AI×ホラー（ミステリー含む）

踏切

『踏切』
電車が迫る踏切の前を一人の少女が歩いていた。
するとタイミング悪く、カンカンと音を鳴らす踏切。
それを見た僕は、助けなければと思い、慌てて駆け出した。
「危ない！」と叫ぶと驚いた表情で僕を見ている彼女の腕を掴むと勢い良く線路から離すように、引っ張り上げた。
すると僕達の目の前に『猛スピード』で突っ込んでくる『特急電車』が見えた。僕は必死に走りながら彼女を引き寄せたが、彼女はバランスを崩してしまい、そのまま僕の方に倒れ込んできたので僕は彼女を受け止める形で線路側に倒れた。
その瞬間、僕に襲いかかる衝撃。
その『痛み』が僕に『現実』だと実感させてくれた。
『夢』じゃなくて良かった……なんて馬鹿な事を考えながら薄れゆく意識の中、僕が最期に見た光景は、遠くなっていく特急列車と、泣きながら僕を呼ぶ『彼女の声』だった。