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「全く、人を汚物のように扱って」
魔法科学研究所のサンドボックスモニター室へ入ってきたバヨネッタさんの第一声がこれだった。己を覆う防護服を引っ張りながら、不満たらたらだ。
「すみません、俺がたまたまベナ草の純粋種を手に入れたもので、研究所が厳戒態勢に入っちゃったんです」
「ベナ草の純粋種ねえ。あの外道仙者が隠し持ってでもいたのかしら?」
「いえ……」
俺は首を傾げるバヨネッタさんに、『有頂天』取得の流れを説明した。
「馬鹿らしいわね。でもハルアキっぽいわ」
話を聞いたバヨネッタさんは何か納得している。
「でも、期待の『有頂天』は限定的にしか使えないのね」
「まあ、『俺は』そうですね。考えてみれば、ゼラン仙者のところで本格的に修行した訳じゃないですから。限定的にでも使える事がラッキーだと思っています」
「ふ~ん。まあ、そうね。仙道の深奥が、簡単に扱えるもののはずはないわよね。夢幻香とやらも必要みたいだし。…………」
「どうかしましたか?」
防護服で表情が分かり辛いが、腕を組んだり片手を顔に当てようとしたり、バヨネッタさんが何やら考え込んでいるのが分かる。
「その『有頂天』状態になるには、夢幻香でなければいけないの?」
「いえ、説明した通り、俺は『超集中』が使えないので、自力で『有頂天』状態に入れないんです」
「それは聞いたわ。そのサポート用に夢幻香が必要だと」
俺は首肯する。
「でも、『有頂天』状態、と言うか夢の中に入り込めれば良いのでしょう? なら、私が持っている幻惑燈でも良いんじゃないかしら?」
「…………あ」
確かに。オルドランドを首都サリィへ向けてビール川を遡上中に立ち寄った、焼き物の街ラガーで、移動要塞『幻惑のカイカイ虫』と言う巨大カタツムリを攻略した時にバヨネッタさんが入手した、幻惑燈と言う周囲に幻惑を見せるランタンがある。あれがあれば、夢幻香じゃなくても『有頂天』状態になれるかも知れない。
「どうですかねえ」
バヨネッタさんの考えに異を唱えたのはオルさんだ。
「何故です?」
俺は首を傾げる。
「あれは『周囲』を幻惑で煙に巻く魔導具だからねえ。使用者本人には効果ないんじゃないかなあ?」
ああ、成程。
「私が幻惑燈でハルアキを『有頂天』状態にする事は出来ても、ハルアキが幻惑燈で自力で『有頂天』状態に入る事は出来ない。と言いたいのね」
バヨネッタさんの言に首肯するオルさん。
それはそうかも知れない。が、それは試して見なければ分からない。
「オルさん、サンドボックス一部屋貸して貰えますか?」
俺の意図を汲み取ってくれたオルさんは、快くサンドボックスに新たに空間を作り出してくれた。
「はあ。やっとこれが脱げるわ」
真っ白で何もないサンドボックス内に入ってすぐに、バヨネッタさんが着ていた防護服を脱ぐ。それに続く俺。
「まずは、その『有頂天』状態と言うものがどんなものか知りたいわね。なってくれる?」
バヨネッタさんのリクエストに応えて、俺はオルさんから渡された夢幻香の指輪を右手の薬指に嵌める。俺もこの指輪の性能を試したかったんだよねえ。
右手をギュッと握り、それに合わせて丹田の坩堝もギュッと潰す。それを解放するように右手を開けば、指輪の夢幻香クリームに点火して、香の匂いが俺の周囲に漂い始める。
指輪は魔導具なので、火拳を使わなくても火は点くが、最近の癖になっているな。火は台座の蓋の中で灯っているし、魔力によって守られているので雑な扱いでも消える事はない。ただしクリームは一時間でなくなるので、時間や量には気を付けなければならない。
「それが『有頂天』状態なの?」
「いえ、今から入ります」
言って『有頂天』状態へとなれば、変化を感じ取ったバヨネッタさんから、「おお」と低い声が漏れた。
「まあ、こんな感じですね」
と覚えたばかりの重拳を披露するが、そちらにはあまり興味がないのか、顎に手を当てて一歩引いた感じでこちらを観察していた。
「分かったわ。じゃあ、次は幻惑燈で『有頂天』状態になれるのか調べましょう」
「あ、はい」
何と言うか、強くなった自分を見せたかったのだが、お気に召さなかっただろうか。
『バヨネッタからしたら、強くなっていて当たり前だと思っているんじゃないか?』
