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わたしのラーメンの作り方
しおりを挟むわたしはラーメンが好きだ。
特に、夜中に食べるインスタントラーメンが好きだ。
──二十四時十三分
こんな時間に食べるのは良くないよなとか、あーだこーだ考えながらも小鍋を取り出し、インスタントラーメンが常備されている戸棚を開けた。
あーだこーだ考えながらも、一度食べたいと思ったら、もう我慢は出来ない。
戸棚の中に置いてあるカゴの中には、しょうゆ、塩、みそ味のインスタントラーメンの袋が雑然に入れられていた。だいたいこの三つの味は常備していて、たまに違う味やカップラーメンも放り込まれている。
わたしは、カゴの中を数十秒ほど吟味したあと、「(今日は、みそ味かな)」と心の中で呟くと、みそ味のインスタントラーメンを一袋取り出した。
出しておいた小鍋に、水を五百ミリリットルきちんと測って注ぎ、ガスコンロに火をつける。以前は水を適当に入れていたが、味が薄かったり濃かったりで、結局は袋に書いてある通りに、きちんと測るのが一番良いことだと最近気付いた。
ただし、きちんと袋の通りにするのはここまで。
まだ沸騰していない鍋に、麺とスープの素を入れる。
インスタントラーメンの袋には、沸騰してから麺を……最後にスープの素を……とか書いてあるが、わたしは最初に全部入れてしまう。
意味はない。しいて言えば、沸騰するのを待ってから入れるのが面倒くさいから。
それに、全て入れてしまえば後は、スマホを眺めて待っていればいい。楽だ。
そんなわけで鍋のフタもしない、これも意味はない。しいて言えば、使わなければ洗わなくて済むから。
スマホでSNSをチェックしながら、「えっ! この人死んじゃったの?」や、「この人結婚したんだー」とか、世の中の流れを追っていると、コポコポと鍋が沸騰し始めた。
スマホを閉まって、鍋を見る。
「(うーん、みその良い匂い)」
麺を箸で軽くほぐす、まだ少し固そうだ。いつもならここでにんにくチューブを二、三センチぐらい入れて、生卵を落とし入れ、少し煮て終わりだけど、今日は違う。
数日前に買って、冷凍庫で出番を待っているホウレン草を入れようと思う。
ラーメンにホウレン草って、いいよね。わたしは好きだ。
冷凍庫から出した凍って固まったホウレン草を、袋の上から手で軽くほぐして、鍋に投入する。
パッパッバラ
あ、入れ過ぎた……ま、いっか。ホウレン草美味しいし。
ホウレン草を入れたので、また沸騰するのを待つ。すぐ沸騰してきた。
ここに、いつものにんにくチューブと卵を入れる。
卵はそのままか、かきたまにするかは、その日の気分次第。
今日は、のままにしよう。
卵の白身が透明から白くなったら、完成。
洗い物が面倒くさかった二十代前半のわたしなら鍋のまま食べちゃうけど、さすがにアラサーのわたしはキチンと器に移す。
別に意味はない。しいて言えば、なんかちゃんとしてる感が出るから?
器に移して、冷蔵庫から出したバターを入れる。バターって言ったけど、あいにく
うちにはバター入りマーガリンしかないからこれで。
小鍋を流しに置いて、水に付けておく。
洗い物は後でまとめてやろう。
ラーメンが入った器と箸を持って、居間に移動する。
さて、器に移したときに底に沈んで見えなくなった卵とか、入れ過ぎたホウレン草
のせいで、なんか器の中がミドリパラダイスになってしまったりしたけど、わたししか食べないんだから気にしない。
「いただきます」
ふう、ふう、ふぅー
ズッズッズッズゾゾ
ゴクンッ
「……はぁ、おいしー」
応援ありがとうございます!
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