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六日目

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昨日のアリナの痴態が脳裏から消えない……これは嫌悪感なのか……でもアリナを軽蔑している訳ではなかった……それは事前に事情があることを聞いているからかもしれない……彼女は本当になぜあんなことをしたんだろ……旦那を裏切ってまでしなければいけないことっていったい……私も同じ状況になったらルーカスを裏切るのだろうか……シュヴァルツとの行為を見てるので、馬車の中で二人が話をしている姿を見ると、変に仲がいいように見えてしまう……


馬車とある村へと到着した……この先は険しい山道になるので、早いが今日はここの村で宿泊することになった。

いいことか悪いことはすでに私には判断ができなくなっているのだけど、その村の宿の女将は綺麗な若い女性だった……シュヴァルツ、ラーオークどちらが手を出すのか……呆れながらもそう考えていた……

「やめてください! この宿にそんなサービスはありませんから」
気丈にそう言ったのは、シュヴァルツに食事の席に誘われた宿の女将だった……シュヴァルツが初見であのような対応をされるのは初めて見た……

「ごめん……そんなつもりはなかったんだ……」
シュヴァルツはすぐに謝罪する……

「女将さん、ごめんね、彼も悪気はないのよ、よかったら謝罪の意味も込めて私から一杯だけでも奢らせて」
同性のアリナにそう言われると、拒否できなかったのか、女将さんはそれを了承した。


「私……来月結婚するんです……だから男性の誘いに過剰に反応してしまって……ごめんなさい」
女将さんはさっきの冷たい対応を謝罪する。

「いえ、こちらこそ悪かったです。来月結婚ですか、それはおめでとう、相手はどんな方なんですか」
シュヴァルツがそう尋ねる。
「近くの村で宿屋を経営している人なんです……妹思いの素敵な人なんですよ」
「そうなんですか、同職種とは縁がありますね、ほら、もう一杯、これは私からの奢りですよ」

シュヴァルツがもう一杯進める……

それから何杯かお酒を飲んだ女将さんの様子が少し変わってきた……話をして気を許してきたのか対応に柔らかさが出てきた……
「そうなんですか、男の人って……勉強になります……私なんてこんな地味なんでそんな経験ないですから……」
「君は素敵な女性だよ、地味だなんて言う男は君の内面を見ていないんだね」
「そんな……」
「ほら、こんなに可愛らしい唇をして……これだけで山ほどの宝石より価値がある」
シュヴァルツはそう言いながら女将さんの唇をそっと指で触れる……
「はぁ……ダメです……」

そう言いながらも女将さんは嫌がるどころかうっとりとシュヴァルツを見ていた……
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