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第5章三国会議
6.ピクニックin魔王城前
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それぞれの国へ行くリーダーも決まり、だいたいの割り振りも終わらせ、次は魔王城へーと思ったが、やはりそううまくは行かなかった、自分達の処遇に文句を言い始める者が居たのだ。
「何で俺達が廃村に行かなきゃいけないんだ!」
「そうよ!横暴だわ!」
文句を言ってきたのは、廃村行き(島流し)の連中。
「何でって、お前らろくでなしだし」
「何だと!?」
島流し組改めろくでなし組が怒る。
そもそも何故こいつらがろくでなしかと言うと、こいつらは何もしていない、もっと正確に言うなら城の備蓄を食い潰してぐうたらしているだけの役立たずだ、委員長やキャプテン、それぞれの国へ割り振った者達は少なからず今自分に出きることを模索し、兵士と共に魔物退治に行ったり、訓練したり、街の治安維持のため見回りをしたり、街の復興を手伝っていた、が、こいつらはそれがさも当然と言うように部屋でぐうたらしていた。
「お前らは何もして来なかった、そのツケを払う時が来たんだよ」
「ふん、魔王を二人倒したくらいで偉そうに!」
あー、こいつらには情報も入れられて無かったか、まぁ、当然だよな現代の引きこもりが情報通なのはネット環境あってこそだし、兵士やメイド果ては卸の商人にまで嫌われてるし、委員長達も話を聞いたとき相当毛嫌いしてたし。
「はぁ、俺達は他の国に出向いて魔王を倒してきたんだ、合わせて四人倒したよ」
「なっ、そんな話聞いてないぞ!」
「まず、聞く努力をしろよ」
他人と良い関係を築こうとしないで、聞いてないって言われてもな。
「ッ!お、俺達のリーダーは日野だ!お前じゃない!」
「そ、そうよ!あんたに従う必要はないわ!!」
これだ、こいつらの一番の悪い所は、面倒な事、嫌な事は誰かに前に立たせてやり過ごし、何もしないくせに自分達の権利は当然にあると思っている。
日野は自分中心だが、中心に居るための努力は怠らなかった、率先して訓練や座学の授業に出たり、魔物と戦う時は危険な前線に出ていた、対してこいつらは付いて回るだけ、日野はもう少し人の意見を聞くようになれば良い仲間になれるだろう、だがこいつらは無理だ。
「お前ら本当ダメだな」
「何だと!?」
ろくでなし男子が殴り掛かってくる、こいつには聖剣や魔剣どころか普通の剣ですらもったいない、素手で対処しようとしていたら、横から腕が伸びてきた、男子の腕を横に居た澪が掴んでいた、澪はそのまま綺麗な一本背負いをする、とても綺麗な一本背負いなのだが一言添えるなら、スカートで一本背負いは辞めた方がいい、盛大に中を披露していた、縞パンか。
「がっ!」
地面に叩き付けられた男子は、苦しそうに息を吐く。
「この、女子に守られて………」
澪の表情を見て男子の言葉は続かなかった、さて、澪はどんな顔をしているかね。
「なぁ、いい加減現実を見てくれないか?前線に居た俺達は見れなかったかもしれないが、近くに居た委員長やキャプテンは見ていただろう?」
「それは………」
「見ていなかったなんて言わないでくれよ?そうしたら本気で救いようが無いからな?お前らには、廃村で魔物の討伐と訓練、あと畑仕事をして貰う、嫌なら出ていってくれて構わない、その場合はある程度の資金は持たせてやる、でもその後は知らん」
「ッ!」
まだ何か言いたそうだったが聞く耳を持たず歩き出す。
隣に涙を拭きながら澪が並ぶ。
「みんな、まだ大丈夫だよね?」
「……さぁな、これからじゃないか?」
ろくでなしとは言え元クラスメイト、澪だけじゃなく司達も心配からか表情は暗い、優し過ぎるのも考えものだ。
