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第4章
2人で1人
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現在、俺達は楽しく(?)夕飯という名の晩餐会を開いている途中だった。
しかし、そこで衝撃の告白。
なんと、新メンバーであるアニムスちゃんの第二人格が出現した…。
「これが私…って。なに?どういうこと?
本当に、二重人格か何かだったのか?」
「…ちょっと違うけど、まぁそんな感じ。
私達、2人で1人なんだ。
どちらかというと、主人格は私なんだけど。
表の人格は、私の影響を受けてるから。」
俺は、ビックリしすぎて色々な内蔵物が口から飛び出そうになった。
まさか、目の前にいた人物が姿を変えるとは思うまい。
…いや、でもまぁエレナのメタモルフォーゼも似たようなものか?
「正直、頭の理解が全然追い付いていないんだけどさ。
2人で1人?
それって、人格がもう全く別々で違うってこと?」
「うん。独立してる。」
…なるほど。
1つの身体で、2人の人間が住み着いているようなものらしい。
「何をどうやったら、そんなことになるんだ?
人間で言うと、双子の姉妹なのに意識は別々で、しかも同じ体で生活しているみたいなものだろ?」
「色々あったんだよ…。
正直、説明しづらくて…ゴメンね。」
「そっか…いや、悪い。
余計なことを聞いたな。
なんで、ソッチの主人格?の方で生活をしないんだ?」
「…それもね、しないんじゃなくて…できないんだ。
色々とあって、私本来の力は全部無くなっちゃったんだよ。
この姿でウロウロして絡まれたら、今の私だと正直なにもできない。
それこそ、昼間に絡んできた連中にも勝てないと思う。」
「でも、魔力は十分にあるんじゃないのか?
眼が真っ赤じゃん。
それ、魔力を垂れ流している状態でも魔力が満ちているってことだろ?」
「使えないんだ。私のこの魔力。」
「なんで?」
いまいち、要点が掴みづらいというか。
眼が真っ赤になるということは、それだけ十分な魔力が体内に充実している証拠である。
使えないとは?
「この子、ウソは付いてないわよ。
正直、改めてこの子のこの姿を視て悲しくなっちゃったもん。
思わず、抱きしめちゃったわ。」
と、横から助け船のような形でエレナが注釈をつけてきた。
「え?
そ…そんなに酷いのか?」
「酷いなんてもんじゃないわ。身体の隅々までボロボロだから。
おそらくだけど、彼女に元々あった魔力を、外からムリヤリ吸い取ったんじゃないかしら。
正しいやり方で抽出していないから、身体の内部から彼女は崩壊してるのよ。
本当にボロボロ。
正直、コレやった奴に殺意を覚えるわ。」
「ま、マジかよ…そんなことになってたの…?
じゃあ、今アニムスの魔力が充実しているのは何でなんだ?」
「埋め込まれたアーティファクトのおかげでしょうね。
そこから溢れてる魔力を、彼女の修復に還元してるのよ。
多分、この子を守るために誰かがやってあげたんだと思う。
これ考えた奴、本当に天才だわ。褒めてあげても良い。」
そういえば、あのカターユ本家の地下巨大ドームにあった障壁…。
アレを作った奴は天才だ…ってエレナが以前に言ってたっけ。
「だから、その修復をするために魔力の大半をそこにあてなきゃダメみたいね。
でも正直、視た感じだとそれでも全然足りてないわ。」
……なんだか、俺が想像していた1億倍はアニムスは危険な状態だったらしい。
ようは、治療不可能な不治の病にでもかかっているようなものなのかもしれない。
よく、そんな状態でここまで生活ができたものである。
実は、俺は彼女にかなりムリをさせていたのかも…。
「アニムス…お前に埋め込まれてるアーティファクトとやらで、何とかならんの?」
「むしろ、そのおかげでやっとまともに存在を保てている感じかな…。
それに、その力を私に使いながら表の方のアニムスが色々と対処してくれているから。
魔力源が、実はキツキツなんだよ。
私を回復しながら、アーティファクトから魔力を抽出して動いたり戦ったりしてるから。」
「…確かに、そう聞くとメッチャ大変そうだ。
