見捨てられた逆行令嬢は幸せを掴みたい

水空 葵

文字の大きさ
38 / 46

38. リリアside 邪魔されたから④

しおりを挟む
 直接見ることは出来なかったけれど、サーシャは苦しみながら死んだらしい。

 ふふ、わたしを酷い目に遭わせた罰が当たったのね。
 すっごく気分がいいわ。

 でも、少し面倒なことにもなってしまったの。
 あの鈍臭いダリアって侍女がわたしを悪者にしようと嘘を言って回ってるの。

 可愛いわたしに嫉妬してしまったのかしら?

「リリア様。例の侍女ですが、あの戯言が騎士団に受け入れられたようです。
 すぐにでも始末しなければ、リリア様の立場が危うくなりますわ」
「そう……。仕方ないわ。
 手段は問わないから、確実に始末してちょうだい」

 わたしを敵に回さなかったら、もっと長く生きられたのかもしれないのに、馬鹿はやっぱり馬鹿なのね。
 この家の使用人達はみんな優秀だから、わたしが何もしなくても大丈夫。


 サーシャが死んでから、オズワルド様は落ち込んでいたけど、わたしが抱きしめて慰めたらすぐに立ち直ったわ。
 可愛い女の子に抱きしめられると、男の人は元氣になるみたい。

「オズワルド様ぁ、今日も一緒にデートしませんかぁ?」
「いいよ。どこに行きたいのかな?」
「久しぶりに王都にあるスイーツのお店に行きたいですわぁ」

 もうサーシャを見張らなくて良くなったから、自由にお出かけ出来るようになったの。
 だから、ずっとやってみたかったスイーツ巡りをしたいってお願いしてみた。

 最近オズワルド様からのプレゼントが減ってるから、久しぶりに大きなお願いをしてもいいと思うの。
 食べすぎると太っちゃって、可愛いわたしじゃなくなっちゃうから、わたしは一口だけ食べるつもり。

 …‥もったいない?
 こんなにお金があるんだから、関係ないわ。

「スイーツか。リリアは甘いものが好きなんだね」
「うん! でも、あまり食べすぎると太っちゃうから全種類をひとくちだけ頂こうと思ってますの」
「残りはどうするんだ?」
「使用人のみんなにあげますわ。きっと喜んでくれるはずよ」

 でも、捨てたらもったいなないから、いつものお礼で使用人にプレゼントするの。
 感謝してもらえて、わたしは沢山のスイーツを楽しめる。

 ふふ、わたしって天才かしら?

「そうだな。では、次の休日に出発しよう」
「ありがとうございますっ」

 もちろん、笑顔でお礼するのを忘れたりはしないわ。




 それから3日。
 わたしは久しぶりに王都に入ることが出来た。

 ダリアっいう侍女の始末にも成功したみたいだから、安心して王都を楽しめるわ。
 今は2軒目のカフェのスイーツを楽しんでいるところ。

「このピンク色のケーキ、すっごくおいしいです!」
「そうか、それは良かったよ」

 こんなにおいしいのに、オズワルド様は少しテンションが低め。
 もしかしたら、甘いものが苦手なのかもしれないわ。

 男の人って感じね。
 ますます好きになっちゃうわ。


 それに比べて、甘いものが大好きなはずの侍女達が不満そうにしているのはどうしてかしら?
 ……きっと、わたしの好みと違うのね。

 残念だけど、好き嫌いは仕方ないよね。

「お待たせいたしました。
 レモーヌケーキでございます。ご注文以上で宜しかったでしょうか?」
「ああ。ありがとう」

 律儀にウェイトレスに頭を下げるオズワルド様。
 わたしだけを愛してくれるって約束したのに、どうして他の子に良い顔をするの?

 わたしじゃダメなの?

「美味しそうに食べるリリア、すごく可愛いよ。
 ドレスを着ていなかったら抱きしめてた」
「ふぇ……?」

 ……ちょっと怖くなったけど、彼は約束を守ってくれているのね。
 今はわたしだけがオズワルド様の瞳に映ってるわ。


「……このお店も美味しかったわ。また連れてってもらえますか?」
「らああ、もちろんだ。リリアが望めば何度でも来よう」

 楽しくお話をしながら、お店を出る私達。
 そんな時、目の前に銀色の棒が突き出された。

「リリア・ブラフレア伯爵夫人。貴女を殺人の容疑で拘束します」

 ……え?
 わたし、人殺しなんてしてないのに!




しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

前世の旦那様、貴方とだけは結婚しません。

真咲
恋愛
全21話。他サイトでも掲載しています。 一度目の人生、愛した夫には他に想い人がいた。 侯爵令嬢リリア・エンダロインは幼い頃両親同士の取り決めで、幼馴染の公爵家の嫡男であるエスター・カンザスと婚約した。彼は学園時代のクラスメイトに恋をしていたけれど、リリアを優先し、リリアだけを大切にしてくれた。 二度目の人生。 リリアは、再びリリア・エンダロインとして生まれ変わっていた。 「次は、私がエスターを幸せにする」 自分が彼に幸せにしてもらったように。そのために、何がなんでも、エスターとだけは結婚しないと決めた。

最愛の婚約者に婚約破棄されたある侯爵令嬢はその想いを大切にするために自主的に修道院へ入ります。

ひよこ麺
恋愛
ある国で、あるひとりの侯爵令嬢ヨハンナが婚約破棄された。 ヨハンナは他の誰よりも婚約者のパーシヴァルを愛していた。だから彼女はその想いを抱えたまま修道院へ入ってしまうが、元婚約者を誑かした女は悲惨な末路を辿り、元婚約者も…… ※この作品には残酷な表現とホラーっぽい遠回しなヤンデレが多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。 また、一応転生者も出ます。

婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話

ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。 リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。 婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。 どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。 死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて…… ※正常な人があまりいない話です。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

公爵令嬢の辿る道

ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。 家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。 それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。 これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。 ※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。 追記  六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。

すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…

アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。 婚約者には役目がある。 例え、私との時間が取れなくても、 例え、一人で夜会に行く事になっても、 例え、貴方が彼女を愛していても、 私は貴方を愛してる。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 女性視点、男性視点があります。  ❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。

《完結》悪女と噂されたわたくしのざまぁ

ヴァンドール
恋愛
悪女と噂のわたくしとの結婚なら、どれほど軽んじても問題はないと思っていた旦那様。 ところが……。

王子様への置き手紙

あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯ 小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...