252 / 643
深夜の報告会。
しおりを挟む
「終わった~~~」
地球人類史初の、世界⇔異世界サミットが閉幕し、俺はクドウ商会まで戻ってきていた。
会議室の最奥の席に腰を下ろし、ヒンヤリした机に突っ伏す。冬だと言うのに、火照った顔が冷やされて気持ち良い。
「お疲れ様でした」
そう言ってエルルランド担当の三枝さんがお茶を淹れてくれた。
「ありがとうございます。まあ、俺なんかより、皆さんの方が大変だったと思いますけど、何とか、この難局を乗り切れましたね」
俺が会議室をぐるりと見回せば、オルドランド担当の七町さんにエルルランド担当の三枝さん、パジャン担当になった二瓶さん、そして新たにモーハルド担当になった五代さんが頷いてくれた。五代さんは元ラガーマンでがっしり体型のお兄さんである。宗教国家のモーハルドとの相性は分からないが、担当になったからには頑張って貰いたい。
「さて、もう夜も遅いけど、今回の会談の振り返りをしておきましょう」
俺の言葉に皆が頷いたところで、一人の男が恐る恐る手を上げた。
「あのう、何で俺までここにいるんだ? って言うか、俺、ここにいて良いのか?」
誰あろう武田・セクシーマン・傑である。
「問題ありません」
にっこり笑顔で俺が答えると、武田が引きつった笑顔を返す。
「部外者だけど?」
「もう部外者じゃないでしょう?」
「そう?」
「ええ。Future World Newsは、ウチが買収しますから」
「はあ!? どうしてそうなるんだよ!? 横暴だ! 日本は我々一般人から、異世界に関して自由に報道する権利を奪うつもりなんだ!」
「元勇者が一般人を気取ってんじゃねえよ! 今回の件、あんたがあれこれ騒ぎを引き起こさなきゃ、こっちはもっと順調に異世界との関係を構築出来ていたんだよ!」
「一般市民にだって知る権利はある!」
「べつに報道するなとは言っていない! タイミングが最悪だと言っているんだよ! 物事には順序があるんだ! 芸能人のゴシップじゃないんだから、変なタイミングで情報漏洩されたら、今回みたいに他国に付け入る隙を与える事になるんだよ!」
ラシンシャ天の乱入は仕方がなかったとは言え、それを武田にすっぱ抜かれたせいで、今回の会談の話が地球中に知れ渡り、地球側代表のような形で、常任理事国のトップが出張ってくる事態にまで発展してしまった。それを引き起こした武田は、野放しにしていて良い人物ではないのだ。
「ふん。裏でコソコソやっているのが悪いんだろ」
鼻息荒く腕組みをする武田。本当にこいつ、警察に突き出してやろうか。
「……二十億」
俺の発言に、武田の片眉がピクリと反応する。
「今回Future World Newsを買収するにあたって、クドウ商会から二十億円出しましょう」
「……本気か?」
狼狽しながら問い質す武田に、俺は鷹揚に首肯した。
「これからよろしくお願いします」
まさに手のひら返しとはこの事を言うのだろう。武田は俺に深々と頭を下げてみせる。
「武田さん、プライドって知ってます?」
「いやいや、だって二十億だぞ!? それだけあれば運営の借金払っても、余裕でお釣りがくるわ」
ああ、世の中って世知辛いなあ。
「はあ。分かりました。その借金も二十億とは別に、こちらで支払いますよ」
「マジでかッ!? 工藤って実は超良い人なんじゃないのかッ!?」
そんな事はない。俺は武田の『空識』を高く買ってFWNに二十億と言う値を付けたのだ。ユニークスキルである武田の『空識』を考えれば、二十億なんて安い投資である。
「はあ。まあそう言う事ですから、武田さんも今回のサミットの振り返り会議に出席してください。当事者の一人でもあるわけですから」
「おう! そう言う事なら! …………え~と、これって記事にして良いんだよな?」
「世界⇔異世界サミットの事ですか?」
俺の言に武田が何度も頷き返してきた。
「良いですよ」
「良しッ!」
「検閲はしますけど」
「検閲されんのか~。まあでも、記事に出来ないよりかはマシかなあ」
