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獣王国とフェンリル
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獣王国にて、フェンと獣王の決闘が行われたのだが、その結果は土下座と言う形で決着がついた。
「あ、ああ、我々はなんと愚かなことを……」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
「ふふふ、この国はもう終わりなのです……」
獣王国の面々の取り乱しかたが半端ではない。特に……。
「おぉ!祖霊よどうか愚か者のわたしを許して下さい!!」
狼獣人さんがこの世の終わりのように取り乱しでいる。
「フェン、何か知ってない?」
「うーん?何か忘れてる気がするんです、こう、喉の奥に引っ掛かるものがあるといいますか……」
フェンにも何か思う処がある様子、とりあえずこのままでは話しも出来ないので落ち着くのを待つ。
三十分後
「落ち着きました?」
「ハイなのです……」
それなりに時間が掛かったが、正気を取り戻したテトラさんにお茶を出す。
「すいませんです」
「いえ、こちらこそ勝手にお茶を始めさせて貰って」
落ち着くのを待つ間、ただ立ってるだけも辛いので、勝手にティーセットをメロウに出してもらっていた。
「それで、何故あんな風に?」
いまだに頭を抱えて踞る狼獣人を見ながら聞く。
「はい、お話するのですよ、でもその前に謝罪をさせて欲しいのです」
「謝罪?」
テトラさんは席を立ち、地面に両手両膝を着けて土下座すると。
「知らなかった事とは言え誠に申し訳ありませんでした!」
俺達と言うか、フェンに額を地面に着けて謝る。
「えっと……」
フェンですら、困り顔の謝罪を受け、改めて話を聞く。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
テトラさんの話を聞くと、どうやらこの国の建国にフェンが非常に関わっているらしい。
「………つまり、話をまとめると、この国を建国した人はフェンリルに爪を貰ったと?」
話を聞いた後要点をまとめるとこんな感じになった。
「はいなのです」
「フェン?」
確認の意味を込めてフェンを見ると。
「あー、ありましたそんなこと!でも、それって僕が眠る前だからかなーり昔の話です」
「はいなのです、建国時代なので千年以上昔の話なのです」
「お、おぉ………」
千年も前の事か、じゃあフェンって千歳は越えてるんだね。
「その後私達の先祖は言われた通り、爪を煎じて飲んだのです」
「えっ!?あれ本当に飲んだの!?」
「それでどうなったんですか?」
「先祖は獣人になったのです」
爪を煎じて飲んだら獣の耳と尻尾が生えてきたと、何か伝染病みたいだな。
「むっ、今タクト様変な事考えませんでした?」
「い、いや、そんな事は……ごめんなさい」
「酷いですよ!」
怒るフェンを宥めていると。
「ふふふ、そうなのです、先祖は獣人になった事を大層喜んだそうですよ」
「え?そうなんですか?」
「はい、獣人に成ると言うことは、フェンリル様の眷属になった様なものですから」
「なるほど……」
「特に狼族はフェンリル様に近い存在として、とても誇りに思っているのですが……」
ちらりと未だに踞る狼獣人を見る。
「だからあんなにですか」
「はいなのです、特に彼は信心深いので……」
何か不憫だな。
「フェン、何か声を掛けてやったらどうだ?」
「うーん、タクト様が言うなら……」
そう言って、フェンは狼獣人に近づき。
「ねぇ、君」
「は、はい!」
「いい加減目障りだから辞めてくれない?」
「………」
止めを刺した。
「って、いやいや!何かってそういう!?」
「え!?違うんですか?」
「違うよ!?」
フェンの容赦の無さに驚きつつ、何とか狼獣人にフォローを入れて立ち直させる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「お見苦しい所をお見せして申し訳ありません」
ようやく立ち直った狼獣人の謝罪を受けつつ、話を続ける。
「それで、獣人になった人はどうなったんですか?」
「はい、フェンリル様に頂いた爪の事を同じ境遇の、同じ奴隷達に話すと多くの者が賛同し、当時の国に反乱、その後新たにガルメティア獣王国を創ったとされています」
これが建国の歴史か、少なくともフェンが関わっているのは間違いないらしい。
「その後初代王はフェンリル様がご来訪するのを晩年まで待っていたようです」
「あー、約束したねぇ、その後直ぐに神様に言われて寝ちゃったから、結局来れなかったんだよ」
少し寂しそうにフェンが言う。
「そうでしたか………初代王はこう言い残して眠りについたと言われています、『いつの日かフェンリル様はこの国に来られる、その際は部族全てでおもてなしするのだ』と」
初代王はフェンリルとの約束を最後まで忘れなかったのだろう。
