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『僕』
僕はその『古びた絵本』を読んだ瞬間恐怖で体が震えてしまった。だってそこには、僕にとても似た人物が書かれていたのだから。僕は怖くなった。
『自分がその主人公ではないか?』と不安で仕方なかった。だって『僕』はその『生贄の少年』に選ばれた『男の子』だったのだ。
『恐怖』で動けないでいると『祖父』は心配そうに「大丈夫か?」と声を掛けてくれるが、僕は返事を返す事が出来なかった。だってその時の僕は
『パニック』
を起こしていたから。僕はどうにか『恐怖』から逃れようと必死に考えていた。
どうすれば良いのか。一体『どうしたら』逃げられるのかと。
そんな時に僕は気が付いた。『あの方法』を使えば、もしかすると……
「じいじ……」
そう言いながら僕は『泣きながら』にっこりと笑い
「ぼく、この本が大好き!」
と言った。
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