【完結】Imagine alive『新居武はヒーローになって異世界魔人との絆で7つの大罪から世界を救う』

すんも

文字の大きさ
21 / 21

復活

しおりを挟む
 ユニコーンは黒い煙りの様な物を吐き切ると、元の真っ白な姿へと戻った。ユニコーンの吐き出した黒い煙りはキッチンにある換気扇を通り外へと流れ出して行った。異魔神は縫いぐるみの姿でトコトコと、それでも必死に武へと駆け寄ると、蒼ざめた顔をした美希が先に駆け付け「新井君!」と叫び武を抱き起こした。美希が「新井君! 大丈夫!? 新井君」と武を揺り起こしていると「武! 武!」と叫びながらトコトコと近づいて来る縫いぐるみを視界に捉えた。美希は思わず武を揺らす手を止め固まった。その横では包丁を持ち固まったまま呆然と立ち竦む深雪の姿があった。美希が異魔神に驚き「キャ~!」と声を上げると、その声で我に返った深雪は動く縫いぐるみを見つめ「これは夢よ…… 悪い夢でも見てるんだわ……」と呟きながらとぼとぼと玄関の方へと歩き出した。

 美希が異魔神に怯えながら「新井君! お願い起きて!」と言って武を揺さぶると「いってぇ……」と武が言った。武の声を聞いた異魔神は「無事だったのか……」と言って、その縫いぐるみの瞳からは涙が流れていた。美希が「新井君、刺されたとこが痛むの!?」と言うと、武はは上半身を起こして正座すると「顔が……」と言った。武は倒れた拍子に顔面を床に打ち付け、頬骨からおでこに掛けて赤く腫れていた。美希は「刺された場所は大丈夫なの!?」と言って武の背中を見ると、多少服が破けているが血は出ていない。武が「刺された?」と言うと、美希は「包丁で刺されたはずじゃ…… でも何で……」と言った。すると武の膝に縫いぐるみが飛び乗り「無事だったのか! 良かった……」と武にしがみ付いた。美希が「うわっ」と言って尻もちを着くと、武が「怖がらなくても大丈夫! こいつは俺の友達で異魔神って言うんだ!」と紹介した。

 異魔神が「どうも武がお世話になってます」とぺこりとお辞儀すると、美希も「此方こそ新井君にはお世話になって」と言った。異魔神がお辞儀した頭を上げるとハッとした様に「武! 刺されたんじゃ無かったのか!?」と言うと、美希も武を見て「大丈夫なの!?」と聞いた。武が「倒れた時に打った顔面以外は何とも」と言うと、異魔神は「でも何で……」と言った。美希も「包丁で刺された様に見えたのに……」と言うと、武は「刺されたんだ、多分カイルに貰ったこれのお陰だ」と言ってTシャツを巡って見せた。Tシャツの下にはシルバーの布が見え、武は「変身してない時でも悪意に襲われるかもしれないからってカイルさんが」と言った。異魔神が「そうだったのか、てっきり刺されたものだと……」と泣きそうな声で言うと、武は「心配掛けてゴメン、でも頭は護ってくれないみたいだから気を付けないと」と言った。そんな武と異魔神のやり取りを聞きながら美希は、「何の話しをしてるの?」と思い、キョトンとした表情で武を見つめていた。

 突然ドサッという音がして、武達が一斉に音がした方を見ると「刺すつもりなんて無かったのよ…… ついカッとして……」と深雪が跪(ひざまず)き泣きながら言った。深雪が「死んで無かったのね…… 良かった……」と言うと、異魔神は「何が良かっただ!」と言った。深雪が「最初は脅すだけのつもりだったのよ、でも気が付いたら……」と言った瞬間、マンションが大きく揺れた。武が「地震か!? 兎に角テーブルの下へ!」と言った。武達は少しの間、テーブルの下に潜りテーブルの脚にしがみ付いていたが、揺れも収まりテーブルから這い出すと、深雪がテレビのリモコンを手に取り電源ボタンを押した。

 武達は暫く黙ったままテレビの画面を見つめていたが、地震速報は流れなかった。武が「地震じゃなかったのかな…… ?」と呟くと、深雪が窓の外を指さし「あれは何!?」と叫んだ。武達は窓へと駆け寄り外を見ると巨大な人影の様な物が視界に飛び込んで来た。武に抱きかかえられた異魔神はそれを見て「あれは……」と呟いた。武が異魔神に「何だか知ってるの!?」と聞くと異魔神は「月読の星を焼き尽くした魔神に似ている……」と言った。武が「あの巨大なのが魔神だとしたら大変な事に……」と言うと、異魔神は「しかもあの時より一回り大きい気が……」と言った。武が「あれって異魔神が創り出したんじゃないの!?」と言うと、異魔神は「無意識に俺が創り出してしまったのか……」と言った。武が「だったら異魔神になんとか出来ないの!?」と言うと、「無意識でやった事だから方法が……」と言った。