俺がしみじみと感傷に浸っていると。
「あ、こうも言い残しているのです、『その時フェンリル様の主が一緒なら、部族全てはその御方に仕える気持ちで従うように』と」
「………はい?」
何か変な遺言付け足された。
「えっと、今なんと?」
聞き間違えたかもしれないので、念のため聞き返す。
「はい、私達獣人族は勇者タクト様に全面協力します、何なりとご命令下さいなのです」
とてもいい笑顔で告げるテトラさん、うん、聞き間違えではないとはっきり言われたね。
「………俺、初代王とか会った事ないんですけど」
「『フェンリル様は主を探しに旅をしている』と言っていたそうです」
「そうなの?」
「はい!でも、結局見つかる前に神様が来て、その時に神様に主が欲しいって言いました!」
おぉ、で、現在に至ると、ある意味必然だったわけだ。
「あら、フェンも?実はわたくしもです」
「ん……わたしも」
「ほっほっほ、皆思いは同じだったのですな」
どうやら全員が主を望んだらしい、本当に必然だったようだ。
「して、タクト様、我ら獣人族は何をすればよろしでしょう?」
「え?ああ、そうだな、まずは俺の考えを話します」
そこから一通り魔王についての考えと予想を話した。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「なるほど、魔王国と和平貿易の確立ですか、話を聞く限りとても利にかなっているのですよ」
「では?」
「勿論獣人国は全面協力するのです」
「思ったより早く終わったな」
本当はもっと話し合いを重ね説得するはずだったのに、まぁ、殴り合いはしたがね。
苦笑していると狼獣人が。
「皆様はこの後は如何致しますか?」
と、聞いてきた。
「うーん、そうだなぁ………」
直ぐに次の国へ行ってもいいのだが。
「よろしければしばらく御滞在されてはいかかでしょうか?」
「申し出は有り難いが……」
何せ戦争の最中である、今のところ動きはないとは言え、今まさに戦況が動かないとも限らない。
「勿論、直ぐに獣人国から兵を派遣しますです、それにフェンリル様が来たとなれば、士気も上がりますです」
「どうするフェン?」
「タクト様、よろしければしばらく街を見たいです!彼がどんな国を造ったのか見てみたいです!」
「………分かった、しばらく厄介になろう」
「ありがとうございます!」
フェンはとても嬉しそうにする、念のためクロノ達の方を見るが小さく首を縦に振っていたので問題はないだろう。
「では、直ぐに準備致しますのでしばらくお待ち下さい」
準備?と聞くまでもなく、慌ただしくテトラが指示を出す。
「ウルは直ぐに派遣部隊を編成、隊長は一等格以上、編成は三等格以上のみで」
「はっ!直ちに!」
「ミャイは城下に行って、フェンリル様御一行のおもてなしの準備をお願い、くれぐれも粗相の無いようにおふれを出しておいて、場合によっては死刑で」
「分かったのにゃ!」
「メルシィはフェンリル様御一行の泊まるところを準備して、あ、城で一番の部屋ね」
「畏まりました」
うん、矢継ぎ早の指示に聞き流せないものが有ったね?
「死刑ってなに?」
「当然です、フェンリル様とその主に粗相をしたら、親族処かその一族の首を並べても足りません」
「………城に泊まるの?」
「申し訳ありません、それ以上の宿泊施設がこの国にはないのです、こんな事なら迎賓館を作っておくべきでした」
な、なるほど、いつもの喋り方を忘れるくらいの事態らしい。
その後街を見るまでにはそれなりの待つ時間があった、後で聞いた話では城下だけでなく他の街にもおふれを出していたのだとか、でも、俺達が観光したのは城下町のみ、何か悪いことしたな。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「さぁ、ここが城下町なのです!」
少し待つと虎獣人改めミャイさんが帰って来たので、街に繰り出したのだが。
「………女王が道案内なの?」
「当然なのです!こんな大役を他の人に撒かせられないのです!」
ある程度落ち着きを取り戻しているのだが、まだちょっと息が荒いテトラさん。
「そんなに緊張しなくても、気楽に行きましょうよ」
「無理なのです!私には獣王国の未来が掛かっているのです!」
ああ、そういえばそうだったね、何かあったら一族斬首だっけ?
「はぁ、とりあえずそろそろ進みたいんだけど?」
「分かったのです!みんな道を開けるのです!」
『はっ!』
何が有ったかと言うと城を出たら、街中の人が居るんじゃないかと思うほどの人数が、土下座して出迎えた、獣人族の土下座率がすごい。
「こんなのでゆっくり回れるのかね?」
「そこは大丈夫なのです、ちゃんと配慮しているのです」
配慮してもこれなのね。
「まずはどうするです?」
「うーんいい時間だし、飯かな」
「畏まったのです、では、移動開始なのです」
そう言って、テトラが手を上げると兵士が俺達を囲む、いや、囲むと言うよりは囲うか?