「だと思いますよ。鍋屋の中に入って、写真まで撮れたの武田さんだけですから。まさにスクープですよ。これでFWNの閲覧数も更に爆上がりですね」
「そうかあ、爆上がりかあ」
三十過ぎたおっさんが、ニヤニヤ思い出し笑いしているのって、見ていられないなあ。
「さて、今回サミットで上がったのは、各国間での細々したのを除けば、三つですかね?」
ニヤニヤの武田は放置するとして、俺は会議室の面々に向けて話を始める。
今回サミットで話題に上がったのは、ポーション、魔石、そして桂木が組織している異世界調査隊の件についてだった。
奇跡の霊薬であるポーションや、次世代のエネルギー資源である魔石については、前々から国連などで議題に上っていた。まあ、どの国でもこの二つは必要になるよなあ。
「ポーションも魔石も有限ですから、どの国も出し渋っていましたね」
三枝さんの言葉に、七町さん、二瓶さん、五代さんが首肯するが、武田は首を捻っていた。
「魔物を倒さなければならない魔石集めが難しいのは分かるが、ポーションなんてそんなに不足しているのか? ベナ草なんてそこら辺に生えているだろう?」
ああ、そこら辺五十年前と違っているのか。
「今、向こうの世界では、ベナ草が少なくなりつつあるみたいなんです」
「なんだって!? 大問題じゃないか!!」
目を見開いて驚く武田。武田の驚きっぷりから、これが異常事態なのが分かる。普段バヨネッタさんたちと旅をしているから、そこら辺気にしてこなかったけど、魔物に怯え、町や村に引きこもって暮らしている一般の人たちからしたら、そりゃあ大問題だよなあ。
「ええ。なのでどの国もポーションの供出には良い顔をしていません。これまでハイポーションの生産を一手に担っていたモーハルドも、ポーションは出し渋っていました」
モーハルド担当になった五代さんが語る。そこに武田が口を挟んできた。
「そうか。ハイポーションなんて効き目が高過ぎて地球じゃ無用の長物だが、ポーションまで出し渋っているのか。…………ん? ちょっと待って。『これまで』って言った? もしかして、どこか別の国がハイポーションの生産に成功したのか!?」
おお。武田がこれまで以上に驚いている。目が飛び出しそうだな。
「国と言うか、組織ですね。オルバーニュ財団が生産に成功しました」
「…………嘘だろ? どこかの宗教組織じゃないのか? 財団? あれは神の創り給うた代物だぞ?」
ああ、元モーハルド人だとそう言う感想になるのね。
「まあでも、作れるようになっちゃったものはなっちゃったので」
そのきっかけは俺なんだけど。
「まあ、ポーションに関しては要交渉ですかね。継続的に各国と交渉していく感じで。でもいきなりポーションなんて奇跡、向こうの世界からホイホイ持ち込まれても困っちゃいますけどねえ」
俺の言葉に全員頷く。そうなんだよねえ。医療がポーション頼みにシフトチェンジしてしまったら、ポーションがなくなった時に困ってしまう。そうはなりたくないものだ。
「魔石に関しては、異世界各国、ポーションに比べればいくらか柔軟に対応してくださっていますが、それでも、地球人類を賄えるだけの魔石を取り引きするのは難しいでしょう。ここら辺は魔石からのエネルギー抽出に関する技術革新が求められます」
七町さんの発言に武田以外が頷く。
「確かにな。魔王軍を倒せば、それなりの量の魔石が手に入るとは言え、継続的なエネルギー源と考えると、それだけではこの先、心許ないか。まあ、ワンチャン、地下界での採取方法が確立されれば、そっちにシフトするのも手だろうけど」
「地下界、ですか?」
そう言えば向こうの世界は、平面世界で、あの世界の下に地下界なる世界が広がっているんだっけ。
「地下界には魔石が沢山あるんですか?」
「ああ。と言うより、地下界ってのは、ほとんどの物質が魔力と融合した代物だから、そこら辺に転がっている石ころも、流れる川の水も、生えている木々も、全部が魔石と言えば魔石なんだよ」
なんじゃその世界は?
