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第3章
暗躍するモノ
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わたくし、不知燈汰(しらず・とうた)は突然に異世界へと転生させられた。
現在、ボロの街の領主の館で緊急のクエストの依頼の相談があったところである。
─────────────────────
「はぁ…困ったなぁ…。
これからどうするか。」
俺達は、領主の館に案内され、今は3人で別の部屋に移動していた。
客間のようだが、ここでゆっくりとするわけにもいかない。
実際に、これからどう行動すれば良いのか思案中だ。
「ねぇねぇ、そのスパイって今日いますぐ見つけないといけないの?」
エレナが、また明後日の方向から質問をしてきた。
「そりゃそうだろ。
色々な事件を引き起こして、これからも何かやるかもしれないんだぞ。」
「うーん…。
でも、しばらくこの館にいたくない?
ほら、暖かいし食事も美味しいし…。
いま捕まえちゃったら、すぐにここから出ていかないといけないじゃない。」
まさしく、女神の発言とは思えないことを言い始めた。
この自称女神…善良な市民と自分の欲望のどちらが大切なのか…。
…まぁ、聞くまでもないか?
「お前なぁ…。
それでカターユさんに何かあったらどうするんだよ。」
「大丈夫よ。」
「なんでだよ。
何か根拠でもあるのか?」
「………。」
黙りやがった。
何なのコイツ?
「でも、本当に困りましたね。
まさか、手がかりナシの状態からスタートとは…。」
時は、少し前に遡る───。
─────────────────────
「ス、スパイ…ですか?」
突然、全くもって想定外のクエストの依頼が飛んできた。
それも、ボロの街の領主であるカターユからの依頼である。
「そう。あまり大きな声では言えないのだがね。
例えばだが、君は初心者ダンジョンのケルベロスの一件をどう思った?」
「俺達が解決したあのクエストですか?
うーん…死ぬかと思いましたし、二度とやりたくないはないですね。」
実際にあの段階での…というか今もそうだが、俺のレベルに明らかに見合っていないクエストだった。
エレナがいなければ、俺は今頃この異世界で誰にも救われない魂だけの存在となって、永遠に彷徨っていたはずである。
「それ以外は?」
「それ以外…ですか?
…まぁハッキリ言って、なんであのレベルのモンスターがここにいるんだ?っていうのは思いましたね。
そもそも、個人であれば中級者程度の冒険者でも苦戦するって話を聞いていましたし。
あんなのが繁殖しだしたら、とてもじゃないけど初心者は近寄れないです。」
「まさしくそこでね。
元々、あのエリアでケルベロスが繁殖していた例など過去にないんだよ。」
そうなの?
じゃあ、なんであんなところに大量に繁殖していたのだろう。
そんな稀有な事例に俺はクビを突っ込んで、危うく死にかけたというわけか…。
「ユキノ君は、沈黙のナメクジ事件で気づいたことはあったかい?」
「私の場合は、気にくわない連中をぶっ飛ばしただけですので。」
平然とした顔で、そういった。
やっぱりそうなんだ…。
本当に怖い少女である。
俺も、この子の気持ちを裏切ったらアリのごとく踏み潰されるのだろうか。
「ただ…。」
「ただ?」
「私が解決する直前に、奴らがどうやら外部からやってきたグループの分派だって聞いた時には、ギルド内でもちょっとした噂になっていたことがあります。
それは、私も気にはなっていました。」
ウワサ…?
なんだろう。
俺もエレナも、このあたりのことを全く知らないからな。
「そもそも、奴らはどうやってこの街に潜り込んだのか…という点です。
ボロの街って、四方に門があって高い壁で囲まれているのですから、容易に入ってくることなどできなかったはずなのです。」
うーん…確かに。
外から入ってきたグループなら、その時点で門を素通りして街の中に入っていることになる。
誰かに偽装したり、身分を偽ったと言うことなのだろうか。
いや、そんなの通用する人達のようにも思えないし。
「その通り。私達も、その疑いから当時は様々な観点から調査をしてね。
大きな可能性はとしては、3つあった。
君達にわかるかい?」
「怪しいやつなんて、1人残らずお仕置きすれば良いのよ。
それが一番手っ取り早いんだから。
私なら、1人残らず正義の鉄槌を下すわ。」
エレナが、またわけのわからないことを言い出した。
そのお仕置きをする相手がわからんって話だろうに。
「あっはっは!