具体的には俺達を守りながら移動を開始する、落ち着かないことこの上ない。
どうやら獣王国はゆっくり見て回れそうにないらしい。
「あ、ああ、我々はなんと愚かなことを……」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
「ふふふ、この国はもう終わりなのです……」
獣王国の面々の取り乱しかたが半端ではない。特に……。
「おぉ!祖霊よどうか愚か者のわたしを許して下さい!!」
狼獣人さんがこの世の終わりのように取り乱しでいる。
「フェン、何か知ってない?」
「うーん?何か忘れてる気がするんです、こう、喉の奥に引っ掛かるものがあるといいますか……」
フェンにも何か思う処がある様子、とりあえずこのままでは話しも出来ないので落ち着くのを待つ。
三十分後
「落ち着きました?」
「ハイなのです……」
それなりに時間が掛かったが、正気を取り戻したテトラさんにお茶を出す。
「すいませんです」
「いえ、こちらこそ勝手にお茶を始めさせて貰って」
落ち着くのを待つ間、ただ立ってるだけも辛いので、勝手にティーセットをメロウに出してもらっていた。
「それで、何故あんな風に?」
いまだに頭を抱えて踞る狼獣人を見ながら聞く。
「はい、お話するのですよ、でもその前に謝罪をさせて欲しいのです」
「謝罪?」
テトラさんは席を立ち、地面に両手両膝を着けて土下座すると。
「知らなかった事とは言え誠に申し訳ありませんでした!」
俺達と言うか、フェンに額を地面に着けて謝る。
「えっと……」
フェンですら、困り顔の謝罪を受け、改めて話を聞く。
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テトラさんの話を聞くと、どうやらこの国の建国にフェンが非常に関わっているらしい。
「………つまり、話をまとめると、この国を建国した人はフェンリルに爪を貰ったと?」
話を聞いた後要点をまとめるとこんな感じになった。
「はいなのです」
「フェン?」
確認の意味を込めてフェンを見ると。
「あー、ありましたそんなこと!でも、それって僕が眠る前だからかなーり昔の話です」
「はいなのです、建国時代なので千年以上昔の話なのです」
「お、おぉ………」
千年も前の事か、じゃあフェンって千歳は越えてるんだね。
「その後私達の先祖は言われた通り、爪を煎じて飲んだのです」
「えっ!?あれ本当に飲んだの!?」
「それでどうなったんですか?」
「先祖は獣人になったのです」
爪を煎じて飲んだら獣の耳と尻尾が生えてきたと、何か伝染病みたいだな。
「むっ、今タクト様変な事考えませんでした?」
「い、いや、そんな事は……ごめんなさい」
「酷いですよ!」
怒るフェンを宥めていると。
「ふふふ、そうなのです、先祖は獣人になった事を大層喜んだそうですよ」
「え?そうなんですか?」
「はい、獣人に成ると言うことは、フェンリル様の眷属になった様なものですから」
「なるほど……」
「特に狼族はフェンリル様に近い存在として、とても誇りに思っているのですが……」
ちらりと未だに踞る狼獣人を見る。
「だからあんなにですか」
「はいなのです、特に彼は信心深いので……」
何か不憫だな。
「フェン、何か声を掛けてやったらどうだ?」
「うーん、タクト様が言うなら……」
そう言って、フェンは狼獣人に近づき。
「ねぇ、君」
「は、はい!」
「いい加減目障りだから辞めてくれない?」
「………」
止めを刺した。
「って、いやいや!何かってそういう!?」
「え!?違うんですか?」
「違うよ!?」
フェンの容赦の無さに驚きつつ、何とか狼獣人にフォローを入れて立ち直させる。
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「お見苦しい所をお見せして申し訳ありません」
ようやく立ち直った狼獣人の謝罪を受けつつ、話を続ける。
「それで、獣人になった人はどうなったんですか?」
「はい、フェンリル様に頂いた爪の事を同じ境遇の、同じ奴隷達に話すと多くの者が賛同し、当時の国に反乱、その後新たにガルメティア獣王国を創ったとされています」
これが建国の歴史か、少なくともフェンが関わっているのは間違いないらしい。
「その後初代王はフェンリル様がご来訪するのを晩年まで待っていたようです」
「あー、約束したねぇ、その後直ぐに神様に言われて寝ちゃったから、結局来れなかったんだよ」
少し寂しそうにフェンが言う。
「そうでしたか………初代王はこう言い残して眠りについたと言われています、『いつの日かフェンリル様はこの国に来られる、その際は部族全てでおもてなしするのだ』と」
初代王はフェンリルとの約束を最後まで忘れなかったのだろう。
俺がしみじみと感傷に浸っていると。
「あ、こうも言い残しているのです、『その時フェンリル様の主が一緒なら、部族全てはその御方に仕える気持ちで従うように』と」
「………はい?」