マルチタスクなんてレベルじゃないなそれ。」
「500年間…眠っていたのもそういう理由なんだ。
私、そもそも動ける元気が無かったから。」
つまり、この子は500年間も細胞が分解するほどの病気みたいなのを誰かに発症させられて、それを静かに治療している最中だったわけだ。
それを、ムリヤリ起こしたのが俺…。
やばい…胸が痛い。
罪悪感で吐きそう。
「…あの、本当にゴメン。
謝って済む問題じゃないかもしれんが…マジで土下座したい。
俺、マジでなんでもするよ。」
「…ぷっ。だから、トータちゃんは何も悪くないって。
あのまま寝ていても、回復する見込みは絶対になかったから。
良い機会だったんだよ。
本当に。」
「そう言ってくれるのはありがたいけど…。
じゃあさ、表のいつもの無機質なアニムスってお前とは本当に別人格なんだ?」
「そうだよ。
あの子は、私を助けるために頑張ってくれているだけだから。
で、時々あの子と人格を交替して身体を貸してもらってるって感じ。
その形だと、私もメチャクチャ楽だし自由に動けるんだ。
そのかわり、本来の私自身の力は全く出せないんだけど…。」
なるほど…かなり色々と合点がいった。
時々、言動がおかしかったり怪しかった点も。
自分の好きな時に、人格を交替して言ったりやったり…ということをしていたわけである。
そして、先日エレナとガチンコで戦ったのはおそらくこの主人格の方で、表のアニムスの方に身体を貸してもらっていたわけだ。
だから、アレだけ負けたショックも大きかったのだろう。
「今が主人格ということは、表のあのアニムスって後から付けられた人格とか?
そういや、前に知識は後付けとか言ってたけどそういうことか?」
「そういうことでもないんだけど…本当に説明が難しいんだよ。
話すと、ものすごく長くなるし。
でも、私達は2人で1人だから。
そこは間違いないかな。
あの子がいないと私は存在できないし、あの子の人格も形成されない。」
「…あれ。じゃあさ、お前にもアニムスとは別の元々の名前とかあるんじゃないの?
全くの別人格なんだろ?」
「…内緒。」
なんだそれ。
「まぁそこらへんは、どうでも良いですよ。
どちらでも、アニムスはアニムスですし。
経緯を聞いたところで何も変わらないし、大切なのは今という結果です。
アニムスの、この身体になってしまったという結果。」
ユキノがそういうと、アニムスが少し嬉しそうに笑っていた。
コイツらが意気投合したのも、なんだかわかった気がする。
「本当に、辛くてかわいそうな人生を送っていたんだなって思いましたよ。
腐れ人形とか、私もだいぶ失礼なことを言ってしまいました…。
エレナほどじゃありませんけど、私にもそういうのわかりますから。」
「やっぱり、ユキノ目線でもこの子の魔力周りってオカシイのか?」
「はい。
本体のこの子の魔力の流れ…明らかにオカシイです。
こんな歪な魔力の流れ、今まで見たことないです。」
「誰かに無理やり傷つけられた痕跡とかわかる?」
「わかりますよ、これだけ酷いと。
普通では壊れないはずのガラス容器が、無理やり壊されてヒビだらけになっている感じですね。
だから、外から魔力の供給をしてあげてもそこに貯まらずに、ずっと漏れているのです。
何をどうやったら、こんな酷いことになるのか…。」
アニムスの手を優しく握って、ユキノがそう言った。
エレナやユキノがそう言うのなら、本当に大変な状況に陥っているのだろう。
過去に酷いことをされた…とは言っていたが、まさかそんなに酷いとは。
そりゃ、人類不信にもなるわけで。
「うーん…なぁエレナ。
今の俺に何かできることってあるのかな?
酷い状況なんだろ?
いくらなんでも、このままってのはかわいそうすぎるぞ。」
「ふふん。さすが私の従者ね。
そう言うと思っていたわ。」
口に食べカスが一杯ついた満面の笑顔で、エレナがそう応えた。
待ってました、と言わんばかりに。
…嫌な予感しかしない。ヤバイ。
聞くんじゃなかった。
「ねぇ、アニムス。
あなた、本当によく頑張ったわ。褒めてあげる。
そして、よく私がいる時代に目覚めたものだわ。
なぜなら、私はアンタを作った奴を超える超天才だから。
何でもできるから。」
「…え?