 武は「あんな巨大なのaliveで倒せるのか!?」と言うと、異魔神は「戦ってみるしか……」と言った。武が「そうだね!」と言うと、異魔神は「勝てる保証もないし、逃げても構わないんだぞ!」と言った。武が「ヒーローが逃げる訳にはいかないよ!」と言ったその時、テレビから「突然現れたあの巨大な物体は何なのでしょうか…… ちょっと巨大な物の頭上を映してください!」と声がした。武達がテレビに目を向けると、そこには幾つかの光りに包まれた物体が映し出され「あの飛行物体は何なのでしょうか!?」と興奮したレポーターの声が聞こえて来た。

 テレビからは直ぐさま、その飛行物体が巨大な魔神めがけ攻撃を開始する映像が流れ「あれは何を始めたのでしょうか!? 巨大な物体を攻撃している様にも見えます! あの光る物体は敵なのでしょうか!? それとも味方なのでしょうか!?」と音声が流れた。異魔神が「あれは宇宙警察の宇宙船みたいだな」と言うと、武は「カイルさんも来たのかな?」と言った。異魔神が「さぁ、それは分からないが……」と言うと、武は「兎に角行ってみよう! aliveに変身だ!」と言った。異魔神が「そうだな!」と言うと、真っ白なユニコーンが現れた。

 武はaliveに変身すると、美希に「ほいじゃぁ~ あの巨大なのと戦って来る!」と言った。美希が「大丈夫なの!?」と聞くと、武は「異魔神がついてるから大丈夫!」と言ってバルコニーへと飛び出し、真っ直ぐ宇宙船へ目掛けて飛んだ。バルコニーで見送っていた美希が「ぷっ」と笑うと、深雪が「こんな時に何笑ってるのよ!」と言った。美希は「ヒーローが縫いぐるみを大事に抱えてるなんて、可愛くないですか!?」と言った。深雪は「そんな事よりあの男の子が訴えないかが心配だわ…… 刑務所に行くなんて耐えられない……」と言った。美希は「はぁ…… 目の前に星を焼き尽くしたかもしれない怪物がいるのに、命の心配した方が良くないですか!?」と言った。深雪が「あんただってこんな時に笑ってたじゃない!」と言うと、美希は「深雪さんがいきなり毛むくじゃらの化け物になるわ、新井君が刺されるわ、おまけに巨大な怪物に宇宙船まで…… 一度に色々あり過ぎて、くだらない事でも考えてないと……」と言った。深雪が「あんな巨大な怪物倒せるのかしら……」と言うと、美希は「新井君が大丈夫って言ったから、きっと大丈夫!」と言った。

 巨大な魔神と交戦中の宇宙船へとaliveが近くと、1隻の宇宙船がaliveの方へと向かって来た。aliveが宇宙船の近くまで飛び「カイルさんですか!?」と言うと、宇宙船から「来るのが遅かったな」とカイルの声がした。aliveが「遅くなってすいません、色々あって……」と言うと、カイルは「君の事では無く…… 兎に角中で話そう!」と言った。すると宇宙船からaliveの方へと光が伸び「その光中へ」とカイルが言った。aliveはカイルに言われた通り光の中へ飛び込むと、次の瞬間宇宙船の中にいた。

 aliveがキョロキョロと辺りを見回していると、カイルが近づいて来て「武君!」と声を掛けた。aliveは声の方を振り向くと「カイルさん、遅くなってすいません」と言った。カイルが「遅かったのは我々の方だ……」と言ったので、aliveは不思議に思い「我々の方!?」と聞いた。カイルは「武君と悪意との戦いは、その縫いぐるみを通して見させてもらっていたよ」と言った。aliveが「この縫いぐるみ!?」と言うと、カイルは「異魔神を監視する為、その縫いぐるみには異魔神が力を使った時に映像を送信する細工をさせてもらったんだ」と言った。aliveは「そうだったんだ…… 異魔神は知ってた!?」と言うと、異魔神は「あぁ! 武の所に戻してもらう条件の1つだったしな」と言った。