勇者のこれからを話合った際、彼らに対して厳しい意見も出てきていた、囮として前線に立たせる、食い潰した分を奴隷として働かせて返させる、果ては処刑するまで出てくる始末、よほど勇者として横暴に振る舞ってきたのが耐えられない人が居たようだ、俺はどんな処遇になっても仕方ないと思っていたが、待ったを掛けたのが澪達だ、もう一度だけチャンスを上げて欲しいと女王達を説得した、妥協として出たのが廃村に行かせるだ、わざわざ取り壊すより更正の為に使った方が有効だしね。
何はともあれ濃い一日が終わった、たまにはゆっくりしたいものだな。
「と、言うわけでピクニックだ!」
「いやいやいや、あんた何言ってんの!?」
「お?ナイスツッコミ鈴!今時モテるツッコミ系女子だな!?」
「いや、違うから!」
「えっ!?モテるの!?」
「はいそこ、澪も食い付かない!」
「鈴先生!ツッコミがしたいんです!」
「そうゆう危険な発言もするな!あと、誰が先生だ!まず、ツッコミをしたいならボケにまわるな!」
「みんな、一旦落ち着こう」
司の言葉で全員が深呼吸をする。
「さて、まず何から語るべきか」
「最初から全部話なさい!!」
「しょうがないな、ほら、最近ゆっくりできて無かったろ?」
「うん、そうだね、三国を転々としてたし」
「他のクラスの皆の処遇とか」
「で、これからも忙しくなるだろ?あと三人も魔王いるんだぜ?」
「確かに明の言う通りだな?」
「なら、休めるときにちゃんと休むべきだよな?」
サラリーマン大国日本、だから有給大事って言うしね。
「明の言いたいことは十分わかった、でもねピクニックは良いんだよ?お休みもあたしは好きだし、良いんだよ?」
鈴が口角をヒクヒクさせながら何とか笑顔になろうとしている。
「……でもね、ここ魔王城前だから!目と鼻の先にラスボスがいるかも知れないところで、どう休めと!?」
「出張先で豪遊的な?」
「あんたね!?出張先処か、出張所の目の前で宴会してるもんだから!?」
「落ち着けよ、ツッコミがよくわからない状態になってるぞ?ほら、クロエが作ってくれた生搾りオレンジジュース飲んで」
「わぁー美味しい、やっぱり生搾りは違うなー、ってそうじゃない!!」
さて、鈴の怒濤のツッコミが一段落したので、ここで説明しよう!
勇者達と一悶着終えた後、俺が「ゆっくりしたいものだな」と呟いたのが原因になる、側に控えていたクロエに聞かれてしまったのだ。
聞いたからにはクロエは全力で応えようとする、いやもうそりゃ速かったよ、面接の次の日要するに今日は、魔王城後まで行かなきゃならん、でもゆっくりしたいと言う願いは叶えたい、導き出した答えが今現在であるわけだ。
「明様、料理が出来ました」
まぁ、ぶっちゃけいつもの野営と何ら変わりはないんだが黙っておこう。
「うぅ、クロエさん達もそんなてきぱき準備してないで、止めてよぉ」
違うぞ鈴、その子達は止める側じゃない、むしろ実行犯だ。
「おっ、バーベキューも用意していたんだな」
「はい明様、ただのピクニックではいつもの野営と変わりませんから」
あら、気付いてたのね。
食欲をそそる匂いで焼ける串焼きをさっそく頂く、うんうまいね、ワガママを言うなら焼肉のたれが欲しい、塩と胡椒の味付けもいいんだがな、今度自作してみようかな。
「うぅ、間違ってる、間違ってるけどおいしいよ」
「まぁまぁ鈴、魔王が居るって決まった訳じゃないんだし」
「そうだよ、司君の言う通りせっかくなんだし楽しもう!」
「うむ、こっちの串もうまいぞ」
「ありがとう敦、そうだね楽しもう!」
『はははは!』
楽しい気分に水を差すのは気が引けるが………。
「居るぞ?魔王」
『………居るの!?』
いや、そんな勢い良く聞かれると自信なくすな。
一応ナビさんに改めて確認、居るんだよね?魔王。
〈はい、旧魔王城に二人の魔王が居ります〉
良かったちゃんと居た、いや良くは無いのか?