な、なに?
どういうことエレナちゃん?」
アニムスが困惑していた。そして、俺も困惑していた。
それにしても、エレナちゃんて…。
俺のいないところで、仲良くなりすぎだろ。
俺だけ、全然仲良しパーティのステージに上がれていない気がする。
確かに、これだとちょっとだけ仲間外れ感がある。
ちょっとだけ、ね。
「トータ、あなたさっき何でもするって言ったわよね?」
「言ったけど…え、なに?
俺、死ぬの?」
「バカね、そんな酷いことするわけないでしょ。
ようは、アニムスの回復に必要な魔力が間に合っていないのが問題なのよ。
でも、これを一気にやっちゃうと間違いなく彼女の体に負担がかかる。
ユキノの言うように、既に魔力を収めるための容器が壊れかかっているから、そこに新しい魔力を一気に注ぐと負担が大きいのよ。
だから、ゆっくりと確実に回復させてあげる必要があるのね。」
「お前にしては、かなりわかりやすい説明だな」
「で、内部から壊れている部分もきちんと修理してあげないといけない。
根本的に、この部分を修復しないと与えられた魔力は漏れてそのまま消えてなくなっちゃうから。
だから結局、魔力の供給と容器の修理を両立しないといけないのよね。
でも、そんなことしてたら激しく面倒だし、それこそ時間もかかる。
実際に、500年もかかっておそらく現状維持が精いっぱいだろうし。」
「まぁ、言っていることはなんとなくわかるよ。」
「じゃあ、答えは簡単!
そもそも、魔力を貯める容器を新しくしてあげて、そこに新しい魔力を注げばいいだけ。」
「……うん?
どうやって?」
「そういうことだから、トータ。
あなたが新しい容器をあげて、魔力もアニムスに分けてあげなさい。
それで、簡単に解決できるわ。
ね?さすがは私!天才!!」
………。
……………。
「………は?
どういうこと?」
そんな四六時中、アニムスの行動を把握して管理できるわけがないだろう。
それこそ、ペットじゃないのだから。
あと、魔力を貯める容器ってそもそもなんだよ。
「そのままの意味よ。
普通に魔力を分けるのではダメだから、このやり方が最善。
質の良い…それこそ魂レベルに密接に関連づいたダイレクトな魔力の供給がベスト。
そして、その魔力を新しい容器に貯めてアニムスの修復に還元する。
私にならそれができる。
なぜなら、超天才だから。」
「……お前は何を言っとるんだ?」
魂レベル?
俺の魂を、アニムスに渡すってこと?
俺、死んじゃうじゃん。
しかも、アニムスって人形…キカイじゃないの?
魂とかあるの?
もはや、全部意味がわからん。
しかし、ユキノやアニムスには十分に意図が伝わったらしい。
「…あ、もしかして本当にアレをやるのですか!?
わー楽しみです!!
私、聖職者の儀式を初めてこの目で見ますよ!!!!」
「…え!?
ほ、本当に良いのエレナちゃん!!?」
……なんだか、勝手に盛り上がっている女性陣。
もしかして、俺はここから今すぐにでも逃げたほうが良いのだろうか…。
「えぇ。言ったでしょ?
全部チャラにしてあげるって。
思う存分、トータの側にいなさい。
そのかわり、私がトータの主人であることに変わりはないわよ?」
「それで良い!!!!!
あぁ…ついに……!!!
私にもついに…………!!!!!!
エレナちゃん大好き!!!!!!」
「よしよし。じゃあ、そういうことだから。
トータとアニムス。
そこに並んで立って。」
……いやいやいや。
いやいやいやいやいや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
「ま、待て待て、本当に待てよ。マジで。ガチで。
勝手に話を進めてんじゃねぇぞ。
意味が分かんねーんだよ。
絶対によろしくないことを俺にしようとしてるだろ。
俺にはわかる。
これから、絶対に俺は不幸になる。」
「…はぁ。
アンタ、本当に察しが悪いのね。
なんで、私の従者なのにこんなにおバカなのかしら…。」
コイツにバカと言われると、本気でぶん殴りたくなる。
むしろ、お前がバカだから今の俺はこんな感じに収まっているのだろう。
それこそ、俺と魂レベルで繋がっているのだから。
あと、いつまで俺のことを従者とか言ってんだ?
