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自己紹介
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「本当に良くやってくれたわ!」
オルさんやアンリさん、三公たちがバヨネッタさん、リットーさんの帰還を喜ぶ中、一歩引いてそれを見守っていたオラコラさんが、俺を見付けて抱き着いてきた。
胸が当たって恥ずかしいので、俺は深呼吸して気持ちを落ち着けてから、オラコラさんを引き離した。
「落ち着いてください。俺だけの力で成し遂げた訳じゃありませんから。皆でなんとかした事です。こちらこそすみませんでした」
俺が謝った事が意外だったのか、オラコラさんが首を傾げた。
「バヨネッタさんのお母様と妹さん、もしもの時の為に呼んでおいてくれたんですね」
その事か。と得心のいったオラコラさんは、バヨネッタさんやその家族の姿を見ながら教えてくれた。
「そんな、格好いい理由じゃないわ。もしもあなたたちが倒されれば、私がウルドゥラの対処にあたらなければならない。でも、バヨネッタたちを倒す程の相手を私とエルルランドの軍だけで対処するのは難しいと思ったの。だから援軍として呼んだのよ」
「例えそれが本当だとしても、呼んでくれた事実に変わりないですから」
「……そう」
なんとなく温かい空気になったなあと思えたが、そこに寒風が吹き流れる。寒い。
「ここにいると全員風邪引きそうですね」
「そうね。マリジール! 再会を喜び合うのもこの辺にして、屋敷に戻りましょう!」
オラコラさんは俺が言いたかった事を理解してくれたようで、マリジール公に口添えしてくれた。流石に公爵に対して一般人の俺から、場所を移したい。と口にするのは問題あるだろうからなあ。
そんな訳で俺はデレダ迷宮から地上に戻る時同様に、勇者パーティを籠に乗せて空を飛んでいる。
「こんにちは!」
元気な声で話し掛けられた。横を向くと、象の牙のようなものに横座りになるバヨネッタさんの妹さんがいた。
「こんにちは」
「あなたって何者!?」
いきなりだな。何が彼女の興味を引いたのか? 妹さんは目を輝かせながら尋ねてきた。
「何者、って……」
「あ、待って!」
俺が名乗ろうとしたところで、妹さんに遮られた。
「名乗るならまず自分からよね! 私はアネカネ! 獣遣の魔女アネカネよ! ティティお姉ちゃんとは、血の繋がった姉妹よ!」
と胸を張って自己紹介するアネカネさん。その態度から自分に自信があるタイプだと分かる。しかし、妹なのにアネカネなんだあ。
「はあ。私はバヨネッタさんの従僕をやらせて頂いている、ハルアキと言う者です」
「お姉ちゃんが従僕!? あのお姉ちゃんが自分の背中を他人に任せるなんて、信じられない! あなた本当に何者!?」
魔女の従僕って、そんなに地位の高いものだったのか?
「いえ、私なんてバヨネッタさんに背中を預けて貰えるにはまだまだです」
俺の言葉をどう受け取ったのか、アネカネさんは益々興味を引かれたらしく、色々と質問してくる。
「黒目黒髪なんて珍しいわよね? どこ出身なの? お姉ちゃんの従僕って事は、魔法使いなの? スキルは何? この黒い翼や籠はスキル? 魔法?」
矢継ぎ早の質問に俺が困っていると、
「ほらほら、そんなに連続で質問して、彼困っているじゃない」
とバヨネッタさんのお母さんが助け舟を出してくれた。ちなみにお母さんが乗っているのは太い線香で、後方先端には火が点いていて良い匂いを漂わせている。
「ごめんなさいね。ティティが男の子を連れているなんて珍しくて、この子興味津々なのよ」
そう言うものなのだろうか? 同行しているのであれば、オルさんもいるけどなあ。いや、きっとオルさんとは既にあいさつを済ませて、それで矛先が俺に向いたと考えるべきか。
「私の名前は幽玄の魔女サルサル。ティティの母よ。それで? ティティとはどれくらいまで進んでいるのかしら?」
いや、こっちもグイグイくるなあ。
「いえ、私とバヨネッタさんはそう言う関係じゃありませんから?」
「本当にい?」
声を揃えて首を傾げないで欲しい。
「ええ、誓って」
何に誓っているのか分からないけど。
「ふ~ん。それにしても固いわねえ。緊張しているのかしら? ティティの従僕なら家族も同然。もっと楽に話してくれて良いのよ?」
「そうそう。ハルアキくんはいくつなの?」
「十七です」
「え!? 同い年じゃない!? なら私の事はアネカネで良いわよ。私もハルアキって呼び捨てにするから」
「はあ」
そう言われてもなあ。とちらりとバヨネッタさんの方を窺うと、なんか呆れた顔でこちらを見ていた。
「勝手にすれば良いわよ。非礼があれば撃つけど」
と無表情のバヨネッタさん。俺、撃たれるんだ。
「ええ、お姉ちゃん厳しくない?」
ダァン。
撃たれた。アネカネが。幸い顔の横をかすめただけだったが。
「撃たれるの私なの!?」
「ハルアキへの非礼は私への非礼だと思って対応する事ね」
「うう。姉の対応が妹に対して厳し過ぎる」
「懐かしいわねえ」
と二人のやり取りを温かく見守るサルサルさん。懐かしいって事は、バヨネッタさん、昔からこんな人だったのか。魔女的にはこれが普通なのだろうか?