私も、そうできればよかったんだけどねぇ。
いかんせん、立場もあるから安易に動けなかったんだよ。
そこで、特に信用できる人材を選別して、しばらく調査をしてもらっていた。」
で、おそらくその結果が最近になって出たのだろう。
なるほど、俺にはわかってきた気がする。
確か、ケインやエイベルはここ最近忙しいと言っていた。
今日も、忙しかったから俺に情報伝達が出来なかったと言っていた。
今回の件と、関係があるんじゃないか?
だからこそ、この人が俺達に依頼を出したい理由も見えてきた。
「つまり、こういうことですか?
3つの可能性の内、スパイの可能性には門番とギルドの2つが含まれていた。
そして、それらの調査は既に終わった、と?」
「素晴らしい。
さすが、エレナ君とユキノ君が認めた男なだけはあるね。」
では、最後の可能性はわかるかい?」
そんなのは、今回の依頼内容で答えを言っているようなものである。
答えは1つ。
「…領主様に近い人間に、スパイがいる?」
「パーフェクトだ。
やはり君達をここに連れて来させたのは、大正解だったらしい。」
ようは、門番とギルドに怪しい人物はまるでいなかった。
では、それと同等かそれ以上の情報操作、あるいは手引きができそうな人物は誰か?
──領主しかいない、ということである。
つまり、スパイは領主の地位を利用してグループをボロの街に入れさせたわけだ。
「本来なら君達に早々に依頼をだして、ギルドや門番を調べるのと同時並行的に調査をしたかったんだ。
でもそれは、ギルド側から断られちゃったからね。」
ギルドや門番も、自分達が疑われているのは心外だったのではないだろうか。
だからこそ、まずは自分達の身の潔白を証明しよう…と。
まぁ、エレナの招致に関してはそれ以前の問題かもしれないが。
実際に、ギルド側のここまでの判断は完全に正しい。
「きっと、私の周りに裏切り者がいるのだろうね。
まぁ本当に、情けないの一言だよ。
ギルドや門番を疑った挙句に、まさか自分の身内に裏切られていたとは…。」
「でも、領主様の名を語って手引きをしたらわかりそうなものじゃないですか?
ケインさんやエイベルさんが、そんなのを見逃すとは思えない。」
だいたい、マナカードのような偽装は極めて難しいはず。
何でそんな簡単に……。
「いや、簡単な方法はあるわよ。
実際に私も入れたし。」
「…あ。」
エレナが、堂々と言い放った。
そうだった…コイツも、不法侵入の不法滞在者だった…。
「そうなんだよねぇ…門番もギルドの子達も、根は優しいから。
普段はそんなことはないかもしれないけど、私の魔力を込めた勅書を持たせて、ケガ人や病人の振りをしたら簡単に入れちゃうと思うんだよ。
で、入ったら今度はその知り合いだって言って、着々と街の外から人が入ってくるってわけ。」
まさしく、現在進行形で俺とエレナが取っている手段である。
なし崩し的に許してもらっているが、まさか俺達よりも先に同じような方法を使っている連中がいたとは。
「その、領主様の勅書って簡単に作れちゃうんですか?
それこそ、マナカードの様に魔力を込めるんでしょ?」
「あぁ、私は面倒だから一気に何枚か作っちゃうんだよ。
まさか、それを外部に勝手に持って行かれちゃうとは思わなかったからね。
たはは…。」
抜けているというか、油断大敵というか…。
まぁでも、まさか自分の周囲の人間がそんな犯罪行為に携わっているとは夢にも思わなかったんだろうな。
明智光秀に裏切られた織田信長も、こんな有様だったのだろうか。
「最悪なのがその手引きをした人物が、おそらくケルベロスの事件も引き起こしたという点なんだ。
放っておくと、またさらに大きな事件が発生しそうで警戒しているんだよ。」
確かに、一連の流れを見ても最低でも既に数ヶ月単位で暗躍していることになる。
このままいくと、さらに長期化する可能性を否定できない。
「まぁそういうことだから、引き受けてくれないだろうか?
