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憤怒
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武は自転車を走らせながら「悠斗を置いて来て良かったのか? 救急車呼んだ方が良かったのだろうか……?」等と考えていた。
家へと帰ると母が「こんな時間に何処行ってたの!?」と言った。武は「ちょっとコンビニ!」と言って自分の部屋へと駆け込んだ。部屋に入ると、母に嘘をついた事に少し後ろめたい気持ちでベッドに腰掛けた。
武はベッドの上で体育座りになると「何故警察が? 誰かが呼んだとすると逃げた奴らが呼んだのか?」と考えた。疑問は次から次へと湧いてくる。武は「あの化け物はいったい…… あのペガサスは味方だったんだよな? いったい何処から……?」と考えた。すると頭の中で「ペガサスじゃなくてユニコーンだ! 頭に角が有っただろ!?」とあの声が聞こえてきた。
武は咄嗟に四つん這いになり、辺りを見回すが何も見当たらなかった。すると「探しても無駄だ!」と頭の中で再び声がした。武は身構えると「誰だ! 姿を現せ!」と言った。すると、またしても頭の中で「名は無いがイマジンと呼ばれていた…… 今はお前のしているロザリオの中と言ったら良いのか……」と声がした。武が「暇人?」と言うと、頭の中で「暇人じゃない! イマジンだ!」と声がした。武は「そのイマジンさんが何故父ちゃんの形見のロザリオに?」と聞いた。するとイマジンは「何処から話せば良いのか……」と言った。
それから少し間を置いて「ここから何億光年も離れた場所にある緑豊かな星に住む月読の物だった」と語り始めた。イマジンは元々ある一族に家宝とされた魔法道具だった。魔法道具は五百年に渡り大事に引き継がれ、付喪神であるイマジンが生まれた。
月読は優しい妻と元気な息子にも恵まれ平穏な日々を過ごしていた。イマジンは持主の考えた事を具現化する魔法道具だが、月読は火事が起これば水を出現させて消すといった事には使用したが、悪事には決して使わなかった。息子が「魔法道具が使える様になったら遊園地作るんだ!」と無邪気に言うと、月読は「いつか魔法道具がお前を持主と認めてくれたらな」等と話していた。イマジンは月読と言葉を交わした事さえ無かったが、そんな笑顔が絶えない月読達に好意を持って見守っていた。
ある日月読の息子が上空を指差し「とうちゃん、あれは何?」と言った。月読が空を見上げると、丸い物が浮かんで見えた。月読は「何だろうね?」と言って、2人でその丸い物を眺めていた。すると、その丸い物はどんどん大きくなり巨大な円盤が姿を現した。
巨大な円盤から更に小さな円盤が続々と放たれ、各地へと散って行った。月読は息子に「早く家の中へ!」と言った。月読の星の人達には他人の心の声が聞こえるといった能力を持っていた。普段は聞かない様に蓋を閉じている月読だったが、動揺した為かその蓋が開いてしまっていた。
月読の頭には妻と息子の怯える声、侵略され虐待を受ける人々の悲痛な叫び、非道の限りを尽くす侵略者達の声が聞こえて来た。月読は妻と息子に「地下室に入ってなさい! 何が有っても出て来るんじゃないぞ!」と言った。妻と息子を地下室へ避難させると直ぐに、月読の家のドアが乱暴に抉じ開けられ一見ゴキブリを巨大化した様な化け物が入って来た。
親玉らしき化け物が月読を見つけると、家の外に引きずり出し「この家にはお前だけか!?」と言った。月読が「ここには私一人だ」と答えると、家の中を探していた化け物が来て「子供が居た形跡があります」と報告をした。親玉の化け物が「子供は何処へやった!?」と聞くと、イマジンは「出掛けたまま、まだ帰っていない」と答えた。
親玉は「次を探すぞ! 火を放て!」と言うと、化け物達は月読の家に火を放った。月読は燃え盛る炎を見て「何て事を……」と泣き崩れると、家族を殺された哀しみから心が壊れてしまった。壊れた月読の心に怨み、憎しみ、悪意といった様々な感情が集まり、それらは一気にイマジンへと流れこんだ。