「言っとくけど、ヤバイことをするのなら俺は全力で逃げるぞ。
何でもするって言ったな?
アレはウソだ。」
「アンタ、本当に最低最悪ね…。
そんなことしないってば。
契約するだけよ。従者契約。」
…従者契約?
「な、なんだよそれ…従者?
俺、また誰かの子分になったりするの?」
「違うわよ。うーん……とね。
ほら、天界……じゃなかった。
ニホンで私とトータがやった契約がある…って過去に話したじゃない?
魂レベルで繋ぐやつ。
アレと似たようなものよ。」
「……!!
あ、あぁー…!
あの話のやつね!!」
転生前。
ほぼ強制的にわけのわからん誓約書やら契約書にサインをさせられ、エレナの従者になってしまったやつである。
記憶喪失という設定なので、その時のことを俺が覚えているのはオカシイ。
エレナも、そういうところに気を使ってくれるようになったのは普通に嬉しくなる。
しかし、爆散してバグり倒している今の俺に、その時の効果があるのかは定かではないが。
「でもさ。アレって色々とイレギュラーがあったんだろ?
しかも、それやっちゃうと俺かアニムスがどっちかの従者になっちゃうんじゃないの?」
「ちっちっちっ。私を誰だと思っているの?
そんなことにならないわよ。
魔力の還元…っていう部分だけ、あなたとアニムスを繋ぐ契約をするわ。
魂レベルでね。」
「それすると、どうなるんだ?」
「常時、あなたから良質な魔力がアニムスに届けられることになるわ。
もちろん、トータの日常生活に支障が及ばない範囲で。」
「けど、それだとアニムスの魔力も俺が吸っちゃうことにならない?
ほら、その…過去の似たような契約の話だと、お前の意識とかも俺が共有しちゃったりしたんだろ?」
「ならないわ。そのための従者契約だし。
というかそれこそ、そもそもアレはイレギュラーだから。
一方通行的に機能や能力を付与するってのが、本来の従者契約の強みよ。
その話も、過去に一緒にしたでしょ?
本来は、そういう形だったって。」
……そういえば、契約ってそういう感じだったかもしれない…思い出してきた。
そうだ。
確かに、そんなことを言っていた気がする。
本来は、確かそういう形で俺だけ下界に送られて、必要な時にだけエレナの指示を聞けるようになっていたのだった。
俺から、エレナに対してアプローチができない仕様だったのである。
でも、今はマナカードを通してその気になれば俺もエレナの行動を監視できる。
いつも、何故か主導権をエレナが握っているだけで。
そもそも、実は改造されたマナカードすら俺達が共有している…という件をユキノもアニムスも知らないわけで。
「私くらいになると、好きなものだけを繋げて契約できるから、まぁ何も心配することはないわ。
従者契約とは言っても、どっちが主人でどっちが従者…とか関係ないようにするから。
安心して。」
「なるほど…ちょっとわかってきたぞ。
じゃあ、一方通行的にアニムスに新しい容器とそのための魔力源を俺から追加できるってことか?
ようは、アニムスの回復に必要な魔力だけを都合よくいつでも渡せる…って?」
「そういうことね。」
「……お前、本当に何でもアリなんだな。」
いつもいつも忘れてしまうのだが、こういう理不尽で常人が理解できないことを平気でやってしまうあたり、本当に超天才の神様なのだと痛感する。
「確かに、それなら俺はぜひとも協力したいぞ。
でも、アニムスはそれで良いのか?
俺なんかと繋がっちゃうわけだけど。」
「いやいや、凄く嬉しいって!!!
私、誰かと正式に従者契約をするのが夢だったんだ!!!!!」
……どんな夢だ?
下手すりゃ毛穴の隅々まで監視されるのに。
何一つ共感できない。
「まぁ…でもそっか。
アニムスが納得してくれるのなら、俺は全然いいよ。
エレナ、頼むわ。」
「はいよ。
じゃあ、さっそくやるわね。
私が問いかけたら、返事だけしてちょーだい。」
そういうと、エレナは高位の聖職者だけができるらしい『契約の儀』というものを始めた。
しかし、そこで衝撃の告白。
なんと、新メンバーであるアニムスちゃんの第二人格が出現した…。
「これが私…って。なに?どういうこと?