依頼は、【領主の館に潜むスパイを捕らえよ】ということで。
期間は未定だ。達成するまでお願いしたい。
報酬は、さっきの褒章の件とは別で支払うことを約束するよ。」
──ということで、俺達はスパイ捜索に駆り出されるのであった。
─────────────────────
「言っとくけど、俺達が依頼を受けたってのは内緒だからな?
特にエレナ。
お前、マジで堂々とそんなことを人に聞くなよ?
相手にバレたら、その時点で終わりかもしれないんだからな。」
「わ、わかってるわよ!
トータ、また私のことをバカにしてるでしょ!!」
うん。
…というと、また騒ぎ出すから無視である。
「にしても、どうします?
一緒に行動しますか?」
「いや、さすがに別々で動いた方が良いだろうな。
いきなりゾロゾロと何かを調べていたら、怪しまれるだろ。
期間は未定だから、慌てるのは良くない。
とにかく、今はこの館内の現状をそれとなく把握しよう。
幸い、カターユさんから領内は自由に動いて良いってお墨付きだからな。
まずは、この館と周辺の状況を知っておいた方が良い。」
今回の件、事情を知っているのは館内ではカターユ以外には使用人のダニエル氏だけらしい。
つまり、ここに連れてきてくれたルディアやガイオにこの件の話を聞くのもアウトだ。
「ってことだ。
わかったかエレナ?」
「わかってるってば!
ちょっとは信用してよ!!」
できるわけがないだろう。
俺が、お前に一体どれだけ裏切られたと思っているのか。
「じゃあ、さっそくちょっと行ってこようかな。
俺は色々と見て回ってみるよ。」
「私も行きます。
ジッとしているのは性に合わないので。」
「私は残りのご飯を見てくるわ。
余っているかもしれないし。」
このポンコツ女神は、3秒前の会話すら覚えていないのだろうか?
本当に、脳内構造がどうなっているのか見てみたい。
そうして、俺達は館内に潜んでいるというスパイを見つけるべく、行動を開始するのであった。
現在、ボロの街の領主の館で緊急のクエストの依頼の相談があったところである。
─────────────────────
「はぁ…困ったなぁ…。
これからどうするか。」
俺達は、領主の館に案内され、今は3人で別の部屋に移動していた。
客間のようだが、ここでゆっくりとするわけにもいかない。
実際に、これからどう行動すれば良いのか思案中だ。
「ねぇねぇ、そのスパイって今日いますぐ見つけないといけないの?」
エレナが、また明後日の方向から質問をしてきた。
「そりゃそうだろ。
色々な事件を引き起こして、これからも何かやるかもしれないんだぞ。」
「うーん…。
でも、しばらくこの館にいたくない?
ほら、暖かいし食事も美味しいし…。
いま捕まえちゃったら、すぐにここから出ていかないといけないじゃない。」
まさしく、女神の発言とは思えないことを言い始めた。
この自称女神…善良な市民と自分の欲望のどちらが大切なのか…。
…まぁ、聞くまでもないか?
「お前なぁ…。
それでカターユさんに何かあったらどうするんだよ。」
「大丈夫よ。」
「なんでだよ。
何か根拠でもあるのか?」
「………。」
黙りやがった。
何なのコイツ?
「でも、本当に困りましたね。
まさか、手がかりナシの状態からスタートとは…。」
時は、少し前に遡る───。
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「ス、スパイ…ですか?」
突然、全くもって想定外のクエストの依頼が飛んできた。
それも、ボロの街の領主であるカターユからの依頼である。
「そう。あまり大きな声では言えないのだがね。
例えばだが、君は初心者ダンジョンのケルベロスの一件をどう思った?」
「俺達が解決したあのクエストですか?
うーん…死ぬかと思いましたし、二度とやりたくないはないですね。」
実際にあの段階での…というか今もそうだが、俺のレベルに明らかに見合っていないクエストだった。
エレナがいなければ、俺は今頃この異世界で誰にも救われない魂だけの存在となって、永遠に彷徨っていたはずである。
「それ以外は?」
「それ以外…ですか?