イマジンも目の前で繰り広げられた理不尽な光景に怒りを覚え、感情を制御出来ぬまま、月読から流れ込む悪意に飲まれ暴走し魔人を出現させてしまうのだった。
家へと帰ると母が「こんな時間に何処行ってたの!?」と言った。武は「ちょっとコンビニ!」と言って自分の部屋へと駆け込んだ。部屋に入ると、母に嘘をついた事に少し後ろめたい気持ちでベッドに腰掛けた。
武はベッドの上で体育座りになると「何故警察が? 誰かが呼んだとすると逃げた奴らが呼んだのか?」と考えた。疑問は次から次へと湧いてくる。武は「あの化け物はいったい…… あのペガサスは味方だったんだよな? いったい何処から……?」と考えた。すると頭の中で「ペガサスじゃなくてユニコーンだ! 頭に角が有っただろ!?」とあの声が聞こえてきた。
武は咄嗟に四つん這いになり、辺りを見回すが何も見当たらなかった。すると「探しても無駄だ!」と頭の中で再び声がした。武は身構えると「誰だ! 姿を現せ!」と言った。すると、またしても頭の中で「名は無いがイマジンと呼ばれていた…… 今はお前のしているロザリオの中と言ったら良いのか……」と声がした。武が「暇人?」と言うと、頭の中で「暇人じゃない! イマジンだ!」と声がした。武は「そのイマジンさんが何故父ちゃんの形見のロザリオに?」と聞いた。するとイマジンは「何処から話せば良いのか……」と言った。
それから少し間を置いて「ここから何億光年も離れた場所にある緑豊かな星に住む月読の物だった」と語り始めた。イマジンは元々ある一族に家宝とされた魔法道具だった。魔法道具は五百年に渡り大事に引き継がれ、付喪神であるイマジンが生まれた。
月読は優しい妻と元気な息子にも恵まれ平穏な日々を過ごしていた。イマジンは持主の考えた事を具現化する魔法道具だが、月読は火事が起これば水を出現させて消すといった事には使用したが、悪事には決して使わなかった。息子が「魔法道具が使える様になったら遊園地作るんだ!」と無邪気に言うと、月読は「いつか魔法道具がお前を持主と認めてくれたらな」等と話していた。イマジンは月読と言葉を交わした事さえ無かったが、そんな笑顔が絶えない月読達に好意を持って見守っていた。
ある日月読の息子が上空を指差し「とうちゃん、あれは何?」と言った。月読が空を見上げると、丸い物が浮かんで見えた。月読は「何だろうね?」と言って、2人でその丸い物を眺めていた。すると、その丸い物はどんどん大きくなり巨大な円盤が姿を現した。
巨大な円盤から更に小さな円盤が続々と放たれ、各地へと散って行った。月読は息子に「早く家の中へ!」と言った。月読の星の人達には他人の心の声が聞こえるといった能力を持っていた。普段は聞かない様に蓋を閉じている月読だったが、動揺した為かその蓋が開いてしまっていた。
月読の頭には妻と息子の怯える声、侵略され虐待を受ける人々の悲痛な叫び、非道の限りを尽くす侵略者達の声が聞こえて来た。月読は妻と息子に「地下室に入ってなさい! 何が有っても出て来るんじゃないぞ!」と言った。妻と息子を地下室へ避難させると直ぐに、月読の家のドアが乱暴に抉じ開けられ一見ゴキブリを巨大化した様な化け物が入って来た。
親玉らしき化け物が月読を見つけると、家の外に引きずり出し「この家にはお前だけか!?」と言った。月読が「ここには私一人だ」と答えると、家の中を探していた化け物が来て「子供が居た形跡があります」と報告をした。親玉の化け物が「子供は何処へやった!?」と聞くと、イマジンは「出掛けたまま、まだ帰っていない」と答えた。
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イマジンも目の前で繰り広げられた理不尽な光景に怒りを覚え、感情を制御出来ぬまま、月読から流れ込む悪意に飲まれ暴走し魔人を出現させてしまうのだった。
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