「大丈夫だ、ちゃんと居る」
「大丈夫ではないよね!?」
「まぁ落ち着け、直近の問題はそこじゃない」
〈マスター対象に敵対の意思を確認できません〉
と言う事は魔王とは無関係か?仕方ない直接聞こう。
「そこに居る奴ら出てこい!」
「何で俺達が廃村に行かなきゃいけないんだ!」
「そうよ!横暴だわ!」
文句を言ってきたのは、廃村行き(島流し)の連中。
「何でって、お前らろくでなしだし」
「何だと!?」
島流し組改めろくでなし組が怒る。
そもそも何故こいつらがろくでなしかと言うと、こいつらは何もしていない、もっと正確に言うなら城の備蓄を食い潰してぐうたらしているだけの役立たずだ、委員長やキャプテン、それぞれの国へ割り振った者達は少なからず今自分に出きることを模索し、兵士と共に魔物退治に行ったり、訓練したり、街の治安維持のため見回りをしたり、街の復興を手伝っていた、が、こいつらはそれがさも当然と言うように部屋でぐうたらしていた。
「お前らは何もして来なかった、そのツケを払う時が来たんだよ」
「ふん、魔王を二人倒したくらいで偉そうに!」
あー、こいつらには情報も入れられて無かったか、まぁ、当然だよな現代の引きこもりが情報通なのはネット環境あってこそだし、兵士やメイド果ては卸の商人にまで嫌われてるし、委員長達も話を聞いたとき相当毛嫌いしてたし。
「はぁ、俺達は他の国に出向いて魔王を倒してきたんだ、合わせて四人倒したよ」
「なっ、そんな話聞いてないぞ!」
「まず、聞く努力をしろよ」
他人と良い関係を築こうとしないで、聞いてないって言われてもな。
「ッ!お、俺達のリーダーは日野だ!お前じゃない!」
「そ、そうよ!あんたに従う必要はないわ!!」
これだ、こいつらの一番の悪い所は、面倒な事、嫌な事は誰かに前に立たせてやり過ごし、何もしないくせに自分達の権利は当然にあると思っている。
日野は自分中心だが、中心に居るための努力は怠らなかった、率先して訓練や座学の授業に出たり、魔物と戦う時は危険な前線に出ていた、対してこいつらは付いて回るだけ、日野はもう少し人の意見を聞くようになれば良い仲間になれるだろう、だがこいつらは無理だ。
「お前ら本当ダメだな」
「何だと!?」
ろくでなし男子が殴り掛かってくる、こいつには聖剣や魔剣どころか普通の剣ですらもったいない、素手で対処しようとしていたら、横から腕が伸びてきた、男子の腕を横に居た澪が掴んでいた、澪はそのまま綺麗な一本背負いをする、とても綺麗な一本背負いなのだが一言添えるなら、スカートで一本背負いは辞めた方がいい、盛大に中を披露していた、縞パンか。
「がっ!」
地面に叩き付けられた男子は、苦しそうに息を吐く。
「この、女子に守られて………」
澪の表情を見て男子の言葉は続かなかった、さて、澪はどんな顔をしているかね。
「なぁ、いい加減現実を見てくれないか?前線に居た俺達は見れなかったかもしれないが、近くに居た委員長やキャプテンは見ていただろう?」
「それは………」
「見ていなかったなんて言わないでくれよ?そうしたら本気で救いようが無いからな?お前らには、廃村で魔物の討伐と訓練、あと畑仕事をして貰う、嫌なら出ていってくれて構わない、その場合はある程度の資金は持たせてやる、でもその後は知らん」
「ッ!」
まだ何か言いたそうだったが聞く耳を持たず歩き出す。
隣に涙を拭きながら澪が並ぶ。
「みんな、まだ大丈夫だよね?」
「……さぁな、これからじゃないか?」
ろくでなしとは言え元クラスメイト、澪だけじゃなく司達も心配からか表情は暗い、優し過ぎるのも考えものだ。
勇者のこれからを話合った際、彼らに対して厳しい意見も出てきていた、囮として前線に立たせる、食い潰した分を奴隷として働かせて返させる、果ては処刑するまで出てくる始末、よほど勇者として横暴に振る舞ってきたのが耐えられない人が居たようだ、俺はどんな処遇になっても仕方ないと思っていたが、待ったを掛けたのが澪達だ、もう一度だけチャンスを上げて欲しいと女王達を説得した、妥協として出たのが廃村に行かせるだ、わざわざ取り壊すより更正の為に使った方が有効だしね。