「まるで見てきたかのような言い方ですねえ?」
二瓶さんが口を挟むと、武田は首肯した。マジで?
「魔王との最終決戦は地下界で、だったからな。まあでも、地下界は本当に最終手段だと思っておいた方が良い。さっき言った通り、魔力がたんまりある世界なんだ。そこに生きる生き物の強さたるや、魔王に匹敵する奴がゴロゴロいやがる」
それは、絶対に行きたくない場所だ。
そして話題は三つ目に移る。桂木の異世界調査隊に関してだ。桂木の異世界調査隊は、現在、地球の多国籍組織となり、日々モーハルド国内で様々な調査、研究実験を行っている。が、その研究に問題が起きている。いや、研究自体は順調らしい。『らしい』と言うのは、その研究成果が地球側に還元されていないのだ。つまり研究してもその成果を地球側に持ち出す事が許されていなかったのである。極簡単なものを除いて。今回地球側はこの研究成果の還元をモーハルドに要求した。
驚いたのはストーノ教皇であった。異世界調査隊が色々と活動している事は知っていたが、それが国内で潰されていた事に、教皇は本当に驚きを隠せずにいた。いやあ、あのお付きの人を見る冷めた視線は怖かったなあ。
「でもこの問題に関しては、ストーノ教皇がしっかり対処すると約束してくれましたから、今後改善してくれるでしょう」
と五代さん。武田もうんうん頷いている。そうなってくれると良いんだけどねえ。教皇、少数派だからなあ。
その後もあれやこれやと今後の我が社の方針などを話し合い、気付けば外は明るくなっていた。マジかよ。
「どうした? 机に突っ伏して? 一番若いのに最初にエネルギー切れか?」
武田が俺を揶揄うが、何か言い返すだけの気力が残っていない。ただ一言だけ。
「……俺、二徹なんですけど」
全員から同情の視線を向けられました。
地球人類史初の、世界⇔異世界サミットが閉幕し、俺はクドウ商会まで戻ってきていた。
会議室の最奥の席に腰を下ろし、ヒンヤリした机に突っ伏す。冬だと言うのに、火照った顔が冷やされて気持ち良い。
「お疲れ様でした」
そう言ってエルルランド担当の三枝さんがお茶を淹れてくれた。
「ありがとうございます。まあ、俺なんかより、皆さんの方が大変だったと思いますけど、何とか、この難局を乗り切れましたね」
俺が会議室をぐるりと見回せば、オルドランド担当の七町さんにエルルランド担当の三枝さん、パジャン担当になった二瓶さん、そして新たにモーハルド担当になった五代さんが頷いてくれた。五代さんは元ラガーマンでがっしり体型のお兄さんである。宗教国家のモーハルドとの相性は分からないが、担当になったからには頑張って貰いたい。
「さて、もう夜も遅いけど、今回の会談の振り返りをしておきましょう」
俺の言葉に皆が頷いたところで、一人の男が恐る恐る手を上げた。
「あのう、何で俺までここにいるんだ? って言うか、俺、ここにいて良いのか?」
誰あろう武田・セクシーマン・傑である。
「問題ありません」
にっこり笑顔で俺が答えると、武田が引きつった笑顔を返す。
「部外者だけど?」
「もう部外者じゃないでしょう?」
「そう?」
「ええ。Future World Newsは、ウチが買収しますから」
「はあ!? どうしてそうなるんだよ!? 横暴だ! 日本は我々一般人から、異世界に関して自由に報道する権利を奪うつもりなんだ!」
「元勇者が一般人を気取ってんじゃねえよ! 今回の件、あんたがあれこれ騒ぎを引き起こさなきゃ、こっちはもっと順調に異世界との関係を構築出来ていたんだよ!」
「一般市民にだって知る権利はある!」
「べつに報道するなとは言っていない! タイミングが最悪だと言っているんだよ! 物事には順序があるんだ! 芸能人のゴシップじゃないんだから、変なタイミングで情報漏洩されたら、今回みたいに他国に付け入る隙を与える事になるんだよ!」