 カイルが「その画像を見ていて気になる点が見つかったんだ」と言うと、aliveは「気になる点? 異魔神何かした!?」と抱えていた縫いぐるみを見て言った。異魔神が「俺は悪さなんてしてないぞ!」と言うと、カイルは「異魔神の事では無く、異魔神の創り出すユニコーンの角が悪意を倒す毎に色が黒ずんで行く事が分かったんだ!」と言った。aliveが「異魔神は気付いた?」と言うと、異魔神は「気付かなかったな」と言った。カイルが「徐々にだから気付かなくても無理は無い」と言うと、aliveは縫いぐるみを下に降ろしながら「それがどうしたんですか?」と言った。カイルは「我々が映像をもとに解析した結果、悪意を倒せていなかったんだ」と言った。

 aliveが「倒せていなかった!? でも化け物は……」と言うと、カイルは「取り憑かれた人間から悪意を引き剥がせてはいたが、悪意の根源迄は消せていなかったんだ」と言った。すると異魔神が「それじゃ、その悪意の根源は何処に……」と言うと、カイルは「悪意を具現化させていた力と共に、ユニコーンへと吸収されている事が分かった。aliveが「そんな……」と言うと、カイルは「解析を進めて行くうちに悪意の根源は星を焼き尽くした魔神の一部だという事が分かった、更に最悪な事には、それが集まると魔神を復活させてしまう事を突き止めた」と言った。異魔神は「やはりあれは俺が創り出してしまったのが……」と言った。aliveが「あれは異魔神がわざと創り出した物じゃ……」と言うと、カイルは「それは分かっている、魔神を復活させてしまう前に君達と話しに来たのだが間に合わなかった」と言った。異魔神は「それで遅かったと言ったのか……」と言った。

 カイルは「悪の根源である7つの大罪が集う時、巨悪となって姿を現わすとの言い伝えがあるが…… あの大魔神を指したものでは無かったのか……」と言った。異魔神が「その言い伝えならば俺も聞いた事が、確か何かに乗った騎士が天空より舞い降りるとか何とか……」と言うと、カイルは「君達が倒した悪意は5つだから、言い伝えとは別の物だな……」と言った。異魔神が「いや! 少し前に武が狐の化け物を倒したから6つだ」と言うと、カイルは「それでも1つ足りない、言い伝えの騎士なんて現れる訳も無いし我々が何とかするしか無いな」と言った。

 異魔神が「その化け物倒した迄は良かったが、その後が大変だったな……」と言うと、武が「そうそう! その後化け物に取り憑かれていた女性に包丁で刺されたらしくて、カイルさんに貰ったアイテムのお陰で助かりました」と言った。異魔神が「俺はてっきり武が刺されたかと思って、武が無事だと分かる迄あの女への怒りが収まらなかったぞ」と言うと、カイルが「それだ!」と叫んだ。カイルの声に武は体をビクっとさせ「脅かさないでください、何がそれなんですか!?」と言った。カイルは「7つの大罪に怒りも数えられていたはず」と言った。武が「怒りですか……」と言うと、カイルは「化け物を倒し、嫉妬、怠惰、傲慢、暴食、色欲、強欲の6つが集まっていた所に、異魔神の憤怒が加わることで大魔神が現れたのかもしれない」と言った。異魔神は「そう言えば月読の星で魔神が現れた時も怒りに我を忘れて…… やはりあれは俺が創り出してしまったのか……」と言った。

 武が「だったら俺たちで大魔神を倒そう!」と言うと、カイルが「あれは今迄君達が戦って来た化け物とは訳が違う! それに我々でも倒せるかどうか……」と言った。武が「以前現れた時は宇宙警察が倒したんじゃないんですか?」と言うと、カイルは「我々が以前倒した魔神より数段強くなってるんだ、最悪この星は諦めて人々を避難させるしか……」と言った。武が「そんな…… 避難するって言ってもどうやって?」と言うと、カイルは「手配した避難船がこちらに向かっている」と言った。武が「もしかしてaliveならあの大魔神を倒せるかもしれない」と言うと、カイルは「一般人の君に、これ以上危険な事をさせる訳には……」と言った。武が「こんな時に戦わないなんてヒーロー失格だし、俺たちなら大丈夫だよな!」と言って異魔神を見た。