…まぁハッキリ言って、なんであのレベルのモンスターがここにいるんだ?っていうのは思いましたね。
そもそも、個人であれば中級者程度の冒険者でも苦戦するって話を聞いていましたし。
あんなのが繁殖しだしたら、とてもじゃないけど初心者は近寄れないです。」
「まさしくそこでね。
元々、あのエリアでケルベロスが繁殖していた例など過去にないんだよ。」
そうなの?
じゃあ、なんであんなところに大量に繁殖していたのだろう。
そんな稀有な事例に俺はクビを突っ込んで、危うく死にかけたというわけか…。
「ユキノ君は、沈黙のナメクジ事件で気づいたことはあったかい?」
「私の場合は、気にくわない連中をぶっ飛ばしただけですので。」
平然とした顔で、そういった。
やっぱりそうなんだ…。
本当に怖い少女である。
俺も、この子の気持ちを裏切ったらアリのごとく踏み潰されるのだろうか。
「ただ…。」
「ただ?」
「私が解決する直前に、奴らがどうやら外部からやってきたグループの分派だって聞いた時には、ギルド内でもちょっとした噂になっていたことがあります。
それは、私も気にはなっていました。」
ウワサ…?
なんだろう。
俺もエレナも、このあたりのことを全く知らないからな。
「そもそも、奴らはどうやってこの街に潜り込んだのか…という点です。
ボロの街って、四方に門があって高い壁で囲まれているのですから、容易に入ってくることなどできなかったはずなのです。」
うーん…確かに。
外から入ってきたグループなら、その時点で門を素通りして街の中に入っていることになる。
誰かに偽装したり、身分を偽ったと言うことなのだろうか。
いや、そんなの通用する人達のようにも思えないし。
「その通り。私達も、その疑いから当時は様々な観点から調査をしてね。
大きな可能性はとしては、3つあった。
君達にわかるかい?」
「怪しいやつなんて、1人残らずお仕置きすれば良いのよ。
それが一番手っ取り早いんだから。
私なら、1人残らず正義の鉄槌を下すわ。」
エレナが、またわけのわからないことを言い出した。
そのお仕置きをする相手がわからんって話だろうに。
「あっはっは!
私も、そうできればよかったんだけどねぇ。
いかんせん、立場もあるから安易に動けなかったんだよ。
そこで、特に信用できる人材を選別して、しばらく調査をしてもらっていた。」
で、おそらくその結果が最近になって出たのだろう。
なるほど、俺にはわかってきた気がする。
確か、ケインやエイベルはここ最近忙しいと言っていた。
今日も、忙しかったから俺に情報伝達が出来なかったと言っていた。
今回の件と、関係があるんじゃないか?
だからこそ、この人が俺達に依頼を出したい理由も見えてきた。
「つまり、こういうことですか?
3つの可能性の内、スパイの可能性には門番とギルドの2つが含まれていた。
そして、それらの調査は既に終わった、と?」
「素晴らしい。
さすが、エレナ君とユキノ君が認めた男なだけはあるね。」
では、最後の可能性はわかるかい?」
そんなのは、今回の依頼内容で答えを言っているようなものである。
答えは1つ。
「…領主様に近い人間に、スパイがいる?」
「パーフェクトだ。
やはり君達をここに連れて来させたのは、大正解だったらしい。」
ようは、門番とギルドに怪しい人物はまるでいなかった。
では、それと同等かそれ以上の情報操作、あるいは手引きができそうな人物は誰か?
──領主しかいない、ということである。
つまり、スパイは領主の地位を利用してグループをボロの街に入れさせたわけだ。
「本来なら君達に早々に依頼をだして、ギルドや門番を調べるのと同時並行的に調査をしたかったんだ。
でもそれは、ギルド側から断られちゃったからね。」
ギルドや門番も、自分達が疑われているのは心外だったのではないだろうか。
だからこそ、まずは自分達の身の潔白を証明しよう…と。
まぁ、エレナの招致に関してはそれ以前の問題かもしれないが。
実際に、ギルド側のここまでの判断は完全に正しい。
「きっと、私の周りに裏切り者がいるのだろうね。
まぁ本当に、情けないの一言だよ。
ギルドや門番を疑った挙句に、まさか自分の身内に裏切られていたとは…。」
「でも、領主様の名を語って手引きをしたらわかりそうなものじゃないですか?
