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ショートストーリー
初日 2
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ササー サワサワ…
風が気持ちいい。
樹木の数々でトンネルになっている道をみっくんと2人で歩く。
「ここ歩くの久しぶりだね灯花」
「そういえばそうだね」
「確か灯花がここでお化けを見た~って泣いてからここ通らないようにしてたんだよ」
「うわっ懐かしいね!ハハハ…流石に明るい時には出ないでしょ…?」
「多分ね。あっ入り江が見えてきたよ」
そこの景色はとても神秘的だった。
真っ青な海と岩に打ちつける白立った波が太陽の光できらきらと輝いている。
透明度が高い海水は覗けば、5メートルもある海の底がすぐに見えることだろう。
よし、海に入ろう。Tシャツの下に水着を着てあるからね!
「ちょっと灯花!?俺の前だよ!?」
「うんみっくんの前だね」
「ーーっ……コレは役得なのか、意識されてないのか…」
「?」
「ここは誰もいない入り江だけど!せめて俺のラッシュガード羽織って!!」
「?別に日焼け止め塗ってるから良く無い?」
「と、に、か、く!着て!!」
「?うんわかった」
みっくんがラッシュガード脱ぐと、細マッチョな体があらわになる。
やっぱりみっくんの筋肉いいなぁ。私筋トレしても筋力は上がる癖に、目に見えて筋肉つかない体質だからなぁ。
「あの…?灯花?そんなに見られると恥ずかしいんだけど…」
「聞いてないなコレは…」
みっくんが着ていたラッシュガードは白色で、少し丈が長い物だったせいか、私には少し大きかった。
「着たよ?コレでいい?」
「うんかぁわいい」
またみっくんがお世辞を言う。私が芋女なのは私が1番理解しているつもりなのでコレはスルーする。
「じゃ魚取り始めますか!」
ザプン
目の前にお魚が可愛らしくチラチラ泳いでいる。
でも私が狙うのは大物の魚だ。
いた
ザシュッ
「プハッ、みっくんとった!バケツちょーだい!」
「はいはい今行く」
…
「鈴白さん達!お帰り」
「もうそろそろ肉焼き始めるぞ…って魚、取り過ぎじゃね?」
「うわぁ!鯛に鯵に鮃にイカ!それぞれ3匹以上いる…」
「食べきれるの?」
「全然ヨユー」
「じゃあまずはこのステーキ肉から焼き始めるよ」
ジュゥゥゥ パチパチ
フワッと炭火の香りがする焼き網に、視覚の暴力とも言える大きな牛肉が乗っている。
みっくんは料理上手だからなぁ。ヒジョーに楽しみである!
お肉をみっくんがひっくり返す。メイラード反応で、より香ばしくなったステーキの香りが私の鼻腔をくすぐる。
「お腹が空いて力が出ない~」
「某アニメのカバの子供じゃねぇんだから」
「みんな!ステーキ焼けたよ!ソースは、醤油ベースのガーリックソースとポン酢ベースのソースを作ったからそれぞれお好みでどーぞ」
「やった!いっただきまーす♪」
ジュワ
「うーーーま!」
「それはよかった」
口の中に肉汁が溢れている…!噛めば噛むほど溢れる肉汁に私は溺れてしまいそうだ!
極めつけはこのソースだ!醤油ベースの方はとてもニンニクが効いていてパンチがある定番のソースだ!
対してこのポン酢ベースのソースは肉の少しこってりとした油をうまくポン酢の酸味が調和している!“美味い”それしか無い!きっと素材そのものも美味しいんだろうけど、そのポテンシャルを可能な限り上げているのがみっくんの腕の良さだな!
「次魚焼くね~!」
…
「うーん!食べた食べた!」
「鈴白俺の3倍以上食ってたな…」
「だって明日もたくさん運動するし、みっくんのご飯は美味しいからね!」
「ほらお前ら明日も早いんだから早よ寝ろ!」
「は~い!」
「みんなおやすみ!」
「おやすみ灯花」
「俺らは隣の棟だから!」
「ねぇこっそりUNOでもしない?」
「いいね! じゃあ鈴白さんおやすみ」
「おやすみ」
…
何ここ?真っ暗な、洞窟?
人が!倒れている…
「だいじょぶ!?ねえ!?ねぇ!?」
「お…前、は逃げろ」
ハァッハァッハァッ
「夢?何だかとても現実的で…」
とても怖かった事は覚えているのに何の夢だったか全く思い出せない…
「1人で寝られそうにない…」
みっくんまだ起きてるかな…
自分の枕を持ってドアを開ける
左隣りがみっくんの部屋だ。
トントントン
「はーい?…って灯花!?どうしたの!?」
「実はね、悪夢を見ちゃって。寝れなくなっちゃったの」
「と、とりあえずな、中入る?」
「どうしたのみっくん?悪夢見た私より片言じゃん」
「そりゃあ…夜中に突然来るもんですから」
「ごめんね」
「いいの。俺に頼ってくれただけでもね」
「いつものホットミルク飲む?」
「うんお願い」
みっくんが作るホットミルクは他の人が作ったミルクよりもいつも美味しい。
多分はちみつだけでは無いんじゃないかな。
飲ん、だら急に眠く、なってきら…
…
「あれ?灯花俺の布団で寝てる…無防備だなぁ……この距離感は俺だけであって欲しいんだけどなぁ…俺はソファ…だな!平常心、平常心。」
「…」
「おやすみ灯花」
「おでこにキスくらい…このくらいなら許して欲しいな?」
風が気持ちいい。
樹木の数々でトンネルになっている道をみっくんと2人で歩く。
「ここ歩くの久しぶりだね灯花」
「そういえばそうだね」
「確か灯花がここでお化けを見た~って泣いてからここ通らないようにしてたんだよ」
「うわっ懐かしいね!ハハハ…流石に明るい時には出ないでしょ…?」
「多分ね。あっ入り江が見えてきたよ」
そこの景色はとても神秘的だった。
真っ青な海と岩に打ちつける白立った波が太陽の光できらきらと輝いている。
透明度が高い海水は覗けば、5メートルもある海の底がすぐに見えることだろう。
よし、海に入ろう。Tシャツの下に水着を着てあるからね!