本当に、二重人格か何かだったのか?」
「…ちょっと違うけど、まぁそんな感じ。
私達、2人で1人なんだ。
どちらかというと、主人格は私なんだけど。
表の人格は、私の影響を受けてるから。」
俺は、ビックリしすぎて色々な内蔵物が口から飛び出そうになった。
まさか、目の前にいた人物が姿を変えるとは思うまい。
…いや、でもまぁエレナのメタモルフォーゼも似たようなものか?
「正直、頭の理解が全然追い付いていないんだけどさ。
2人で1人?
それって、人格がもう全く別々で違うってこと?」
「うん。独立してる。」
…なるほど。
1つの身体で、2人の人間が住み着いているようなものらしい。
「何をどうやったら、そんなことになるんだ?
人間で言うと、双子の姉妹なのに意識は別々で、しかも同じ体で生活しているみたいなものだろ?」
「色々あったんだよ…。
正直、説明しづらくて…ゴメンね。」
「そっか…いや、悪い。
余計なことを聞いたな。
なんで、ソッチの主人格?の方で生活をしないんだ?」
「…それもね、しないんじゃなくて…できないんだ。
色々とあって、私本来の力は全部無くなっちゃったんだよ。
この姿でウロウロして絡まれたら、今の私だと正直なにもできない。
それこそ、昼間に絡んできた連中にも勝てないと思う。」
「でも、魔力は十分にあるんじゃないのか?
眼が真っ赤じゃん。
それ、魔力を垂れ流している状態でも魔力が満ちているってことだろ?」
「使えないんだ。私のこの魔力。」
「なんで?」
いまいち、要点が掴みづらいというか。
眼が真っ赤になるということは、それだけ十分な魔力が体内に充実している証拠である。
使えないとは?
「この子、ウソは付いてないわよ。
正直、改めてこの子のこの姿を視て悲しくなっちゃったもん。
思わず、抱きしめちゃったわ。」
と、横から助け船のような形でエレナが注釈をつけてきた。
「え?
そ…そんなに酷いのか?」
「酷いなんてもんじゃないわ。身体の隅々までボロボロだから。
おそらくだけど、彼女に元々あった魔力を、外からムリヤリ吸い取ったんじゃないかしら。
正しいやり方で抽出していないから、身体の内部から彼女は崩壊してるのよ。
本当にボロボロ。
正直、コレやった奴に殺意を覚えるわ。」
「ま、マジかよ…そんなことになってたの…?
じゃあ、今アニムスの魔力が充実しているのは何でなんだ?」
「埋め込まれたアーティファクトのおかげでしょうね。
そこから溢れてる魔力を、彼女の修復に還元してるのよ。
多分、この子を守るために誰かがやってあげたんだと思う。
これ考えた奴、本当に天才だわ。褒めてあげても良い。」
そういえば、あのカターユ本家の地下巨大ドームにあった障壁…。
アレを作った奴は天才だ…ってエレナが以前に言ってたっけ。
「だから、その修復をするために魔力の大半をそこにあてなきゃダメみたいね。
でも正直、視た感じだとそれでも全然足りてないわ。」
……なんだか、俺が想像していた1億倍はアニムスは危険な状態だったらしい。
ようは、治療不可能な不治の病にでもかかっているようなものなのかもしれない。
よく、そんな状態でここまで生活ができたものである。
実は、俺は彼女にかなりムリをさせていたのかも…。
「アニムス…お前に埋め込まれてるアーティファクトとやらで、何とかならんの?」
「むしろ、そのおかげでやっとまともに存在を保てている感じかな…。
それに、その力を私に使いながら表の方のアニムスが色々と対処してくれているから。
魔力源が、実はキツキツなんだよ。
私を回復しながら、アーティファクトから魔力を抽出して動いたり戦ったりしてるから。」
「…確かに、そう聞くとメッチャ大変そうだ。
マルチタスクなんてレベルじゃないなそれ。」
「500年間…眠っていたのもそういう理由なんだ。
私、そもそも動ける元気が無かったから。」
つまり、この子は500年間も細胞が分解するほどの病気みたいなのを誰かに発症させられて、それを静かに治療している最中だったわけだ。
