1 / 1
はらぺこ宇宙怪獣
しおりを挟む
ある日、怪獣が現れたと小学校のクラスメート達から聞いた正太くんは、怪獣が出現したという森にやって来ていた。けれど、それはクラスメート達が少年を揶揄う為についた真っ赤な嘘だった。普段から怪獣の話ばかりしている怪獣愛好家で、クラスメート達からいつも馬鹿にされ、時には虐められている正太くんだが、それでも彼は怪獣を心から愛し、怪獣の存在を頑なに信じていたのだ…。
正太くんは森の中を歩いていると、2つの洞穴を見つけた。
「どっちへ行こう…よぉし、こっちだ!」正太くんは右の洞穴へと入っていく。
懐中電灯を照らして、正太くんは奥へと進んでいく。すると、少年は何やら動く小さな物体を発見した。
「あれはなんだろう…?」正太くんは近づいて見てみると、実に奇妙な生物だった。体形は球のように真ん丸く、皮膚は薄紫色で、イルカやシャチのようにツルツルとしている。大きさは野球ボールくらいだろう。愛くるしいつぶらな2つの目をキョロキョロと動かしている。それは、遠い銀河の果てから地球にやって来た宇宙怪獣だった。
正太くんはスマホを取り出し、怪獣を撮影しながら観察する。
怪獣は正太くんを見ると、小さな牙が立ち並んだ口をパクパクさせた。
「お腹が空いているのかな?」
正太くんは、持っていたチョコレートを一かけら食べさせる。怪獣は、もっと欲しいと言わんばかりにチョコを強請った。
正太くんがチョコを差し出すと、怪獣は持っていたチョコを丸ごと全部ペロリとたいらげてしまった。
「食いしん坊な怪獣だなぁ」と、正太くんが思ったその途端、怪獣の身体は徐々に膨張し、直径75㎝の大きさにまで急成長した。すると、宇宙怪獣はごろごろと転がり外へ飛び出す。正太くんは怪獣の後を追いかける。怪獣はまだ食べたりないのか、草をむしゃむしゃと食べ始める。食欲旺盛な怪獣の食べた後は、草刈り機で刈ったように雑草一本も残らなかった。
怪獣は大木の幹に噛付いた。幹は鋭い歯で削られていき、倒れそうになると、怪獣はガッと大きな口で咥え込んで頬張り、シュレッダーのように大木をバリバリと食べていく。
「すごいすごい!もっと食べろ!もっと食べろ!」見ていて面白くなった正太くんは興奮し、ライブ配信を始めた。森の木を次々と食べていく怪獣は、食べれば食べるほど、みるみるうちに巨大化していき、全長は300mにまで成長した。
市民からの通報を受けてやって来た警官隊は、その未知なる異様な怪物に驚嘆し、直ちに自衛隊に救援を要請する。
知らせを受け、戦車隊と戦闘機隊が宇宙怪獣を迎え撃つ。
「砲撃ぃ!開始!!」号令と共に、戦車隊が怪獣目掛けて一斉に砲弾を放った。空からは戦闘機隊が編隊を組み、ミサイルで攻撃する。だが、巨大化した怪獣にとっては蚊に刺された程度にしか感じない。
「いいぞいいぞ!戦車なんか蹴散らしちゃえ‼」正太くんは叫んだ。
怪獣は口をグワッと開き、戦車と戦闘機をブラックホールのごとく吸引し始める。
「退避ぃ!!退避しろぉ‼」だが時すでに遅く、戦車隊と戦闘機隊は為す術もなく、一台も残らず吸い込まれて全滅した。
「すごぉい‼」正太くんは大喜び。ライブ配信映像は瞬く間に世界中の話題となった。
戦車と戦闘機を食べてさらに巨大になった怪獣は、何事もなかったかのように森を食べつくすと、今度は山を食べ始める。
数時間後、怪獣が一眠りしていると、上空から1機の飛行機が飛んでくる。
「なんだあれ…?」正太くんが眺めていると、飛行機から何かが落ちてきた。それは核爆弾だった。正太くんのライブ配信を見た某国が、自国に怪獣が上陸する事を恐れて、禁じられた決断を下したのだ。
投下された核爆弾は、怪獣の頭上に落下していった。だが、怪獣は気配を察知し、落ちてきた核爆弾を飲み込んだ。飲み込まれた爆弾は体内で核爆発し、そのショックで怪獣は上空に勢いよく舞い上がった。どんどんと空に昇って大気圏を抜け、宇宙に飛び出した怪獣は、吸収した核エネルギーの影響で身体がさらに膨張し、ついには地球よりもはるかに巨大な姿に変貌した。その途方もない大きさは、地球からも見ることができた。
「大怪獣の誕生だ‼バンザーイ‼宇宙怪獣バンザーイ‼」大はしゃぎする正太くん。だがそんな事を余所に、怪獣は地球を見るな否や、超巨大な口を大きく開けて、地球をぱくりと頬張る。飲み込まれた地球は、怪獣の体内で跡形もなく消化された。
そこへ、1隻の宇宙船がやって来る。宇宙船には異星人が二人乗っていた。
「成功したな」一人の異星人がもう一人にそう言った。「これで危険生物のいる惑星がまた一つ処分できたわけだ」
「しかし、自分たちの武器によって母星を失う結果を招くとは、なんとも皮肉な話だ」
2人の異星人が話していると、宇宙船に通信が送られてきた。それは怪獣からのテレパシーだ。異星人は怪獣のテレパシーを解読する。
「『おなかが空いた』と言っている」
