は準備してもらったから食器は片付けるとしますかね
 いや、それにしてもなんだか不思議な気分だ。
 どんな夢だったかは、既に思い出せないが、とても変な夢だったのは覚えている。
  ただ一つだけ覚えていることがある、誰かが泣いていたような気がする、悲しいような、嬉しいような表情をしていた。あれは一体誰だったのだろうか。
 それにしても、夢というものはなぜ忘れてしまうのか、普通なら目覚める直前までに見ていた夢は覚えているものだが、今回はどうだったのだろう? よく思い出せない、いつもなら忘れてしまうなら大した事ではないのだろうと諦めるのだが、今回はそうならないで、思い出そうとしている。
 そんなことを考えていると
 「あー!お兄ちゃん!今日転校生が来るって先生達が話してたよー」
 転校生か?四月の中旬だが珍しいのだろうか?そんなことを思いながら
 「ほう、何年生かわかるのか?」
 聞き返すと、凛は、んー?と手を顎に当てて思い出したように、あっ!というと
 「忘れちゃった!」
 と元気に言った
 「それだけの元気があるなら今日の学校も楽しく過ごせそうだな」
 忘れてしまったことは仕方がない、人は忘れる生き物なのだ、それでは俺も歯を磨いてから学校に行くとするか。
 ちなみに、俺と凛は一歳差の兄妹で兄妹揃って、水嶋みしま高校に通っている。俺が二年生で凛が1年生だ。
 家からは自転車で通っているが、歩きで行ってもすぐに着くだろう。
 「俺は先に行くから家の鍵閉めておいてくれ」
 凛に伝えて玄関に向かう。
 「わかったー、私もすぐに行くから」
 それを聞いてから家を出て自転車に乗る。
 自転車に乗っている時は特に何を考えるでもなく、事故をしないように気を付けながら学校へ向かう。
 学校に着いて、自転車を駐輪場に停めて、昇降口へ向かおうとすると後ろから。
 「よっ!朱おはよう」
 「おう、兎槻うつきおはよ」
 兎槻 玲空うつきれくは中学の頃からの友達で、よく飯を食べに行ったり、ゲーセンに行ったりして遊んでいる。
 「あれ?凛ちゃんは?休みか?」
 「いや、俺が先に出てきただけだよ」
 「そういうことか、いつも遅刻ギリギリに学校に来ているお前が先に来ているのが珍しいから、凛ちゃんも来ているのかと思っていたよ」
 失礼な。口には出さずに心の中で思っておく
 「早く、クラスに行こうぜ。SHRまで俺は寝たいんだ」
 「朱のそういうところは昔から変わらないよな」
 そんなことを話しながらクラスへ向かう。兎槻とは同じクラスで、兎槻の席は通路側だが俺の苗字は光雅みつみやだから窓側の席なのだ。寝るにはちょうどよく日差しが気持ちいい。
 教室に着くと俺は兎槻と別れ真っ先に自分の席に向かい寝る姿勢になる。そして、瞼が重くなってくる。
 いつもよりも眠くなるのが早いな
 そんなことを思っているうちに意識が重くなってくる。
 あー、これ熟睡する時と同じ感覚だ
 そんなことを考えると意識は闇へと引きずり込まれる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。 断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...