それを、ムリヤリ起こしたのが俺…。
やばい…胸が痛い。
罪悪感で吐きそう。
「…あの、本当にゴメン。
謝って済む問題じゃないかもしれんが…マジで土下座したい。
俺、マジでなんでもするよ。」
「…ぷっ。だから、トータちゃんは何も悪くないって。
あのまま寝ていても、回復する見込みは絶対になかったから。
良い機会だったんだよ。
本当に。」
「そう言ってくれるのはありがたいけど…。
じゃあさ、表のいつもの無機質なアニムスってお前とは本当に別人格なんだ?」
「そうだよ。
あの子は、私を助けるために頑張ってくれているだけだから。
で、時々あの子と人格を交替して身体を貸してもらってるって感じ。
その形だと、私もメチャクチャ楽だし自由に動けるんだ。
そのかわり、本来の私自身の力は全く出せないんだけど…。」
なるほど…かなり色々と合点がいった。
時々、言動がおかしかったり怪しかった点も。
自分の好きな時に、人格を交替して言ったりやったり…ということをしていたわけである。
そして、先日エレナとガチンコで戦ったのはおそらくこの主人格の方で、表のアニムスの方に身体を貸してもらっていたわけだ。
だから、アレだけ負けたショックも大きかったのだろう。
「今が主人格ということは、表のあのアニムスって後から付けられた人格とか?
そういや、前に知識は後付けとか言ってたけどそういうことか?」
「そういうことでもないんだけど…本当に説明が難しいんだよ。
話すと、ものすごく長くなるし。
でも、私達は2人で1人だから。
そこは間違いないかな。
あの子がいないと私は存在できないし、あの子の人格も形成されない。」
「…あれ。じゃあさ、お前にもアニムスとは別の元々の名前とかあるんじゃないの?
全くの別人格なんだろ?」
「…内緒。」
なんだそれ。
「まぁそこらへんは、どうでも良いですよ。
どちらでも、アニムスはアニムスですし。
経緯を聞いたところで何も変わらないし、大切なのは今という結果です。
アニムスの、この身体になってしまったという結果。」
ユキノがそういうと、アニムスが少し嬉しそうに笑っていた。
コイツらが意気投合したのも、なんだかわかった気がする。
「本当に、辛くてかわいそうな人生を送っていたんだなって思いましたよ。
腐れ人形とか、私もだいぶ失礼なことを言ってしまいました…。
エレナほどじゃありませんけど、私にもそういうのわかりますから。」
「やっぱり、ユキノ目線でもこの子の魔力周りってオカシイのか?」
「はい。
本体のこの子の魔力の流れ…明らかにオカシイです。
こんな歪な魔力の流れ、今まで見たことないです。」
「誰かに無理やり傷つけられた痕跡とかわかる?」
「わかりますよ、これだけ酷いと。
普通では壊れないはずのガラス容器が、無理やり壊されてヒビだらけになっている感じですね。
だから、外から魔力の供給をしてあげてもそこに貯まらずに、ずっと漏れているのです。
何をどうやったら、こんな酷いことになるのか…。」
アニムスの手を優しく握って、ユキノがそう言った。
エレナやユキノがそう言うのなら、本当に大変な状況に陥っているのだろう。
過去に酷いことをされた…とは言っていたが、まさかそんなに酷いとは。
そりゃ、人類不信にもなるわけで。
「うーん…なぁエレナ。
今の俺に何かできることってあるのかな?
酷い状況なんだろ?
いくらなんでも、このままってのはかわいそうすぎるぞ。」
「ふふん。さすが私の従者ね。
そう言うと思っていたわ。」
口に食べカスが一杯ついた満面の笑顔で、エレナがそう応えた。
待ってました、と言わんばかりに。
…嫌な予感しかしない。ヤバイ。
聞くんじゃなかった。
「ねぇ、アニムス。
あなた、本当によく頑張ったわ。褒めてあげる。
そして、よく私がいる時代に目覚めたものだわ。
なぜなら、私はアンタを作った奴を超える超天才だから。
何でもできるから。」
「…え?