「あれだけ食べたのにまだ空腹なのか…。我が星の科学者たちもとんだ食いしん坊を作ったものだ…」
異星人たちは次なる危険生物のいる惑星を求めて、宇宙怪獣を連れて銀河の彼方へと飛んで行った。
正太くんは森の中を歩いていると、2つの洞穴を見つけた。
「どっちへ行こう…よぉし、こっちだ!」正太くんは右の洞穴へと入っていく。
懐中電灯を照らして、正太くんは奥へと進んでいく。すると、少年は何やら動く小さな物体を発見した。
「あれはなんだろう…?」正太くんは近づいて見てみると、実に奇妙な生物だった。体形は球のように真ん丸く、皮膚は薄紫色で、イルカやシャチのようにツルツルとしている。大きさは野球ボールくらいだろう。愛くるしいつぶらな2つの目をキョロキョロと動かしている。それは、遠い銀河の果てから地球にやって来た宇宙怪獣だった。
正太くんはスマホを取り出し、怪獣を撮影しながら観察する。
怪獣は正太くんを見ると、小さな牙が立ち並んだ口をパクパクさせた。
「お腹が空いているのかな?」
正太くんは、持っていたチョコレートを一かけら食べさせる。怪獣は、もっと欲しいと言わんばかりにチョコを強請った。
正太くんがチョコを差し出すと、怪獣は持っていたチョコを丸ごと全部ペロリとたいらげてしまった。
「食いしん坊な怪獣だなぁ」と、正太くんが思ったその途端、怪獣の身体は徐々に膨張し、直径75㎝の大きさにまで急成長した。すると、宇宙怪獣はごろごろと転がり外へ飛び出す。正太くんは怪獣の後を追いかける。怪獣はまだ食べたりないのか、草をむしゃむしゃと食べ始める。食欲旺盛な怪獣の食べた後は、草刈り機で刈ったように雑草一本も残らなかった。
怪獣は大木の幹に噛付いた。幹は鋭い歯で削られていき、倒れそうになると、怪獣はガッと大きな口で咥え込んで頬張り、シュレッダーのように大木をバリバリと食べていく。
「すごいすごい!もっと食べろ!もっと食べろ!」見ていて面白くなった正太くんは興奮し、ライブ配信を始めた。森の木を次々と食べていく怪獣は、食べれば食べるほど、みるみるうちに巨大化していき、全長は300mにまで成長した。
市民からの通報を受けてやって来た警官隊は、その未知なる異様な怪物に驚嘆し、直ちに自衛隊に救援を要請する。
知らせを受け、戦車隊と戦闘機隊が宇宙怪獣を迎え撃つ。
「砲撃ぃ!開始!!」号令と共に、戦車隊が怪獣目掛けて一斉に砲弾を放った。空からは戦闘機隊が編隊を組み、ミサイルで攻撃する。だが、巨大化した怪獣にとっては蚊に刺された程度にしか感じない。
「いいぞいいぞ!戦車なんか蹴散らしちゃえ‼」正太くんは叫んだ。
怪獣は口をグワッと開き、戦車と戦闘機をブラックホールのごとく吸引し始める。
「退避ぃ!!退避しろぉ‼」だが時すでに遅く、戦車隊と戦闘機隊は為す術もなく、一台も残らず吸い込まれて全滅した。
「すごぉい‼」正太くんは大喜び。ライブ配信映像は瞬く間に世界中の話題となった。
戦車と戦闘機を食べてさらに巨大になった怪獣は、何事もなかったかのように森を食べつくすと、今度は山を食べ始める。
数時間後、怪獣が一眠りしていると、上空から1機の飛行機が飛んでくる。
「なんだあれ…?」正太くんが眺めていると、飛行機から何かが落ちてきた。それは核爆弾だった。正太くんのライブ配信を見た某国が、自国に怪獣が上陸する事を恐れて、禁じられた決断を下したのだ。
投下された核爆弾は、怪獣の頭上に落下していった。だが、怪獣は気配を察知し、落ちてきた核爆弾を飲み込んだ。飲み込まれた爆弾は体内で核爆発し、そのショックで怪獣は上空に勢いよく舞い上がった。どんどんと空に昇って大気圏を抜け、宇宙に飛び出した怪獣は、吸収した核エネルギーの影響で身体がさらに膨張し、ついには地球よりもはるかに巨大な姿に変貌した。その途方もない大きさは、地球からも見ることができた。
「大怪獣の誕生だ‼バンザーイ‼宇宙怪獣バンザーイ‼」大はしゃぎする正太くん。だがそんな事を余所に、怪獣は地球を見るな否や、超巨大な口を大きく開けて、地球をぱくりと頬張る。飲み込まれた地球は、怪獣の体内で跡形もなく消化された。
そこへ、1隻の宇宙船がやって来る。宇宙船には異星人が二人乗っていた。
「成功したな」一人の異星人がもう一人にそう言った。「これで危険生物のいる惑星がまた一つ処分できたわけだ」
「しかし、自分たちの武器によって母星を失う結果を招くとは、なんとも皮肉な話だ」
2人の異星人が話していると、宇宙船に通信が送られてきた。それは怪獣からのテレパシーだ。異星人は怪獣のテレパシーを解読する。
「『おなかが空いた』と言っている」
「あれだけ食べたのにまだ空腹なのか…。我が星の科学者たちもとんだ食いしん坊を作ったものだ…」
異星人たちは次なる危険生物のいる惑星を求めて、宇宙怪獣を連れて銀河の彼方へと飛んで行った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる