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「本当ですか!?」
「ああ。私が一言言えば、それぐらい造作もない」
確かにゼラン仙者なら出来るか。六人は真偽が分からないからだろう、俺に視線で助けを求めてくる。それに対して俺が首肯する。
「この人はパジャンでも発言力のある方ですから、それくらいは出来ると思います」
と、またもパァと顔を明るくする六人。
「でしたら、こう言うのはどうでしょう? ゼラン様にはとても不本意かも知れませんが、パジャン全体の企画展として、その中にゼラン様のコーナーを設けるのです。これでしたら、今注目度の高いパジャンの企画展ですから、人も大勢集まります。そちらに宝を展示して頂けるなら、相応の謝礼はお支払いいたします」
「ほう?」
件の官僚の発言に、ゼラン仙者は腕を組んで黙考する。
「私の宝は安くないぞ?」
「それはもちろんです」
互いに目を見てにやりと笑う。何これ?
「あ、この人、日本のお宝を狙っているみたいですから、最悪物々交換とかいけると思います」
「ハルアキ、私を安い人間みたいに言うんじゃない」
俺に半眼を向けるゼラン仙者。はい、すみません。
「そんな事より、私はどうなるのよ?」
とバヨネッタさん。そうでした。
「どうでしょうか? バヨネッタ様もどこかの国と合同で企画展を開くと言うのは?」
官僚がバヨネッタさんにお伺いを立てる。
「それはパジャン以外の、こちらの世界に来ている三国のどこかと合同と言う意味よね?」
首肯する六人。
「じゃあ無理ね。私はゼランのように国に居着いている人間じゃあないから」
「そうですか……」
当ての外れた六人は、持ち込んだ博物館のパンフレットを開く。そして流れる沈黙。
「えっと、異世界の残る三国の企画展を開きたいなら、我社が間を取り持ちますよ?」
「本当ですか!? ありがとうございます!!」
ああ、成程。この六人的には、こっちが本命で我社まで来ていたんだな。そりゃあそうか。どこの誰とも分からない、魔女と仙者の企画展なんて、集客力ないよなあ。
「だから、私は?」
ですよねえ。またも沈黙が会議室を支配する。パンフレットをめくる音だけがぱらりぱらりと、いやに大きく聞こえた。
「へえ、コラボ展なんて言うのもやっているんですね?」
「ええ。今は人気のテレビ番組やSNSチャンネル、タレントやインフルエンサーなどとコラボをする事も少なくありません」
そうなんだ。博物館なんて格式高いイメージがあるけど、こうやって足を運びやすくする工夫とかしているんだなあ。
「コラボ?」
バヨネッタさんが首を傾げる。
「ほら、ゼラン仙者がパジャンと合同で企画展をするようなやつですよ。何か別のやつと合同で展示するんです」
「何でも良いの?」
「良いんじゃないですか? 有名な方が良いでしょうけど」
と俺がそれっぽく返すと、バヨネッタさんは我が意を得たりと口角を上げる。
「『マギ*なぎ』とコラボがしたいわ!」
マジかあ!?
「本気で言ってます、よね?」
「本気よ! 当然でしょう!?」
俺は頭を抱えた。
「あの、『マギ*なぎ』? って何でしょう? 呪文か何かですか?」
博物館協会の人が、初めて聞く言葉に疑問を投げ掛けた。
「あなた、この国の人間なのに、『マギ*なぎ』を知らないの!?」
そりゃあ、知らない人もいるでしょうよ。とそこに件の官僚が横から口を挟む。
「『マギ*なぎ』とはもしや、『宿命少女 マギサ*なぎさ』の事をおっしゃっておられるのですか?」
この人、中々知っている人だな。『宿命少女 マギサ*なぎさ』とは、バヨネッタさんがハマっている、日曜朝に放送されている魔法少女アニメシリーズのタイトルだ。
魔法少女なのか巫女なのか分からないタイトルだが、もうシリーズで十作以上になる。シリーズ毎に〇〇少女の部分に『革命』やら『伝説』やら『戦国』などが入るが、毎回主人公の女の子の名前が『なぎさ』なのはもうお約束だ。
「あなたは出来る側の人間のようね?」
「ええ。あの作品に目を付けるとは、流石は魔女様です」
「バヨネッタさんは、ご自分の武器にトゥインクルステッキとか、ナイトアマリリスとか名前付けちゃうくらい、作品にハマっていますから」
「それはそれは。オタクの鑑のようなお方だ」
オタクじゃあありません。
「分かりました。私の高校からの友人が、『マギ*なぎ』の制作会社でプロデューサーをしていますから、連絡してみましょう」
うえ!? マジかよ!? 官僚は言うが早いか、何やらスマホをイジり始めた。
「どう言う事?」
「あの役人、あのアニメを作っている会社に伝手があるようです」
「本当に!? 凄いじゃない!?」
今日一番テンション上がっているな。などと言っているうちに、
「先方から返信がありました。本物の魔女様のお話を聞きたいそうです」
「良いわよ! こっちだって、いくらでも話をしたいわ! 朝までだって語れるわよ!」
この時、俺は三徹を覚悟した。
「とりあえず、バヨネッタさんは一旦落ち着いてください。それと、文科省と博物館協会の方々はもう少しここでお待ちください。今、異世界四国の人間を呼びますので、話を詰めていきましょう。三枝さん、もう一つ会議室を押さえて貰えますか? 俺とバヨネッタさんはそちらに移って、アニメ制作会社の人と話をします」
俺の言葉を聞き、すぐに行動に移す三枝さん。ありがたい。九藤さん、このタイミングでしれっとお茶飲まないで。
「では、私もそちらに移りましょう」
件の官僚も声を上げる。
「良いわね! 語れる仲間は多い方が良いわ!」
そうッスねー。ああ、もう頭がクラクラしてきたよ。
「ああ。私が一言言えば、それぐらい造作もない」
確かにゼラン仙者なら出来るか。六人は真偽が分からないからだろう、俺に視線で助けを求めてくる。それに対して俺が首肯する。
「この人はパジャンでも発言力のある方ですから、それくらいは出来ると思います」
と、またもパァと顔を明るくする六人。
「でしたら、こう言うのはどうでしょう? ゼラン様にはとても不本意かも知れませんが、パジャン全体の企画展として、その中にゼラン様のコーナーを設けるのです。これでしたら、今注目度の高いパジャンの企画展ですから、人も大勢集まります。そちらに宝を展示して頂けるなら、相応の謝礼はお支払いいたします」
「ほう?」
件の官僚の発言に、ゼラン仙者は腕を組んで黙考する。
「私の宝は安くないぞ?」
「それはもちろんです」
互いに目を見てにやりと笑う。何これ?