 それまで黙っていた異魔神は「武…… 俺を殺せ!」と意を決した様に言った。武が「何を急に……」と言うと、異魔神は「あれが俺の創り出した物なら俺が死ねば……」と言った。武が「そんな事出来る訳無いだろ!」と言うと、異魔神は「さっきみたいな思いは2度としたく無いんだ! 武が死ぬとこなんて……」と言った。武が「さっきも大丈夫だったじゃん! 俺は死なないよ!」と言うと、異魔神は「武が出来ないなら、カイル! お前に頼む!」と言ってカイルを見た。カイルは「何でそんな話しになるんだ!? 異魔神を殺したところで大魔神が消えると言う保証は無い!」と言った。異魔神が「そんな事やってみなけりゃ……」と言うと、カイルは「異魔神が引き金になった事は事実だが、大魔神は悪意の集合体みたいな物だからな、それに異魔神! お前の殺し方も、殺せるかも分からない」と言った。異魔神は「宇宙警察なら俺を殺すくらい……」と言うと、カイルは「お前は元々生命体では無く魔法道具だろ!? その器が壊れてもこうして存在しているんだ、殺しようが無いだろ!?」と言った。異魔神は「厄介だな……」と言った。

 武が異魔神を見て「やっぱり俺たちも戦おう!」と言うと、カイルは「だから君を戦わせる訳には……」と言った。武が「ヒーローがこんな時に戦わずに見てるだけなんて…… カイルさんが同じ立場だったら戦うでしょ!?」と言うと、異魔神は「こんな事になったのは俺の責任だ…… 俺も出来るだけの事はしたい!」と言った。カイルが諦めた様に「分かった、でも無理はしない事! 駄目だと思ったら逃げるんだよ! 良いね!」と言うと、武は満面の笑みで「はい!」と答えた。異魔神が「気を付けてな!」と言うと、武は「分かってる! それじゃカイルさん外に出してください」と言った。宇宙船から光りが伸びると、その光りの中からaliveは大魔神目掛け勢い良く飛び出して行った。

 aliveは大魔神の上空へと到達すると「こいつと格闘は無理があるよな…… 試しに必殺技をお見舞いしてみるか」と言って必殺技であるwrath of  heaven(ラス オブヘブン)を放つと、aliveが放った矢は一直線に大魔神へと目掛けて飛んだ。光りの矢は確実に大魔神へと命中したが、大魔神に当たった瞬間その光りは線香花火の玉が力尽き地面に落ちた時の様に消えた。aliveは「必殺技なのに、これじゃ必殺技って言えないじゃん!」と言った。aliveの頭の中で「ここまで必殺技が効かないとは…… これじゃ弱らせる事も……」と異魔神の声がした。aliveは「1発で効かなくても!」と言うと、何発も必殺技を放ち続けたが、大魔神が弱る様子は一向に無かった。

 異魔神は「必殺技が全く効かないんじゃ大魔神を倒すなんて無理だ…… 諦めて避難しよう、宇宙船に戻って来い!」と言った。aliveは「……」と黙り空中に止まったまま暫く動かないでいた。aliveは「こんな時にヒーローだったら……」等と呟いていたが、何か思い付いた様に急に口を開くと「これから頭に思い描く事、具現化出来る!?」と異魔神に言った。異魔神が「大魔神を倒せるなら全ての力を使ってでもやってみせるさ!」と言うと、武は「じゃぁお願い!」と言って頭に思い描いた。それを感じ取った異魔神は「これかぁ!」と驚いた様に言った。武が「やっぱり無理?」と言うと、異魔神は「やるだけやってみる!」と言った。

 宇宙船の中で、カイルが「何を始めようと言うんだ!?」と聞くと、異魔神は「集中するから少し黙っていてくれ!」と言った。それから1分程経過すると、突然大魔神の頭上の雲が割れ始めた。異魔神が「どうだ! やったぞ!」と言うと、雲の切れ間から光る目の様な物が見えた。aliveはそれを見上げ「やったんだね!」と言った。雲の切れ間から徐々に姿を現したのは、龍を模した巨大ロボットの顔だった。aliveが「これはどうやって乗り込めば良いの!?」と言うと、異魔神は「そんなの俺にも分からん!」と言った。aliveが「テレビだと飛んだ次の瞬間、操縦席に座ってるから……」と言うと、異魔神は「テレビじゃ手放しでも操縦出来ているから、きっと武の思い通りに動くさ!」と言った。