何か変な遺言付け足された。
「えっと、今なんと?」
聞き間違えたかもしれないので、念のため聞き返す。
「はい、私達獣人族は勇者タクト様に全面協力します、何なりとご命令下さいなのです」
とてもいい笑顔で告げるテトラさん、うん、聞き間違えではないとはっきり言われたね。
「………俺、初代王とか会った事ないんですけど」
「『フェンリル様は主を探しに旅をしている』と言っていたそうです」
「そうなの?」
「はい!でも、結局見つかる前に神様が来て、その時に神様に主が欲しいって言いました!」
おぉ、で、現在に至ると、ある意味必然だったわけだ。
「あら、フェンも?実はわたくしもです」
「ん……わたしも」
「ほっほっほ、皆思いは同じだったのですな」
どうやら全員が主を望んだらしい、本当に必然だったようだ。
「して、タクト様、我ら獣人族は何をすればよろしでしょう?」
「え?ああ、そうだな、まずは俺の考えを話します」
そこから一通り魔王についての考えと予想を話した。
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「なるほど、魔王国と和平貿易の確立ですか、話を聞く限りとても利にかなっているのですよ」
「では?」
「勿論獣人国は全面協力するのです」
「思ったより早く終わったな」
本当はもっと話し合いを重ね説得するはずだったのに、まぁ、殴り合いはしたがね。
苦笑していると狼獣人が。
「皆様はこの後は如何致しますか?」
と、聞いてきた。
「うーん、そうだなぁ………」
直ぐに次の国へ行ってもいいのだが。
「よろしければしばらく御滞在されてはいかかでしょうか?」
「申し出は有り難いが……」
何せ戦争の最中である、今のところ動きはないとは言え、今まさに戦況が動かないとも限らない。
「勿論、直ぐに獣人国から兵を派遣しますです、それにフェンリル様が来たとなれば、士気も上がりますです」
「どうするフェン?」
「タクト様、よろしければしばらく街を見たいです!彼がどんな国を造ったのか見てみたいです!」
「………分かった、しばらく厄介になろう」
「ありがとうございます!」
フェンはとても嬉しそうにする、念のためクロノ達の方を見るが小さく首を縦に振っていたので問題はないだろう。
「では、直ぐに準備致しますのでしばらくお待ち下さい」
準備?と聞くまでもなく、慌ただしくテトラが指示を出す。
「ウルは直ぐに派遣部隊を編成、隊長は一等格以上、編成は三等格以上のみで」
「はっ!直ちに!」
「ミャイは城下に行って、フェンリル様御一行のおもてなしの準備をお願い、くれぐれも粗相の無いようにおふれを出しておいて、場合によっては死刑で」
「分かったのにゃ!」
「メルシィはフェンリル様御一行の泊まるところを準備して、あ、城で一番の部屋ね」
「畏まりました」
うん、矢継ぎ早の指示に聞き流せないものが有ったね?
「死刑ってなに?」
「当然です、フェンリル様とその主に粗相をしたら、親族処かその一族の首を並べても足りません」
「………城に泊まるの?」
「申し訳ありません、それ以上の宿泊施設がこの国にはないのです、こんな事なら迎賓館を作っておくべきでした」
な、なるほど、いつもの喋り方を忘れるくらいの事態らしい。
その後街を見るまでにはそれなりの待つ時間があった、後で聞いた話では城下だけでなく他の街にもおふれを出していたのだとか、でも、俺達が観光したのは城下町のみ、何か悪いことしたな。
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「さぁ、ここが城下町なのです!」
少し待つと虎獣人改めミャイさんが帰って来たので、街に繰り出したのだが。
「………女王が道案内なの?」
「当然なのです!こんな大役を他の人に撒かせられないのです!」
ある程度落ち着きを取り戻しているのだが、まだちょっと息が荒いテトラさん。
「そんなに緊張しなくても、気楽に行きましょうよ」
「無理なのです!私には獣王国の未来が掛かっているのです!」
ああ、そういえばそうだったね、何かあったら一族斬首だっけ?
「はぁ、とりあえずそろそろ進みたいんだけど?」
「分かったのです!みんな道を開けるのです!」
『はっ!』
何が有ったかと言うと城を出たら、街中の人が居るんじゃないかと思うほどの人数が、土下座して出迎えた、獣人族の土下座率がすごい。
「こんなのでゆっくり回れるのかね?」
「そこは大丈夫なのです、ちゃんと配慮しているのです」
配慮してもこれなのね。
「まずはどうするです?」
「うーんいい時間だし、飯かな」
「畏まったのです、では、移動開始なのです」
そう言って、テトラが手を上げると兵士が俺達を囲む、いや、囲むと言うよりは囲うか?
具体的には俺達を守りながら移動を開始する、落ち着かないことこの上ない。
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