な、なに?
どういうことエレナちゃん?」
アニムスが困惑していた。そして、俺も困惑していた。
それにしても、エレナちゃんて…。
俺のいないところで、仲良くなりすぎだろ。
俺だけ、全然仲良しパーティのステージに上がれていない気がする。
確かに、これだとちょっとだけ仲間外れ感がある。
ちょっとだけ、ね。
「トータ、あなたさっき何でもするって言ったわよね?」
「言ったけど…え、なに?
俺、死ぬの?」
「バカね、そんな酷いことするわけないでしょ。
ようは、アニムスの回復に必要な魔力が間に合っていないのが問題なのよ。
でも、これを一気にやっちゃうと間違いなく彼女の体に負担がかかる。
ユキノの言うように、既に魔力を収めるための容器が壊れかかっているから、そこに新しい魔力を一気に注ぐと負担が大きいのよ。
だから、ゆっくりと確実に回復させてあげる必要があるのね。」
「お前にしては、かなりわかりやすい説明だな」
「で、内部から壊れている部分もきちんと修理してあげないといけない。
根本的に、この部分を修復しないと与えられた魔力は漏れてそのまま消えてなくなっちゃうから。
だから結局、魔力の供給と容器の修理を両立しないといけないのよね。
でも、そんなことしてたら激しく面倒だし、それこそ時間もかかる。
実際に、500年もかかっておそらく現状維持が精いっぱいだろうし。」
「まぁ、言っていることはなんとなくわかるよ。」
「じゃあ、答えは簡単!
そもそも、魔力を貯める容器を新しくしてあげて、そこに新しい魔力を注げばいいだけ。」
「……うん?
どうやって?」
「そういうことだから、トータ。
あなたが新しい容器をあげて、魔力もアニムスに分けてあげなさい。
それで、簡単に解決できるわ。
ね?さすがは私!天才!!」
………。
……………。
「………は?
どういうこと?」
そんな四六時中、アニムスの行動を把握して管理できるわけがないだろう。
それこそ、ペットじゃないのだから。
あと、魔力を貯める容器ってそもそもなんだよ。
「そのままの意味よ。
普通に魔力を分けるのではダメだから、このやり方が最善。
質の良い…それこそ魂レベルに密接に関連づいたダイレクトな魔力の供給がベスト。
そして、その魔力を新しい容器に貯めてアニムスの修復に還元する。
私にならそれができる。
なぜなら、超天才だから。」
「……お前は何を言っとるんだ?」
魂レベル?
俺の魂を、アニムスに渡すってこと?
俺、死んじゃうじゃん。
しかも、アニムスって人形…キカイじゃないの?
魂とかあるの?
もはや、全部意味がわからん。
しかし、ユキノやアニムスには十分に意図が伝わったらしい。
「…あ、もしかして本当にアレをやるのですか!?
わー楽しみです!!
私、聖職者の儀式を初めてこの目で見ますよ!!!!」
「…え!?
ほ、本当に良いのエレナちゃん!!?」
……なんだか、勝手に盛り上がっている女性陣。
もしかして、俺はここから今すぐにでも逃げたほうが良いのだろうか…。
「えぇ。言ったでしょ?
全部チャラにしてあげるって。
思う存分、トータの側にいなさい。
そのかわり、私がトータの主人であることに変わりはないわよ?」
「それで良い!!!!!
あぁ…ついに……!!!
私にもついに…………!!!!!!
エレナちゃん大好き!!!!!!」
「よしよし。じゃあ、そういうことだから。
トータとアニムス。
そこに並んで立って。」
……いやいやいや。
いやいやいやいやいや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
「ま、待て待て、本当に待てよ。マジで。ガチで。
勝手に話を進めてんじゃねぇぞ。
意味が分かんねーんだよ。
絶対によろしくないことを俺にしようとしてるだろ。
俺にはわかる。
これから、絶対に俺は不幸になる。」
「…はぁ。
アンタ、本当に察しが悪いのね。
なんで、私の従者なのにこんなにおバカなのかしら…。」
コイツにバカと言われると、本気でぶん殴りたくなる。
むしろ、お前がバカだから今の俺はこんな感じに収まっているのだろう。
それこそ、俺と魂レベルで繋がっているのだから。
あと、いつまで俺のことを従者とか言ってんだ?