 やがて巨大ロボットが姿を現し始めると、aliveは「こんなの乗るの無理!」と言った。異魔神も「うわ! 何だこれは!」と叫んだ。上空では大魔神より更に巨大な顔が雲の切れ間から覗き込んでいる様に見えた。aliveが「どうすれば……」と言うと、異魔神は「とりあえず頭の上にでも乗るしか無いだろ!」と言った。aliveが「もう少し小さく出来ないの!?」と言うと、異魔神は「そんな事今更言われても、考えたのは武だぞ!」と言った。aliveは「大魔神を倒せる巨大なのをって考えたけど、幾ら何でもやり過ぎだよ! これじゃ格闘も出来ないじゃん!」と言った。すると宇宙船から「そんな事はどうでも良いから、早く大魔神を倒してくれ!」とカイルの声がした。

 aliveは気を取り直し、巨大ロボットの鼻先に乗ったが「格闘も出来ないんじゃ格好が付かないじゃん……」と気分が乗らずに呟いていると、宇宙船から「まさかあれが言い伝えにある龍かよ……」とカイルの独り言が聞こえて来た。aliveが「カイルさん聞こえてますよ!」と言うと、カイルの「ヤバ! スイッチ切るの忘れてたよ……」と声がして、カイルは1つ咳払いをすると「すまん! 思う存分戦ってくれ!」と言った。

 aliveは「思う存分戦ってくれと言われても、必殺技なんか使ったら地球が壊れちゃいそうだし……」とぼやきながら右腕をグッと前に突き出した。すると上空から巨大なロボットの手が現れ、大魔神へと近づいて行った。aliveは「一応、必殺技の名くらい言っておくか……」と呟くと、やる気無さげに「Malice  Purification  (マリス  プリフィケーション)」と言った。すると巨大ロボットの手が、親指と人さし指で大魔神を摘んだ。aliveが親指と人さし指に力を入れると、大魔神はプチっと言う音と共に弾け飛んだ。それを見ていた人達の口から「うわっ」と言う声がした。必殺技?を放ったaliveさえ「グロっ!」と言って目を背けた。

 武は「とりあえず大魔神を倒したんだし、喜ぶところだよな……」と呟いてから「やった! 大魔神を倒したぞ!」と言った。その途端、それまで大魔神と戦っていた巨大ロボットの姿が一瞬で消え、aliveだけが空中に放り出された。aliveが「うわっ!」と言って、態勢を立て直していた頃、宇宙船では異魔神が「うっ!」と胸を押さえた。カイルが異魔神に「どうした!?」と言うと、異魔神は「大魔神を倒すのに、俺の力の大分失われたみたいだ……」と言った。カイルが「大丈夫なのか!?」と言うと、異魔神は「いや! aliveを保つのもやっとだ…… 早く武を宇宙船に戻してくれ……」と言った。カイルが「分かった!」と言うと、異魔神は「この事は武には黙っていてくれ! 責任を感じたら可哀想だ……」と言った。カイルは「優しい子だからな……」と呟くと、武に「武君! 戻って来てくれ! 異魔神も待ってるぞ!」と言った。

 宇宙船から放たれた光りにaliveが飛び込むと、次の瞬間宇宙船の中に戻った武はaliveの変身が解かれていた。武が「やったね異魔神! でも酷いよ、急に牙王を消すなんて!」と言うと、異魔神は「すまん、すまん! しかし言い伝えの龍が、まさかアニメ龍戦記に出て来る牙王だったとはな」と言った。武は「急だったから、あれしか思い付かなくて」と言って頭を掻いた。異魔神が「何にせよ、良くやったな!」と言うと、カイルは「これで暫くは悪意が現れる事も無いだろう」と言った。武が「どの位!?」と言うと、カイルは「さぁ、それは分からないが、この世に感情と言う物が有る限り悪は生まれ、決っして悪意が無くなる事は無いだろう」と言った。異魔神は「だったら俺は暫く眠るとするか」と言った。武が「何で!? 俺とヒーロー続けようよ!」と言うと、異魔神は「カイルの話しが本当なら、悪意の化け物も暫く現れないし、俺の役目はもう終わりだ」と言った。武が「寝たら一緒にアニメ見たり出来ないの?」と言うと、異魔神は「あぁ、ちょっと残念だが……」と言った。武が「もうこうして話したり出来なくなるんだね…… また悪意が現れたら一緒に戦ってくれる!?」と言うと、異魔神は「あぁ! その時まだ武がヒーローになりたいと言う夢を忘れていなければな!」と言った。武は「夢も異魔神の事も絶対忘れないよ!」と言った。異魔神が「武に会えて楽しかった、ありがとうな……」と言うと、縫いぐるみはパタっと倒れ動かなくなった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

処理中です...