「ちょっとティティ! こんなところで銃を撃たないで! 地上を走っている三公たちが、何事かとびっくりしているでしょう!」
地上を走る馬車から、オラコラさんが飛んできて、バヨネッタさんを説教する。それに対して顔を横に向けるバヨネッタさん。仕方ないなあ。と温かく見守るサルサルさんとアネカネだった。
オルさんやアンリさん、三公たちがバヨネッタさん、リットーさんの帰還を喜ぶ中、一歩引いてそれを見守っていたオラコラさんが、俺を見付けて抱き着いてきた。
胸が当たって恥ずかしいので、俺は深呼吸して気持ちを落ち着けてから、オラコラさんを引き離した。
「落ち着いてください。俺だけの力で成し遂げた訳じゃありませんから。皆でなんとかした事です。こちらこそすみませんでした」
俺が謝った事が意外だったのか、オラコラさんが首を傾げた。
「バヨネッタさんのお母様と妹さん、もしもの時の為に呼んでおいてくれたんですね」
その事か。と得心のいったオラコラさんは、バヨネッタさんやその家族の姿を見ながら教えてくれた。
「そんな、格好いい理由じゃないわ。もしもあなたたちが倒されれば、私がウルドゥラの対処にあたらなければならない。でも、バヨネッタたちを倒す程の相手を私とエルルランドの軍だけで対処するのは難しいと思ったの。だから援軍として呼んだのよ」
「例えそれが本当だとしても、呼んでくれた事実に変わりないですから」
「……そう」
なんとなく温かい空気になったなあと思えたが、そこに寒風が吹き流れる。寒い。
「ここにいると全員風邪引きそうですね」
「そうね。マリジール! 再会を喜び合うのもこの辺にして、屋敷に戻りましょう!」
オラコラさんは俺が言いたかった事を理解してくれたようで、マリジール公に口添えしてくれた。流石に公爵に対して一般人の俺から、場所を移したい。と口にするのは問題あるだろうからなあ。
そんな訳で俺はデレダ迷宮から地上に戻る時同様に、勇者パーティを籠に乗せて空を飛んでいる。
「こんにちは!」
元気な声で話し掛けられた。横を向くと、象の牙のようなものに横座りになるバヨネッタさんの妹さんがいた。
「こんにちは」
「あなたって何者!?」
いきなりだな。何が彼女の興味を引いたのか? 妹さんは目を輝かせながら尋ねてきた。
「何者、って……」
「あ、待って!」
俺が名乗ろうとしたところで、妹さんに遮られた。
「名乗るならまず自分からよね! 私はアネカネ! 獣遣の魔女アネカネよ! ティティお姉ちゃんとは、血の繋がった姉妹よ!」
と胸を張って自己紹介するアネカネさん。その態度から自分に自信があるタイプだと分かる。しかし、妹なのにアネカネなんだあ。
「はあ。私はバヨネッタさんの従僕をやらせて頂いている、ハルアキと言う者です」
「お姉ちゃんが従僕!? あのお姉ちゃんが自分の背中を他人に任せるなんて、信じられない! あなた本当に何者!?」
魔女の従僕って、そんなに地位の高いものだったのか?
「いえ、私なんてバヨネッタさんに背中を預けて貰えるにはまだまだです」
俺の言葉をどう受け取ったのか、アネカネさんは益々興味を引かれたらしく、色々と質問してくる。
「黒目黒髪なんて珍しいわよね? どこ出身なの? お姉ちゃんの従僕って事は、魔法使いなの? スキルは何? この黒い翼や籠はスキル? 魔法?」
矢継ぎ早の質問に俺が困っていると、
「ほらほら、そんなに連続で質問して、彼困っているじゃない」
とバヨネッタさんのお母さんが助け舟を出してくれた。ちなみにお母さんが乗っているのは太い線香で、後方先端には火が点いていて良い匂いを漂わせている。
「ごめんなさいね。ティティが男の子を連れているなんて珍しくて、この子興味津々なのよ」
そう言うものなのだろうか? 同行しているのであれば、オルさんもいるけどなあ。いや、きっとオルさんとは既にあいさつを済ませて、それで矛先が俺に向いたと考えるべきか。
「私の名前は幽玄の魔女サルサル。ティティの母よ。それで? ティティとはどれくらいまで進んでいるのかしら?」
いや、こっちもグイグイくるなあ。
「いえ、私とバヨネッタさんはそう言う関係じゃありませんから?」
「本当にい?」
声を揃えて首を傾げないで欲しい。
「ええ、誓って」
何に誓っているのか分からないけど。
「ふ~ん。それにしても固いわねえ。緊張しているのかしら? ティティの従僕なら家族も同然。もっと楽に話してくれて良いのよ?」
「そうそう。ハルアキくんはいくつなの?」
「十七です」
「え!? 同い年じゃない!? なら私の事はアネカネで良いわよ。私もハルアキって呼び捨てにするから」
「はあ」
そう言われてもなあ。とちらりとバヨネッタさんの方を窺うと、なんか呆れた顔でこちらを見ていた。
「勝手にすれば良いわよ。非礼があれば撃つけど」
と無表情のバヨネッタさん。俺、撃たれるんだ。
「ええ、お姉ちゃん厳しくない?」
ダァン。
撃たれた。アネカネが。幸い顔の横をかすめただけだったが。
「撃たれるの私なの!?」
「ハルアキへの非礼は私への非礼だと思って対応する事ね」
「うう。姉の対応が妹に対して厳し過ぎる」
「懐かしいわねえ」
と二人のやり取りを温かく見守るサルサルさん。懐かしいって事は、バヨネッタさん、昔からこんな人だったのか。魔女的にはこれが普通なのだろうか?
「ちょっとティティ! こんなところで銃を撃たないで! 地上を走っている三公たちが、何事かとびっくりしているでしょう!」
地上を走る馬車から、オラコラさんが飛んできて、バヨネッタさんを説教する。それに対して顔を横に向けるバヨネッタさん。仕方ないなあ。と温かく見守るサルサルさんとアネカネだった。
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