「ちょっと灯花!?俺の前だよ!?」
「うんみっくんの前だね」
「ーーっ……コレは役得なのか、意識されてないのか…」
「?」
「ここは誰もいない入り江だけど!せめて俺のラッシュガード羽織って!!」
「?別に日焼け止め塗ってるから良く無い?」
「と、に、か、く!着て!!」
「?うんわかった」
みっくんがラッシュガード脱ぐと、細マッチョな体があらわになる。
やっぱりみっくんの筋肉いいなぁ。私筋トレしても筋力は上がる癖に、目に見えて筋肉つかない体質だからなぁ。
「あの…?灯花?そんなに見られると恥ずかしいんだけど…」
「聞いてないなコレは…」
みっくんが着ていたラッシュガードは白色で、少し丈が長い物だったせいか、私には少し大きかった。
「着たよ?コレでいい?」
「うんかぁわいい」
またみっくんがお世辞を言う。私が芋女なのは私が1番理解しているつもりなのでコレはスルーする。
「じゃ魚取り始めますか!」
ザプン
目の前にお魚が可愛らしくチラチラ泳いでいる。
でも私が狙うのは大物の魚だ。
いた
ザシュッ
「プハッ、みっくんとった!バケツちょーだい!」
「はいはい今行く」
…
「鈴白さん達!お帰り」
「もうそろそろ肉焼き始めるぞ…って魚、取り過ぎじゃね?」
「うわぁ!鯛に鯵に鮃にイカ!それぞれ3匹以上いる…」
「食べきれるの?」
「全然ヨユー」
「じゃあまずはこのステーキ肉から焼き始めるよ」
ジュゥゥゥ パチパチ
フワッと炭火の香りがする焼き網に、視覚の暴力とも言える大きな牛肉が乗っている。
みっくんは料理上手だからなぁ。ヒジョーに楽しみである!
お肉をみっくんがひっくり返す。メイラード反応で、より香ばしくなったステーキの香りが私の鼻腔をくすぐる。
「お腹が空いて力が出ない~」
「某アニメのカバの子供じゃねぇんだから」
「みんな!ステーキ焼けたよ!ソースは、醤油ベースのガーリックソースとポン酢ベースのソースを作ったからそれぞれお好みでどーぞ」
「やった!いっただきまーす♪」
ジュワ
「うーーーま!」
「それはよかった」
口の中に肉汁が溢れている…!噛めば噛むほど溢れる肉汁に私は溺れてしまいそうだ!
極めつけはこのソースだ!醤油ベースの方はとてもニンニクが効いていてパンチがある定番のソースだ!
対してこのポン酢ベースのソースは肉の少しこってりとした油をうまくポン酢の酸味が調和している!“美味い”それしか無い!きっと素材そのものも美味しいんだろうけど、そのポテンシャルを可能な限り上げているのがみっくんの腕の良さだな!
「次魚焼くね~!」
…
「うーん!食べた食べた!」
「鈴白俺の3倍以上食ってたな…」
「だって明日もたくさん運動するし、みっくんのご飯は美味しいからね!」
「ほらお前ら明日も早いんだから早よ寝ろ!」
「は~い!」
「みんなおやすみ!」
「おやすみ灯花」
「俺らは隣の棟だから!」
「ねぇこっそりUNOでもしない?」
「いいね! じゃあ鈴白さんおやすみ」
「おやすみ」
…
何ここ?真っ暗な、洞窟?
人が!倒れている…
「だいじょぶ!?ねえ!?ねぇ!?」
「お…前、は逃げろ」
ハァッハァッハァッ
「夢?何だかとても現実的で…」
とても怖かった事は覚えているのに何の夢だったか全く思い出せない…
「1人で寝られそうにない…」
みっくんまだ起きてるかな…
自分の枕を持ってドアを開ける
左隣りがみっくんの部屋だ。
トントントン
「はーい?…って灯花!?どうしたの!?」
「実はね、悪夢を見ちゃって。寝れなくなっちゃったの」
「と、とりあえずな、中入る?」
「どうしたのみっくん?悪夢見た私より片言じゃん」
「そりゃあ…夜中に突然来るもんですから」
「ごめんね」
「いいの。俺に頼ってくれただけでもね」
「いつものホットミルク飲む?」
「うんお願い」
みっくんが作るホットミルクは他の人が作ったミルクよりもいつも美味しい。
多分はちみつだけでは無いんじゃないかな。
飲ん、だら急に眠く、なってきら…
…
「あれ?灯花俺の布団で寝てる…無防備だなぁ……この距離感は俺だけであって欲しいんだけどなぁ…俺はソファ…だな!平常心、平常心。」
「…」
「おやすみ灯花」
「おでこにキスくらい…このくらいなら許して欲しいな?」
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ロイの説明が大変そうですねwww
感想ありがとうございました♪
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感想ありがとうございました♪