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『不味い』
ですよね~。
この何日かレギンナで取り寄せ可能なアマルガムの食品を実際に取り寄せているのだが、成果が上がらない。
アマルガムの食品といえばオイルと固形燃料で、オイルの方はマロン様も美味しくいただいてくれるのだが、固形燃料の方はけっこう好き不好きが別れた。まあオレからすればどれも口に入れたくない物だったが、スライム的にはオーケーらしい。
だがやはり今までの二つと比べると、美味しくないようだ。
このままだと試練達成は無理だなぁ。と思っていたある日の昼過ぎだった。ドンッという花火でも打ち上がったかのような音が社の方から聞こえてきたのは。
それとほぼ同時に、社の職員がナルさん家に駆け込んでくる。
『マロン様大変です! 前回マロン様との商談がうまくいかなかった異世界の商人が、仕返しとばかり暴徒となってお社で暴れています!』
オレ達七人が駆けつけると、すでに参拝客の姿はなく、確かに暴徒が社を壊しまくっていた。
物陰から隠れるようにして、様子を伺ってみると、暴徒の数は三人。それぞれがなにやら戦闘用ロボットに乗っている。
しかもその顔には見覚えがあった。オレ達が前回社に訪れたときにごねていた客だ。
「あのロボット、バロッツ社のジプター22ですね」
とはペガサスくんの言。
「…ロボット好きなんだ」
「ちょっとネットで観たことがあるだけです。ジプター22は軍事用から警備用に転用された機体で、警備用とは思えない高火力が魅力の機体です」
やっぱりロボット好きなんじゃん。
「そんなことはどうでもいい。今の俺がどこまでできるのか、その腕試しの相手になるのかどうかだ」
とは椿さん。ちょうど昨日海底のカニを素潜りで捕まえられるようになり、今テンションが上がりまくっている。
物陰から出た椿さんが暴徒達に声を掛ける。
「おい! お前ら!」
ズビィッ!
ロボットから光線が発射され、椿さんは慌てて物陰に避難してきた。
「…俺の相手になるのか? とか言ってませんでした?」
「想定外だッ。警備ロボットじゃないのかよ!?」
「だから言ったじゃないですか。軍事用から転用されて高火力だって」
「…それにしたって光線を付けるのはやり過ぎなんじゃないか?」
「ボクも今見てそう思いました」
などと会話している場合じゃなかった。
「おい! そこにいるのかクソ神子ォ!」
暴徒の一人がこちらに話し掛けてくる。
「この前はよくもやってくれたなあ! そのお礼に来てやったぜ! 顔出せコラァ!」
言ってることは完全に三下だが、乗っているロボットがヤバイ。ちょっとでも顔出そうものなら、即光線の餌食である。
「五秒やる。出てこなきゃここら一帯が火の海だ!」
冗談じゃないんだろうなぁ。ここで逃げたらオレ達のせいで街に被害が及ぶ。
皆の顔を見たら、皆もう覚悟を決めているようだ。やるしかない。
「…五、…四、…三、…二、…一」
ですよね~。
この何日かレギンナで取り寄せ可能なアマルガムの食品を実際に取り寄せているのだが、成果が上がらない。
アマルガムの食品といえばオイルと固形燃料で、オイルの方はマロン様も美味しくいただいてくれるのだが、固形燃料の方はけっこう好き不好きが別れた。まあオレからすればどれも口に入れたくない物だったが、スライム的にはオーケーらしい。
だがやはり今までの二つと比べると、美味しくないようだ。
このままだと試練達成は無理だなぁ。と思っていたある日の昼過ぎだった。ドンッという花火でも打ち上がったかのような音が社の方から聞こえてきたのは。
それとほぼ同時に、社の職員がナルさん家に駆け込んでくる。
『マロン様大変です! 前回マロン様との商談がうまくいかなかった異世界の商人が、仕返しとばかり暴徒となってお社で暴れています!』
オレ達七人が駆けつけると、すでに参拝客の姿はなく、確かに暴徒が社を壊しまくっていた。
物陰から隠れるようにして、様子を伺ってみると、暴徒の数は三人。それぞれがなにやら戦闘用ロボットに乗っている。
しかもその顔には見覚えがあった。オレ達が前回社に訪れたときにごねていた客だ。
「あのロボット、バロッツ社のジプター22ですね」
とはペガサスくんの言。
「…ロボット好きなんだ」
「ちょっとネットで観たことがあるだけです。ジプター22は軍事用から警備用に転用された機体で、警備用とは思えない高火力が魅力の機体です」
やっぱりロボット好きなんじゃん。
「そんなことはどうでもいい。今の俺がどこまでできるのか、その腕試しの相手になるのかどうかだ」
とは椿さん。ちょうど昨日海底のカニを素潜りで捕まえられるようになり、今テンションが上がりまくっている。
物陰から出た椿さんが暴徒達に声を掛ける。
「おい! お前ら!」
ズビィッ!
ロボットから光線が発射され、椿さんは慌てて物陰に避難してきた。
「…俺の相手になるのか? とか言ってませんでした?」
「想定外だッ。警備ロボットじゃないのかよ!?」
「だから言ったじゃないですか。軍事用から転用されて高火力だって」
「…それにしたって光線を付けるのはやり過ぎなんじゃないか?」
「ボクも今見てそう思いました」
などと会話している場合じゃなかった。
「おい! そこにいるのかクソ神子ォ!」
暴徒の一人がこちらに話し掛けてくる。
「この前はよくもやってくれたなあ! そのお礼に来てやったぜ! 顔出せコラァ!」
言ってることは完全に三下だが、乗っているロボットがヤバイ。ちょっとでも顔出そうものなら、即光線の餌食である。
「五秒やる。出てこなきゃここら一帯が火の海だ!」
冗談じゃないんだろうなぁ。ここで逃げたらオレ達のせいで街に被害が及ぶ。
皆の顔を見たら、皆もう覚悟を決めているようだ。やるしかない。
「…五、…四、…三、…二、…一」
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