「あ、この人、日本のお宝を狙っているみたいですから、最悪物々交換とかいけると思います」
「ハルアキ、私を安い人間みたいに言うんじゃない」
俺に半眼を向けるゼラン仙者。はい、すみません。
「そんな事より、私はどうなるのよ?」
とバヨネッタさん。そうでした。
「どうでしょうか? バヨネッタ様もどこかの国と合同で企画展を開くと言うのは?」
官僚がバヨネッタさんにお伺いを立てる。
「それはパジャン以外の、こちらの世界に来ている三国のどこかと合同と言う意味よね?」
首肯する六人。
「じゃあ無理ね。私はゼランのように国に居着いている人間じゃあないから」
「そうですか……」
当ての外れた六人は、持ち込んだ博物館のパンフレットを開く。そして流れる沈黙。
「えっと、異世界の残る三国の企画展を開きたいなら、我社が間を取り持ちますよ?」
「本当ですか!? ありがとうございます!!」
ああ、成程。この六人的には、こっちが本命で我社まで来ていたんだな。そりゃあそうか。どこの誰とも分からない、魔女と仙者の企画展なんて、集客力ないよなあ。
「だから、私は?」
ですよねえ。またも沈黙が会議室を支配する。パンフレットをめくる音だけがぱらりぱらりと、いやに大きく聞こえた。
「へえ、コラボ展なんて言うのもやっているんですね?」
「ええ。今は人気のテレビ番組やSNSチャンネル、タレントやインフルエンサーなどとコラボをする事も少なくありません」
そうなんだ。博物館なんて格式高いイメージがあるけど、こうやって足を運びやすくする工夫とかしているんだなあ。
「コラボ?」
バヨネッタさんが首を傾げる。
「ほら、ゼラン仙者がパジャンと合同で企画展をするようなやつですよ。何か別のやつと合同で展示するんです」
「何でも良いの?」
「良いんじゃないですか? 有名な方が良いでしょうけど」
と俺がそれっぽく返すと、バヨネッタさんは我が意を得たりと口角を上げる。
「『マギ*なぎ』とコラボがしたいわ!」
マジかあ!?
「本気で言ってます、よね?」
「本気よ! 当然でしょう!?」
俺は頭を抱えた。
「あの、『マギ*なぎ』? って何でしょう? 呪文か何かですか?」
博物館協会の人が、初めて聞く言葉に疑問を投げ掛けた。
「あなた、この国の人間なのに、『マギ*なぎ』を知らないの!?」
そりゃあ、知らない人もいるでしょうよ。とそこに件の官僚が横から口を挟む。
「『マギ*なぎ』とはもしや、『宿命少女 マギサ*なぎさ』の事をおっしゃっておられるのですか?」
この人、中々知っている人だな。『宿命少女 マギサ*なぎさ』とは、バヨネッタさんがハマっている、日曜朝に放送されている魔法少女アニメシリーズのタイトルだ。
魔法少女なのか巫女なのか分からないタイトルだが、もうシリーズで十作以上になる。シリーズ毎に〇〇少女の部分に『革命』やら『伝説』やら『戦国』などが入るが、毎回主人公の女の子の名前が『なぎさ』なのはもうお約束だ。
「あなたは出来る側の人間のようね?」
「ええ。あの作品に目を付けるとは、流石は魔女様です」
「バヨネッタさんは、ご自分の武器にトゥインクルステッキとか、ナイトアマリリスとか名前付けちゃうくらい、作品にハマっていますから」
「それはそれは。オタクの鑑のようなお方だ」
オタクじゃあありません。
「分かりました。私の高校からの友人が、『マギ*なぎ』の制作会社でプロデューサーをしていますから、連絡してみましょう」
うえ!? マジかよ!? 官僚は言うが早いか、何やらスマホをイジり始めた。
「どう言う事?」
「あの役人、あのアニメを作っている会社に伝手があるようです」
「本当に!? 凄いじゃない!?」
今日一番テンション上がっているな。などと言っているうちに、
「先方から返信がありました。本物の魔女様のお話を聞きたいそうです」
「良いわよ! こっちだって、いくらでも話をしたいわ! 朝までだって語れるわよ!」
この時、俺は三徹を覚悟した。
「とりあえず、バヨネッタさんは一旦落ち着いてください。それと、文科省と博物館協会の方々はもう少しここでお待ちください。今、異世界四国の人間を呼びますので、話を詰めていきましょう。三枝さん、もう一つ会議室を押さえて貰えますか? 俺とバヨネッタさんはそちらに移って、アニメ制作会社の人と話をします」
俺の言葉を聞き、すぐに行動に移す三枝さん。ありがたい。九藤さん、このタイミングでしれっとお茶飲まないで。
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