【完結】Alternative『この世界でめっさ幸運の持ち主がオルターナティブで負ける訳がない』

すんも

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 翌朝登校する途中、也沙は人に見られている気がした。

 教室に入るなりクラスメイトが「おめでとう」と也沙を取り囲んだ。也沙が「ありがとう、何だか恥ずかしいな」と言うと、クラスメイトが「本戦も頑張ってね、応援するね~」と言った。
 
 少しすると落ち着き、三枝が「大人気だね」と言うと、也沙は「何だかね……」と言った。そこへ小田島が「天願の決勝の時、なんか白い蔭みたいなの映ってたよな?」と言うと、三枝が「あぁなんか一瞬映ってた」と言った。

 也沙が「あれ気のせいじゃなかったんだ」と言うと、小田島が「収録の時は見えなかったのかよ?」と言った。也沙が「緊張しててあまり覚えてないのよね……」と言うと、小田島が「お前ガチガチですげ~ 顔してたもんな」と言った。三枝は「ぷっ」と吹いてから「あんた本当デリカシーが無いわね!」と言った。也沙は「も~ さえまで…… やっぱりからかわれた」と言って顔を真っ赤に染めた。
 
 小田島が「でも、あの白い蔭が映ったのって事故にあった人の決勝だけなんだぜ」と言った。也沙が「そうなの? あたし最後まで見ないで寝ちゃったから……」と言うと、三枝が「何か奇妙悪いわね……」と言った。
 
 小田島が「決勝で負けた時に運に逃げられたのかな?それとも……」と言った。也沙が「それとも何なのよ」と言うと、小田島は「運を吸い取られたとか…… ?」と言った。

 也沙が「それじゃあたしが悪いみたいじゃん!」と言うと、三枝も「あんた言って良い事と悪い事も分かんないの!」と言った。小田島は「悪い、そんなつもりじゃ」と言って逃げる様に席に戻った。

 三枝が「何なのよあいつ!」と言うと、也沙は「そんな事より、あたし最近太った?」と言った。三枝は「そんな事ないよ、何で?」と聞いた。也沙が「テレビで見たら……」と言うと、三枝は「テレビは膨張して映るらしいから大丈夫だよ」と言って慰めてくれた。

 也沙が「でも本戦まではダイエットしないと……」と言うと、三枝は「あたしから見たら充分スタイルも良いと思うけど…… 乙女だねぇ~」と言って笑った。
 
 それから本戦までの間、Alternativeはゲームの人気や賞金額だけでなく、事故や白い蔭の事でも注目を浴びた。

 
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