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甘いキスの味は。(完結)
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………ん?ここは…?
ふかふかのベッドから身体をゆっくりと持ち上げて見上げると、天井が見える。ここは…誰かの部屋?
……あれ…?私、今まで何してたんだろう…。
混乱したまま、回らない頭で考えてみる。
……駄目だ…全く思い出せない…。
???「…………。」
誰かの視線を感じ、さっと辺りを見回す。
ペトラ「……?!兵長?!」
そこには、眉間に皺を寄せ、難しい顔でこちらを見ているリヴァイ兵士長がいた。
ペトラ「兵長!私、起きたら何故かここに居て…。って…あれ?もしかしてここ、兵長のお部屋でしたか?!」
リヴァイ「………。」
ペトラ「あ……。すいません…。うるさかったですよね…。」
あーあ…。兵長、さらに眉間に皺が…。
ペトラ「すいません…。もう出ていくので…。」
私がそっとベッドから降りて部屋から出ようとすると、
リヴァイ「……ペトラ?」
妙に上ずった声で私を呼び止めた兵長は、また、難しい顔で私を見る。
ペトラ「……?兵長?どうかされましたか?」
兵長…。どうしたんだろう…。
リヴァイ「ペトラ……なのか……。」
ペトラ「え?何言ってるんですか!そうに決まってますよっ!」
リヴァイ「そうか…。一体どうしちまったんだ… 俺は…。」
兵長は何やら一人でブツブツ喋っている。
ペトラ「……兵長?何だか様子が変ですけど…私…何かしましたか??」
不安になって聞いてみたけれど、兵長は答えてくれない。
リヴァイ「……あぁ…すまない…。もう…大丈夫だ。」
ペトラ「本当ですか…?」
リヴァイ「あぁ…。」
………?疑問を抱えたまま、私は食堂に向かった。
取り敢えず、誰かに私の部屋はどこか聞かないと!
……そういえば…自分の部屋も覚えていないなんて。私、本当にどうしちゃったんだろう…。
────食堂。
食堂に着くと、ハンジさんとハンジさんに絡まれているエレンを見かけた。…エレン…いつも大変ね…。(苦笑)
ペトラ「ハンジさーん!」
ハンジ「………?!」
エレン「え………!?」
ペトラ「すいません、私何故か今記憶が曖昧で…。何があったのか自分でも分からないんですけど…。取り敢えず、私のお部屋の場所、教えてもらえないですか?」
ハンジ「…………!!?」
エレン「……ペトラ…さん……。」
ペトラ「ハンジさん?エレン?どうかした?」
兵長もだったけど、ハンジさんもエレンも何だか様子が変だ。
ハンジ「……ペトラ……。なのかい…?」
ペトラ「……??はい。そうですが。」
ハンジ「あ…。う…。」
ハンジさんは、真っ青な顔でこちらを見ている。
ペトラ「ハンジさん?大丈夫ですか?」
ハンジ「いや、あぁ…!大丈夫だ!多分!問題ないよ!」
…そんな苦しそうな顔で言われても説得力がないんですが…。
ペトラ「そうですか?ちゃんと休んでくださいね?」
ハンジ「あっ…あぁ…!そうさせて貰うよっ!え~と…部屋の場所だねっ!」
ハンジさんに教えて貰って、私は自室へ向かった。
ペトラ「あれ…?物が…なくなってる…?」
何故か、私の部屋はきれいに片付いていて、
机と椅子と固いベッドがあるだけだった。
……どうして??
ますます混乱する。
えっと…。私…記憶が無くて…今まで何してたっけ…?…その前に…私に対する皆の反応は一体……。
状況が全く掴めなくて考え疲れて、その場にへたり込んでしまった。
ペトラ「はぁ…。何なんだろ…。」
(コンコンコンッ
誰かがノックする音。
私が返事を返す前にドアが開いた。
ペトラ「……兵長?」
リヴァイ「入るぞ。」
何で兵長が私のところへ?
リヴァイ「お前に話さなきゃならねぇ事がある…。」
兵長は、さっきのように眉間に皺を寄せて何故か、少し悲しそうな顔で私を見ている。
ペトラ「…?なんですか…?」
リヴァイ「…上手く言えねぇからはっきり言うが…。お前は…前回の女型捕獲作戦で、死んだ。」
ペトラ「………?」
兵長の言葉の意味が分からず、私の頭の中は、さらに混乱する。
……女型捕獲作戦?
……………私が……死んだ?
リヴァイ「お前は女型に殺されたんだ。最期まで兵士として果敢に戦ってくれた…。」
ペトラ「……でも!私今…ここに…いますよ?!」
リヴァイ「あぁ…。そうだな…。俺にもお前が見えるし、話をしている。」
ペトラ「…っじゃあ…!!」
リヴァイ「いや…。残念だが、それは違う。お前は、生きてはいない…。」
ペトラ「そんな……。じゃあ…どうして…。」
リヴァイ「俺にも分からない。俺以外の奴らにも見えてるらしいし、特に異常な点は見当たらない…。お前が死んだのが嘘だったかのようにな。」
ペトラ「…………。」
頭の中に、あの日の光景がフラッシュバックする。
リヴァイ班の皆…。エルド…。グンタ…。オルオ…。そして…これは…私…?
ペトラ「……………っ!」
思い出してしまった。そうだ…。私はあの時…体制を崩してそのまま…。
ペトラ「嫌っ!違う…!私は…!私は死んでないっ!嫌だっ!!」
その時の光景が蘇り、頭が酷く痛い。
ペトラ「…どうしてっ?嫌よっ!私は死んでないっ!私は生きてるっ!!私はっ…。」
感情が溢れ出して、嗚咽にさえなりかけた時、私は兵長の腕の中で抱きしめられていた。
ペトラ「……兵長…?」
リヴァイ「……ペトラ…。すまない…。」
ペトラ「…え?兵長?兵長は何も悪くなんて…。」
ペトラ(はっ…。)
兵長…。泣いて……る?
リヴァイ「俺は…お前を守れなかった…。俺は…お前を…。」
ペトラ「……兵長…。私は…あなたに出会えて幸せでした。」
兵長の言葉を遮って、私は話す。
ペトラ「あなたの背中を追って、調査兵団で戦おうと誓ったんです。」
そうだ…。私はずっと前から…。
ペトラ「兵長…困らせてごめんなさい。私はもう、大丈夫ですから。いつかこうなることは、調査兵団を志願した日から分かっていました。」
「兵長が、最期までしっかり戦っていたと認めてくださったなら、もう…悔いはありません。」
リヴァイ「………。ペトラ…。」
私は、兵長に向かって微笑む。
リヴァイ「ありがとな…。」
ペトラ「いえ…!」
リヴァイ「でも…無理はするな。」
ペトラ「………兵……長…。」
兵長に強く抱きしめられた瞬間、さっきまでの笑顔は崩れ、大粒の涙が溢れた。
ペトラ「…あれ…?ごめんなさい兵長…私…こんなつもりじゃ…。」
涙を止めようとするが溢れ出した涙は止まらない。
リヴァイ「ペトラ…。お前に一つだけ、伝えていなかった事がある…。」
私を抱きしめたまま、兵長は言った。
リヴァイ「お前の事が…好きだった…。」
ペトラ「………?!兵長…?」
リヴァイ「お前だけは何があっても守り抜こうと思っていた…。だが…。守れなかった…。すまない…。」
ペトラ「……!兵長…!そんなの……そんなの幸せすぎてどうしたらいいか…!」
ペトラ「……兵長、私も伝えてなかった事があります。」
兵長を見つめ、その綺麗な切れ長の目を見ながら、ずっと伝えられなかった事を口にする。
ペトラ「ずっと…。あなたの事だけを想っていました……。」
無言で見つめ合い…そして…キスを交わす…。
深く…深く…。甘いキス…。
知らなかった…。キスはこんなにも優しい味がするんだ…。
ペトラ「…兵長……。んっ…。」
リヴァイ「ペトラ…愛してる…。」
他に何も考えられない…。
あなたしか見えない…。
ペトラ「ん……。」
リヴァイ「…はっ…。」
甘い吐息と微かな嬌声の中で、私達は一つになる。
ペトラ「兵長…。私なんかを想ってくれて…ありがとうございました。
私に、生きる術を与えてくださって…ありがとうございました…。
兵長…。もう…時間みたいです…。」
私は、いつの間にか白く美しい光に纏われ、身体が透けてきている。
ペトラ「兵長…。最後にもう一つだけ、伝えたい事があります…。
どうか…。どうか、幸せに生きて下さい。
あなたが幸せになってくれることが…私の一番の望みです…。」
リヴァイ「……!ペトラ!」
ペトラ「兵長、さようなら…。」
涙で溢れてこそいたが、その時の私はきっと、今までで1番、幸せな顔で笑えていただろう。
兵長。
今まで、沢山迷惑をかけました。沢山困らせました。ごめんなさい。
もう、迷惑をかける事も、困らせる事もできません。
兵長。寂しいです…。本音を言えば…もっとあなたと居たかった。いつか、巨人のいない世界をあなたと見てみたかった。もう…叶わないですね。
兵長。私と出会ってくれてありがとうございました。
あなたと出会えたことは、私の短い人生の中での、1番の幸せです。
本当に、ありがとうございました。
兵長…。最後に、想いを伝えられたので、もう…悔いはありません。
悲しい顔をしないで下さい。私は幸せでした…。
リヴァイ「……行っちまったか…。」
寂しくなってしまった部屋で、さっきまで抱きしめていた感触を確認する。
リヴァイ「………。ペトラ、ありがとな。」
柄にもなく、一人で笑ってみる。
リヴァイ「…チッ…。いつまでもしけたツラしてちゃあ、ペトラに怒られちまうからな…。」
俺はふっと息を吐き、部屋を後にした…。
ふかふかのベッドから身体をゆっくりと持ち上げて見上げると、天井が見える。ここは…誰かの部屋?
……あれ…?私、今まで何してたんだろう…。
混乱したまま、回らない頭で考えてみる。
……駄目だ…全く思い出せない…。
???「…………。」
誰かの視線を感じ、さっと辺りを見回す。
ペトラ「……?!兵長?!」
そこには、眉間に皺を寄せ、難しい顔でこちらを見ているリヴァイ兵士長がいた。
ペトラ「兵長!私、起きたら何故かここに居て…。って…あれ?もしかしてここ、兵長のお部屋でしたか?!」
リヴァイ「………。」
ペトラ「あ……。すいません…。うるさかったですよね…。」
あーあ…。兵長、さらに眉間に皺が…。
ペトラ「すいません…。もう出ていくので…。」
私がそっとベッドから降りて部屋から出ようとすると、
リヴァイ「……ペトラ?」
妙に上ずった声で私を呼び止めた兵長は、また、難しい顔で私を見る。
ペトラ「……?兵長?どうかされましたか?」
兵長…。どうしたんだろう…。
リヴァイ「ペトラ……なのか……。」
ペトラ「え?何言ってるんですか!そうに決まってますよっ!」
リヴァイ「そうか…。一体どうしちまったんだ… 俺は…。」
兵長は何やら一人でブツブツ喋っている。
ペトラ「……兵長?何だか様子が変ですけど…私…何かしましたか??」
不安になって聞いてみたけれど、兵長は答えてくれない。
リヴァイ「……あぁ…すまない…。もう…大丈夫だ。」
ペトラ「本当ですか…?」
リヴァイ「あぁ…。」
………?疑問を抱えたまま、私は食堂に向かった。
取り敢えず、誰かに私の部屋はどこか聞かないと!
……そういえば…自分の部屋も覚えていないなんて。私、本当にどうしちゃったんだろう…。
────食堂。
食堂に着くと、ハンジさんとハンジさんに絡まれているエレンを見かけた。…エレン…いつも大変ね…。(苦笑)
ペトラ「ハンジさーん!」
ハンジ「………?!」
エレン「え………!?」
ペトラ「すいません、私何故か今記憶が曖昧で…。何があったのか自分でも分からないんですけど…。取り敢えず、私のお部屋の場所、教えてもらえないですか?」
ハンジ「…………!!?」
エレン「……ペトラ…さん……。」
ペトラ「ハンジさん?エレン?どうかした?」
兵長もだったけど、ハンジさんもエレンも何だか様子が変だ。
ハンジ「……ペトラ……。なのかい…?」
ペトラ「……??はい。そうですが。」
ハンジ「あ…。う…。」
ハンジさんは、真っ青な顔でこちらを見ている。
ペトラ「ハンジさん?大丈夫ですか?」
ハンジ「いや、あぁ…!大丈夫だ!多分!問題ないよ!」
…そんな苦しそうな顔で言われても説得力がないんですが…。
ペトラ「そうですか?ちゃんと休んでくださいね?」
ハンジ「あっ…あぁ…!そうさせて貰うよっ!え~と…部屋の場所だねっ!」
ハンジさんに教えて貰って、私は自室へ向かった。
ペトラ「あれ…?物が…なくなってる…?」
何故か、私の部屋はきれいに片付いていて、
机と椅子と固いベッドがあるだけだった。
……どうして??
ますます混乱する。
えっと…。私…記憶が無くて…今まで何してたっけ…?…その前に…私に対する皆の反応は一体……。
状況が全く掴めなくて考え疲れて、その場にへたり込んでしまった。
ペトラ「はぁ…。何なんだろ…。」
(コンコンコンッ
誰かがノックする音。
私が返事を返す前にドアが開いた。
ペトラ「……兵長?」
リヴァイ「入るぞ。」
何で兵長が私のところへ?
リヴァイ「お前に話さなきゃならねぇ事がある…。」
兵長は、さっきのように眉間に皺を寄せて何故か、少し悲しそうな顔で私を見ている。
ペトラ「…?なんですか…?」
リヴァイ「…上手く言えねぇからはっきり言うが…。お前は…前回の女型捕獲作戦で、死んだ。」
ペトラ「………?」
兵長の言葉の意味が分からず、私の頭の中は、さらに混乱する。
……女型捕獲作戦?
……………私が……死んだ?
リヴァイ「お前は女型に殺されたんだ。最期まで兵士として果敢に戦ってくれた…。」
ペトラ「……でも!私今…ここに…いますよ?!」
リヴァイ「あぁ…。そうだな…。俺にもお前が見えるし、話をしている。」
ペトラ「…っじゃあ…!!」
リヴァイ「いや…。残念だが、それは違う。お前は、生きてはいない…。」
ペトラ「そんな……。じゃあ…どうして…。」
リヴァイ「俺にも分からない。俺以外の奴らにも見えてるらしいし、特に異常な点は見当たらない…。お前が死んだのが嘘だったかのようにな。」
ペトラ「…………。」
頭の中に、あの日の光景がフラッシュバックする。
リヴァイ班の皆…。エルド…。グンタ…。オルオ…。そして…これは…私…?
ペトラ「……………っ!」
思い出してしまった。そうだ…。私はあの時…体制を崩してそのまま…。
ペトラ「嫌っ!違う…!私は…!私は死んでないっ!嫌だっ!!」
その時の光景が蘇り、頭が酷く痛い。
ペトラ「…どうしてっ?嫌よっ!私は死んでないっ!私は生きてるっ!!私はっ…。」
感情が溢れ出して、嗚咽にさえなりかけた時、私は兵長の腕の中で抱きしめられていた。
ペトラ「……兵長…?」
リヴァイ「……ペトラ…。すまない…。」
ペトラ「…え?兵長?兵長は何も悪くなんて…。」
ペトラ(はっ…。)
兵長…。泣いて……る?
リヴァイ「俺は…お前を守れなかった…。俺は…お前を…。」
ペトラ「……兵長…。私は…あなたに出会えて幸せでした。」
兵長の言葉を遮って、私は話す。
ペトラ「あなたの背中を追って、調査兵団で戦おうと誓ったんです。」
そうだ…。私はずっと前から…。
ペトラ「兵長…困らせてごめんなさい。私はもう、大丈夫ですから。いつかこうなることは、調査兵団を志願した日から分かっていました。」
「兵長が、最期までしっかり戦っていたと認めてくださったなら、もう…悔いはありません。」
リヴァイ「………。ペトラ…。」
私は、兵長に向かって微笑む。
リヴァイ「ありがとな…。」
ペトラ「いえ…!」
リヴァイ「でも…無理はするな。」
ペトラ「………兵……長…。」
兵長に強く抱きしめられた瞬間、さっきまでの笑顔は崩れ、大粒の涙が溢れた。
ペトラ「…あれ…?ごめんなさい兵長…私…こんなつもりじゃ…。」
涙を止めようとするが溢れ出した涙は止まらない。
リヴァイ「ペトラ…。お前に一つだけ、伝えていなかった事がある…。」
私を抱きしめたまま、兵長は言った。
リヴァイ「お前の事が…好きだった…。」
ペトラ「………?!兵長…?」
リヴァイ「お前だけは何があっても守り抜こうと思っていた…。だが…。守れなかった…。すまない…。」
ペトラ「……!兵長…!そんなの……そんなの幸せすぎてどうしたらいいか…!」
ペトラ「……兵長、私も伝えてなかった事があります。」
兵長を見つめ、その綺麗な切れ長の目を見ながら、ずっと伝えられなかった事を口にする。
ペトラ「ずっと…。あなたの事だけを想っていました……。」
無言で見つめ合い…そして…キスを交わす…。
深く…深く…。甘いキス…。
知らなかった…。キスはこんなにも優しい味がするんだ…。
ペトラ「…兵長……。んっ…。」
リヴァイ「ペトラ…愛してる…。」
他に何も考えられない…。
あなたしか見えない…。
ペトラ「ん……。」
リヴァイ「…はっ…。」
甘い吐息と微かな嬌声の中で、私達は一つになる。
ペトラ「兵長…。私なんかを想ってくれて…ありがとうございました。
私に、生きる術を与えてくださって…ありがとうございました…。
兵長…。もう…時間みたいです…。」
私は、いつの間にか白く美しい光に纏われ、身体が透けてきている。
ペトラ「兵長…。最後にもう一つだけ、伝えたい事があります…。
どうか…。どうか、幸せに生きて下さい。
あなたが幸せになってくれることが…私の一番の望みです…。」
リヴァイ「……!ペトラ!」
ペトラ「兵長、さようなら…。」
涙で溢れてこそいたが、その時の私はきっと、今までで1番、幸せな顔で笑えていただろう。
兵長。
今まで、沢山迷惑をかけました。沢山困らせました。ごめんなさい。
もう、迷惑をかける事も、困らせる事もできません。
兵長。寂しいです…。本音を言えば…もっとあなたと居たかった。いつか、巨人のいない世界をあなたと見てみたかった。もう…叶わないですね。
兵長。私と出会ってくれてありがとうございました。
あなたと出会えたことは、私の短い人生の中での、1番の幸せです。
本当に、ありがとうございました。
兵長…。最後に、想いを伝えられたので、もう…悔いはありません。
悲しい顔をしないで下さい。私は幸せでした…。
リヴァイ「……行っちまったか…。」
寂しくなってしまった部屋で、さっきまで抱きしめていた感触を確認する。
リヴァイ「………。ペトラ、ありがとな。」
柄にもなく、一人で笑ってみる。
リヴァイ「…チッ…。いつまでもしけたツラしてちゃあ、ペトラに怒られちまうからな…。」
俺はふっと息を吐き、部屋を後にした…。
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