アニンはそう言って慰めてくれたが、そうだと良いなあ。
「何をボーッとしているの? さっさとやるわよ」
「はーい」
俺が指輪の火を消すと、『有頂天』状態が解除された。それを確認したバヨネッタさんは、手に持った幻惑燈に明かりを灯す。すると幻惑燈を中心に周囲が歪み、真っ白だったサンドボックス内が、草原に変わった。
「どう?」
幻惑燈を掲げるバヨネッタさんが尋ねてくる。俺は首肯してから目を瞑り、幻惑燈の幻惑から目覚めるように、目を開けた。
周囲は元通り真っ白の空間だ。幻惑燈の効果の内、幻惑効果は消え去り、催眠効果だけを体に取り込み、『有頂天』状態へと入り込んだらしい。結果は確かに幻惑燈でも『有頂天』状態にはなれるようだ。まあ、今回はバヨネッタさんが幻惑燈の効果を弱めて使ってくれたから、幻惑に掛からなかっただけだが。何であれ、俺はそれを知らせる為にバヨネッタさんに向かって頷いてみせる。
「なら、ここからね」
と幻惑燈の明かりを消しながら、バヨネッタさんは幻惑燈を渡してきた。それを受け取ると、変に時間を食うのも違うので、さっさと幻惑燈に明かりを灯した。すると周囲がブレて二重に見える。意識すると、二重に見える片方を草原の景色に変える事が出来た。
「幻惑燈はちゃんと発動しているようね。今度はどうかしら?」
首を傾げるバヨネッタさんに首肯で返して、俺は一度目を瞑り、息を整えて目を開ける。が、見える景色に違いはなかった。俺は嘆息して首を左右に振った。
「駄目か。でも私が発動させれば『有頂天』状態に出来る事は分かったわ。これで手数が増えた。と捉えるべきかしらね」
「そうですね」
俺は返事をしながら幻惑燈をバヨネッタさんに返す。
「まあ、一番は俺が『超集中』を出来るようになる事なので、要努力ですけど」
「それはそうね」
あはは。と空笑いで返事をして、俺は話題を変える事にした。
「そう言えば、バヨネッタさんの方はどうだったんですか? 俺より先に戻っているかと思ったんですけど」
「ああ……、ちょっと里帰りしていたから」
「え?」
バヨネッタさんって、魔女島から追放されていたのでは?
魔法科学研究所のサンドボックスモニター室へ入ってきたバヨネッタさんの第一声がこれだった。己を覆う防護服を引っ張りながら、不満たらたらだ。
「すみません、俺がたまたまベナ草の純粋種を手に入れたもので、研究所が厳戒態勢に入っちゃったんです」
「ベナ草の純粋種ねえ。あの外道仙者が隠し持ってでもいたのかしら?」
「いえ……」
俺は首を傾げるバヨネッタさんに、『有頂天』取得の流れを説明した。
「馬鹿らしいわね。でもハルアキっぽいわ」
話を聞いたバヨネッタさんは何か納得している。
「でも、期待の『有頂天』は限定的にしか使えないのね」
「まあ、『俺は』そうですね。考えてみれば、ゼラン仙者のところで本格的に修行した訳じゃないですから。限定的にでも使える事がラッキーだと思っています」
「ふ~ん。まあ、そうね。仙道の深奥が、簡単に扱えるもののはずはないわよね。夢幻香とやらも必要みたいだし。…………」
「どうかしましたか?」
防護服で表情が分かり辛いが、腕を組んだり片手を顔に当てようとしたり、バヨネッタさんが何やら考え込んでいるのが分かる。
「その『有頂天』状態になるには、夢幻香でなければいけないの?」
「いえ、説明した通り、俺は『超集中』が使えないので、自力で『有頂天』状態に入れないんです」
「それは聞いたわ。そのサポート用に夢幻香が必要だと」
俺は首肯する。
「でも、『有頂天』状態、と言うか夢の中に入り込めれば良いのでしょう? なら、私が持っている幻惑燈でも良いんじゃないかしら?」
「…………あ」
確かに。オルドランドを首都サリィへ向けてビール川を遡上中に立ち寄った、焼き物の街ラガーで、移動要塞『幻惑のカイカイ虫』と言う巨大カタツムリを攻略した時にバヨネッタさんが入手した、幻惑燈と言う周囲に幻惑を見せるランタンがある。あれがあれば、夢幻香じゃなくても『有頂天』状態になれるかも知れない。
「どうですかねえ」
バヨネッタさんの考えに異を唱えたのはオルさんだ。
「何故です?」
俺は首を傾げる。
「あれは『周囲』を幻惑で煙に巻く魔導具だからねえ。使用者本人には効果ないんじゃないかなあ?」
ああ、成程。