何はともあれ濃い一日が終わった、たまにはゆっくりしたいものだな。
「と、言うわけでピクニックだ!」
「いやいやいや、あんた何言ってんの!?」
「お?ナイスツッコミ鈴!今時モテるツッコミ系女子だな!?」
「いや、違うから!」
「えっ!?モテるの!?」
「はいそこ、澪も食い付かない!」
「鈴先生!ツッコミがしたいんです!」
「そうゆう危険な発言もするな!あと、誰が先生だ!まず、ツッコミをしたいならボケにまわるな!」
「みんな、一旦落ち着こう」
司の言葉で全員が深呼吸をする。
「さて、まず何から語るべきか」
「最初から全部話なさい!!」
「しょうがないな、ほら、最近ゆっくりできて無かったろ?」
「うん、そうだね、三国を転々としてたし」
「他のクラスの皆の処遇とか」
「で、これからも忙しくなるだろ?あと三人も魔王いるんだぜ?」
「確かに明の言う通りだな?」
「なら、休めるときにちゃんと休むべきだよな?」
サラリーマン大国日本、だから有給大事って言うしね。
「明の言いたいことは十分わかった、でもねピクニックは良いんだよ?お休みもあたしは好きだし、良いんだよ?」
鈴が口角をヒクヒクさせながら何とか笑顔になろうとしている。
「……でもね、ここ魔王城前だから!目と鼻の先にラスボスがいるかも知れないところで、どう休めと!?」
「出張先で豪遊的な?」
「あんたね!?出張先処か、出張所の目の前で宴会してるもんだから!?」
「落ち着けよ、ツッコミがよくわからない状態になってるぞ?ほら、クロエが作ってくれた生搾りオレンジジュース飲んで」
「わぁー美味しい、やっぱり生搾りは違うなー、ってそうじゃない!!」
さて、鈴の怒濤のツッコミが一段落したので、ここで説明しよう!
勇者達と一悶着終えた後、俺が「ゆっくりしたいものだな」と呟いたのが原因になる、側に控えていたクロエに聞かれてしまったのだ。
聞いたからにはクロエは全力で応えようとする、いやもうそりゃ速かったよ、面接の次の日要するに今日は、魔王城後まで行かなきゃならん、でもゆっくりしたいと言う願いは叶えたい、導き出した答えが今現在であるわけだ。
「明様、料理が出来ました」
まぁ、ぶっちゃけいつもの野営と何ら変わりはないんだが黙っておこう。
「うぅ、クロエさん達もそんなてきぱき準備してないで、止めてよぉ」
違うぞ鈴、その子達は止める側じゃない、むしろ実行犯だ。
「おっ、バーベキューも用意していたんだな」
「はい明様、ただのピクニックではいつもの野営と変わりませんから」
あら、気付いてたのね。
食欲をそそる匂いで焼ける串焼きをさっそく頂く、うんうまいね、ワガママを言うなら焼肉のたれが欲しい、塩と胡椒の味付けもいいんだがな、今度自作してみようかな。
「うぅ、間違ってる、間違ってるけどおいしいよ」
「まぁまぁ鈴、魔王が居るって決まった訳じゃないんだし」
「そうだよ、司君の言う通りせっかくなんだし楽しもう!」
「うむ、こっちの串もうまいぞ」
「ありがとう敦、そうだね楽しもう!」
『はははは!』
楽しい気分に水を差すのは気が引けるが………。
「居るぞ?魔王」
『………居るの!?』
いや、そんな勢い良く聞かれると自信なくすな。
一応ナビさんに改めて確認、居るんだよね?魔王。
〈はい、旧魔王城に二人の魔王が居ります〉
良かったちゃんと居た、いや良くは無いのか?
「大丈夫だ、ちゃんと居る」
「大丈夫ではないよね!?」
「まぁ落ち着け、直近の問題はそこじゃない」
〈マスター対象に敵対の意思を確認できません〉
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