ラシンシャ天の乱入は仕方がなかったとは言え、それを武田にすっぱ抜かれたせいで、今回の会談の話が地球中に知れ渡り、地球側代表のような形で、常任理事国のトップが出張ってくる事態にまで発展してしまった。それを引き起こした武田は、野放しにしていて良い人物ではないのだ。
「ふん。裏でコソコソやっているのが悪いんだろ」
鼻息荒く腕組みをする武田。本当にこいつ、警察に突き出してやろうか。
「……二十億」
俺の発言に、武田の片眉がピクリと反応する。
「今回Future World Newsを買収するにあたって、クドウ商会から二十億円出しましょう」
「……本気か?」
狼狽しながら問い質す武田に、俺は鷹揚に首肯した。
「これからよろしくお願いします」
まさに手のひら返しとはこの事を言うのだろう。武田は俺に深々と頭を下げてみせる。
「武田さん、プライドって知ってます?」
「いやいや、だって二十億だぞ!? それだけあれば運営の借金払っても、余裕でお釣りがくるわ」
ああ、世の中って世知辛いなあ。
「はあ。分かりました。その借金も二十億とは別に、こちらで支払いますよ」
「マジでかッ!? 工藤って実は超良い人なんじゃないのかッ!?」
そんな事はない。俺は武田の『空識』を高く買ってFWNに二十億と言う値を付けたのだ。ユニークスキルである武田の『空識』を考えれば、二十億なんて安い投資である。
「はあ。まあそう言う事ですから、武田さんも今回のサミットの振り返り会議に出席してください。当事者の一人でもあるわけですから」
「おう! そう言う事なら! …………え~と、これって記事にして良いんだよな?」
「世界⇔異世界サミットの事ですか?」
俺の言に武田が何度も頷き返してきた。
「良いですよ」
「良しッ!」
「検閲はしますけど」
「検閲されんのか~。まあでも、記事に出来ないよりかはマシかなあ」
「だと思いますよ。鍋屋の中に入って、写真まで撮れたの武田さんだけですから。まさにスクープですよ。これでFWNの閲覧数も更に爆上がりですね」
「そうかあ、爆上がりかあ」
三十過ぎたおっさんが、ニヤニヤ思い出し笑いしているのって、見ていられないなあ。
「さて、今回サミットで上がったのは、各国間での細々したのを除けば、三つですかね?」
ニヤニヤの武田は放置するとして、俺は会議室の面々に向けて話を始める。
今回サミットで話題に上がったのは、ポーション、魔石、そして桂木が組織している異世界調査隊の件についてだった。
奇跡の霊薬であるポーションや、次世代のエネルギー資源である魔石については、前々から国連などで議題に上っていた。まあ、どの国でもこの二つは必要になるよなあ。
「ポーションも魔石も有限ですから、どの国も出し渋っていましたね」
三枝さんの言葉に、七町さん、二瓶さん、五代さんが首肯するが、武田は首を捻っていた。
「魔物を倒さなければならない魔石集めが難しいのは分かるが、ポーションなんてそんなに不足しているのか? ベナ草なんてそこら辺に生えているだろう?」
ああ、そこら辺五十年前と違っているのか。
「今、向こうの世界では、ベナ草が少なくなりつつあるみたいなんです」
「なんだって!? 大問題じゃないか!!」
目を見開いて驚く武田。武田の驚きっぷりから、これが異常事態なのが分かる。普段バヨネッタさんたちと旅をしているから、そこら辺気にしてこなかったけど、魔物に怯え、町や村に引きこもって暮らしている一般の人たちからしたら、そりゃあ大問題だよなあ。
「ええ。なのでどの国もポーションの供出には良い顔をしていません。これまでハイポーションの生産を一手に担っていたモーハルドも、ポーションは出し渋っていました」
モーハルド担当になった五代さんが語る。そこに武田が口を挟んできた。
「そうか。ハイポーションなんて効き目が高過ぎて地球じゃ無用の長物だが、ポーションまで出し渋っているのか。…………ん? ちょっと待って。『これまで』って言った? もしかして、どこか別の国がハイポーションの生産に成功したのか!?」
