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ロコデメルを筆頭にしたデメルの集団があそこに現れたのには、下町の住人が関わっていたようだ。
何でも政府に無断で下町を拡張しようと、地下を横に掘り進めた際に、魔獣除けの印を壊してしまったらしい。それを放置していたために周辺のデメルがあそこら辺に集結、さらに運悪くそこへロコデメルが来たことで集団となって大穴から現れたのだ。
デメル襲撃が終わって地上に出てみれば、夜も遅いというのにそこには人だかりの山ができていた。大音声の拍手に皆からオレ達四人を称賛する声が聞こえ、なんだかこそばゆい。
幸い死者は出なかった。源さんの話では怪我人が大量にいたので源さん自身はその場での応急処置に徹し、後は駆けつけた救急隊員に託したそうだ。おそらく全員後遺症も残らないだろうとのことだ。あれだけの災害で死者が出なかったのは、獣人自体頑丈な身体をしていることもあったが、椿さんが大穴の前で命はってデメルの襲撃を防いでくれていたことと、オレが住人を影で迅速に救出したことが大きいと誉めてくれた。素直に嬉しかった。
その夜は疲れたので船でぐっすり、とはならなかった。
全員救出とかロコデメル討伐とか、なんだかんだ理由をつけて住人達に宴会に誘われたからだ。
出なければいいと思うかもしれないが、源さんに椿さん、さらにはペガサスくんまで宴会に出ると言い出されては、オレ一人出ない訳にはいかない。結局朝まで宴会の梯子をする羽目になった。ペガサスくんは一次会で早くも力尽き、以後オレが寝ているペガサスくんをおぶって移動することに。
出港日当日、徹夜明けのオレ達を待っていたのは、この街のお偉方だった。
何でも今回のことで勲章を授与したいと市庁舎に連行され、いりもしない勲章を渡された。要するにこれをやるから今回街の汚点を見たことは不問にしろ、ということだろう。もうル・ガインから出港するオレ達には関係ないが。
これでゆっくり休めると船に戻ると、待っていたのは、あのボス格と少女だ。グーリスとミィと言うそうだ。
「あんたの会社に入る。オレを働かせてくれ」
グーリスとミィがオレに頭を下げている。ああそういえば、そんなこと話してたなぁ。にしてもグーリスはずいぶんしおらしくなっている。訳を訊くと昨夜の一件にいたく感銘を受けたのだとか。「兄貴」と慕われても何だか変な感じだ。とりあえず三十万VCを渡して、倉庫に連れていく。そこでペガサスくんの親御さんの会社の人に面通しをして、後を任せて船に戻った。
諸々終わって船の個室に戻れたのは、昼も半ばを過ぎた頃だった。オレは飯も食わずベッドに倒れ込むとそのまま眠りに入った。気づけば船は出港していた。
何でも政府に無断で下町を拡張しようと、地下を横に掘り進めた際に、魔獣除けの印を壊してしまったらしい。それを放置していたために周辺のデメルがあそこら辺に集結、さらに運悪くそこへロコデメルが来たことで集団となって大穴から現れたのだ。
デメル襲撃が終わって地上に出てみれば、夜も遅いというのにそこには人だかりの山ができていた。大音声の拍手に皆からオレ達四人を称賛する声が聞こえ、なんだかこそばゆい。
幸い死者は出なかった。源さんの話では怪我人が大量にいたので源さん自身はその場での応急処置に徹し、後は駆けつけた救急隊員に託したそうだ。おそらく全員後遺症も残らないだろうとのことだ。あれだけの災害で死者が出なかったのは、獣人自体頑丈な身体をしていることもあったが、椿さんが大穴の前で命はってデメルの襲撃を防いでくれていたことと、オレが住人を影で迅速に救出したことが大きいと誉めてくれた。素直に嬉しかった。
その夜は疲れたので船でぐっすり、とはならなかった。
全員救出とかロコデメル討伐とか、なんだかんだ理由をつけて住人達に宴会に誘われたからだ。
出なければいいと思うかもしれないが、源さんに椿さん、さらにはペガサスくんまで宴会に出ると言い出されては、オレ一人出ない訳にはいかない。結局朝まで宴会の梯子をする羽目になった。ペガサスくんは一次会で早くも力尽き、以後オレが寝ているペガサスくんをおぶって移動することに。
出港日当日、徹夜明けのオレ達を待っていたのは、この街のお偉方だった。
何でも今回のことで勲章を授与したいと市庁舎に連行され、いりもしない勲章を渡された。要するにこれをやるから今回街の汚点を見たことは不問にしろ、ということだろう。もうル・ガインから出港するオレ達には関係ないが。
これでゆっくり休めると船に戻ると、待っていたのは、あのボス格と少女だ。グーリスとミィと言うそうだ。
「あんたの会社に入る。オレを働かせてくれ」
グーリスとミィがオレに頭を下げている。ああそういえば、そんなこと話してたなぁ。にしてもグーリスはずいぶんしおらしくなっている。訳を訊くと昨夜の一件にいたく感銘を受けたのだとか。「兄貴」と慕われても何だか変な感じだ。とりあえず三十万VCを渡して、倉庫に連れていく。そこでペガサスくんの親御さんの会社の人に面通しをして、後を任せて船に戻った。
諸々終わって船の個室に戻れたのは、昼も半ばを過ぎた頃だった。オレは飯も食わずベッドに倒れ込むとそのまま眠りに入った。気づけば船は出港していた。
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