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第一章 箱庭の住人
依乃姉妹①
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二階を後にして、星寧と並んで階段を上がっている最中。
「三階は、依乃姉妹と曙さんの部屋です。そのほかの余っている部屋は曙さんが研究に使ってるみたい――」
「あれ、五人?」
星寧の言葉の途中だったけれど、浮かんだ疑問が思わず口を吐く。
自然と足も止まっていた。
「ここに住んでるのって四人じゃないの?」
確か、雇用主側から事前に受けていた説明では四人だったはず。
けれど、これまでの星寧の会話で出てきたのは、曙さん、音霧遊さん、そして、依乃姉妹。
星寧自身を加えると、五人だ。
「あ、ああ……そう訊いてたのですか」
僕が立ち止まったのに気付き、星寧も数歩先で足を止めた。
そして、長い黒髪を翻しながら振り返った星寧が苦い顔でそう口にした。
その声は少し震えている。
彼女の雰囲気が少し変わったのを察知して、僕は不安になる。
「えっと、訊いちゃまずかった?」
僕はおずおずと星寧に確認してみると……。
彼女はゆっくりと首を振って、無理に笑顔を作った。
「……いえ。依乃さん……摩耶ちゃんに会えばすぐにわかることですから」
そう言った後、彼女は真剣な眼差しで僕を見上げた。
「あの、五十嵐さん。今から摩耶ちゃんに会っていただけますか?」
「もちろん。会うよ」
「ありがとうございます」
僕の返事に彼女は丁寧にお礼を言って一度頭を下げる。
そして顔を上げた後も、星寧は真剣さは保ったまま言葉を続けた。
「それで、会う前に一つだけ心に留めておいて欲しいことがあります」
「……何?」
僕の問いかけを受けて、星寧は一呼吸分の間をあける。
それから、大き目な胸の前で祈るように両手を組んで。
意を決したように口を開いた。
「詩子ちゃんを……詩子ちゃんを人間扱いしてあげてください」
「三階は、依乃姉妹と曙さんの部屋です。そのほかの余っている部屋は曙さんが研究に使ってるみたい――」
「あれ、五人?」
星寧の言葉の途中だったけれど、浮かんだ疑問が思わず口を吐く。
自然と足も止まっていた。
「ここに住んでるのって四人じゃないの?」
確か、雇用主側から事前に受けていた説明では四人だったはず。
けれど、これまでの星寧の会話で出てきたのは、曙さん、音霧遊さん、そして、依乃姉妹。
星寧自身を加えると、五人だ。
「あ、ああ……そう訊いてたのですか」
僕が立ち止まったのに気付き、星寧も数歩先で足を止めた。
そして、長い黒髪を翻しながら振り返った星寧が苦い顔でそう口にした。
その声は少し震えている。
彼女の雰囲気が少し変わったのを察知して、僕は不安になる。
「えっと、訊いちゃまずかった?」
僕はおずおずと星寧に確認してみると……。
彼女はゆっくりと首を振って、無理に笑顔を作った。
「……いえ。依乃さん……摩耶ちゃんに会えばすぐにわかることですから」
そう言った後、彼女は真剣な眼差しで僕を見上げた。
「あの、五十嵐さん。今から摩耶ちゃんに会っていただけますか?」
「もちろん。会うよ」
「ありがとうございます」
僕の返事に彼女は丁寧にお礼を言って一度頭を下げる。
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「それで、会う前に一つだけ心に留めておいて欲しいことがあります」
「……何?」
僕の問いかけを受けて、星寧は一呼吸分の間をあける。
それから、大き目な胸の前で祈るように両手を組んで。
意を決したように口を開いた。
「詩子ちゃんを……詩子ちゃんを人間扱いしてあげてください」
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