おお。武田がこれまで以上に驚いている。目が飛び出しそうだな。
「国と言うか、組織ですね。オルバーニュ財団が生産に成功しました」
「…………嘘だろ? どこかの宗教組織じゃないのか? 財団? あれは神の創り給うた代物だぞ?」
ああ、元モーハルド人だとそう言う感想になるのね。
「まあでも、作れるようになっちゃったものはなっちゃったので」
そのきっかけは俺なんだけど。
「まあ、ポーションに関しては要交渉ですかね。継続的に各国と交渉していく感じで。でもいきなりポーションなんて奇跡、向こうの世界からホイホイ持ち込まれても困っちゃいますけどねえ」
俺の言葉に全員頷く。そうなんだよねえ。医療がポーション頼みにシフトチェンジしてしまったら、ポーションがなくなった時に困ってしまう。そうはなりたくないものだ。
「魔石に関しては、異世界各国、ポーションに比べればいくらか柔軟に対応してくださっていますが、それでも、地球人類を賄えるだけの魔石を取り引きするのは難しいでしょう。ここら辺は魔石からのエネルギー抽出に関する技術革新が求められます」
七町さんの発言に武田以外が頷く。
「確かにな。魔王軍を倒せば、それなりの量の魔石が手に入るとは言え、継続的なエネルギー源と考えると、それだけではこの先、心許ないか。まあ、ワンチャン、地下界での採取方法が確立されれば、そっちにシフトするのも手だろうけど」
「地下界、ですか?」
そう言えば向こうの世界は、平面世界で、あの世界の下に地下界なる世界が広がっているんだっけ。
「地下界には魔石が沢山あるんですか?」
「ああ。と言うより、地下界ってのは、ほとんどの物質が魔力と融合した代物だから、そこら辺に転がっている石ころも、流れる川の水も、生えている木々も、全部が魔石と言えば魔石なんだよ」
なんじゃその世界は?
「まるで見てきたかのような言い方ですねえ?」
二瓶さんが口を挟むと、武田は首肯した。マジで?
「魔王との最終決戦は地下界で、だったからな。まあでも、地下界は本当に最終手段だと思っておいた方が良い。さっき言った通り、魔力がたんまりある世界なんだ。そこに生きる生き物の強さたるや、魔王に匹敵する奴がゴロゴロいやがる」
それは、絶対に行きたくない場所だ。
そして話題は三つ目に移る。桂木の異世界調査隊に関してだ。桂木の異世界調査隊は、現在、地球の多国籍組織となり、日々モーハルド国内で様々な調査、研究実験を行っている。が、その研究に問題が起きている。いや、研究自体は順調らしい。『らしい』と言うのは、その研究成果が地球側に還元されていないのだ。つまり研究してもその成果を地球側に持ち出す事が許されていなかったのである。極簡単なものを除いて。今回地球側はこの研究成果の還元をモーハルドに要求した。
驚いたのはストーノ教皇であった。異世界調査隊が色々と活動している事は知っていたが、それが国内で潰されていた事に、教皇は本当に驚きを隠せずにいた。いやあ、あのお付きの人を見る冷めた視線は怖かったなあ。
「でもこの問題に関しては、ストーノ教皇がしっかり対処すると約束してくれましたから、今後改善してくれるでしょう」
と五代さん。武田もうんうん頷いている。そうなってくれると良いんだけどねえ。教皇、少数派だからなあ。
その後もあれやこれやと今後の我が社の方針などを話し合い、気付けば外は明るくなっていた。マジかよ。
「どうした? 机に突っ伏して? 一番若いのに最初にエネルギー切れか?」
武田が俺を揶揄うが、何か言い返すだけの気力が残っていない。ただ一言だけ。
「……俺、二徹なんですけど」
全員から同情の視線を向けられました。
12
あなたにおすすめの小説
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる