Re : play / リプレイ

貯古齢糖 壬琉苦

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ACT-29

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二人が護衛していた船は、無事に目的地の港に到着した。


「海賊には遭遇しなかったけど、まさかテロリストに襲われるとは…」

「予想外な展開だらけでしたけど、皆んな無事に港に辿り着くことができて、よかったですね」

「そうだな」


 二人は、船から降り行く乗客たちを眺めながら、心境を語り合っていた。


「クエストもクリアしたし、そろそろ、イベエラに帰るか」

「はい」

「二人共、こんなところに居たのか、探したぞ」

「あれ、二人揃ってどうしたの?」

「フィーちゃんが、どうしてもスズキさんに、お礼を言いたいそうです」

「コラ! パフィー、余計なことを言うな!」


 健太郎とシエラが、イベエラ行きの船に乗ろうとすると、フィーベルトとパフィーが走って来た。


「お礼なんて、言われるほどのことはしてないと思うんだけど」

「いや、汝は我が国の英雄に至る器の持ち主だよ」

「?」

「アイビスの連中は、私たちの母国を騒がせていた奴らなんだ。今回の一件で、奴らを捉えられたことは、我が国としては、かなり大きいものだったんだ」

「なるほど、確かに捉えた奴らから情報を引き出せたりして、色々と便利かもしれないな」

「そうだ、だから改めてお礼を言いたかったんだ。…ありがとう」

「真正面から言われると、やっぱり恥ずかしいな」

「なっ、こういう時は、素直に聞き入れるだけで良いんだぞ!」

「わるいわるい」


 健太郎とフィーベルトは、側から見ると、兄妹のようだった。


「フィーちゃん、そろそろ船が出るから行かないと」

「そ、そうだな。このような場所で雑談している程、暇ではなかったな」

「はは、結構な言われようだな」

「ですね」


 フィーベルトとパフィーは、捉えたアイビスのメンバーを連れて、ミスリル行きの船に乗った。


「それじゃあ、お二人共、また何処かでお会いしましょう」

「せいぜい、冒険者業を頑張ると良い」

「別れ際まで偉そうだな…」

「すみません、親友が…」

「まぁ、いいや。それより、二人に渡したい物があって」

「なんですか?」

「大したものじゃないんだけど、これお守り」

「わぁ、可愛い」

「随分と洒落たものがプレゼントできるじゃないか」

「いや、アイデアはシエラから貰ったんだ」

「二人が喜ぶと思って。…ほら、私たちと色違いなんですよ」

「ありがとうございます。一生、大切にします」

「ふん、持っていてやらないこともないが」


 そうこうしているうちに、船が動き始めた。


「元気でなー!」

「さようならー!」

「フィーちゃんも、最後くらい挨拶したら?」

「柄じゃないことはしないさ。…だけど」


 フィーベルトは船の手すりに登って、大きく手を振った。


「ありがとう、魔神! 次会った時は、ぜひ手合わせをしようー!!」

「もちろんだ! いつまでも、待っているからなー!」

 健太郎も、手を振り返した。


 港が見えなくなるまで、フィーベルトは手を振り続けていた。
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