「私が幻惑燈でハルアキを『有頂天』状態にする事は出来ても、ハルアキが幻惑燈で自力で『有頂天』状態に入る事は出来ない。と言いたいのね」
バヨネッタさんの言に首肯するオルさん。
それはそうかも知れない。が、それは試して見なければ分からない。
「オルさん、サンドボックス一部屋貸して貰えますか?」
俺の意図を汲み取ってくれたオルさんは、快くサンドボックスに新たに空間を作り出してくれた。
「はあ。やっとこれが脱げるわ」
真っ白で何もないサンドボックス内に入ってすぐに、バヨネッタさんが着ていた防護服を脱ぐ。それに続く俺。
「まずは、その『有頂天』状態と言うものがどんなものか知りたいわね。なってくれる?」
バヨネッタさんのリクエストに応えて、俺はオルさんから渡された夢幻香の指輪を右手の薬指に嵌める。俺もこの指輪の性能を試したかったんだよねえ。
右手をギュッと握り、それに合わせて丹田の坩堝もギュッと潰す。それを解放するように右手を開けば、指輪の夢幻香クリームに点火して、香の匂いが俺の周囲に漂い始める。
指輪は魔導具なので、火拳を使わなくても火は点くが、最近の癖になっているな。火は台座の蓋の中で灯っているし、魔力によって守られているので雑な扱いでも消える事はない。ただしクリームは一時間でなくなるので、時間や量には気を付けなければならない。
「それが『有頂天』状態なの?」
「いえ、今から入ります」
言って『有頂天』状態へとなれば、変化を感じ取ったバヨネッタさんから、「おお」と低い声が漏れた。
「まあ、こんな感じですね」
と覚えたばかりの重拳を披露するが、そちらにはあまり興味がないのか、顎に手を当てて一歩引いた感じでこちらを観察していた。
「分かったわ。じゃあ、次は幻惑燈で『有頂天』状態になれるのか調べましょう」
「あ、はい」
何と言うか、強くなった自分を見せたかったのだが、お気に召さなかっただろうか。
『バヨネッタからしたら、強くなっていて当たり前だと思っているんじゃないか?』
アニンはそう言って慰めてくれたが、そうだと良いなあ。
「何をボーッとしているの? さっさとやるわよ」
「はーい」
俺が指輪の火を消すと、『有頂天』状態が解除された。それを確認したバヨネッタさんは、手に持った幻惑燈に明かりを灯す。すると幻惑燈を中心に周囲が歪み、真っ白だったサンドボックス内が、草原に変わった。
「どう?」
幻惑燈を掲げるバヨネッタさんが尋ねてくる。俺は首肯してから目を瞑り、幻惑燈の幻惑から目覚めるように、目を開けた。
周囲は元通り真っ白の空間だ。幻惑燈の効果の内、幻惑効果は消え去り、催眠効果だけを体に取り込み、『有頂天』状態へと入り込んだらしい。結果は確かに幻惑燈でも『有頂天』状態にはなれるようだ。まあ、今回はバヨネッタさんが幻惑燈の効果を弱めて使ってくれたから、幻惑に掛からなかっただけだが。何であれ、俺はそれを知らせる為にバヨネッタさんに向かって頷いてみせる。
「なら、ここからね」
と幻惑燈の明かりを消しながら、バヨネッタさんは幻惑燈を渡してきた。それを受け取ると、変に時間を食うのも違うので、さっさと幻惑燈に明かりを灯した。すると周囲がブレて二重に見える。意識すると、二重に見える片方を草原の景色に変える事が出来た。
「幻惑燈はちゃんと発動しているようね。今度はどうかしら?」
首を傾げるバヨネッタさんに首肯で返して、俺は一度目を瞑り、息を整えて目を開ける。が、見える景色に違いはなかった。俺は嘆息して首を左右に振った。
「駄目か。でも私が発動させれば『有頂天』状態に出来る事は分かったわ。これで手数が増えた。と捉えるべきかしらね」
「そうですね」
俺は返事をしながら幻惑燈をバヨネッタさんに返す。
「まあ、一番は俺が『超集中』を出来るようになる事なので、要努力ですけど」
「それはそうね」
あはは。と空笑いで返事をして、俺は話題を変える事にした。
「そう言えば、バヨネッタさんの方はどうだったんですか? 俺より先に戻っているかと思ったんですけど」
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「え?」
バヨネッタさんって、魔女島から追放されていたのでは?
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