「言っとくけど、ヤバイことをするのなら俺は全力で逃げるぞ。
何でもするって言ったな?
アレはウソだ。」
「アンタ、本当に最低最悪ね…。
そんなことしないってば。
契約するだけよ。従者契約。」
…従者契約?
「な、なんだよそれ…従者?
俺、また誰かの子分になったりするの?」
「違うわよ。うーん……とね。
ほら、天界……じゃなかった。
ニホンで私とトータがやった契約がある…って過去に話したじゃない?
魂レベルで繋ぐやつ。
アレと似たようなものよ。」
「……!!
あ、あぁー…!
あの話のやつね!!」
転生前。
ほぼ強制的にわけのわからん誓約書やら契約書にサインをさせられ、エレナの従者になってしまったやつである。
記憶喪失という設定なので、その時のことを俺が覚えているのはオカシイ。
エレナも、そういうところに気を使ってくれるようになったのは普通に嬉しくなる。
しかし、爆散してバグり倒している今の俺に、その時の効果があるのかは定かではないが。
「でもさ。アレって色々とイレギュラーがあったんだろ?
しかも、それやっちゃうと俺かアニムスがどっちかの従者になっちゃうんじゃないの?」
「ちっちっちっ。私を誰だと思っているの?
そんなことにならないわよ。
魔力の還元…っていう部分だけ、あなたとアニムスを繋ぐ契約をするわ。
魂レベルでね。」
「それすると、どうなるんだ?」
「常時、あなたから良質な魔力がアニムスに届けられることになるわ。
もちろん、トータの日常生活に支障が及ばない範囲で。」
「けど、それだとアニムスの魔力も俺が吸っちゃうことにならない?
ほら、その…過去の似たような契約の話だと、お前の意識とかも俺が共有しちゃったりしたんだろ?」
「ならないわ。そのための従者契約だし。
というかそれこそ、そもそもアレはイレギュラーだから。
一方通行的に機能や能力を付与するってのが、本来の従者契約の強みよ。
その話も、過去に一緒にしたでしょ?
本来は、そういう形だったって。」
……そういえば、契約ってそういう感じだったかもしれない…思い出してきた。
そうだ。
確かに、そんなことを言っていた気がする。
本来は、確かそういう形で俺だけ下界に送られて、必要な時にだけエレナの指示を聞けるようになっていたのだった。
俺から、エレナに対してアプローチができない仕様だったのである。
でも、今はマナカードを通してその気になれば俺もエレナの行動を監視できる。
いつも、何故か主導権をエレナが握っているだけで。
そもそも、実は改造されたマナカードすら俺達が共有している…という件をユキノもアニムスも知らないわけで。
「私くらいになると、好きなものだけを繋げて契約できるから、まぁ何も心配することはないわ。
従者契約とは言っても、どっちが主人でどっちが従者…とか関係ないようにするから。
安心して。」
「なるほど…ちょっとわかってきたぞ。
じゃあ、一方通行的にアニムスに新しい容器とそのための魔力源を俺から追加できるってことか?
ようは、アニムスの回復に必要な魔力だけを都合よくいつでも渡せる…って?」
「そういうことね。」
「……お前、本当に何でもアリなんだな。」
いつもいつも忘れてしまうのだが、こういう理不尽で常人が理解できないことを平気でやってしまうあたり、本当に超天才の神様なのだと痛感する。
「確かに、それなら俺はぜひとも協力したいぞ。
でも、アニムスはそれで良いのか?
俺なんかと繋がっちゃうわけだけど。」
「いやいや、凄く嬉しいって!!!
私、誰かと正式に従者契約をするのが夢だったんだ!!!!!」
……どんな夢だ?
下手すりゃ毛穴の隅々まで監視されるのに。
何一つ共感できない。
「まぁ…でもそっか。
アニムスが納得してくれるのなら、俺は全然いいよ。
エレナ、頼むわ。」
「はいよ。
じゃあ、さっそくやるわね。
私が問いかけたら、返事だけしてちょーだい。」
そういうと、エレナは高位の聖職者だけができるらしい『契約の儀』というものを始めた。
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