ケインさんやエイベルさんが、そんなのを見逃すとは思えない。」
だいたい、マナカードのような偽装は極めて難しいはず。
何でそんな簡単に……。
「いや、簡単な方法はあるわよ。
実際に私も入れたし。」
「…あ。」
エレナが、堂々と言い放った。
そうだった…コイツも、不法侵入の不法滞在者だった…。
「そうなんだよねぇ…門番もギルドの子達も、根は優しいから。
普段はそんなことはないかもしれないけど、私の魔力を込めた勅書を持たせて、ケガ人や病人の振りをしたら簡単に入れちゃうと思うんだよ。
で、入ったら今度はその知り合いだって言って、着々と街の外から人が入ってくるってわけ。」
まさしく、現在進行形で俺とエレナが取っている手段である。
なし崩し的に許してもらっているが、まさか俺達よりも先に同じような方法を使っている連中がいたとは。
「その、領主様の勅書って簡単に作れちゃうんですか?
それこそ、マナカードの様に魔力を込めるんでしょ?」
「あぁ、私は面倒だから一気に何枚か作っちゃうんだよ。
まさか、それを外部に勝手に持って行かれちゃうとは思わなかったからね。
たはは…。」
抜けているというか、油断大敵というか…。
まぁでも、まさか自分の周囲の人間がそんな犯罪行為に携わっているとは夢にも思わなかったんだろうな。
明智光秀に裏切られた織田信長も、こんな有様だったのだろうか。
「最悪なのがその手引きをした人物が、おそらくケルベロスの事件も引き起こしたという点なんだ。
放っておくと、またさらに大きな事件が発生しそうで警戒しているんだよ。」
確かに、一連の流れを見ても最低でも既に数ヶ月単位で暗躍していることになる。
このままいくと、さらに長期化する可能性を否定できない。
「まぁそういうことだから、引き受けてくれないだろうか?
依頼は、【領主の館に潜むスパイを捕らえよ】ということで。
期間は未定だ。達成するまでお願いしたい。
報酬は、さっきの褒章の件とは別で支払うことを約束するよ。」
──ということで、俺達はスパイ捜索に駆り出されるのであった。
─────────────────────
「言っとくけど、俺達が依頼を受けたってのは内緒だからな?
特にエレナ。
お前、マジで堂々とそんなことを人に聞くなよ?
相手にバレたら、その時点で終わりかもしれないんだからな。」
「わ、わかってるわよ!
トータ、また私のことをバカにしてるでしょ!!」
うん。
…というと、また騒ぎ出すから無視である。
「にしても、どうします?
一緒に行動しますか?」
「いや、さすがに別々で動いた方が良いだろうな。
いきなりゾロゾロと何かを調べていたら、怪しまれるだろ。
期間は未定だから、慌てるのは良くない。
とにかく、今はこの館内の現状をそれとなく把握しよう。
幸い、カターユさんから領内は自由に動いて良いってお墨付きだからな。
まずは、この館と周辺の状況を知っておいた方が良い。」
今回の件、事情を知っているのは館内ではカターユ以外には使用人のダニエル氏だけらしい。
つまり、ここに連れてきてくれたルディアやガイオにこの件の話を聞くのもアウトだ。
「ってことだ。
わかったかエレナ?」
「わかってるってば!
ちょっとは信用してよ!!」
できるわけがないだろう。
俺が、お前に一体どれだけ裏切られたと思っているのか。
「じゃあ、さっそくちょっと行ってこようかな。
俺は色々と見て回ってみるよ。」
「私も行きます。
ジッとしているのは性に合わないので。」
「私は残りのご飯を見てくるわ。
余っているかもしれないし。」
このポンコツ女神は、3秒前の会話すら覚えていないのだろうか?
本当に、脳内構造がどうなっているのか見てみたい。
そうして、俺達は館内に潜んでいるというスパイを見つけるべく、行動を開始するのであった。
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